北海道檜山郡上ノ国町:自然と歴史が織りなす静かな港町

北海道の南西部、檜山振興局管内の最南端に位置する上ノ国町は、日本海に面した農漁業の町です。雄大な自然と歴史的遺産、そして温かい人情が魅力の、静かで穏やかな町です。

自然豊かな上ノ国町の魅力

上ノ国町は、渡島半島の南西部、松前半島の付け根部分を占める、豊かな自然に恵まれた町です。西は日本海に面し、北には檜山振興局所在地の江差町が隣接しています。東と南は、大千軒岳をはじめとする松前半島の山々によって、渡島総合振興局管内の各町と隔てられています。

雄大な山々

町内には、大千軒岳、七ツ岳、尖岳、瓜谷山、八幡岳、夷王山など、数々の山々がそびえ立っています。特に、夷王山からは日本海と上ノ国市街を一望できる絶景が楽しめます。

穏やかな天の川

木古内町との境にある尖岳に源を発する天の川は、町の中心を流れ、北西に進んで日本海に注ぎます。天の川沿いは、農業が盛んで、集落が点在しています。

豊かな海

日本海に面した上ノ国町は、豊かな漁場を有しており、スケトウダラ、ホッケ、スルメイカなどの魚介類が水揚げされます。近年では、アワビやウニなどの海面養殖も盛んです。

歴史と文化が息づく上ノ国町

上ノ国町は、北海道で最も早い時期に和人が定住した地の一つとされ、長い歴史と文化を育んできました。

蝦夷地支配の拠点として

鎌倉時代以降、蝦夷地は安東氏の管轄となりましたが、15世紀初頭、渡島半島各地に砦が築かれ、この地は「上之国」と呼ばれるようになりました。このころの上ノ国は、松前や箱館とともに蝦夷地を代表する港であり、花沢館などの砦が建設され、蝦夷地支配の拠点として栄えました。

蠣崎氏の拠点

1456年、コシャマイン率いるアイヌ人の蜂起が起こりますが、花沢館主・蠣崎季繁の客将であった武田信広が指揮する軍がこれを平定します。信広はこれを機に蠣崎家を継ぎ、花沢館の近傍に勝山館、洲崎館を築き、上ノ国は蠣崎氏による蝦夷地支配の拠点となりました。

江差への移行

江戸時代に入り、1678年に江差に檜山番所が作られると、上ノ国の拠点機能は江差に移り、役割は次第に小さくなっていきました。

現代の上ノ国町

現代の上ノ国町は、自然と歴史が調和した静かな港町として、多くの観光客を魅了しています。

上ノ国町の観光スポット

歴史と自然に触れる

  • 上之国館跡: 1454年に武田信広が築いた花沢館をはじめ、洲崎館、勝山館など、道南十二館の一つとして歴史を感じることができます。
  • 夷王山: 山頂からは日本海と上ノ国市街を一望できる絶景が楽しめます。
  • 天の川ふれあい広場: 天の川沿いに整備された公園で、自然を満喫できます。
  • 砂館神社: 洲崎館跡にある神社で、歴史を感じることができます。
  • 上ノ國八幡宮: 伝統的な社殿が美しい神社です。
  • 上国寺: 北海道最古と伝えられる古刹で、歴史を感じることができます。

温泉でリラックス

  • 湯ノ岱温泉: 国民保養温泉地として知られており、日々の疲れを癒すことができます。
  • 花沢温泉: 静かな山間に佇む温泉で、心身のリフレッシュができます。

その他

  • 天ノ川駅: JR江差線にあった、駅に似せた構造物です。
  • 旧中外鉱業株式会社上国鉱山: ペンシル型の焙焼炉が廃墟スポットとして人気です。
  • ワシリチャシ: アイヌ民族の遺跡です。

上ノ国町を訪れて

上ノ国町は、雄大な自然と歴史を感じ、ゆったりと過ごすことができる町です。静かな港町で、美味しい海の幸を味わったり、温泉でリラックスしたり、歴史に触れたり、様々な楽しみ方ができます。ぜひ一度訪れて、上ノ国町の魅力を体感してみてください。

上ノ国町についてのクイズ

上ノ国町はどのような地形に囲まれているか?

上ノ国町は、豊かな自然に恵まれた町であり、西は日本海に面し、北は江差町に隣接しています。東と南は大千軒岳をはじめとする松前半島の山々によって囲まれています。この地理的特徴により、上ノ国町は漁業と農業が盛んで、海と山の両方の恵みを享受できる場所として発展してきました。特に、日本海に面した温暖な気候は、魚介類の水揚げに寄与し、また山々の自然は観光資源としても重要です。夷王山などの雄大な山々からは、町全体を一望することができ,そこからの美しい景色は多くの観光客を魅了しています。

上ノ国町が歴史的に蝦夷地の支配拠点だった時代はいつ頃か?

上ノ国町は、鎌倉時代以降に安東氏の管轄となり、蝦夷地の支配拠点として発展しました。15世紀初頭には、渡島半島各地に砦が築かれ、この地は「上之国」と呼ばれるようになりました。当時、上ノ国は松前や箱館とともに蝦夷地を代表する港として栄え、多くの歴史的な遺産が築かれました。その中には花沢館をはじめとする砦があり、上ノ国は蝦夷地支配において重要な役割を果たしました。江戸時代に入ると、拠点機能は江差に移り、その後は次第に役割が小さくなっていきましたが、上ノ国の歴史は今も多くの観光名所として残されています。

上ノ国町にある温泉の名前はどれか?

上ノ国町には、国民保養温泉地として知られる湯ノ岱温泉があります。この温泉は、日々の疲れを癒すための最適な場所です。静かな自然に囲まれた湯ノ岱温泉は、訪れる人々にリフレッシュの機会を提供しており、温泉に入ることで心身ともにリラックスできる環境が整っています。また、花沢温泉も同様に静かな山間に位置し、自然の景色を楽しみながら入浴できる場所として人気です。北海道ならではの美しい自然環境が温泉体験をより一層特別なものにしています。