雄大な自然と豊かな歴史、そして活気あふれる街並みが調和する、北海道紋別郡遠軽町。
上川地方との境にそびえる北大雪山系の東麓から湧別川が流れ、東西47km、南北46kmの広大な面積を誇る遠軽町は、オホーツク管内の中部に位置します。人口は、市部を除くオホーツク管内15町村の中で最も多く、北海道全体の町村の中でも6番目を誇ります。広大な面積は、市町村としては全国9位、道内5位、市を除く町村では全国3位にランクインするほどです。
遠軽町は、豊かな自然と歴史、そして人々の活気に満ちた町。雄大な自然に抱かれ、歴史と文化が息づく、魅力あふれる遠軽町の魅力を探ってみましょう。
自然と景観
遠軽町は、雄大な自然に囲まれた町です。北大雪山系の東麓から湧別川が流れ、河川沿いには農業や酪農に適した平地が広がっています。町域の大半を占める山林には、貴重な動植物が生息し、四季折々の美しい景色を楽しむことができます。
瞰望岩
遠軽町を代表する景勝地の一つが、瞰望岩(がんぼういわ)です。約700万年前の海底火山活動によって生まれた、高さ約78mの断崖絶壁です。頂上からは遠軽市街地を一望でき、その雄大な景観は多くの観光客を魅了しています。瞰望岩は、アイヌ語の「インカルシ(inkar-us-i)」(眺める・いつもする・所)に由来し、かつて見張りをしていた場所だったとされています。現在も、その歴史を感じることができる貴重な史跡です。
その他の自然
- 武利岳: オホーツク管内の最高峰。標高1,876m。
- 支湧別岳: 標高1,688m。
- 湧別川: 遠軽町を貫流する、豊かな水と自然に恵まれた川。
- 山彦の滝: 武利川上流にある、高さ28mの雄大な滝。
- 鹿鳴の滝: 山彦の滝近くに位置する、静寂の美しさをたたえた滝。
歴史と文化
遠軽町は、キリスト教の開拓によって発展した歴史を持つ町です。1897年、北海道同志教育会によって、現在の遠軽市街地周辺に「学田農場」が開設されました。キリスト教主義の私立大学設立を目指していた同会は、学田農場を拠点に開拓を進めましたが、冷害や大水害に見舞われ、大学建学は叶いませんでした。
しかし、入植者たちの努力によって、1902年には日本基督教会遠軽教会が設立され、遠軽町はキリスト教文化が根付く町として発展していきました。
白滝遺跡群
白滝地域は、旧石器時代から縄文時代にかけて、世界最大級の黒曜石産地として栄えていました。白滝遺跡群からは、当時の生活を垣間見ることができる貴重な石器や遺物が数多く出土しており、国の史跡に指定されています。
合気道ゆかりの地
遠軽町白滝地区は、合気道の創始者である植芝盛平が1912年から1919年まで入植し、武術の道に入ったゆかりの地でもあります。植芝盛平は、白滝地域の開拓に貢献しただけでなく、この地で合気道の修行を始め、後の合気道の発展に大きく貢献しました。
文化施設
- 遠軽町郷土館: 遠軽町の歴史と文化を伝える施設。
- オホーツク文学館: オホーツクを舞台とした文学作品を展示する施設。
- 丸瀬布昆虫生態館: 丸瀬布温泉の廃熱を利用した昆虫館。
産業と経済
遠軽町は、農業、林業、商業が盛んな町です。開拓期から続く農業は、酪農やハッカ栽培が盛んで、特にハッカ栽培は戦後にかけて大きな発展を遂げました。
近年では、木材加工業や観光業も発展しており、遠軽町は多様な産業を持つ町として発展を続けています。
主要産業
- 農業: 酪農、ハッカ栽培、麦、米、野菜、果樹など
- 林業: スギ、ヒノキ、カラマツなどの木材の伐採、製材
- 商業: 小売業、卸売業、サービス業など
- 観光業: 瞰望岩、白滝遺跡群、太陽の丘えんがる公園など
主要企業
- ヤマハミュージッククラフト北海道
- 王子木材緑化北海道支店遠軽営業所
- ベル食品遠軽工場
- ノルディックファーム
- イト電商事
金融機関
- 遠軽信用金庫
- 北洋銀行遠軽支店
- 北海道労働金庫遠軽出張所
交通アクセス
遠軽町は、交通の便も良好です。JR石北本線が町内を通っており、旭川方面や網走方面へのアクセスが便利です。また、道央圏とオホーツク海側を結ぶ主要ルートの一つである北見峠も町内に位置しており、自動車でのアクセスも容易です。
鉄道
- JR石北本線: 白滝駅、丸瀬布駅、瀬戸瀬駅、遠軽駅、安国駅、生田原駅
バス
- 北海道北見バス: 町内路線、湧別町・紋別市方面、旭川市・札幌市への都市間バス
- 遠軽町営バス: 町内路線
道路
- 旭川紋別自動車道: 奥白滝IC/白滝PA、白滝IC、丸瀬布IC、遠軽瀬戸瀬IC、遠軽IC
- 国道242号
- 国道333号
遠軽町で楽しむ
遠軽町では、雄大な自然を満喫できるレジャーや、歴史と文化に触れる観光を楽しむことができます。
おすすめの観光スポット
- 瞰望岩: 遠軽町を代表する景勝地。
- 白滝ジオパーク: 世界最大級の黒曜石産地。
- 太陽の丘えんがる公園: 広大な敷地内には、瞰望岩や町営見晴牧場などがあります。
- えんがるロックバレースキー場: 冬はスキーやスノーボードを楽しむことができます。
- 丸瀬布森林公園いこいの森: 北海道遺産指定の武利意森林鉄道蒸気機関車「雨宮21号」を動態保存しています。
- ちゃちゃワールド: 木製のおもちゃをテーマとする観光施設。
おすすめのイベント
- コスモスフェスタ: 太陽の丘えんがる公園で行われる、コスモスが咲き乱れるイベント。
- 湧別原野100kmクロスカントリースキー大会: 冬に行われる、壮大な自然の中を滑走するスキー大会。
まとめ
北海道遠軽町は、雄大な自然と豊かな歴史、そして人々の活気に満ちた町です。
- 自然: 瞰望岩や湧別川など、雄大な自然を満喫できます。
- 歴史: キリスト教文化、白滝遺跡群、合気道ゆかりの地など、歴史と文化に触れることができます。
- 産業: 農業、林業、商業など、多様な産業が発展しています。
- 観光: 自然、歴史、文化、レジャーなど、様々な楽しみ方ができます。
遠軽町を訪れて、その魅力を体感してみてください。
遠軽町についてのクイズ
遠軽町の面積は、日本の市町村の中で何位に位置していますか?
遠軽町は広大な面積を誇り、市町村としては全国で9位、道内で5位にランクインしています。また、市を除く町村では全国で3位に位置しています。これにより、遠軽町は北海道全体の町村の中でも、特に広い面積を持つ町としての評価を受けています。この広大な面積は、自然環境や産業活動にも多様性をもたらしており、遠軽町独自の魅力を形成しています。
瞰望岩は、どのようにして形成されましたか?
瞰望岩は、約700万年前の海底火山活動によって形成された断崖絶壁です。その高さは約78mで、際立った景勝地として多くの観光客を惹きつけています。この地は、アイヌ語で「インカルシ」と呼ばれ、見張りの場所としての歴史を持つ重要な地でもあります。瞰望岩の頂上からは、遠軽の街並みを一望でき、その景観は訪れる人々に感動を与えています。
遠軽町にある白滝遺跡群は何時代から何時代にかけて栄えていましたか?
白滝遺跡群は旧石器時代から縄文時代にかけて、世界最大級の黒曜石産地として重要な位置を占めていました。ここからは貴重な石器や遺物が数多く出土しており、当時の人々の生活の様子を知る手がかりとなります。白滝遺跡群は、その重要性から国の史跡に指定されており、歴史と文化についての理解を深めるための貴重な訪問地となっています。
遠軽町を代表する観光地の一つである瞰望岩はどこにありますか?
瞰望岩は遠軽市街地からアクセスできる場所に位置しています。遠軽町の象徴的な観光地であり、その断崖絶壁の頂上からは市街地全体を一望できる絶景が広がっています。訪れる観光客は、自然の雄大さと歴史的価値を感じることができ、多くがこの場所を目的に訪れます。瞰望岩は、遠軽町が誇る自然の美しさを体験するための重要なスポットです。