北海道厚沢部町:豊かな自然と歴史が息づく、コロッケで話題の町

雄大な自然と歴史が織りなす、北海道檜山郡厚沢部町。近年では、巨大コロッケでギネス世界記録を達成し、全国的に注目を集めています。この記事では、厚沢部町の魅力を、地理、歴史、文化、観光スポット、特産品など様々な角度から紹介します。

北海道の南西部に位置する、豊かな自然に恵まれた町

厚沢部町は、北海道南西部、檜山振興局の南東部に位置する、農林業を基幹産業とする町です。町名の由来はアイヌ語で、諸説ありますが、「アッ・サム(楡皮・のそば)」「ハチャム(桜鳥)」など、自然と密接に関わっていることがわかります。

山々に囲まれた、広大な自然

町域の約8割を山林が占め、太鼓山や二つ山などの山々に囲まれています。豊かな自然は、厚沢部川、安野呂川、鶉川、館川などの河川や湖沼を育み、多様な動植物が生息しています。特に、鶉川上流部には、天然記念物に指定されている「鶉川ゴヨウマツ自生北限地帯」があり、貴重な自然環境を有しています。

隣接する自治体との連携

厚沢部町は、北に八雲町・森町、南に上ノ国町・木古内町、西に乙部町・江差町、東に北斗市と隣接しています。周辺自治体との連携を強化し、地域全体の活性化を目指しています。

歴史と文化が息づく、魅力あふれる厚沢部町

厚沢部町の歴史は古く、松前藩の所領でした。江戸時代には、ヒバの伐採のために本州から杣夫が渡来し、農業を副業として定着しました。その後、厚沢部川流域の開墾が進められ、現在の町へと発展していきました。

戊辰戦争と館城跡

1869年(明治2年)、榎本武揚率いる旧幕府脱走軍が松前藩の居城、福山城を攻略したため、松前藩主らは築城途上の館城(現在の厚沢部町城丘)に避難しました。しかし、追撃してきた旧幕府軍の攻撃で落城し、藩主らは海路対岸の津軽半島に避難しました。この館城跡は、厚沢部町の歴史を物語る貴重な史跡として、現在も残っています。

伝統文化の継承

厚沢部町には、古くから伝わる伝統芸能が数多く存在します。鹿子舞は、その代表的なもので、地域ごとに様々な流派があります。安野呂鹿子舞、上俄虫鹿子舞、土橋鹿子舞、当路鹿子舞など、それぞれの地域で大切に受け継がれてきた伝統芸能は、厚沢部町の文化を象徴するものです。

自然と歴史が融合する、魅力的な観光スポット

厚沢部町には、雄大な自然と歴史を感じることができる、魅力的な観光スポットが数多く存在します。

自然を満喫できるスポット

  • 土橋自然観察教育林: 2002年(平成14年)に「日本の遊歩100選」に選ばれた、自然豊かな森林です。遊歩道が整備されており、散策や森林浴を楽しむことができます。
  • 太鼓山展望台: 太鼓山山頂にある展望台からは、厚沢部町を一望できます。雄大な自然のパノラマを眺めることができます。
  • 鶉川ゴヨウマツ自生北限地帯: 天然記念物に指定されている、貴重な五葉松の自生地です。

歴史と文化に触れるスポット

  • 松前氏城跡 館城跡: 戊辰戦争の際に松前藩主が避難した、歴史的な城跡です。当時の面影を偲ぶことができます。
  • 五葉松自生北限の地: 日本における五葉松の自生北限の地として、貴重な自然遺産です。

温泉でリラックス

  • うずら温泉: 国道227号から1.5kmの田園地帯にある温泉施設です。研修施設として研修室・宿泊施設・食事等が完備されており、日帰り入浴も可能です。
  • 館町いこいの家: 北海道道29号上磯厚沢部線沿い館町市街地から約1kmにある温泉施設です。地域住民の憩いの場として親しまれています。
  • 俄虫温泉: 北海道道67号八雲厚沢部線沿い厚沢部市街地から約1.2kmの所にある温泉施設です。日本庭園を配した露天風呂が自慢です。

巨大コロッケで話題沸騰!厚沢部町の特産品

厚沢部町は、近年では「巨大コロッケ」で話題となっています。毎年夏に行われる夏祭りのイベントで、商工会青年部が、直径1メートル以上のメークインコロッケを作り、多くの人々を楽しませています。2022年7月23日には、重量279kg、約1300人分のコロッケを作り、「最大のコロッケ」としてギネス世界記録に認定されました。

その他の特産品

  • メークイン: 厚沢部町はメークインの産地として有名です。
  • 光黒大豆: 黒豆の中でも特に品質の高い、光黒大豆が栽培されています。
  • 大根: 厚沢部町の大根は、甘みが強く、みずみずしいのが特徴です。

厚沢部町を訪れて

自然豊かで歴史深い厚沢部町は、都会の喧騒から離れて、ゆったりと過ごすことができる魅力的な町です。雄大な自然を満喫したり、歴史を感じたり、美味しい特産品を味わったり、様々な楽しみ方ができます。ぜひ、厚沢部町を訪れて、豊かな自然と文化に触れてみてください。

脚注

  1. 総務省統計局統計調査部国勢統計課『平成27年国勢調査小地域集計01北海道《年齢(5歳階級),男女別人口,総年齢及び平均年齢(外国人-特掲)-町丁・字等》』(CSV)(レポート)総務省、2017年1月27日。https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files/data?fileid=000007841019&rcount=1。2017年5月20日閲覧。※条町区分地の一部に0人の地域がある場合でも他の同一区分地で人口がある場合は除いた。
  2. “鶉 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月29日閲覧。
  3. 山腹に墜落 不明の自衛隊機発見『朝日新聞』昭和45年(1970年)5月15日朝刊、12版、22面
  4. “厚沢部コロッケ ギネス認定 重さ279キロ 1300人で完食” (北海道新聞社). 北海道新聞: p. 26. (2022年7月24日)

関連項目

  • はこだて観光圏

外部リンク

厚沢部町についてのクイズ

厚沢部町の町名の由来はどのような言葉があると言われているか?

厚沢部町の町名はアイヌ語由来で、いくつかの説がありますが、特に「アッ・サム(楡皮・のそば)」という説が有名です。この言葉は、厚沢部町がある地域の自然環境を反映しており、自然と密接に関わっていることを示しています。また、別の説では「ハチャム(桜鳥)」とも言われ、この地域が鳥類にとっても重要な場所であることが示唆されています。厚沢部町の地名には、豊かな自然が反映されており、町の特性や文化の根源を理解する上で重要な要素となっています。これらのアイヌ語の由来は、地域の特性を深く知るための手掛かりとなります。

厚沢部町がある北海道の南西部の振興局は何か?

厚沢部町は北海道南西部の檜山振興局に位置しています。この振興局は、北海道の地理的・文化的背景を反映した地域であり、主に農林業が基幹産業とされています。檜山振興局は、山々に囲まれた自然環境と、歴史的な背景が豊かであることから、観光資源も多様です。厚沢部町をはじめとする周辺地域は、自然と歴史が融合した魅力的な場所であり、訪れる人々に素晴らしい体験を提供しています。この振興局内での連携が地域活性化にも寄与しており、その重要性は高まっています。

厚沢部町で行われる巨大コロッケの直径は、約何メートルか?

厚沢部町で行われる「巨大コロッケ」は、毎年夏祭りのイベントの一環として製作されており、その直径は1メートル以上になります。また、2022年の夏祭りでは、重さ279kgのコロッケが作られ、1300人分の量としてギネス世界記録に認定されました。この巨大コロッケのイベントは町の特産品として非常に人気があり、多くの観光客を惹きつけています。巨大なコロッケを作る作業は、地域の人々の協力によるもので、厚沢部町のコミュニティの強さを示しています。

厚沢部町の伝統芸能である鹿子舞は、どのような特徴を持つか?

厚沢部町の伝統芸能である鹿子舞は、地域ごとに異なる流派が存在することが特徴です。これは、鹿子舞が各地域の文化や慣習に基づいて発展してきたためで、安野呂鹿子舞、上俄虫鹿子舞、土橋鹿子舞、当路鹿子舞など、多様な形で受け継がれています。このように、鹿子舞は厚沢部町の文化的アイデンティティを形成しており、その特徴的なスタイルや演目は、地域のコミュニティにおいて大切にされています。地域行事や祭りなどでのパフォーマンスは、地域住民の絆を深める重要な役割を果たしており、観光客にとっても魅力的な体験となります。