廿日市市（はつかいちし）は、広島県の西部に位置し、瀬戸内海に面した街です。日本三景のひとつである厳島（安芸の宮島）を有し、世界遺産の厳島神社、豊かな自然、歴史、文化など、多くの魅力を兼ね備えています。
概要：広島都市圏を構成する自然豊かな街
廿日市市は、広島市の西に隣接し、瀬戸内海の穏やかな海岸線と、西中国山地の雄大な山々が織りなす美しい景観を誇ります。日本三景の「厳島（安芸の宮島）」を有するだけでなく、旧吉和村は豪雪地帯となっており、多様な自然環境を有しています。
市街地は広島市のベッドタウンとして発展し、人口は約 11 万人です。全国第 8 位の規模を持つ広島都市圏を構成する一都市であり、近年は、中心市街地の人口増加と山間部の過疎化が相殺し、人口は横ばい傾向にあります。
地理：山岳と海が織りなす多様な地形
廿日市市は、西中国山地の山々が連なり、瀬戸内海に面した複雑な地形をしています。
山岳：雄大な山々がそびえ立つ
市域の北部は、標高 1,339 メートルの安芸冠山（かんむりやま）を最高峰とする西中国山地が連なり、広島県第 2 位の標高を誇ります。山頂からは、広島平野や瀬戸内海を一望できる絶景が楽しめます。
河川：山から海へと流れる清流
廿日市市を流れる主な河川には、太田川、小瀬川、御手洗川などがあります。太田川は、安芸冠山を源流とし、広島平野を潤す重要な水系です。
気候：瀬戸内海式気候と日本海側気候が混在
廿日市市の気候は、瀬戸内海式気候と日本海側気候が混在しています。沿岸部は温暖で降水量が少ない一方、内陸部の吉和地区は冷涼で降水量が多い、豪雪地帯となっています。
歴史：厳島神社と木材産業が育んだ文化
廿日市市の歴史は、古くは弥生時代まで遡ります。
古代：厳島神社の創建
伝承によると、推古天皇元年（593 年）に、豪族の佐伯鞍職が神託を受け、厳島神社を創建したと言われています。厳島神社は、平安時代に平清盛の庇護を受けて大きく発展し、この地域の歴史に大きな影響を与えてきました。
中世：厳島神社と木材産業の町
中世には、廿日市は厳島神社の造営・修繕と西中国山地産の木材の集積を基盤とした木材産業の町として発展しました。山陽道（西国街道）の廿日市本陣を中心に、賑わいをみせていました。
近代：広島市のベッドタウンとして発展
高度経済成長期以降は、広島市のベッドタウンとして急速に発展し、1988 年に市制施行となりました。その後、周辺の町村を合併し、現在の廿日市市となりました。
行政：住民の暮らしを支える行政機関
廿日市市には、市長をトップとする市役所があり、住民の生活を支える様々な行政サービスを提供しています。また、市議会は、市政を監視し、住民の意見を反映させる役割を担っています。
経済：木材港、けん玉、観光産業が支える経済
廿日市市の経済は、木材港、けん玉、観光産業などを中心に発展してきました。
木材産業：西日本有数の木材専門港
廿日市市には、西日本有数の木材専門港である広島港廿日市地区があります。周辺では、輸入木材に関連した住宅産業、家具関連産業が盛んです。
けん玉：かつては国内シェア 40％を誇る
廿日市市は、かつてけん玉作りが盛んであり、最盛期には国内シェア 40％を占めていました。現在でも、けん玉の製造会社やけん玉教室があり、伝統的な産業を受け継いでいます。
観光産業：世界遺産厳島神社が観光の目玉
廿日市市の観光は、世界遺産の厳島神社を中心として発展しています。年間を通じて多くの観光客が訪れ、地域の経済を支えています。
観光：世界遺産と豊かな自然を楽しむ
廿日市市には、世界遺産の厳島神社や弥山原生林をはじめ、多くの観光スポットがあります。
世界遺産：厳島神社
厳島神社は、海上に浮かぶ朱塗りの社殿が美しい神社として知られています。潮の満ち引きによって、海中から姿を現したり、水面に浮かんだりする姿は、神聖で神秘的な光景です。
弥山：厳島の霊峰
弥山は、厳島にそびえ立つ山で、古来より信仰の対象とされてきました。山頂からは、厳島神社や瀬戸内海を一望できる絶景が楽しめます。
その他の観光スポット
廿日市市には、厳島神社や弥山以外にも、多くの観光スポットがあります。
- 宮島水族館: 海中生物を観察できる水族館。
- 大聖院: 厳島神社の奥の院で、鎌倉時代に建てられた寺院。
- もみのき森林公園: 自然豊かな森林公園。
文化：歴史と伝統が息づく街
廿日市市には、歴史と伝統が息づく文化があります。
伝統芸能：厳島神社の管絃祭
厳島神社では、古くから「管絃祭」という伝統的な祭りが行われています。舞楽や神楽が奉納され、神々しい雰囲気に包まれます。
食文化：広島かき、もみじ饅頭など
廿日市市には、広島かき、もみじ饅頭など、地元で愛される伝統的な食べ物があります。
交通：アクセス抜群の立地
廿日市市は、広島市からアクセス抜群の場所に位置しています。
鉄道：JR 山陽本線が通っている
廿日市市には、JR 山陽本線が通っており、広島駅まで約 20 分です。
道路：高速道路網が整備されている
廿日市市には、中国自動車道、山陽自動車道、広島岩国道路など、高速道路網が整備されています。
船舶：厳島への玄関口
廿日市市には、宮島への玄関口となる宮島口港があります。フェリーや高速船が頻繁に運行しています。
まとめ：世界遺産と自然に囲まれた魅力的な街
廿日市市は、世界遺産の厳島神社や豊かな自然、歴史、文化など、多くの魅力を兼ね備えた街です。広島都市圏のベッドタウンとしての役割も担いながら、独自の文化と発展を続けています。
廿日市市についてのクイズ
廿日市市が位置するのはどの地方ですか？
廿日市市は広島県の西部に位置しています。この地域は、瀬戸内海に面しており、穏やかな海岸線と西中国山地の美しい山々が織りなす自然環境が特徴です。平安時代から江戸時代にかけて、厳島神社を中心とした文化が花開き、現在でも多くの人が訪れる観光地となっています。また、市街地は広島市のベッドタウンとして発展しており、周辺の都市と密接な関係を持っています。加えて、旧吉和村は豪雪地帯でもあり、このように多様な自然環境を有する地域が廿日市市の魅力の一つです。
廿日市市の最高峰の名前は何ですか？
廿日市市に位置する最高峰は安芸冠山（あきかんむりやま）で、標高は1,339メートルです。この山は西中国山地に連なるものであり、廿日市市の北部に位置しています。山頂からは広島平野や瀬戸内海の美しい景色を楽しむことができ、多くのハイカーや観光客が訪れるスポットとして人気があります。安芸冠山は古来から信仰の対象ともされ、周囲の自然環境と共に多様なエコシステムが育まれています。
廿日市市で最も著名な観光名所は何ですか？
廿日市市の観光名所として最も著名なのは厳島神社（いつくしまじんじゃ）です。この神社は世界遺産として登録されており、美しい朱塗りの社殿が潮の干満によって異なる表情を見せることから、多くの観光客を惹きつけています。厳島神社は、自然と調和した建築が評価されており、海中から浮かんでいるように見えるその姿は、特に神聖で神秘的です。また、神社には長い歴史があり、多くの祭りや行事が行われ、地域の人々の重要な文化財としても位置付けられています。
廿日市市の気候はどのような特徴がありますか？
廿日市市の気候は、瀬戸内海式気候と日本海側気候が混在している特徴を持っています。沿岸部では温暖であり、降水量が少ないため、比較的過ごしやすい気候となっています。その一方で、内陸部の吉和地区は豪雪地帯であり、冷涼で降水量が多くなります。このような多様な気候は、廿日市市の豊かな自然環境を育む要因ともなっています。観光や農業においても、地域の特性を生かした活動が行われており、特に広島かきなどの特産品が有名です。
