群馬県伊勢崎市 – 北関東有数の工業都市、そして銘仙のまち

群馬県南部に位置する伊勢崎市は、人口増加率が県内有数で、北関東有数の工業都市として発展を続ける一方、歴史と文化も豊かな魅力的な都市です。古くは絹織物の産地として栄え、現在も伝統工芸品「伊勢崎絣」が受け継がれています。今回は、そんな群馬県伊勢崎市の魅力をご紹介します。

伊勢崎市の概要

伊勢崎市は、群馬県南部に位置し、施行時特例市に指定されています。1940年(昭和15年)の市制施行当時の区域は旧佐波郡でしたが、現在は旧佐波郡、勢多郡、新田郡の区域で構成され、人口は約21万人です。東に隣接する太田市と人口規模が拮抗しており、ともに人口増加を続けています。

伊勢崎市の歴史

戦国時代、那波顕宗の領地であった赤石の地を金山城城主由良成繁が奪い、この地に伊勢宮(現存しない)を建てたことから、いつしか赤石の地名が伊勢崎となったと言われています。

江戸時代には、稲垣長茂が1万石として入封し伊勢崎藩が立藩、城下町が形成されました。2代重綱の代に越後へ転封となり、前橋藩酒井忠行の次男酒井忠能が2万2500石として入封。忠能も小諸へ転封となり、前橋藩酒井忠清の次男酒井忠寛が2万石として入封しました。以降、幕末まで忠寛の家系9代忠彰まで続きました。

江戸時代には絹の生産が盛んで、太織として関西に出荷されるまでに発展しました。明治期には「伊勢崎縞」として名をはせ、大正期には銘仙が一世風靡しました。隣接する桐生市と並び絹織物(伊勢崎銘仙)が有名となり、「上毛かるた」では、「め」の札に「銘仙織出す 伊勢崎市」として採録されています。戦後はウール絣など新たな技法が生まれ、昭和50年には伊勢崎織物組合の規定する織物を「伊勢崎絣」の名で国の伝統的工芸品の指定を受けました。

戦後、市の積極的な誘致により郊外に広大な工場が建設され、北関東有数の工業都市へと発展を遂げました。製造品出荷額は1兆円を超え、太田市に次いで県内第二位の地位を占めています。

伊勢崎市の地理

伊勢崎市は、関東平野の北西部に位置し、市内南部を流れる利根川を隔てて埼玉県と隣接しています。市の中心部までの距離は、群馬県の県庁所在地である前橋市から約15km、高崎市から20km、東京都心(日本橋)から約95kmです。

  • 峰岸山 (168.3 m)
  • 多田山 (159.1 m)
  • 八寸権現山 (92.3 m)

河川・橋梁

  • 利根川
    • 伊勢玉大橋
    • 五料橋
    • 坂東大橋
    • 上武大橋
  • 広瀬川
    • 宮子大橋
    • 龍宮橋
    • 三ツ家橋
    • 新開橋
    • 永久橋
    • 広瀬大橋
    • 競運橋
    • いせさき大橋
    • 光円橋
    • 豊受橋
    • 武士橋
    • 茂呂大橋
  • 神沢川
    • 神沢橋
    • 木三橋
  • 粕川
    • 赤堀橋
    • 中村橋
    • 宗高橋
    • 天増寺橋
    • 宮前橋
    • 植木橋
    • 新粕川橋
    • 東橋
    • 采女大橋
    • 保泉橋
    • 粕川橋
  • 早川
    • 三ツ木橋

湖沼

  • 波志江沼(波志江上沼、波志江下沼)
  • 伊与久沼
  • 五反田池
  • 新沼

旧街道筋

  • 日光例幣使街道 – 伊勢崎市域南部を東西に貫いています。西端は利根川の五料橋、東端は早川の三ツ木橋付近。伊勢崎市域内には、柴宿・境宿の2つの宿場町がありました。ただし、伊勢崎旧市街は通っていません。

伊勢崎市の気候

伊勢崎市は、内陸性気候に属し、夏は高温多湿、冬は乾燥し寒さが厳しいのが特徴です。年間を通じて日照時間が長く、降水量は比較的少ないです。

  • 気温
    • 最高気温記録:40.5℃(2020年8月11日)
    • 最低気温記録:-6.8℃(2001年1月15日、2021年1月10日)
  • 降水量
    • 年間降水量:約1,176.5 mm
  • 日照時間
    • 年間日照時間:約2,177 時間

伊勢崎市の産業

工業

伊勢崎市は、北関東有数の工業都市として発展しており、自動車部品、食品、化学製品などの製造業が盛んです。

主な企業

  • 東証プライム上場
    • サンデン(自動車用コンプレッサー・冷凍・冷蔵ショーケースなどを製造するグループの持株会社)
  • 東証スタンダード上場
    • ワークマン(作業服・作業関連商品を扱う専門店チェーン)
  • 非上場
    • 明星電気(気象観測機器、地震計、計測機器などのメーカー)
    • まるか食品(「ペヤングソースやきそば」でお馴染みの食品会社)
    • 岩瀬産業(機械工具、伝動装置、油空圧機器などの卸販売)

商業

伊勢崎市には、大型ショッピングセンターやスーパーマーケット、ホームセンターなどが数多く立地しており、買い物客でにぎわっています。

主な商業施設

  • ショッピングセンター
    • スーパーモールいせさき
    • 西友楽市伊勢崎茂呂
    • ハイパーモールメルクス
    • 伊勢崎ショッピングモール
    • パウいせさき
    • フォリオ赤堀
    • フォリオ安堀
    • 伊勢崎寿モール
    • スマーク伊勢崎
  • スーパーマーケット
    • ベイシア
    • 西友楽市
    • ヤオコー
    • ベルク
    • とりせん
    • フレッセイ
    • アバンセ
    • ジョイフーズ
    • やましろや

伊勢崎市の観光

伊勢崎市には、歴史的な建造物や自然豊かな公園など、多くの観光スポットがあります。

歴史的な建造物

  • 田島弥平旧宅 – 国の史跡、世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」構成遺産。
  • 国定忠治の墓 – 伝説の侠客・国定忠治の墓所。
  • 華蔵寺 – 伊勢崎市を代表する寺院。

自然豊かな公園

  • 華蔵寺公園 – 広大な敷地内には遊園地や動物園、植物園などがあり、家族で楽しめる公園です。
  • 波志江沼環境ふれあい公園 – 波志江沼のほとりに位置し、自然と触れ合える公園です。

その他観光スポット

  • 伊勢崎オートレース場 – モータースポーツファン必見のスポットです。
  • 波志江沼 – 多くの野鳥が生息する、自然豊かな沼です。
  • 相川考古館 – 伊勢崎市の歴史と文化を学べる博物館です。

伊勢崎市のイベント

伊勢崎市では、年間を通して様々なイベントが開催されています。

  • 1月11日、初市(だるま市)、上州焼き饅祭(伊勢崎神社)
  • 8月初旬、いせさき祭り
  • 8月中旬、境利根川花火大会
  • 8月下旬、伊勢崎花火大会
  • 10月第3土・日曜日、千本木神社秋季大祭
  • 10月 – 11月、いせさきもんじゃまつり

伊勢崎市出身の著名人

伊勢崎市出身の著名人は、各分野で活躍する人材が数多くいます。

  • あだち充 – 漫画家
  • 高橋貢 – オートレーサー
  • 高橋秀人 – プロサッカー選手
  • 安井佑輝(CHARCOAL FILTER) – ベーシスト
  • 和田颯(Da-iCE) – ダンサー・俳優
  • 井野俊郎 – 衆議院議員
  • 石関貴史 – 元衆議院議員
  • 菊池俊彦 – 歴史学者
  • 峰岸純夫 – 歴史学者

伊勢崎市の魅力

伊勢崎市は、北関東有数の工業都市としての発展と、歴史と文化を大切にする伝統を守り続けています。工業都市としての発展だけでなく、銘仙のまちとしての歴史、伝統工芸品「伊勢崎絣」、そして自然豊かな環境など、様々な魅力にあふれています。ぜひ一度、伊勢崎市を訪れてみてください。

伊勢崎市についてのクイズ

伊勢崎市はどのような都市として発展していますか?

伊勢崎市は北関東有数の工業都市として発展しています。市内には多くの工場が立地しており、自動車部品、食品、化学製品などの製造業が盛んです。また、近年の人口増加により、市はさらに成長を続けています。これにより、製造品出荷額は1兆円を超え、県内でも高い地位を確立しています。地元企業だけでなく、大手企業も進出しており、地域経済の向上にも寄与しています。

伊勢崎市の気候はどのような特徴がありますか?

伊勢崎市は内陸性気候に属し、夏は高温多湿、冬は乾燥し冷え込みが厳しい気候が特徴です。この気候により、日照時間が長く、降水量は比較的少ないことが特徴です。特に、夏の最高気温は40.5℃に達することもあり、非常に暑くなる一方で、冬には最低気温が-6.8℃となることもあります。このような気候は、農業や工業など地域のエネルギー需給にも影響を与えています。

伊勢崎市の伝統工芸品は何ですか?

伊勢崎市は「伊勢崎絣」という伝統工芸品で知られています。江戸時代から続くこの絣は、地域独自の技法で染め上げられた絹織物で、特に「伊勢崎縞」として名を馳せました。大正期には「銘仙」が一世風靡し、地域の文化と経済に大きな影響を与えました。戦後は新たな技法も生まれ、昭和50年には国の伝統的工芸品の指定を受けており、観光や地域振興にも貢献しています。

伊勢崎市で行われるイベントの一つはどれですか?

伊勢崎市では「初市(だるま市)」が毎年1月11日に開催されます。このイベントは、商売繁盛を祈願するもので、多くの露店や出店が立ち並び、地域住民や観光客で賑わいます。また、いせさき祭りや花火大会なども盛況に行われており、地域の活性化や文化の発信に寄与しています。これらのイベントは、伊勢崎市の魅力を多くの人に伝える役割を果たしています。

伊勢崎市の山の中で最も高いのはどれですか?

伊勢崎市にはいくつかの山が存在していますが、最も高いのは峰岸山で、その高さは168.3メートルです。多田山は159.1メートル、八寸権現山は92.3メートルとなっています。これらの山々は自然豊かな環境の一部であり、ハイキングや散策を楽しむことができる場所でもあります。特に、峰岸山からの眺めは素晴らしく、地域の人々や観光客にとって貴重なスポットとなっています。