中津川市 – 岐阜県東濃地域の豊かな自然と歴史が息づく街 –

リード文

岐阜県東濃地域に位置する中津川市は、恵那山や苗木城址といった歴史的な景観と、木曽川や付知川など豊かな自然に恵まれた街です。古くは中山道の宿場町として栄え、近年では自然豊かな観光地として注目を集めています。今回は、中津川市の魅力を、地理、歴史、観光スポット、特産品など多角的に紹介します。

地理

中津川市は、岐阜県の東濃地域に位置し、長野県に隣接しています。美濃三河高原に位置し、丘陵地が多く、北部と南部を中心に山地が広く分布しているのが特徴です。

山岳と河川

南部には木曽山脈に属する恵那山(2,191m)がそびえ立ち、その前面には前山や保古山など屏風山山系が北東から南西方向に連なっています。北部には阿寺山地が北西から南東方向に山を連ねています。

市域を東西に横断して流れる木曽川とその支流である中津川、四ツ目川は、断層運動によって形成された盆地に流れ込み、傾斜のある段丘面上に市街地が形成されています。木曽川とその支流は、合流地点周辺において先行谷の様相を示すことが多く、市の西部では苗木花崗岩の奇岩が連なる景勝地・恵那峡を形成しています。

気候

中津川市は、内陸性気候に属し、夏は高温多湿、冬は乾燥した寒さが特徴です。年間を通して日照時間が長く、降水量は比較的少ないです。

中津川(2010年 – 2020年)の気候
最高気温記録 °C (°F)
平均最高気温 °C (°F)
日平均気温 °C (°F)
平均最低気温 °C (°F)
最低気温記録 °C (°F)
降水量 mm (inch)
平均降水日数 (≥1.0 mm)
平均月間日照時間
出典1:Japan Meteorological Agency
出典2:気象庁[1]

隣接する自治体

  • 岐阜県
    • 恵那市
    • 下呂市
    • 加茂郡白川町、東白川村
  • 長野県
    • 木曽郡南木曽町、王滝村、大桑村
    • 下伊那郡阿智村、平谷村

地区

中津川市は、合併によって15の地区(旧町村)に分けられます。それぞれの地区には、独自の文化や歴史、産業が存在しています。

中津地区

市の中心市街地で、かつて中山道の宿場町・中津川宿として栄えた場所です。歴史ある家屋が軒を連ね、現在もその面影を残しています。

坂本地区

江戸時代には中山道の宿場町として栄えました。中津地区と恵那市の間に位置し、国道19号やJR美乃坂本駅があり、交通の便が良い地域です。

阿木地区

恵那市の隣接する地域で、阿木川に沿って集落が形成されています。明知鉄道阿木駅と飯沼駅があり、恵那市との結びつきが強い地域です。

苗木地区

江戸時代には苗木藩が置かれましたが、小藩で城下町の風情はあまり残っていません。苗木花崗岩と呼ばれる貫入花崗岩が分布し、花崗岩ペグマタイト鉱物の日本三大産地の一つとして知られています。

落合地区

江戸時代には中山道落合宿として栄え、木曽路の入口として賑わっていました。国道19号が通過し、JR中央本線落合川駅があります。市内では桃の産地として知られています。

神坂地区

旧長野県西筑摩郡神坂村から越県合併した地域で、市域の最東端です。恵那山の南西山麓に点在する山村集落で、中央自動車道恵那山トンネルの岐阜県側入口があります。

山口地区

旧長野県木曽郡山口村の中心地で、木曽川の左岸に集落が形成されています。国道19号が通過し、馬籠もこの地区に含まれます。

坂下地区

長野県との県境に位置し、木曽川の右岸に集落が形成されています。国道19号が通過し、JR中央本線坂下駅があります。

川上地区

坂下から川上川を国道256号で北に進むとたどり着く地域で、清流と美しい山林に恵まれた場所です。東側は長野県ですが、阿寺山地を挟んでおり、直接の往来は困難です。

蛭川地区

木曽川を挟んで恵那市街地の北部に位置し、恵那市との結びつきが強い地域です。南端では木曽川が恵那峡を形成し、北端では遠ヶ根峠を挟んで加茂郡白川町と接しています。良質の花崗岩を産するため、採石・石工業が盛んです。

福岡地区

苗木の北、蛭川の東、坂下の西に位置しています。付知川が南北に流れ、国道256号と国道257号が走っています。恵北の中では比較的広い段丘面が分布しており、のどかな景観を形成しています。

付知町地区

福岡の北にあり、清流・付知川を発し、上流部では付知峡の渓谷美をなしています。阿寺断層の断層谷を流れる付知川に沿って集落が南北に長く、南部は「下付知」、北部は「上付知」と呼ばれています。

加子母地区

広大な中津川市の最北端で、市の中心部からはバスで1時間ほどです。市域の最西端でもあります。国道256号を北上し、塞の神峠をトンネルで超えるとたどり着きます。東濃ひのきの一大産地であり、トマトをはじめ農業も盛んな第一次産業の村です。

歴史

中津川市は、古くは中山道の宿場町として栄え、その後、明治時代には苗木藩が置かれるなど、歴史的な変遷を遂げてきました。

沿革

  • 1951年(昭和26年)4月1日 – 恵那郡中津町と苗木町が合併して、中津川町が成立。
  • 1952年(昭和27年)4月1日 – 市制施行。
  • 1954年(昭和29年)7月10日 – 恵那郡坂本村を編入。
  • 1956年(昭和31年)9月30日 – 恵那郡落合村を編入。
  • 1957年(昭和32年)11月1日 – 恵那郡阿木村を編入。
  • 1958年(昭和33年)10月15日 – 長野県西筑摩郡神坂村(残部)を編入。
  • 2005年(平成17年)2月13日 – 岐阜県恵那郡(恵北)坂下町・川上村・加子母村・付知町・福岡町・蛭川村、ならびに長野県木曽郡山口村を編入。

人口

中津川市の人口は、近年減少傾向にあります。

中津川市と全国の年齢別人口分布(2005年) 中津川市の年齢・男女別人口分布(2005年)
■紫色 ― 中津川市■緑色 ― 日本全国 ■青色 ― 男性■赤色 ― 女性
人口
1970年 79,593人
1975年 82,238人
1980年 83,539人
1985年 84,379人
1990年 84,410人
1995年 85,387人
2000年 85,004人
2005年 84,080人
2010年 80,910人
2015年 78,883人
2020年 76,570人

行政

中津川市は、市長をトップとする首長制を採用しています。

歴代市長

氏名 ふりがな 就任日 退任日
初代 市岡のぶ介 いちおか のぶすけ 1952年4月1日 1955年1月24日
2-3代 竹村壽吉 たけむら としきち 1955年2月12日 1960年3月26日
4-5代 間孔太郎 はざま こうたろう 1960年5月15日 1968年5月14日
6-7代 西尾彦朗 にしお ひころう 1968年5月15日 1976年5月14日
8-10代 小池保 こいけ たもつ 1976年5月15日 1988年5月14日
11-13代 小林房吉 こばやし ふさきち 1988年5月15日 2000年5月14日
14代 中川鮮 なかがわ あきら 2000年5月15日 2004年5月14日
15-16代 大山耕二 おおやま こうじ 2004年5月15日 2011年12月22日
17-19代 青山節児 あおやま せつじ 2012年1月22日 2024年1月21日
20代 小栗仁志 おぐり ひとし 2024年1月22日 現職

市議会

会派名 議席数 議員名(◎は代表)
中津川自民クラブ 12 ◎鷹見憲三、島﨑保人、岡﨑隆彦、吉村浩平、吉村俊廣、勝彰、吉村孝志、水野賢一、長谷川透、宮嶋寿明、林友義、小池菜摘
日本共産党 2 ◎木下律子、田中愛子
市民クラブ 2 ◎櫛松直子、松﨑誠
市議会公明党 2 ◎田口文数、糸魚川伸一
市民ネット 1 ◎黒田ところ
中津川9の会 1 ◎鷹見信義
無会派 1 ◎園原武嗣

観光スポット

中津川市は、自然豊かな景観と歴史的な建造物、そして美味しい特産品など、魅力あふれる観光スポットが数多く存在します。

温泉・入浴施設

  • 中津川温泉クアリゾート湯舟沢
  • 付知峡倉屋温泉おんぽいの湯

渓谷・湖・公園・キャンプ場

  • 付知峡
  • 乙女渓谷
  • 福岡ローマン渓谷
  • 夕森公園
  • 椛の湖
  • 星ヶ見公園
  • 恵那山ウェストン公園

景勝地

  • 根の上高原(根ノ上高原)
  • 富士見台高原
  • 夜明けの森
  • 恵那峡
  • 恵那山(日本百名山)
  • 女夫岩
  • 星ヶ見岩

名所・旧跡

  • 中山道・馬籠宿
  • 中山道・落合宿
  • 苗木城址(国の史跡)

観光施設

  • 恵那峡ワンダーランド
  • 恵那峡天界苑
  • 中津川市ふれあい牧場
  • 中津川マロンパーク
  • オフロードパーク黒井沢

記念館・博物館・史料館

  • 中津川市中山道歴史資料館
  • 藤村記念館
  • 馬籠脇本陣史料館
  • 中津川市鉱物博物館
  • 中津川市子ども科学館

道の駅

  • 道の駅きりら坂下
  • 道の駅花街道付知
  • 道の駅賤母
  • 道の駅加子母
  • 道の駅五木のやかた・かわうえ

名物・特産物

中津川市は、豊かな自然に恵まれ、美味しい特産品が数多く存在します。

  • 恵那栗
  • 栗きんとん
  • 恵那どり
  • からすみ (菓子)
  • 菊ごぼう
  • しょう味噌
  • 五平餅
  • はちのこ
  • 朴葉寿司
  • 鶏ちゃん
  • つぼ汁
  • チコリー
  • 恵那錆石
  • チンワルド雲母
  • 恵那曲物製品
  • 東濃ひのき

交通

中津川市は、鉄道、道路、バスなどの交通機関が整備されています。

鉄道

  • JR中央本線
  • 明知鉄道

道路

  • 中央自動車道
  • 国道19号
  • 国道256号
  • 国道257号
  • 国道363号

バス

  • 北恵那交通
  • 東濃鉄道
  • JRバス関東
  • 名鉄バス
  • 京王バス東
  • 信南交通
  • 伊那バス
  • 濃飛バス
  • 南木曽町新交通システム

まとめ

中津川市は、豊かな自然と歴史が調和した魅力あふれる街です。自然に囲まれた環境で、温泉やキャンプ、ハイキングなどのアウトドアレジャーを楽しむことができます。また、歴史的な建造物や文化施設を巡り、昔の暮らしや文化に触れることもできます。美味しい特産品もたくさんあるので、ぜひ中津川市を訪れて、その魅力を体感してみてください。

中津川市についてのクイズ

中津川市の南部にそびえる山は何ですか?

中津川市の南部には木曽山脈に属する恵那山がそびえています。恵那山は2,191メートルの高さを持ち、その美しい姿は中津川市全体からも良く見えます。また、恵那山は周辺の自然や景観に大きな影響を与えており、多くのハイキングや登山者に親しまれています。山岳信仰の対象としても知られており、地元の人々には愛され続けている存在です。現在、恵那山周辺には観光地としての魅力があり、美しい渓谷や登山道が整備されているため、観光客やアウトドア愛好者に多く訪れられています。

中津川市の気候はどのようなタイプですか?

中津川市は内陸性気候に属しており、特に夏は高温多湿で、冬は乾燥した寒さが特徴です。このため、年間を通じて日照時間が長く、降水量は比較的少ない傾向にあります。内陸性気候は、四季の差が大きく、特に冬季には冷え込むため雪が降ることもあります。こうした気候条件は、野菜や果物の栽培などの農業にも影響を与えており、地元の特産品作りには有利な面もあります。このような独特の気候が、中津川市の自然環境や文化の形成にも寄与しています。

中津川市の中心市街地はどの地区ですか?

中津川市の中心市街地は中津地区です。中津地区はかつて中山道の宿場町であり、歴史的な面影を残す街並みが広がっています。この地区には古い家屋が軒を連ねており、訪れる人々に歴史の情緒を感じさせます。中津地区は交通の要所でもあり、周囲の地域との相互交通が盛んです。また、商業施設や公共施設も多く集まっているため、地元の人々にとっても生活の中心となる場所です。特に観光客には便利な拠点となっており、さまざまな観光スポットへのアクセスがしやすい利点があります。

中津川市の特産品として知られているものは何ですか?

中津川市は恵那栗の産地として非常に有名です。恵那栗はその甘さと風味が豊かで、多くの人々に愛されています。栗きんとんなどの美味しいスイーツにも使われ、全国的にも評価が高いです。この地域は栗作りに適した土壌と気候を持っており、収穫の時期には多くの観光客が栗拾いを楽しみに訪れます。また、栗のシーズンには地元の特産品を生かしたイベントも開催され、観光資源としても重要な役割を果たしています。恵那栗は中津川市のブランドの一つであり、観光業の重要な一端を担っています。