各務原市 – 岐阜県南部の魅力的な都市 –

濃尾平野の北部に位置する各務原市は、歴史と自然が織りなす魅力的な都市です。かつては中山道の宿場町として栄え、近現代では航空自衛隊岐阜基地に関連する工業都市として発展を遂げました。近年では岐阜市や名古屋市のベッドタウンとして発展を続け、豊かな自然と都市機能が融合した「パークシティ」として注目されています。

概要

各務原市は岐阜県の南部に位置し、岐阜地区に属します。北と東は標高200~300メートルの山々に囲まれ、関市、坂祝町と接しています。西は岐阜市、南西部は笠松町と岐南町に隣接し、南は木曽川が東西に県境を流れ、愛知県と接しています。中山道の宿場町(鵜沼宿)として栄え、近現代では自衛隊岐阜基地などに関連する工業都市として発展しました。今日では岐阜市や名古屋市のベッドタウンとなっており、人口は岐阜県で岐阜市、大垣市に次いで3番目です。

地理

各務原市は、北部から東部にかけては標高200~300メートルの秩父古生層の砂岩、チャート層山地が広がり、俗に「各務原アルプス」と呼ばれています。南部は木曽川が流れ、愛知県との県境となっています。市の中心部には標高30~60メートルの各務原台地が広がり、水はけが非常に良い洪積層の黒ぼく土壌です。そのため稲作には不向きで、鵜沼宿などの宿場町や街道沿いに街が形成されました。明治期までは大部分が原野であり、名鉄の六軒、二十軒という駅名や、溜め池の苧ヶ瀬池は当時の名残です。

隣接する自治体

  • 北: 関市
  • 東: 加茂郡坂祝町
  • 西: 岐阜市、羽島郡笠松町、岐南町
  • 南: 愛知県一宮市、江南市、犬山市、丹羽郡扶桑町

地名の表記・発音

各務原市の地名表記・発音は、市発足から50年以上経った現在でも統一されていません。市名としては「各務原」(かかみがはら)を採用し、各務原市はこの表記・発音を公共機関・市内企業・市内進出企業に要請しています。しかし、実際には「かかみはら」「かがみはら」「かかみがはら」「かがみがはら」など、さまざまな呼称が使われています。

歴史

各務原市発足まで

  • 1954年(昭和29年) 岐阜市及び稲葉郡と羽島郡の10町村で合併し、人口30万人の岐阜市とする計画が立てられる。
  • 1955年(昭和30年) 羽島郡中屋村、稲葉郡更木村、前宮村の3村が合併し、町制施行し稲羽町が発足。
  • 1955年(昭和30年) 稲葉郡鵜沼町と各務村が合併し、鵜沼町となる。
  • 1957年(昭和32年) 那加町、蘇原町、鵜沼町、稲羽町、芥見村の4町1村で合併し、新市を建設する機運が高まり、仮称「各務ヶ原市」構想が生まれる。
  • 1958年(昭和33年) 芥見村が岐阜市に編入される。
  • 1962年(昭和37年) 稲葉郡四町合併促進連絡協議会が設置される。
  • 1963年(昭和38年) 4月1日、稲葉郡那加町、稲羽町、鵜沼町、蘇原町が合併し、各務原市が誕生。

各務原市発足後

  • 1963年(昭和38年) 人口6万人を突破、「各務原市民の歌」および「かかみがはら音頭」を制定。
  • 1965年(昭和40年) 市庁舎を現位置に移転。
  • 1968年(昭和43年) ライン大橋完成。
  • 1969年(昭和44年) 愛岐大橋完成。
  • 1973年(昭和48年) 市庁舎完成。
  • 1976年(昭和51年) 人口10万人を突破。
  • 1986年(昭和61年) 東海北陸自動車道の岐阜各務原IC・美濃IC間が開通。
  • 1992年(平成4年) 人口13万人を突破。
  • 1993年(平成5年) 各務原市産業文化センターが完成。
  • 1996年(平成8年) かかみがはら航空宇宙博物館オープン。
  • 2004年(平成16年) 羽島郡川島町を編入。
  • 2008年(平成20年) 人口15万人を突破。
  • 2013年(平成25年) 各務原大橋完成、市制50周年。
  • 2021年(令和3年) 市役所新庁舎高層棟が完成。
  • 2023年(令和5年) 市役所新庁舎低層棟が完成し、新庁舎が全面オープン。

人口

各務原市の人口は、近年は横ばい傾向にあります。2020年(令和2年)の国勢調査によると、人口は144,521人です。

行政

  • 市長: 浅野健司(2013年5月20日就任、3期目)

歴代市長

氏名 就任 退任 着任期数 備考
1 武藤嘉一 1963年(昭和38年)4月1日 1968年(昭和43年)6月 2期 病気により2期途中で辞任
2 松原啓吉 1968年(昭和43年)9月8日 1973年(昭和48年)4月18日 2期 学校給食センター、市の指定金融機関をめぐる汚職事件により2期途中で引責辞任
3 平野喜八郎 1973年(昭和48年)5月20日 1997年(平成9年)5月19日 6期 各務原市市制施行20周年記念事業の一つとして『各務原市史』の編集を行い、1986年に刊行までこぎつける
4 森真 1997年(平成9年)5月20日 2013年(平成25年)5月19日 4期 「パークシティ」(公園都市)を掲げ、各務野自然遺産の森、学びの森、河跡湖公園、各務野櫻苑を開園させる。羽島郡川島町を編入。
5 浅野健司 2013年(平成25年)5月19日 (現職) 3期目

経済

産業

各務原市は、工業出荷高が県内第1位であり、航空自衛隊岐阜基地に隣接する川崎重工業株式会社岐阜工場などの関連航空機部品企業群、自動車関連工場など輸送用車輌機器が主要産業です。岐阜県金属工業団地(通称:金属団地)には、金属加工企業が数多く集まっています。

名産

  • 各務原にんじん
  • 貞奴ゆかりの里(和菓子)
  • 若アユの一夜干し
  • 錦の舞(和菓子)
  • にんじん村(ジュース)
  • かかみがはら絵巻(和菓子)
  • 絵絹
  • 守口大根
  • 各務原キムチ
  • 篝火(清酒 菊川)
  • 美濃国幕領御膳籾(ハツシモの特別栽培米)

交通

鉄道

  • JR東海
    • 高山本線:那加駅、蘇原駅、各務ケ原駅、鵜沼駅
  • 名古屋鉄道(名鉄)
    • 各務原線:新加納駅、新那加駅、市民公園前駅、各務原市役所前駅、六軒駅、三柿野駅、二十軒駅、名電各務原駅、苧ヶ瀬駅、羽場駅、鵜沼宿駅
    • 犬山線:新鵜沼駅

バス

  • 岐阜バス
  • 名鉄バス
  • 各務原市ふれあいバス
  • 373バス(岐阜市東部の長森南地区を循環するコミュニティバス)

道路

  • 高速道路
    • 東海北陸自動車道:岐阜各務原インターチェンジ、川島パーキングエリア(河川環境楽園)
  • 一般国道
    • 国道21号
  • 主要地方道
    • 岐阜県道17号江南関線
    • 岐阜県道27号春日井各務原線
    • 岐阜県道92号岐阜巣南大野線
    • 岐阜県道93号川島三輪線
    • 岐阜県道95号芋島鵜沼線

名所・旧跡・観光スポット

名所

  • 名勝木曽川
  • 日本ラインうぬまの森
  • 新境川
  • 河跡湖
  • 苧ヶ瀬池
  • 中山道鵜沼宿
  • 前渡猿尾堤
  • 加納猿尾
  • 旧桜井家
  • 村国座
  • 皆楽座
  • 芭蕉の句碑

遺跡・史跡

  • 炉畑遺跡
  • 天狗谷遺跡
  • 大牧1号古墳
  • 坊の塚古墳
  • 柄山古墳
  • 金縄塚古墳
  • 三井山古墳
  • 松倉城
  • 亘利城
  • 鵜沼城
  • 三井城
  • 伊木山城(伊木の森)
  • 河田木曽川渡河の戦い
  • 更木陣屋
  • 新加納陣屋

公園

  • 各務原市民公園
  • 各務野自然遺産の森
  • いこいの広場・伊木の森
  • 県営各務原公園
  • 花々見原浄化公園(各務原浄水公園)
  • 河川環境楽園「世界淡水魚園水族館(アクア・トトぎふ)」
  • 川島PAハイウェイオアシス
  • 学びの森
  • 河跡湖公園
  • 各務野櫻苑
  • かさだ広場
  • 各務原アウトドアフィールド

博物館

  • 岐阜かかみがはら航空宇宙博物館
  • 内藤記念くすり博物館
  • 世界淡水魚園水族館
  • 各務原市歴史民俗資料館
  • 各務原市木曽川文化史料館
  • 各務原市埋蔵文化財調査センター
  • 中山道鵜沼宿町屋館
  • 川まつり資料館

教育

  • 大学・短期大学
    • 東海学院大学
    • 中部学院大学 各務原キャンパス
  • 高等学校
    • 岐阜県立各務原高等学校
    • 岐阜県立各務原西高等学校
    • 岐阜県立岐阜各務野高等学校
  • 中学校
    • 各務原市立那加中学校
    • 各務原市立桜丘中学校
    • 各務原市立川島中学校
    • 各務原市立稲羽中学校
    • 各務原市立蘇原中学校
    • 各務原市立中央中学校
    • 各務原市立鵜沼中学校
    • 各務原市立緑陽中学校
  • 小学校
    • 各務原市立那加第一小学校
    • 各務原市立那加第二小学校
    • 各務原市立那加第三小学校
    • 各務原市立尾崎小学校
    • 各務原市立稲羽西小学校
    • 各務原市立稲羽東小学校
    • 各務原市立川島小学校
    • 各務原市立鵜沼第一小学校
    • 各務原市立鵜沼第二小学校
    • 各務原市立鵜沼第三小学校
    • 各務原市立陵南小学校
    • 各務原市立各務小学校
    • 各務原市立緑苑小学校
    • 各務原市立八木山小学校
    • 各務原市立蘇原第一小学校
    • 各務原市立蘇原第二小学校
    • 各務原市立中央小学校

公共施設

  • 市役所
    • 市役所本庁舎
    • 市役所北庁舎
    • 水道事業庁舎
    • 川島市民サービスセンター
    • 尾崎市民サービスセンター
    • 稲羽市民サービスセンター
    • 鵜沼市民サービスセンター
    • みどり坂市民サービスセンター
    • 蘇原市民サービスセンター
  • 警察署
    • 各務原警察署
  • 消防本部
    • 各務原市消防本部
      • 西部方面消防署
      • 東部方面消防署
  • 図書館
    • 各務原市立中央図書館
      • 川島ほんの家
      • 中央ライフデザインセンター図書室
      • もりの本やさん
  • 福祉センター・総合福祉会館
    • 那加福祉センター
    • 那加西福祉センター
    • 那加南福祉センター
    • 稲羽西福祉センター
    • 稲羽東福祉センター
    • 鵜沼福祉センター
    • 鵜沼東福祉センター
    • 陵南福祉センター
    • 蘇原福祉センター
    • 各務福祉センター
    • 川島健康福祉センター
    • 稲羽コミュニティセンター
    • 蘇原コミュニティセンター
    • 各務原市総合福祉会館
  • スポーツ施設
    • 各務原市民プール
    • 各務原市弓道場
    • 各務原スポーツ広場
    • 各務原リバーサイド21
    • いこいの広場・伊木の森
    • 各務原市民球場
    • 飛鳥球場
    • 各務原市総合体育館
    • 各務原市勤労者総合グラウンド
    • 各務原市総合運動公園
    • 川島スポーツ公園
    • 各務原市ホッケー場
    • 協定グラウンド
    • 桜体育館
    • 各務原市那加地区体育館
    • 各務原市稲羽地区体育館
    • 各務原市鵜沼地区体育館
    • 各務原市鵜沼西地区体育館
    • 各務原市蘇原地区体育館

著名な出身者

  • 武藤嘉文(元衆議院議員)
  • 上原彩子(ピアニスト)
  • 冲方丁(小説家)
  • さとみ桜(小説家)
  • 黒丸(漫画家)
  • 赤座憲久(児童文学)
  • 岡田新吾(児童文学)
  • シゲリカツヒコ(絵本作家)
  • 横山春渓(日本画家)
  • 小島紫光(日本画家)
  • 坪内節太郎(洋画家)
  • 大巻伸嗣(現代美術家)
  • ストーカー市川(プロレスラー)
  • 山口晶(シンガーソングライター)
  • 大橋麻美子(元CBCアナウンサー)
  • 小島三郎(医学者)
  • 廣瀬隆正(官僚)
  • 杉山武史(技術者)
  • 市川百十郎(歌舞伎役者)
  • 辻惟雄(美術史家、東京大学名誉教授)
  • 大澤広樹(東海ラジオアナウンサー)
  • 伊藤伸久(岐阜放送アナウンサー)
  • 小豆畑眞也(プロ野球選手)
  • 武智文雄(元プロ野球選手)
  • 前原博之(元プロ野球選手)
  • 廣瀬寛(元社会人野球選手)
  • 佐野直史(ブラジルの元プロサッカー選手、株式会社ファッズ代表取締役社長)
  • 津田知宏(サッカー選手)
  • 梅田高志(サッカー選手)
  • 尾関弘樹(ラグビー指導者)
  • 雷門幸福(落語家)
  • 岩谷真哉(俳優)
  • 小島勇司(サックス奏者)
  • 長澤彩(女子競輪選手)
  • 護命(奈良時代末~平安時代前期の法相宗の僧侶)
  • 吉田一貴(NHKアナウンサー)
  • 大野済也(NHKアナウンサー)
  • 奥田朋子(プロボクサー)
  • 高田明浩(棋士)
  • 磯谷祐維(女流棋士)
  • 諸石光照(車いすテニス選手)
  • 永井葉月(フィールドホッケー選手)

各務原市を題材とした作品

  • キムチの気持ち(各務原キムチのイメージソング)
  • 恋するキムチ(NHK岐阜放送局開局70周年記念ドラマ)
  • 各務原よ 大使を抱け!(各務原市とメーテレで製作)
  • きっと いつの日か(市内全てロケをした地域発信型映画)
  • ひそねとまそたん(航空自衛隊岐阜基地が舞台)
  • 風立ちぬ(2013年の映画)

公害

  • 硝酸性窒素による地下水汚染
    • 昭和50年代に発見され、特産物である「ニンジン」の耕作地で使用される窒素肥料の流出が原因であることが判明。
  • 有機フッ素化合物による地下水汚染
    • 2023年7月に三井水源地の井戸で国の暫定目標値の最大15.8倍の濃度で検出。
    • 市は浄水設備の改良工事などを実施し、除去施設を建設する方針を示している。

まとめ

各務原市は、歴史と自然、そして都市機能が融合した魅力的な都市です。歴史的な建造物、豊かな自然、そして活気のある街並みをぜひ訪れてみてください。

各務原市についてのクイズ

各務原市の地理的特徴として正しいのはどれですか?

各務原市は北部と東部に標高200〜300メートルの山々に囲まれており、これを俗に「各務原アルプス」と呼んでいます。市の中心部には標高30〜60メートルの各務原台地が広がっており、このエリアは水はけが非常に良い洪積層の黒ぼく土壌です。このため、各務原市周辺では田畑が多く見られ、農業が行われていますが、水はけの良さのために稲作には不向きです。南部には木曽川が流れており、地域の自然環境を形成する重要な要素です。

各務原市はどのようにして誕生したか?

各務原市は1963年4月1日に、稲葉郡の那加町、稲羽町、鵜沼町、蘇原町の4町が合併して成立しました。合併前から、これらの町は交通の要所であり、各務原市としての基盤が整いつつありました。各務原市が誕生するまでには複数の合併の歴史があり、特に1954年や1955年の羽島郡と稲葉郡の町村間の合併が大きな影響を与えました。各務原市設立のその後において文字通りの中心として機能し続けているのが特徴です。

各務原市が誇る名産品は次のうちどれですか?

各務原市は「各務原にんじん」として知られる名産品を誇っています。このにんじんは、他地域のにんじんとは異なり、特有の甘さと風味を持ち、地元料理でも広く利用されています。農業においては、豊かな土壌条件がこの特産物の栽培を助け、多くの消費者に親しまれています。また、各務原市の地元の和菓子群や他の特産品も各務原の魅力を伝える重要な存在として、観光客や食に興味を持つ人々に評価されています。

各務原市を舞台にした作品として正しいものはどれですか?

「ひそねとまそたん」は航空自衛隊岐阜基地を舞台にした作品で、多くのシーンが各務原市で撮影されています。この作品は、夢の中でしか会えないドラゴンと少女の物語を描いており、多くのファンを持つアニメです。各務原市は航空機に関連した歴史やインフラを持っており、作品中のリアリズムが市の文化や自然の描写に繋がっています。このように、各務原市は文化的な発信地としても注目されています。

岐阜県における各務原市の人口ランキングはどうなっていますか?

各務原市の人口は岐阜県内で岐阜市、大垣市に次いで3番目に多いです。このランキングは国勢調査などの公式なデータに基づいており、近年は横ばいの傾向が見られています。これにより、各務原市は徐々に岐阜県の地域の中心都市として、発展し続けているといえます。また、岐阜市や名古屋市との関係性から、通勤や通学に便利なベッドタウンとして多くの住民がこの地域を選んでいます。