福島県天栄村:豊かな自然と文化が息づく、つげ義春ゆかりの村

福島県中通りに位置する天栄村は、雄大な自然と温泉、そして個性的な文化が調和する魅力的な村です。

1. 天栄村の概要

天栄村は、福島県岩瀬郡に属する村で、村名は中央にそびえる天栄山に由来しています。奥羽山脈を挟んで太平洋側と日本海側にまたがる東西約36kmの広大な村域は、古くから会津と中通りを結ぶ重要な交通の要衝として栄えてきました。

1.1 地理

天栄村は、阿武隈川水系釈迦堂川流域と阿賀野川水系鶴沼川流域にまたがり、豊かな自然に恵まれた村です。

主な山:

  • 二岐山
  • 会津布引山
  • 白河布引山

主な河川:

  • 釈迦堂川
  • 鶴沼川

主な湖沼:

  • 羽鳥湖
  • 龍生ダム

隣接する自治体:

  • 郡山市
  • 会津若松市
  • 南会津郡下郷町
  • 須賀川市
  • 岩瀬郡鏡石町
  • 西白河郡矢吹町
  • 白河市
  • 西白河郡西郷村

1.2 気候

天栄村は、西岸海洋性気候に属し、四季の変化がはっきりとした気候です。

湯本(1991年 – 2020年)の平均気温:

最高気温 (°C) 平均気温 (°C) 最低気温 (°C)
1月 1.4 -2.4 -6.6
2月 2.4 -2.0 -6.6
3月 6.4 1.2 -3.4
4月 13.7 7.2 1.1
5月 19.2 12.7 6.3
6月 21.9 16.6 11.9
7月 25.4 20.5 16.7
8月 26.5 21.3 17.4
9月 22.1 17.2 13.3
10月 16.5 11.2 6.6
11月 10.9 5.2 0.2
12月 4.6 0.2 -3.8

1.3 人口

天栄村の人口は、近年減少傾向にあります。

人口
1970年 7,324人
1975年 6,836人
1980年 6,820人
1985年 6,878人
1990年 6,964人
1995年 7,153人
2000年 6,889人
2005年 6,486人
2010年 6,291人
2015年 5,611人
2020年 5,194人

2. 天栄村の歴史

天栄村は、1955年に牧本村、湯本村、大里村、広戸村の一部が合併して誕生しました。

主な歴史:

  • 1955年3月31日: 牧本村、湯本村、大里村、広戸村の一部が合併し、天栄村が発足。
  • 1971年10月1日: 須賀川市、西白河郡矢吹町との境界の一部を変更。
  • 1975年4月1日: 国道294号の益子町 – 会津若松市間が制定。
  • 1993年4月1日: 国道118号の須賀川市 – 会津若松市間が制定。

3. 天栄村の産業

天栄村の主要産業は農業です。米、ヤーコン、野菜などが栽培されています。

特産品:

  • ヤーコン: 健康食品として注目を集めている。
  • 天栄米: 米・食味分析鑑定コンクール:国際大会で日本で唯一9年連続金賞受賞を誇るブランド米。
  • 揚げ饅頭、酒饅頭: 須賀川市のショッピングモールなどで販売されている。

4. 天栄村の教育

天栄村には、小学校4校、中学校2校があります。

小学校:

  • 天栄村立広戸小学校
  • 天栄村立大里小学校
  • 天栄村立牧本小学校
  • 天栄村立湯本小学校

中学校:

  • 天栄村立天栄中学校
  • 天栄村立湯本中学校(2023年閉校)

5. 天栄村の交通

天栄村には鉄道駅はありませんが、東北新幹線が村東部を通過しています。

最寄りの駅:

  • JR東日本東北本線 鏡石駅(鏡石町)
  • JR東日本東北本線 矢吹駅(矢吹町)

路線バス:

  • 福島交通: 須賀川駅と天栄村を結ぶ路線を運行。

高速道路:

  • 東北自動車道 鏡石スマートIC、矢吹IC

道路:

  • 一般国道: 国道118号、国道294号
  • 主要地方道: 福島県道37号白河羽鳥線、福島県道55号郡山矢吹線、福島県道58号矢吹天栄線
  • 一般県道: 福島県道235号羽鳥福良線、福島県道282号十日市矢吹線、福島県道289号下松本鏡石停車場線、福島県道292号牧ノ内長沼線

道の駅:

  • 季の里天栄
  • 羽鳥湖高原

6. 天栄村の観光

天栄村には、豊かな自然を満喫できる観光スポットや温泉、スキー場、ゴルフ場などがあります。

主な観光スポット:

  • ブリティッシュヒルズ: イギリスの街並みを再現したテーマパーク。
  • エンゼルフォレスト那須白河: スパリゾート、テニスコート、キャンプ場、コテージなどがある複合施設。
  • 羽鳥湖湖畔オートキャンプ場: 羽鳥湖畔にあるキャンプ場。
  • 羽鳥湖: ワカサギ釣りなどが楽しめる。
  • 二岐山: 標高1,122mの山。
  • 龍ヶ塚古墳: 古墳時代後期の円墳。

温泉:

  • 二岐温泉: 豊富な湯量と効能で知られる。
  • 湯本温泉: 昭和40年代につげ義春が訪れ、絶賛した温泉。
  • 天栄温泉:
  • 羽鳥湖温泉:
  • 明治湯温泉:

スキー場:

  • グランディ羽鳥湖スキーリゾート:

ゴルフ場:

  • 太平洋クラブ&アソシエイツ白河リゾート:
  • 白河メドウゴルフ倶楽部:

その他:

  • YOSAKOIソーランジュニア東日本大会: 毎年開催されるイベント。
  • ノーザンファーム天栄(旧:天栄ホースパーク): 競走馬の育成牧場。

7. つげ義春と天栄村

漫画家・つげ義春は、昭和40年代に天栄村の二岐温泉や岩瀬湯本温泉を訪れ、その風景に魅了されました。

つげ義春ゆかりの場所:

  • 二岐渓谷: つげ義春が実在する湯小屋温泉をモデルに創作した漫画作品。
  • 岩瀬湯本温泉街: 当時の温泉街の風景が、つげ義春の作品に多く描かれている。
  • つげ義春資料館: 2018年に開館した資料館。つげ義春の作品や資料を展示。

8. 東日本大震災の影響

天栄村は、2011年の東日本大震災で大きな被害を受けました。特に、原子力発電所事故による放射性物質流出の影響は深刻で、農作物や観光業に大きな打撃を与えました。

9. まとめ

天栄村は、豊かな自然と温泉、そして個性的な文化が調和する魅力的な村です。つげ義春ゆかりの地としても知られており、近年は観光客の増加も見られます。東日本大震災からの復興に向けて、村は新たな魅力を発信し続けています。

天栄村についてのクイズ

天栄村の名前の由来は何ですか?

天栄村の名前は、村の中央にそびえる「天栄山」に由来しています。この山は天栄村のランドマークとも言える存在であり、村の象徴的な役割を果たしています。天栄村は、豊かな自然環境に囲まれており、山々の景観を背景にした美しい地域です。特に、奥羽山脈や二岐山などがあり、四季折々の自然の美しさを楽しむことができます。名前の由来が地理的な特徴に関連していることで、地域の特性や文化にも深い影響を与えているといえるでしょう。

天栄村の主要な産業は何ですか?

天栄村の主要な産業は農業です。村では、米やヤーコン、各種野菜が栽培されています。特に、「天栄米」は、米・食味分析鑑定コンクールで国際大会での9年連続金賞受賞という栄誉を持つ特産品として知られています。また、健康食品として注目を集めているヤーコンなど、多様な農産物の生産が行われています。これにより、地域経済も農業を基盤として発展しています。観光業も重要ですが、村の特色を活かした農業が重要な役割を果たしています。

天栄村にある歴史的温泉はどれですか?

天栄村の歴史的な温泉の一つは「二岐温泉」です。豊富な湯量を誇り、効能も多岐にわたることから、多くの観光客に支持されています。また、漫画家のつげ義春が昭和40年代にこの温泉を訪れ、その風景に魅了されたことでも知られています。そのため、二岐温泉はただの温泉地としてだけでなく、つげ義春の作品にも影響を与えた特別な場所となっています。他にも、岩瀬湯本温泉なども有名ですが、特に二岐温泉は村の文化的価値を高める存在となっています。

天栄村にはいくつの小学校がありますか?

天栄村には4校の小学校があります。それらは天栄村立広戸小学校、天栄村立大里小学校、天栄村立牧本小学校、天栄村立湯本小学校です。これらの学校は地域の教育の基盤を築く役割を担っており、天栄村の子どもたちに教育の機会を提供しています。特に、少子化の影響を受けつつも、地域のつながりを重視した学びの場として機能し、地域社会の発展にも寄与しています。