福島県浜通りの南部に位置するいわき市は、中核市に指定され、福島県浜通り地域の行政・経済・文化の中心地として発展してきました。面積は福島県内で最大であり、郡山市に次ぐ県内2位の人口を有しています。
いわき市の魅力
いわき市は、豊かな自然と多様な文化、そして活気あふれる都市の魅力が融合した街です。
- 東北地方最大の工業都市: かつては常磐炭田で栄え、現在も多くの工場が立地する工業都市として、東北地方の経済を支えています。
- 観光都市: スパリゾートハワイアンズを始めとする観光施設が充実しており、東北地方で最も集客力のあるリゾート都市として知られています。
- 豊かな自然: 太平洋に面した海岸線、阿武隈山地の山々、渓谷など、豊かな自然に恵まれた環境が魅力です。
- 歴史と文化: 古代から続く歴史、戦国時代の城下町、そして近代化と共に発展してきた文化を色濃く残しています。
- 食: 旬の魚介類や農産物など、新鮮な食材が楽しめるグルメの街としても知られています。
歴史
いわき市の歴史は古く、古代には石城国造（北部）や道奥菊多国造（南部）の領土でした。平安時代の12世紀から関ヶ原の戦いまでは岩城氏の本拠地として栄え、城下町として発展しました。
明治初期からは、本州最大かつ東京に最も近い炭鉱である常磐炭田の開発が始まり、隣接する日立鉱山とともに、日本の近代化に欠かせない地域となりました。鉄道の常磐線もこの地域で産出される鉱物資源を首都圏へ運ぶ重要路線として整備され、日本の主幹産業として当時の発展に貢献しました。
高度経済成長期には石油へのエネルギー革命が進み、石炭産業が急速に衰退していきました。そのため、1963年に全国総合開発計画に基づく新産業都市の指定を受け、14市町村の大合併を行いました。この合併により、1966年に現在のいわき市が誕生しました。
地理
いわき市は福島県の東南に位置し、面積は1,232.51km²で、東京都区部の約2倍とほぼ同じ面積を有しています。
山と川
市域の西側には阿武隈高地が連なり、東側には丘陵地が広がっています。主な山には、神楽山、屹兎屋山、猫鳴山などがあります。また、夏井川、鮫川、藤原川などの河川が流れ、豊かな自然環境を形成しています。
海岸線と港湾
南側は太平洋に面しており、約60kmにわたる海岸線を有しています。物流・工業港としては小名浜港があり、6カ所の漁港もあります。
気候
いわき市は、東北地方内では年間日照時間が最も長く、1日の平均気温が最も高い地域です。沿岸部のため、冬は内陸部よりも冷えにくく、夏は内陸部よりも暑くなりにくく、年間の寒暖差が小さいのが特徴です。また、冬は日本海側から流れる雪雲が山脈に遮られるため、雪はほとんど降りません。
いわき市の産業
主な産業
いわき市は、かつては石炭産業が中心でしたが、現在は多角的な産業構造となっています。
- 工業: 沿岸部には工業団地が整備され、自動車、電気機器、化学製品などの製造業が盛んです。
- 観光: スパリゾートハワイアンズ、アクアマリンふくしま、いわき湯本温泉など、多くの観光客を集める観光都市としても発展しています。
- 農業: 温暖な気候を生かして、イチゴや野菜などの農業も盛んです。
- 漁業: 太平洋に面した豊富な漁場を生かし、魚介類の水揚げも盛んです。
いわき市に本社を置く主な企業
- 常磐興産: レジャーリゾート「スパリゾートハワイアンズ」を運営する企業
- タンガロイ: 切削工具の製造販売
- ハニーズ: 婦人衣料品販売
- マルト: チェーンストア
いわき市の観光
いわき市の観光スポット
いわき市には、魅力的な観光スポットが数多くあります。
スパリゾートハワイアンズ: ハワイをテーマにした、日本最大級の温泉テーマパーク。
アクアマリンふくしま: 太平洋の生き物たちと出会える海洋科学館。
いわき湯本温泉: 歴史ある温泉街。温泉旅館や日帰り温泉施設が充実しています。
塩屋埼灯台: 太平洋にそびえ立つ、歴史のある灯台。
勿来関跡: かつて重要な関所として栄えた歴史的な場所。
白水阿弥陀堂: 国宝に指定されている、美しい仏堂。
福島県立いわき公園: 広大な自然を満喫できる公園。
いわき市石炭・化石館: 石炭産業の歴史や化石について学べる博物館。
いわき市立美術館: 現代美術作品を展示する美術館。
いわき市暮らしの伝承郷: 昔の暮らしを体験できる施設。
いわき市考古資料館: いわき市の歴史を学ぶことができる資料館。
いわき市のイベント
- いわき七夕まつり: 毎年8月に開催される、華やかな七夕の飾り付けが特徴の祭り。
- いわき花火大会: 夏に開催される、大規模な花火大会。
- いわきフラオンパク: ハワイアンズで毎年1月に開催される、フラのイベント。
いわき市へのアクセス
交通アクセス
- 飛行機: 最寄りの空港は福島空港。
- 新幹線: 常磐線で東京駅から約2時間、仙台駅から約1時間30分。
- 高速バス: 東京、仙台、郡山などから高速バスが運行しています。
- 車: 常磐自動車道で東京から約2時間、仙台から約1時間30分。
まとめ
いわき市は、東北地方最大の工業都市でありながら、温泉テーマパーク、海洋科学館、歴史的な史跡など、多くの観光資源に恵まれた街です。豊かな自然と文化、そして活気あふれる都市の魅力が融合した、魅力的な街です。ぜひ、いわき市を訪れてみてください。
いわき市についてのクイズ
いわき市の面積は福島県内でどのくらいの大きさですか？
いわき市は福島県内で最大の面積を持つ市として知られています。県内の面積は約1,232.51km²で、東京都区部の約2倍に相当し、この広大さからさまざまな自然環境や産業が展開されています。いわき市は、太平洋に面した海岸線や阿武隈高地に囲まれた地形を持ち、山や川、海に恵まれた都市です。これにより、豊かな自然が体験できる観光地としても人気があります。歴史的にも古代から栄えた地で、平安時代には岩城氏の本拠地として重要な役割を果たしました。この背景から、いわき市は単なる工業都市にとどまらず、観光や文化の発展にも寄与していることが、その面積に見合った多様性を反映しています。
いわき市の代表的な観光スポットはどれですか？
いわき市には多くの魅力的な観光スポットが存在しますが、その中でも特に有名なのが「アクアマリンふくしま」です。これは太平洋に面した海洋科学館であり、海の生き物たちと直接触れ合える展示が充実しています。この施設は、教育的な側面と娯楽が融合しているため、子供から大人まで幅広い年齢層の訪問者に支持されています。アクアマリンふくしまでは、海の生物について学べる展示が行われており、特に地域の漁業や環境保全をテーマにしたプログラムも実施されています。また、スパリゾートハワイアンズやいわき湯本温泉などの観光地も人気ですが、アクアマリンふくしまは特に観光業の発展に貢献しているスポットといえるでしょう。
いわき市の気候はどのような特性がありますか？
いわき市は東北地方の中でも特異な気候特性を持っています。年間日照時間が最も長く、地域の平均気温も高いため、温暖な気候が特徴です。この沿岸部に位置するため、冬季における寒さが内陸部よりも緩和され、逆に夏は内陸部よりも暑くなりにくいという特性もあります。その結果、年間を通じて寒暖差が小さく、過ごしやすい気候環境が形成されています。このため、いわき市は農業や観光業においても恵まれた環境にあり、多彩な産業が展開されています。また、冬に関しては日本海側から流れ込む雪雲が山脈に遮られ、雪がほとんど降らないことから、過ごしやすい冬を迎えることができます。
いわき市に本社を置く企業はどれですか？
いわき市には「ハニーズ」という婦人衣料品を販売する企業が本社を構えています。これは、全国展開しているチェーンストアであり、多くの店舗を持ち、リーズナブルな価格でトレンド性の高い服を提供しています。いわき市はその地理的な特徴から、観光業や工業、農業など多角的な産業が根付いており、ハニーズのような衣料品販売企業もその一環として地域経済に寄与しています。一方、「ユニクロ」や「ソニー」といった大手企業は全国的に展開していますが、いわき市には直接的な拠点を持っていません。このように、いわき市には地方の特色を生かした企業が存在し、地域経済の多様性を示しています。
