福岡県築上郡上毛町 – 豊かな自然と歴史が息づく、山国川のほとりの町

リード文

福岡県築上郡の東端に位置する上毛町は、山国川の清流と豊かな自然に恵まれた町です。歴史的な史跡や伝統文化、そして個性豊かな特産品など、魅力あふれる上毛町は、静かで穏やかな暮らしを求める人々にとって理想的な場所と言えるでしょう。本記事では、上毛町の地理、歴史、産業、観光スポットなど、多角的に紹介します。

地理

上毛町は、福岡県東部の築上郡に位置し、福岡県の最東端にあたる町です。西は豊前市、北は吉富町、山国川を挟んで大分県中津市と隣接しています。町域の北部は平野が広がり、南部は山地となっています。

地形

上毛町を流れる山国川は、大分県と福岡県の県境をなす重要な河川です。山国川は、上毛町を東西に貫流しており、豊かな水資源をもたらすと同時に、町の歴史と文化に深く関わってきました。

隣接する自治体

  • 福岡県
    • 豊前市
    • 築上郡:吉富町
  • 大分県
    • 中津市

主要都市までの距離

  • 福岡県
    • 北九州市:約50km
    • 田川市:約40km
    • 行橋市:約25km
    • 豊前市:約5km
  • 大分県
    • 中津市:約3km
    • 宇佐市:約15km

経済圏・生活圏・文化圏

上毛町は、江戸時代に中津藩の領地でした。明治時代に山国川を境に福岡県と大分県に分割されましたが、現在でも大分県中津市との関係が深く、経済圏、生活圏、文化圏において中津市の影響を強く受けています。

  • 経済圏: 中津都市圏に属し、町内の通勤・通学者の約20%が中津市に向かっています。
  • 生活圏: 大きなショッピングセンターがないため、買い物は中津市に出向くことが多いです。
  • 文化圏: 文化的にも中津市の影響が強く、市外局番は「0979」、郵便番号も「871-0xxx」で中津市と同一です。

歴史

沿革

  • 1889年(明治22年)4月1日: 町村制施行に伴い、上毛郡西吉富村・南吉富村・唐原村・友枝村が成立。
  • 1896年(明治29年)2月26日: 上毛郡が築城郡と合併して築上郡となる。
  • 1955年(昭和30年)3月1日: 西吉富村と南吉富村が合併し、新吉富村が誕生。
  • 1955年(昭和30年)4月1日: 唐原村と友枝村が合併し、大平村が誕生。村名は、当時の唐原村、友枝村の両村にまたがる大平山にちなんで命名されました。
  • 2005年10月11日: 新吉富村と大平村が対等合併し、町制施行。町名は、築上郡が誕生する前、この地域が明治時代以前に上毛郡と呼ばれていたことから、その旧郡名にちなんで名付けられました。

市町村合併関係

上毛町は、隣接する大分県中津市の生活圏、経済圏(中津都市圏)に属していることから、福岡県が示した豊前市との合併を拒否し、吉富町・新吉富村・大平村の3町村で法定合併協議会を設置しました。新町名を「大富町」に決定しましたが、新町役場の位置や大平村で起きた不祥事をめぐって協議が難航し、吉富町を除いて合併することとなりました。

歴代町長

氏名 任期
初代 鶴田忠良 2005年11月13日 – 2013年11月12日
2代 坪根秀介 2013年11月13日 – 現在

行政

町長

  • 坪根 秀介(3期目)
  • 任期:2025年11月12日

町議会

  • 定数:12人
  • 任期:2023年2月10日

消防

  • 京築広域圏消防本部
    • 豊前消防署(豊前市)
      • 東部分署

警察

  • 福岡県警察豊前警察署(豊前市)
    • 垂水駐在所
    • 土佐井駐在所
    • 唐原駐在所

選挙区

  • 衆議院議員総選挙の小選挙区は福岡県第11区。
  • 福岡県議会の選挙区は豊前市と築上郡で形成される築上郡・豊前市選挙区。

人口

人口
1970年 9,180人
1975年 8,913人
1980年 8,780人
1985年 8,773人
1990年 8,636人
1995年 8,443人
2000年 8,296人
2005年 8,172人
2010年 7,852人
2015年 7,458人
2020年 7,251人

教育

高等学校

町内に高等学校はありません。公立高校の学区は町域全域が第1学区(築上郡、豊前市、京都郡、行橋市)であり、高校がある最寄りの市町村は隣の豊前市です。県境を挟んで隣接する大分県中津市にも私立高校があります。

かつては現在の町域内に福岡県立築上東高等学校がありましたが、築上中部高校・築上北高校と統合して豊前市内に福岡県立青豊高等学校を設置したため、2005年3月に閉校となりました。

中学校

  • 上毛中学校 (旧築上東中学校・2012年3月に改名)(合併前は新吉富村・大平村の組合立)

小学校

  • 南吉富小学校
  • 西吉富小学校
  • 友枝小学校
  • 唐原小学校

閉校した小学校

  • 西友枝小学校 – 友枝小学校と統合のため、2010年3月閉校。

経済

産業

上毛町の主要産業は農業です。特に、ユズやレモンなどの柑橘類の栽培が盛んです。

特産品

  • ユズ: 上毛町の特産品として知られるユズは、その豊かな香りと爽やかな酸味が特徴です。ユズを使ったジュースやジャム、調味料などが人気です。
  • レモン: ユズと並んで、上毛町で盛んに栽培されているレモンも、特産品として知られています。レモンを使ったお菓子やドリンク、加工品などが販売されています。

交通

空港

最寄りの空港は北九州空港(北九州市・苅田町)です。

鉄道

町内を鉄道路線は通っていません。

  • JR日豊本線:吉富駅、三毛門駅、中津駅(町域から概ね2kmの範囲内に立地)
    • 町内とを結ぶ公共交通が通じている駅は中津駅のみです。

路線バス等

  • 築上東部乗合タクシー: 中津市・吉富町・旧新吉富村・旧大平村の中心部相互間を結ぶ。鉄道から乗り継ぐ場合、「JR中津駅」停留所もしくは吉富駅近くの「吉富町役場前」停留所を利用することとなります。
    • JR中津駅前 – 吉富町役場前 – 上毛町役場前 – 大平支所前
  • 上毛町コミュニティバス: 4路線あり町内各地を運行する。町域から山国川を挟んで対岸にあるイオンモール三光(大分県中津市)にも乗り入れるが、それ以外の町外には一切乗り入れない。

道路

高速道路

  • 東九州自動車道:上毛PA/SIC

一般国道

  • 国道10号

県道

  • 主要地方道
    • 福岡県道・大分県道1号豊前万田線
    • 福岡県道・大分県道16号吉富本耶馬渓線
  • 一般県道
    • 大分県道・福岡県道102号野路土佐井線
    • 福岡県道103号新吉富豊前線
    • 大分県道・福岡県道109号福土吉富線
    • 福岡県道・大分県道110号東下中津線
    • 福岡県道・大分県道111号東上戸原線
    • 福岡県道225号野地塔田線
    • 福岡県道226号山内吉富線
    • 福岡県道229号松尾安雲線

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

観光スポット

  • 友枝瓦窯跡(国指定史跡): 鎌倉時代から室町時代にかけて栄えた瓦窯跡で、当時の技術や文化を知る貴重な史跡です。
  • 大平樂: 毎年10月に行われる伝統芸能で、豊作を祈願する神楽です。
  • 山国川: 清流の美しい山国川は、上毛町の自然を象徴する存在です。
  • 道の駅しんよしとみ: 地域の特産品や農産物を販売する道の駅です。
  • 穴ヶ葉山古墳: 古墳時代後期に築造された前方後円墳です。
  • ほたるの里: 春から夏にかけて、たくさんのホタルが飛び交う幻想的な場所です。
  • 牛頭天王公園: 遊具や広場があり、子供たちが遊べる公園です。
  • 岩屋の滝: 山奥にひっそりと佇む美しい滝です。
  • げんきの杜: 自然に囲まれた広大な公園で、散策やバーベキューを楽しむことができます。
  • 西友枝体験交流センターゆいきらら: 昔の農村生活を体験できる施設です。
  • さわやか市・大平: 毎月第2日曜日に開催される、地元の農産物や特産品を販売するイベントです。

祭事・催事

  • 大平樂: 毎年10月に行われる伝統芸能で、豊作を祈願する神楽です。

上毛町出身の有名人

  • 吉田あい: バレーボール選手
  • 川崎哲平: 音楽家

関連項目

  • 上毛郡
  • 下毛郡

外部リンク

画像提供依頼

  • ほたるの里の画像提供をお願いします。(2021年4月)

上毛町についてのクイズ

上毛町はどの県の最東端に位置していますか?

上毛町は福岡県に位置しており、特に東端に位置しています。この町は山国川という重要な河川を抱えており、周囲には豊前市や大分県中津市などの自治体が隣接しています。地理的な位置により、上毛町は経済や文化の面で中津市の影響を強く受けています。また、豊かな自然環境と歴史的な背景を併せ持っていることから、地域は多くの観光客に魅力を提供しています。最寄りの主要都市である北九州市や行橋市ともアクセスが良く、福岡県内の観光地としても知られる地域です。

上毛町の主要産業は何ですか?

上毛町の主要産業は農業であり、特にユズやレモンなどの柑橘類の栽培が盛んです。この地域は温暖な気候に恵まれており、豊かな自然環境が農業に適しています。上毛町で生産されるユズは、香りと酸味が特徴であり、地元で作られるジュースやジャム、調味料などは多くの人々に好まれています。また、農産物の販売イベントや地元特産品の取り扱いも活発であり、地域の経済を支える重要な要素となっています。

上毛町にある国指定史跡は何ですか?

上毛町にある国指定史跡は友枝瓦窯跡です。この瓦窯跡は鎌倉時代から室町時代にかけて栄えたものであり、当時の技術や文化を知る貴重な史跡とされています。瓦の生産は、当時の生活様式や建築に重要な役割を果たしており、この遺跡は地域の歴史を考える上で非常に価値があります。また、観光スポットとしても訪れる人々にその魅力を伝え、上毛町の文化的な側面を紹介しています。

上毛町の教育機関には何がありませんか?

上毛町には高等学校がありません。公立高校の学区は町域全域が第1学区に所属し、近隣の豊前市や中津市に高校が設置されています。かつては福岡県立築上東高等学校が存在していましたが、他の高校と統合されたため2005年に閉校されました。町内には中学校やいくつかの小学校が存在し、地域の教育機関として機能していますが、高校に関しては他の市町に通う必要があります。

上毛町で毎年行われる伝統芸能の名称は何ですか?

上毛町で毎年行われる伝統芸能の名称は大平樂です。これは10月に開催される神楽であり、豊作を祈願するための行事です。この伝統行事は地域社会に深く根付いており、町民や観光客にとっても重要な文化的イベントとなっています。大平樂は地域の歴史や文化を体験できる貴重な機会を提供するものであり、参加者にとって豊かな思い出となるでしょう。地域の伝統を次世代に引き継ぐ取り組みが続いています。