福井県坂井市:東尋坊と丸岡城が織りなす、豊かな自然と歴史が息づく街

福井県北部、日本海に面した坂井市は、雄大な自然と歴史的建造物が調和する魅力的な街です。人口は約8.7万人、福井市に次ぐ県内第二の都市として、活気あふれる街並みを形成しています。

概要

坂井市は、国の名勝・天然記念物に指定されている「東尋坊」や、国宝の天守閣を持つ「丸岡城」など、全国的に有名な観光地を擁しています。これらの観光資源に加え、豊かな自然、歴史、文化、そして活気ある産業が調和し、多くの観光客を魅了しています。

市域は、日本海に注ぐ九頭竜川水系の流域に位置し、東尋坊の断崖や加越台地、三里浜など、多様な地形が特徴です。特に、旧三国町にある三国港の突堤は、オランダの工法を用いた国内最初の港湾施設として、国の重要文化財に指定されています。

地理

地形

坂井市は、日本海に面した海岸線から山岳地帯まで、多様な地形を有しています。

  • 山岳地帯: 標高1000m級の山々が連なり、豊かな自然に恵まれています。丈競山(標高1045m)は市内で最も高い山です。
  • 丘陵地帯: 加越台地と呼ばれる丘陵地帯が広がり、眺望の良い場所が数多く存在します。
  • 平野部: 福井平野の一部を占め、九頭竜川が流れ、水田が広がる風景が広がります。
  • 海岸線: 東尋坊の断崖、雄島、三里浜など、変化に富んだ海岸線が見られます。

気候

坂井市は、日本海側気候に属し、冬は比較的温暖で雪が少なく、夏は比較的涼しいです。

  • 旧三国町: 日本海に面しており、暖流の影響で雪が非常に少ないのが特徴です。
  • 旧丸岡町: 内陸部に位置するため、旧三国町よりも積雪量が多い傾向があります。
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C 16.4 20.9 23.8 28.8 33.4 34.0 38.9 39.7 37.6 32.3 26.6 21.8 39.7
平均最高気温 °C 6.9 7.4 11.0 16.3 21.1 24.3 28.4 30.2 26.2 21.0 15.5 9.8 18.2
日平均気温 °C 3.5 3.7 6.7 11.8 16.7 20.5 24.7 26.2 22.3 16.8 11.2 6.1 14.2
平均最低気温 °C 0.5 0.4 2.7 7.5 12.8 17.4 21.9 23.0 18.8 13.0 7.3 2.8 10.7
最低気温記録 °C -6.8 -6.8 -4.0 -1.6 3.4 9.4 14.4 15.0 9.0 2.5 -0.5 -4.4 -6.8
降水量 mm 206.9 123.6 138.3 125.0 139.8 155.4 228.4 147.1 218.2 159.8 182.8 253.9 2,079.2
平均降水日数 23.4 18.1 15.5 11.6 10.6 10.7 12.0 8.8 11.6 12.5 16.6 23.4 174.8

※上記の気候データは、三国町(1991年-2020年)のものです。

歴史

坂井市は、古くから歴史と文化が栄えてきた街です。

古代

  • 古墳時代: 継体天皇が即位前に住んでいたとされる場所です。
  • 飛鳥時代: 現在の坂井市にあたる地域には、越前国高向郡が置かれていました。

中世

  • 鎌倉時代: 鎌倉幕府の支配下に入ります。
  • 室町時代: 戦乱が頻繁に起こり、この地は越前国の有力な戦国武将である朝倉氏の支配下に入ります。

近世

  • 江戸時代: 江戸幕府の成立とともに、この地域は丸岡藩領となります。三国港は北前船の寄港地として栄え、商業が活発化しました。

近代

  • 明治時代: 近代化が進み、鉄道が開通するなど、交通網が整備されました。三国港は近代化され、重要な港湾都市として発展していきます。
  • 大正時代: 三国港では機船底曳網漁業が始まり、漁業が盛んになりました。

近現代

  • 昭和時代: 第二次世界大戦後、工業化が進み、現在の坂井市を形成する基礎が築かれます。
  • 平成時代: 2006年3月20日に、坂井郡の坂井町、春江町、丸岡町、三国町が合併し、坂井市が誕生しました。

政治

坂井市は、市長を首長とする市制を採用しています。

行政

市長

  • 現在の市長は、池田禎孝氏です。

役所

  • 市役所は、坂井町の下新庄に位置しています。
  • 旧町域を管轄する支所が、三国町、丸岡町、春江町に設置されています。

広域行政

  • 坂井地区広域連合:坂井市とあわら市で構成され、介護保険行政や環境衛生など、広域的な行政事務を行っています。

議会

市議会

  • 定数は26人です。

県議会

  • 坂井市から選出される福井県議会議員の定数は4人です。

国会

  • 坂井市は、衆議院選挙では福井県第1区に属します。
  • 参議院選挙では、北陸信越ブロックに属します。

経済

坂井市は、農業、工業、観光業など、多様な産業が盛んです。

第一次産業

農業

  • コシヒカリ:福井県内最大の生産高を誇ります。
  • 花らっきょ:全国一の生産量を誇ります。
  • 越のルビー:ミディトマトの一種で、近年人気が高まっています。

畜産業

  • 若狭牛:福井県内最大の育成地です。

第二次産業

工業

  • 福井臨海工業地帯(テクノポート福井)には、セーレン、淀川製鋼所、小野薬品工業など、多くの企業が進出しています。

第三次産業

観光

  • 東尋坊、丸岡城、越前松島水族館など、多くの観光地があり、観光客が年間を通じて訪れます。

商業

  • 市内には、スーパーマーケット、商店街、飲食店などが数多く存在し、活気のある商業エリアが形成されています。

文化・名物

坂井市は、豊かな自然と歴史に育まれた、独特の文化や名物を持っています。

祭事・催事

  • 丸岡城桜まつり: 4月1日~20日、丸岡城周辺で桜が咲き乱れる風景を楽しむことができます。
  • 三国祭: 5月19日~21日、三国港周辺で行われる、歴史と伝統を感じさせる祭です。
  • 古城マラソン: 6月上旬、丸岡城を舞台に行われるマラソン大会です。
  • 三国花火大会: 8月11日、三国港で打ち上げられる、夏の風物詩ともいえる花火大会です。

名産・特産

  • 丸岡そば: 丸岡町で伝統的に作られている、風味豊かな蕎麦です。
  • 越前花らっきょ: 甘酢漬けや醤油漬けなど、様々な味が楽しめます。
  • 若狭牛: 肉質が柔らかく、旨みが凝縮された、高級ブランド牛です。

スポーツ

  • 三国競艇場: スピーディーなレースが楽しめる、公営競技場です。
  • 坂井フェニックスサッカークラブ: 北信越フットボールリーグに所属するサッカークラブです。

交通

坂井市は、鉄道、バス、高速道路など、交通アクセスが良好です。

鉄道

  • えちぜん鉄道三国芦原線: 三国駅は、市の中心駅であり、福井市、あわら市とを結んでいます。
  • ハピラインふくい線: 春江駅、丸岡駅が市内にあります。

バス

  • 京福バス: 福井市、あわら市、永平寺町とを結ぶ路線バスを運行しています。
  • 坂井市乗り合いタクシー「イータク」: 市内を網羅する、デマンド型のタクシーサービスです。

道路

  • 北陸自動車道: 丸岡ICが市内にあり、県内外へのアクセスが便利です。
  • 国道8号: 市の中心部を南北に貫き、重要な幹線道路となっています。

航空

  • 小松空港: 市内から小松空港までは、バスで約30分です。

観光

坂井市は、歴史、自然、文化、レジャーなど、様々な魅力を持つ観光地です。

景勝地

  • 東尋坊: 海蝕崖が続く、雄大な景観が見られる、日本海を代表する景勝地です。
  • 雄島: 東尋坊のすぐ沖合に浮かぶ島で、神社があり、神聖な場所として知られています。
  • 越前松島: 三国港の沖合にある、大小様々な島々が点在する風景が美しい、越前加賀海岸国定公園の一部です。

名所・旧跡

  • 丸岡城: 国宝の天守閣を持つ、日本三大古城の一つです。
  • 三国港突提: オランダの工法を用いた、国の重要文化財に指定されている、歴史的な建造物です。

観光スポット

  • 福井県総合グリーンセンター: 広大な敷地内に、植物園、遊園地、宿泊施設などがある、複合施設です。
  • ゆりの里公園: 約300種、50万株のユリが咲き誇る、美しい公園です。
  • 越前松島水族館: 海上にある水族館で、様々な海洋生物を見ることができます。

温泉

  • 東尋坊温泉: 東尋坊の近くにある、海を一望できる温泉です。
  • 丸岡温泉: 古くから湯治場として知られており、日帰り入浴も可能です。

まとめ

坂井市は、自然と歴史が調和した魅力あふれる街です。雄大な東尋坊や国宝の丸岡城など、観光名所も数多く存在し、年間を通じて多くの観光客が訪れます。

農業、工業、観光業など、様々な産業が盛んであり、活気のある街並みが特徴です。

坂井市を訪れて、豊かな自然と歴史に浸り、文化に触れ、美味しいものを楽しんでみてください。

坂井市についてのクイズ

坂井市にある国の名勝・天然記念物はどれですか?

坂井市には「東尋坊」があることで知られています。東尋坊は、海蝕によって形成された断崖絶壁で、日本海に面しており、その雄大な景観と神秘的な雰囲気が多くの観光客を惹きつけてきました。特に、絶壁の上からの眺めは圧巻で、四季折々の自然の美しさを見ることができます。一方で、丸岡城は国宝であり、歴史的な価値が非常に高いですが、名勝・天然記念物としては東尋坊の方が適切です。三国港は、オランダの工法を用いた突堤があり、国の重要文化財として評価されていますが、名勝や天然記念物ではありません。

坂井市の気候はどのように分類されますか?

坂井市は日本海側気候に属しているため、冬は比較的温暖で雪が少ないという特性があります。これは日本海の暖流の影響で、特に旧三国町のエリアでは顕著です。また、夏は湿度が高く、降水量が増える傾向がありますが、全体的には涼しい夏を過ごすことができます。選択肢の中で太平洋側気候は北海道や東北地方の一部地域で見られる気候であり、亜寒帯気候は日本の北部やカナダなどに見られます。それに対し、日本海側気候は、坂井市のように独特の温暖さと降水量の特性を持っています。

坂井市の市長は誰ですか?

坂井市の現在の市長は池田禎孝氏です。市長は市の行政を統括し、地域住民の福祉や生活向上を目指して政策を推進します。市長選挙では、市民の信任を得て選ばれるため、市長の選択は市民の生活に大きな影響を与える重要なポジションです。市長の役割には予算の決定や地方自治法に基づく行政の執行、さまざまな施策やプロジェクトの推進が含まれます。選択肢の田中武雄氏や山本恵一氏は坂井市の市長ではなく、別の政治家や有名人の名前として挙げられています。

坂井市はどの産業が特に盛んですか?

坂井市は農業が特に盛んであり、コシヒカリや花らっきょ、越のルビーなどの農産物が特筆されます。コシヒカリは福井県内で最大の生産量を誇り、品質も非常に高いものとされています。花らっきょは全国一の生産量を持ち、全国的に有名です。また、越のルビーは最近人気のミディトマトで、農業の多様性を示しています。選択肢にある漁業も地域経済の重要な一部ですが、特に農業が地域の基盤となっています。観光業も重要ではありますが、農業に比べると歴史的に見て坂井市のメインの産業ではありません。