福井県あわら市:温泉と歴史、そして豊かな自然が織りなす魅力的な街

福井県の北端に位置するあわら市は、古くから北陸道の要衝として栄え、近年では温泉観光地としても知られる、歴史と自然が調和した魅力的な街です。雄大な北潟湖や加越台地など、変化に富んだ地形が織りなす景観は美しく、四季折々の表情を見せてくれます。

概要

あわら市は、室町時代以前から古代北陸道における越前の北の玄関として発展してきた宿場町をルーツに持つ金津地区と、明治時代に芦原温泉が涌出したことで温泉街として大きく発展した芦原地区の2つを中心市街地としています。

毎年春に行われる真宗大谷派の伝統行事である蓮如上人御影道中の目的地である吉崎東別院もあわら市にあり、歴史と文化に触れることができます。

地理

位置

あわら市は、福井県の北端に位置し、福井平野から加越台地にかけて広がっています。市域は大きく分けて、北潟湖を臨む低地、加越台地の北部、そして刈安山を擁する山岳地の東部という3つの地形に区分されます。

地形

山岳

あわら市には、標高492mの刈安山をはじめ、険しい山々が連なっています。刈安山は、登山やハイキングのスポットとして人気が高く、山頂からは北潟湖や日本海を一望できます。

河川

あわら市を流れる主な河川は竹田川と観音川です。竹田川は、市の中心を流れ、古くから水運や灌漑用水として利用されてきました。観音川は、市域の東部を流れ、豊かな自然を育んでいます。

湖沼

北潟湖は、あわら市の北端に位置する、面積約5.2平方キロメートルの潟湖です。周囲は水田や畑が広がり、湖畔には遊歩道が整備されています。湖では、釣りやボート遊びを楽しむことができます。

土地

あわら市は、福井平野と加越台地という異なる地形が混在しています。福井平野は、水田が広がり、豊かな農産物を育んでいます。加越台地は、標高がやや高く、起伏に富んだ地形が特徴です。

気候

あわら市は、日本海側気候に属し、冬は雪が多く降ります。豪雪地帯に指定されており、積雪量は多いですが、降雪量はそれほど多くありません。そのため、冬でも比較的過ごしやすい気候です。

人口

あわら市の人口は、2024年7月1日時点で約26,239人です。近年は、高齢化が進んでいるものの、移住者も増加傾向にあります。

あわら市と全国の年齢別人口分布(2005年) あわら市の年齢・男女別人口分布(2005年)
■紫色 ― あわら市■緑色 ― 日本全国 ■青色 ― 男性■赤色 ― 女性
あわら市(に相当する地域)の人口の推移 1970年(昭和45年)
総務省統計局 国勢調査より

健康

あわら市の平均年齢は50.9歳(2020年国勢調査)です。温泉の効能を生かした健康増進事業など、高齢者の健康寿命延伸に向けた取り組みが進められています。

隣接自治体

あわら市は、福井県坂井市と石川県加賀市の2つの市と隣接しています。

歴史

近代

明治時代には、1884年に芦原温泉が開湯し、温泉街として発展を始めました。1889年には金津町が誕生し、1935年には芦原町が誕生しました。

近現代

昭和時代には、金津町と芦原町が合併し、現在のあわら市が誕生しました。近年では、北陸自動車道の開通や北陸新幹線の延伸によって、交通の便が向上し、観光客が増加しています。

現代

平成時代には、あわら市は「健康都市」を掲げ、温泉や自然を生かした健康増進事業を積極的に展開しています。

令和

  • 2024年(令和6年)3月16日 – 同県初の新幹線金沢・敦賀間が延伸完了し、芦原温泉駅も停車駅となった[2]。

政治

行政

市長

  • 市長:森之嗣(2022年2月4日就任、1期目)[3]

役所

あわら市役所は、旧金津町役場に設置されています。2004年の発足時より2007年3月まで分庁方式を採用していましたが、2007年4月より本庁方式となり、芦原地区における住民サービス拠点は市民課芦原分室(国影13-13、あわら市保健センター内)となっています。

広域行政

あわら市は、坂井市とともに坂井地区広域連合を構成しています。介護保険行政のほか、し尿汚泥処理施設や斎苑・墓地の管理などを広域で実施しています[6]。

議会

市議会

あわら市議会は、定数16人です(任期満了2025年6月30日[8])。

県議会

あわら市は、福井県議会において、あわら市選挙区(あわら市単独)から選出される福井県議会議員の定数は1議席です。

国会

あわら市は、衆議院選挙では福井県第1区に属し、参議院選挙では北陸信越ブロックに属します。

官公庁

裁判所

あわら市は、福井地方裁判所、福井家庭裁判所、福井簡易裁判所の管轄区域に属します。

施設

警察

あわら市には、福井県警察あわら警察署が置かれています。

消防

あわら市は、嶺北消防組合に所属し、嶺北あわら消防署が設置されています。

医療

あわら市には、国立病院機構あわら病院などの医療機関があります。

郵便局

あわら市には、芦原郵便局、金津郵便局などの郵便局があります。

図書館

あわら市には、あわら市立芦原図書館、あわら市立金津図書館の2つの図書館があります。

文化施設

  • 金津本陣IKOSSA

交流施設

  • アフレア

運動施設

  • トリムパークかなづ

道の駅

  • 道の駅蓮如の里あわら

経済

あわら市の主な産業は、観光業、農業、製造業です。

第一次産業

農業

あわら市は、柿(越前柿(平種なし柿))や梨(幸水など)、トマト(越のルビー)などの果樹栽培が盛んです。

漁業

あわら市は、北潟湖でコオナゴやワカサギなどの漁業が盛んです。

拠点を置く企業

あわら市には、エイチアンドエフ、トラストファーマテック、レンゴーなどの企業が拠点を置いています。

対外関係

姉妹都市・提携都市

あわら市は、国内外で姉妹都市・提携都市を結んでいます。

国内

  • 下妻市(茨城県)
  • 香美市(高知県)

海外

  • 紹興市(浙江省、中華人民共和国)

教育

大学

あわら市には、福井県立大学あわらキャンパスと福井工業大学あわらキャンパスがあります。

高等学校

あわら市には、福井県立金津高等学校があります。

中学校

あわら市には、あわら市芦原中学校、あわら市金津中学校があります。

小学校

あわら市には、あわら市芦原小学校、あわら市北潟小学校などがあります。

交通

鉄道

あわら市には、JR西日本北陸新幹線、ハピラインふくい線、えちぜん鉄道三国芦原線が乗り入れています。

バス

あわら市には、京福バス、北鉄加賀バスなどの路線バスが運行しています。

道路

あわら市には、北陸自動車道、国道8号、国道305号などの道路が通っています。

観光

名所・旧跡

あわら市には、吉崎御坊、龍澤寺などの名所や旧跡があります。

観光スポット

あわら市には、越前加賀海岸国定公園、芦原温泉、吉崎御坊蓮如上人記念館、金津創作の森、トリムパークかなづなどの観光スポットがあります。

文化・名物

祭事・催事

あわら市では、芦原温泉春まつり、蓮如忌法要、あわら北潟湖畔花菖蒲まつりなど、さまざまな祭事や催事が開催されます。

名産・特産

あわら市は、柿(越前柿(平種なし柿))や梨(幸水など)、トマト(越のルビー)などの農産物が有名です。

伝説

あわら市には、嫁威谷などの伝説が残っています。

スポーツ

公営競技

あわら市には、三国競艇場があります。

出身関連著名人

出身著名人

あわら市には、熊谷五右衛門、藤野厳九郎、岡田伊太郎、藤野恒三郎、山谷親平、橋本達也、平尾憲映、志田達哉、藤林温子、久保田修平、松澤裕加、森田理紗子などの著名人がいます。

ゆかりの人物

あわら市には、蓮如、松尾芭蕉などのゆかりの人物がいます。

脚注

  1. 日外アソシエーツ編集部編 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年、113頁。ISBN 9784816922749。
  2. “北陸新幹線の金沢・敦賀間が開業 各地は観光客でにぎわう”. NHK (2024年3月16日). 2024年3月17日閲覧。
  3. “市長の部屋 | あわら市ホームページ”. www.city.awara.lg.jp. 2022年2月4日閲覧。
  4. “橋本市長の辞職に同意=既婚女性にキス-福井県あわら市議会”. 時事ドットコム. (2017年12月19日). https://web.archive.org/web/20171222052141/https://www.jiji.com/jc/article?k=2017121900757&g=pol 2017年12月19日閲覧。
  5. “あわら市長が辞職願提出、公務中キスで混乱招く”. 日刊スポーツ. (2017年12月19日). https://www.nikkansports.com/general/news/201712190000397.html 2017年12月19日閲覧。
  6. “広域連合の紹介 概要”. 坂井地区広域連合. 2024年3月28日閲覧。
  7. “議会の構成”. あわら市. 2021年8月30日閲覧。
  8. 福井県知事・市町長および議会議員の任期満了一覧. 福井県HP 最終更新日 2021年7月2日
  9. 連携の実現について福井新聞の取材に対し、芦原図書館館長の小林孝男は「利用者の希望に応えることができてうれしい」と述べた。「県境越え図書貸し出しスタート あわら市と加賀市の4図書館」福井新聞.2016年11月27日閲覧。
  10. ^ a b “姉妹都市交流”. あわら市. 2024年3月26日閲覧。
  11. ^ a b c “災害時応援協定”. あわら市. 2024年3月26日閲覧。
  12. “新郷小学校 ホームページ「休校のお知らせ」”. あわら市. 2017年4月23日閲覧。
  13. 乗合タクシー(デマンド交通)について – あわら市
  14. ^ a b c d “あわら市の指定・登録文化財”. あわら市 (2023年4月6日). 2024年1月18日閲覧。
  15. ^ a b c d e f g h i j k l “福井県市町勢要覧(令和4年)あわら市の頁”. 福井県 (2023年2月24日). 2024年2月21日閲覧。

関連項目

  • ひらがな・カタカナ地名#ひらがな・カタカナ市町村名一覧
  • 花咲ふくい農業協同組合
  • ちはやふる

外部リンク

  • あわら市公式ホームページ
  • あわら市観光協会WEBサイト
  • 国土地理院地形図閲覧システム
  • 国土地理院 地形図閲覧システム 2万5千分1地形図名:三国
  • 越前・あわら温泉 芦原温泉旅館協同組合

あわら市についてのクイズ

あわら市の中心となる地区はどれですか?

あわら市の中心となる地区は、金津地区と芦原地区です。金津地区は、古代北陸道における宿場町をルーツに持ち、歴史的な背景を持っています。一方、芦原地区は明治時代に芦原温泉が涌出したことで温泉街として発展し、観光地として知られています。この2つの地区はそれぞれ異なる歴史と魅力を持っており、あわら市の文化や経済に大きな影響を与えています。あわら市は、これらの地区の特性を生かして観光業や地元産業の振興に取り組んでおり、地域の魅力を引き出しています。

あわら市が属する気候はどれですか?

あわら市は日本海側気候に属しています。この気候特徴は、冬に多くの雪が降ることがあり、豪雪地帯として知られていますが、降雪量はそれほど多くなく、冬でも過ごしやすい環境が整っています。このような気候は農業にも影響を与えており、豊かな水田と農産物を育む土壌を形成しています。また、四季折々の美しい風景や自然環境もこの気候に根ざしており、観光資源としての魅力を高めています。

あわら市の歴史において、温泉が開湯されたのはいつですか?

あわら市の歴史において、芦原温泉が開湯されたのは1884年です。この開湯によって、あわら市は温泉街として急速に発展し、多くの観光客を惹きつける地域になりました。温泉は地域経済を支える重要な要素であり、宿泊施設や関連する観光ビジネスが大いに盛んになりました。さらに、天然の温泉の効能を活かした健康増進事業なども展開され、地域の福祉にも寄与しています。

あわら市と隣接している石川県の市はどれですか?

あわら市は、隣接自治体として石川県の加賀市があります。加賀市は、豊かな自然と歴史的な文化が共存する地域で、あわら市との間には多くの交流があります。加賀市とあわら市は、地域間連携や観光などの分野で協力しており、相互の発展を促進する動きがあります。このような地域間のつながりは、観光客の誘致や地域の活性化に寄与し、両市の魅力を引き出す重要な要素となっています。