三戸町は、青森県三戸郡の南端に位置し、岩手県との県境に接する豊かな自然と歴史が息づく町です。古くから三戸郡の中核機能を担ってきた歴史を持ち、南部氏ゆかりの三戸城址や、伝統的な祭事など、魅力的な観光資源が満載です。さらに、葉タバコやリンゴなどの農産物、ブロイラーなどの畜産も盛んで、活気あふれる町でもあります。この記事では、三戸町の魅力を、地理、歴史、文化、産業など様々な角度からご紹介します。
三戸町の概要
三戸町は、青森県三戸郡の南端に位置し、岩手県との県境に接する町です。面積は151.79平方キロメートル、人口は約8,245人(推計人口、2024年7月1日)で、人口密度は54.3人/平方キロメートルです。隣接する自治体は、三戸郡の南部町、田子町、新郷村、秋田県の鹿角市、岩手県の二戸市です。
地理
三戸町は、比較的平坦な地形が特徴で、北西部に山地が広がっています。町の中心部を南北に馬淵川が流れ、支流である猿辺川、熊原川が合流しています。主な山としては、ドコノ森(672m)、平森(560m)、高堂山(539m)、貝名森(445m)、黒森(487m)などがあります。
気候
三戸町は、寒暖の差が大きく気温の年較差、日較差が大きい顕著な大陸性気候に属しています。冬は降雪量が多く、豪雪地帯に指定されています。
三戸(1991年 – 2020年)の気候 |
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月 |
最高気温記録 °C (°F) |
平均最高気温 °C (°F) |
日平均気温 °C (°F) |
平均最低気温 °C (°F) |
最低気温記録 °C (°F) |
降水量 mm (inch) |
降雪量 cm (inch) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) |
平均月間日照時間 |
出典1:Japan Meteorological Agency |
出典2:気象庁 |
歴史
三戸町には、古くから縄文人が定住していた集落が存在していたとされ、縄文時代の遺跡から石器などの遺物が多数出土しています。
鎌倉時代の初め、奥州合戦の功により南部光行が糠部五郡を拝領した以降、南部氏の支配地となります。戦国時代には本城である三戸城が築かれ、城下町として栄えました。江戸時代に本城が盛岡城に移された後は、代官所が置かれました。
- 1889年(明治22年)4月1日 – 町村制の施行により、同心町、八日町、馬喰町、二日町、在府小路町、六日町、川守田町、久慈町および川守田村、梅内村(一部)が合併して三戸町が発足。
- 1955年(昭和30年)3月20日 – (旧)三戸町、斗川村、留崎村、猿辺村が合併し、現在の三戸町が発足。
行政・議会
- 町長:松尾和彦(2016年12月16日就任、2期目)
- 町議会:議員定数14名(共産党1名、無所属13名)
経済
三戸町の主産業は商業と農業です。歴史遺産も多く、観光整備が続けられています。
産業
- 農業: 葉タバコの主要産地として知られています。また、米、リンゴ、ニンニク、サクランボ、ブドウなどの果樹の生産も盛んです。
- 畜産: ブロイラーが中心ですが、三戸田子牛の産地としても有名です。
姉妹都市・提携都市
国外
- オーストラリア ニューサウスウェールズ州 タムワース – 2001年(平成13年)7月5日 姉妹都市提携(文化・教育等の交流)
国内
- 静岡県榛原町(現・牧之原市) – 1988年(昭和63年)10月2日 友好都市提携(児童・生徒間の文化・教育の交流)
地域
人口
平成27年国勢調査によると、前回調査から10.30%減の10,135人であり、増減率は県下40市町村中27位です。
三戸町と全国の年齢別人口分布(2005年) | 三戸町の年齢・男女別人口分布(2005年) |
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■紫色 – 三戸町■緑色 – 日本全国 | ■青色 – 男性■赤色 – 女性 |
年 | 人口 |
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1970年 | 16,184人 |
1975年 | 15,602人 |
1980年 | 15,606人 |
1985年 | 15,200人 |
1990年 | 14,440人 |
1995年 | 13,740人 |
2000年 | 13,223人 |
2005年 | 12,261人 |
2010年 | 11,299人 |
2015年 | 10,135人 |
2020年 | 9,082人 |
出典: 総務省統計局 国勢調査より |
教育
高等学校
- 青森県立三戸高等学校
中学校
- 三戸町立三戸中学校
2013年に三戸小学校と三戸中学校が一体化し、小中一貫校三戸学園となりました。
小学校
- 三戸町立三戸小学校
- 三戸町立斗川小学校
※以下は廃校。
- 三戸町立三戸小学校〈旧〉(1960年・三戸小学校〈新〉を統合新設)
- 三戸町立梅内小学校(同上)
- 三戸町立泉山小学校(同上)
- 三戸町立貝守小学校(1969年・三戸北小学校を統合新設)
- 三戸町立下田小学校(同上)
- 三戸町立袴田小学校(同上)
- 三戸町立斗内小学校(1997年・斗川小学校を統合新設)
- 三戸町立豊川小学校(同上)
- 三戸町立大舌小学校(同上)
- 三戸町立蛇沼小学校(2004年・三戸北小学校へ統合)
- 三戸町立目時小学校(2006年・三戸小学校へ統合)
- 三戸町立三戸北小学校(2009年・三戸小学校へ統合)
- 三戸町立杉沢小中学校(2022年・小中一貫校三戸学園へ統合)
図書館
- 三戸町立図書館
交通
鉄道
- 青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道
- 青い森鉄道線・いわて銀河鉄道線:目時駅
※三戸駅は北隣の南部町に位置する。
路線バス
- 南部バス(南部バス三戸営業所設置)
- 三戸町コミュニティバス
道路
- 一般国道
- 国道4号
- 国道104号(当町内・同心町立体交差点から南部町・剣吉交差点まで国道4号と重複)
- 県道
- 主要地方道
- 青森県道21号田子十和田湖線(西の山間部)
- 青森県道45号十和田三戸線
- 一般県道
- 青森県道134号櫛引上名久井三戸線
- 青森県道143号南部田子線
- 青森県道149号目時停車場線
- 青森県道152号三戸停車場線
- 岩手県道・青森県道182号野々上斗内線
- 青森県道216号戸来岳貝守線
- 青森県道217号貝守斗内線
- 青森県道227号名久井岳公園線
- 青森県道258号三戸南部線
- 主要地方道
- 農道
- 広域農道:三戸広域農道
- 三戸望郷大橋
- 広域農道:三戸広域農道
名所・旧跡・観光スポット
三戸町は、歴史と自然に恵まれた町で、多くの観光スポットがあります。
- 三戸城址(県立城山公園): 戦国時代に南部氏本城として築城されました。連続テレビ小説「繭子ひとり」の舞台となり、主人公の繭子の像が設置されています。
- 斗内千人塚: 天明の大飢饉の際の餓死者を弔うため築かれた、悲劇の歴史を伝える場所です。
- 泉山の登拝行事: 泉山の七歳児参りもしくは月山参りと呼ばれ、重要無形民俗文化財に指定されている伝統行事です。
- 道の駅さんのへ: 地産の農産物や特産品を販売する道の駅です。
- 南部俵づみ唄・踊り: 祝時において謡われる伝統的な祝い唄です。
- えんぶり: 冬の伝統芸能で、豊作や無病息災を願う、力強い舞が特徴です。
- さんのへ夏祭り(提灯祭り): 夏の風物詩として親しまれる、活気あふれるお祭りです。
- 三戸秋祭り: 秋の収穫を感謝する、伝統的なお祭りです。
- まける市: 300年の歴史を持つ伝統的な市で、地元の農産物や特産品が販売されます。
- 佐滝本店: 青森県内最古の現存する鉄筋コンクリート造建築物で、登録有形文化財に指定されています。
- 歴史民俗資料館: 三戸町の歴史や文化に関する資料が展示されています。
- 桑の木: 県天然記念物に指定された、樹齢120年の桑の木です。
- 関根の松: 県天然記念物に指定された、推定樹齢360年余の松です。
- 檜山御前五輪塔: 県重宝に指定された、南部信直の次女の墓所とされる五輪塔です。
- 稲荷神社: 本殿が県重宝に指定されている神社です。
著名な出身者
- 鏡里喜代治(力士):第42代横綱。青森県出身力士として初の横綱。
- 金田一国士(実業家):花巻温泉創始者。
- 下村青(俳優):本名および旧芸名は下村 尊則。男子バトントワラーの第一人者としても知られ、1983年にはバトントワリングの全米オープンアジア初のグランドチャンピオンに輝きました。その後、劇団四季や歌舞伎に多数出演。ドラマ「営業部長 吉良奈津子」にも出演しました。
- 時津浪朋納(力士):十両。
- 中嶋英夫(政治家):衆議院議員を5期14年間務めた他、川崎市議会議員、神奈川県議会議員も務めました。所属は日本社会党。
- 馬場のぼる(漫画家、絵本作家):代表作に「11ぴきのねこ」シリーズ。
- 武士沢友治(騎手):JRA所属騎手。
- 松尾官平(政治家):参議院議員を通算約16年務め、1995年(平成7年)8月〜1998年(平成10年)7月に参議院副議長を務めました。所属は自由民主党、新生党、新進党。
- 吉原忠男(医師、推理作家):元埼玉県医師会長。作家は海庭良和名義。
最後に
三戸町は、歴史と自然に恵まれた、魅力的な町です。歴史を感じさせる史跡や、豊かな自然を楽しめる観光スポット、伝統的な文化やイベントなど、見どころが満載です。ぜひ一度訪れて、三戸町の魅力を体感してみてください。
三戸町についてのクイズ
三戸町の面積はどれくらいですか?
三戸町の面積は151.79平方キロメートルです。青森県三戸郡の南端に位置し、岩手県との県境に接しているこの町は、豊かな自然と歴史が息づいていることで知られています。人口は約8,245人で、土地の特性上、農業や畜産が盛んです。この地域は比較的平坦な地形を有し、北西部には山地が広がる特長があります。町内には馬淵川が流れ、周囲の山々からの豊かな自然環境に恵まれており、その中で様々な伝統や文化が育まれてきました。
三戸町の主産業は何ですか?
三戸町の主産業は農業と商業です。特に葉タバコの主要産地として知られており、米やリンゴ、ニンニク、サクランボ、ブドウなどの果樹の生産も盛んです。農業はこの地域の経済の基盤となっており、畜産も重要な役割を果たしています。ブロイラーの生産が中心ですが、三戸田子牛も有名です。地域の特産品や地産の農産物は観光名所でも取り扱われており、訪れる人々に魅力的な選択肢を提供しています。
三戸町の姉妹都市はどこですか?
三戸町の姉妹都市はオーストラリアのニューサウスウェールズ州にあるタムワースです。2001年に姉妹都市提携を結んで以来、文化や教育等の交流が行われています。三戸町は地元の農産物や特産品、伝統文化を大切にし、国外との交流を通じて互いの文化を尊重し合う関係を築いています。また、国内でも静岡県榛原町(現・牧之原市)と友好都市提携を結び、児童・生徒間の文化・教育の交流を進めています。
三戸町で行われる伝統的な行事は何ですか?
三戸町で行われる伝統的な行事の一つが泉山の登拝行事です。七歳児参りや月山参りとも呼ばれ、重要無形民俗文化財に指定されています。この行事は地域の児童が泉山を登り、健やかな成長を祈願するもので、地域住民にとって重要な文化的イベントです。三戸町はこの他にも、冬の伝統芸能である「えんぶり」や、夏の「さんのへ夏祭り」など、四季折々の行事や祭りが盛んな町です。