愛知県弥富市:金魚と文鳥の街、豊かな水郷の風景が広がるまち

日本で最も人口が少ない市でありながら、金魚の生産量日本一を誇る弥富市。 水郷の風景が広がり、歴史と文化が息づく、魅力あふれる街です。

概要

弥富市は、愛知県西部に位置する市で、日本有数の金魚の産地として知られています。2006年(平成18年)4月1日に、海部郡弥富町が十四山村を編入合併し、市制施行しました。

北部は鉄道や幹線道路が整備され、名古屋市や三重県四日市市へのアクセスも良好です。昭和40年代からベッドタウンとして開発が進み、人口は増加傾向にあります。一方で、水田地帯が広がる南部や海岸部など、都市部から農村部まで、多様な顔を持つ街でもあります。

地理

弥富市は、名古屋市の西側約20キロメートルに位置し、木曽川と鍋田川を挟んで三重県と隣接しています。木曽川下流のデルタ地帯にあり、干拓によって開拓された土地の上に成り立っています。

地形

弥富市は、濃尾平野に位置し、海抜ゼロメートル地帯が広く分布しています。市域の地面は海水面より最大で3メートルほど低くなっています。西から東南にかけて緩やかな傾斜を持つ低湿地地帯であり、古くから洪水の被害を受けやすい地域でした。

河川

  • 木曽川
  • 鍋田川
  • 筏川
  • 宝川
  • 善太川
  • 日光川

歴史

弥富の歴史は、平安末期に木曽川の土砂が堆積し、小島が形成されたことから始まります。1106年(長治3年)の史料に「市江」という地名が登場し、弥富の有史とされています。

江戸時代

1607年(慶長12年)に御囲堤が設けられたことをきっかけに、大規模な干拓新田の開発が進みます。現在の市域の大部分は、この時代に陸地化されたものです。

明治・大正

明治時代に入ると、金魚と文鳥の養殖が盛んになり、前ヶ須に商業地が誕生しました。また、東海道が整備され、前ヶ須に渡し場と駅宿が設けられました。

昭和・平成

昭和時代には、繊維産業が発展し、全国から多くの女性労働者が集まりました。しかし、1959年(昭和34年)の伊勢湾台風では、大きな被害を受けました。

高度経済成長期には、耕地整理や宅地開発が進み、金魚の養殖業が盛んになりました。一方で、地盤沈下などの問題も発生しました。

平成時代には、海部郡の他の自治体との合併協議が進められましたが、2006年(平成18年)に十四山村を編入合併し、市制施行しました。

行政

弥富市は、市長をトップとする首長制を採用しています。市議会は、定数16名の議員で構成されています。

歴代首長

弥富市は、2006年(平成18年)4月1日に市制施行されました。それ以前は、弥富町として町長が置かれていました。

氏名 就任日 退任日 備考
弥富町長
佐藤博 1991年2月3日
川瀬輝夫 1991年2月4日 2006年3月31日
弥富市長(2006年4月1日市制)
初代 川瀬輝夫 (1991年2月4日) 2007年2月3日 市制施行に伴い市長となる。
2-4代 服部彰文 2007年2月4日 2018年10月31日 辞職
職務代理者 2018年11月1日 2018年12月2日 副市長・大木博雄
5代 安藤正明 2018年12月2日

市役所・支所

弥富市役所は、市の中心部に位置しています。また、十四山支所と鍋田支所があります。

経済

弥富市の経済は、製造業、物流業、農業が中心となっています。

第一次産業

弥富市では、米、小麦、トマト、レタス、大豆などの農産物が栽培されています。また、金魚の養殖も盛んです。

第二次産業

弥富市には、自動車部品製造工場や食品加工工場などがあります。また、名古屋港の物流拠点として、多くの物流施設があります。

第三次産業

弥富市には、商業施設や飲食店、金融機関などが集まっています。

教育

弥富市には、小学校、中学校、高等学校、専修学校などがあります。

学校

  • 愛知県立海翔高等学校
  • 弥富市立弥富中学校
  • 弥富市立弥富北中学校
  • 弥富市立十四山中学校

研究施設

  • 愛知県水産試験場 内水面漁業研究所弥富指導所

交通

弥富市には、JR関西本線、名鉄尾西線、近鉄名古屋線が乗り入れており、名古屋市中心部へのアクセスも良好です。

鉄道

  • JR関西本線:弥富駅
  • 名鉄尾西線:弥富駅
  • 近鉄名古屋線:近鉄弥富駅

バス

弥富市では、コミュニティバス「きんちゃんバス」が運行されています。

道路

  • 東名阪自動車道:弥富IC
  • 伊勢湾岸自動車道:湾岸弥富IC、弥富木曽岬IC
  • 国道1号(東海道)
  • 国道23号(名四国道)
  • 国道155号

観光

弥富市には、歴史的建造物、自然豊かな公園、金魚関連の施設など、多くの観光スポットがあります。

名所・旧跡

  • 鯏浦城址
  • 服部家住宅(重要文化財)
  • 森津の藤公園
  • 愛知県弥富野鳥園
  • 弥富市歴史民俗資料館

観光スポット

  • 海南こどもの国
  • 三ツ又池公園
  • ウッドフレンズ名古屋港ゴルフ倶楽部
  • 富浜緑地(名古屋港サイクリングロード)
  • 立田輪中人造堰樋門

文化

弥富市には、金魚や文鳥などの特産品、秋祭りなどの伝統行事があります。

名産・特産

  • 弥富金魚
  • 文鳥

祭事・催事

  • 金魚日本一大会
  • 森津の藤まつり

まとめ

弥富市は、金魚と文鳥の街として知られる、水郷の風景が広がる魅力的な街です。歴史と文化が息づき、自然と調和した生活が営まれています。ぜひ一度、訪れてみてください。

弥富市についてのクイズ

弥富市が金魚の生産量日本一を誇る理由は何ですか?

弥富市は豊かな水郷の風景が特徴で、その地理的特性から金魚の養殖に適した水が豊富に存在しています。特に木曽川と鍋田川に囲まれたデルタ地帯であるため、水質が良好であることが金魚の生産に寄与しています。また、地域の気候も温暖で、金魚にとって育成しやすい環境が整っています。歴史的に、江戸時代から金魚の養殖が行われ、次第に商業化が進み、今日の日本一の生産地となりました。このように、弥富市は自然環境と歴史的背景が相まって、金魚の生産において特異な地位を築いているのです。

弥富市が市制施行された年はいつですか?

弥富市は2006年(平成18年)4月1日に市制施行を行いました。それまでの弥富町が十四山村を編入合併し、新たに市としての体制を整えた結果、市としての歴史が始まりました。この時、弥富市長には川瀬輝夫が初代市長として就任しました。この変更は、地域の行政体制をより効率的に整備するための重要な一歩とされており、その後も市の発展に寄与しています。

弥富市の地形はどのような特性がありますか?

弥富市は濃尾平野に位置し、海抜ゼロメートル地帯が広く分布しています。この地形は、地域が干拓によって開発されてきた歴史を物語っています。市域の地面は海水面よりも低く、特に洪水のリスクが高い地域です。過去には水害の影響を受けてきた背景もあり、地域の住民は水との共存を図るための工夫を施しています。こうした地形的特性が、弥富市の農業や金魚養殖に影響を与える要因ともなっています。

弥富市の歴史が始まるきっかけとなったのは何ですか?

弥富市の歴史は、平安末期に木曽川の土砂堆積によって小島が形成されることから始まりました。この自然現象が地域の発展や人々の生活に影響を与え、1106年(長治3年)には「市江」という地名が史料に記され、弥富の有史が始まったとされています。その後、江戸時代における干拓や金魚の養殖の発展がこの地域のさらなる発展を促し、現在のような豊かな文化を育むことになりました。

弥富市で盛んに栽培されている農産物は何ですか?

弥富市では、小麦の栽培が盛んに行われています。この地域の水田地帯が広がる特性を活かして、多様な農産物が栽培されていますが、中でも小麦は重要な作物となっており、地域経済を支える基盤の一つです。また、米やトマト、レタス、大豆といった他の作物も生産されており、それぞれの農産物が地元の需要に応じて供給されています。このように、弥富市は多様な農業が行われており、地域の特性を反映した農業体系を持っています。