名古屋市からほど近く、豊かな自然と活気あふれる街並みが調和する愛知県みよし市。近年、住宅地としての開発が進み、人口増加が著しい一方で、歴史と伝統文化も大切に守り続けています。ここでは、みよし市の魅力を、地理、歴史、文化、観光など多角的に紹介します。
概要
みよし市は、愛知県の中部に位置し、西三河地方に含まれる人口約6万人の市です。2010年に西加茂郡三好町が市制を施行し、みよし市となりました。
トヨタ自動車の工場が立地し、西三河自動車工業地域の一角をなし、工業化とともに住宅地化も進んでいます。そのため、財政は比較的裕福な自治体です。
地名の由来
みよし市の名前は、僧行観（ぎょうかん）自達坊の出身地、三河国鳳来寺付近の「三吉」に由来するとされています。寛文年間（1661-1673）に「三好」と改められたと言われています。
地理
みよし市は、愛知県のほぼ中央に位置し、自然が多く残されています。名古屋市にも近く、アクセスも便利です。
地形
市内のほとんどが平地ですが、北部には山林が多く、自然豊かな環境です。三好面と呼ばれる洪積台地の上に位置しており、北部にある三好ヶ丘や黒笹のあたりでは、急速に宅地化が進んでいます。
河川
主な河川は、東郷町との境界に沿って南北に流れている二級河川の境川です。
湖沼
市内には大きな池が2つあります。
- 三好池: 市の中央に位置し、地元の中学校や高校などがカヌーなどで使用しているほど非常に大きい池です。
- 保田ヶ池: 2004年7月に第6回カヌーポロ世界選手権大会が開催された池です。
これらの溜池は、かつては台地上の生産性の低い農業地域を支えていましたが、1961年の愛知用水通水によって、果樹・野菜栽培地帯に変貌しました。
隣接する自治体
- 豊田市
- 日進市
- 刈谷市
- 愛知郡東郷町
歴史
みよし市の歴史は古く、江戸時代には三吉、打越などの村落が存在していました。明治時代には町村制が施行され、三好村、莇生村、明越村が誕生しました。
沿革
- 1889年（明治22年）10月1日：町村制施行により、三好村、莇生村、明越村が誕生。
- 1906年（明治39年）7月1日：三好村、莇生村、明越村が合併し、三好村となる。
- 1958年（昭和33年）4月1日：町制施行により、三好町となる。
- 2010年（平成22年）1月4日：市制を施行し、みよし市となる。
平成の大合併
みよし市は、2000年代初頭に、周辺町村との合併を検討していました。
- 豊田加茂合併協議会: 2003年に豊田市との合併についてアンケートを実施した結果、市民の多くは単独市制を希望したため、豊田加茂協議会から離脱しました。
- 町制の維持: 2005年に町制維持か市制施行かについてアンケートを実施した結果、町制維持が多数を占め、町制維持が決定しました。
- 市制施行: 2010年に市制施行を決議し、みよし市となりました。市名は、すでに徳島県に三好市が存在していたため、ひらがなで「みよし市」とされました。
行政
市長
- 現市長: 小山 祐（2021年12月8日就任）
歴代首長
みよし市には、町制時代から数多くの個性的な首長がいました。
- 久野 源蔵: 初代町長。任期中に死去。
- 野々山 茂: 4代町長。収賄容疑で逮捕され辞職。
- 小野田 金章: 5代町長。現在の市長、小野田賢治の父。
姉妹都市・提携都市
国外
- 友好都市: コロンバス市（アメリカ合衆国 インディアナ州）
国内
- 友好都市: 木曽町（長野県 木曽郡）、士別市（北海道 上川総合振興局）
課題
みよし市は、周辺自治体との広域行政の連携が課題となっています。
- 広域行政のねじれ: 豊田加茂広域行政圏域、西三河地域、尾張地域の自治体との広域行政をそれぞれ行っているため、複雑な状況となっています。
議会
みよし市議会
みよし市議会は、定数20人の議員で構成されています。
- 議長: 塚本 克彦（新世紀の会）
- 副議長: 水野 隆市（新世紀の会）
愛知県議会
みよし市選挙区の愛知県議会議員は、1人です。
- 現職: 林 文夫（無所属）
衆議院
みよし市は、愛知11区に属しています。
- 現職: 八木 哲也（自由民主党）
施設
みよし市には、住民の生活を支える様々な施設があります。
医療
- みよし市民病院: 公立病院です。
教育
みよし市には、大学、専門学校、高校、中学校、小学校、特別支援学校などがあります。
- 東海学園大学: 私立大学です。
- 愛知県立三好高等学校: 県立高校です。
文化施設
- みよし市図書館学習交流プラザ「サンライブ」: 図書館、学習スペース、イベントスペースなどが集まった複合施設です。
- 歴史民俗資料館: みよし市の歴史や文化を伝える施設です。
- みよし市勤労文化会館: 文化イベントや会議などに利用できる施設です。
運動施設
- 三好公園: 野球場、陸上競技場、弓道場、総合体育館、テニスコート、カヌー競技場などがあります。
- みよし市総合体育館: アリーナ、武道場、卓球場などがあります。
- 保田ヶ池公園: カヌーポロ競技場があります。
経済
工業
みよし市は、自動車関連企業の集積地として発展してきました。
- トヨタ自動車: 下山工場、三好工場、明知工場の3つの工場があります。
- トリニティ工業: 三好工場があります。
- 中央発條: 三好工場があります。
- ノリタケカンパニーリミテド: 研削材メーカーのノリタケコーテッドアブレーシブやノリタケデンタルサプライなどの本社・工場があります。
商業
- アイ・モール三好: イオン三好店、MOVIX三好など、70の専門店が集まるショッピングセンターです。
- メグリア三好店: スーパーマーケットです。
- ベイシアスーパーセンター三好店: スーパーマーケットです。
交通
鉄道
みよし市は、名古屋鉄道豊田線で名古屋市と豊田市とを結んでいます。
- 黒笹駅: みよし市北部にある駅です。
- 三好ヶ丘駅: みよし市北部にある駅です。
バス
みよし市では、名鉄バス、さんさんバス、三好ヶ丘ループバスなどが運行されています。
- 名鉄バス: 豊田市駅、赤池駅、知立駅などとの間を結んでいます。
- さんさんバス: 市内を循環するコミュニティバスです。
- 三好ヶ丘ループバス: 三好ヶ丘地区を循環するバスです。
道路
みよし市は、東名高速道路、国道153号などが通っています。
- 東名高速道路: 東名三好ICがあります。
- 国道153号: 豊田西バイパスがあります。
観光
みよし市には、歴史的な建造物、自然豊かな公園、レジャー施設など、様々な観光スポットがあります。
文化財
- 三好稲荷閣: 江戸時代に建立された稲荷神社です。
- 石川家住宅: 明治時代に建てられた歴史的建造物です。
名所・旧跡
- 福谷城跡: 戦国時代に築かれた城跡です。
- 三好池: 約2,000本の桜が咲き乱れる、美しい池です。
観光スポット
- 保田ヶ池: カヌーやボートを楽しむことができる、自然豊かな池です。
- 三好公園: 広大な敷地内には、野球場、陸上競技場、弓道場、総合体育館などがあります。
娯楽施設
- MOVIX三好: 12スクリーンの映画館です。
文化
祭事・催事
みよし市では、一年を通して様々な祭事や催事が開催されています。
- 三好大提灯まつり: 8月に行われる、みよし市最大の祭事です。世界最大の吊り提灯が飾られます。
- 三好桜まつり: 3月下旬から4月中旬にかけて、三好公園や保田ヶ池公園で桜が咲き乱れます。
- 三好池まつり: 8月の第1土曜日に、三好池で開催される夏祭りです。
出身関連著名人
- 秋田 豊: サッカー選手・サッカー指導者
- 志野 光子: 外交官。国連大使
まとめ
愛知県みよし市は、豊かな自然と活気あふれる街並みが調和する魅力的な街です。歴史と伝統文化を守りながら、工業都市としての発展も続けています。名古屋市へのアクセスも良く、住みやすい街としても人気が高まっています。
関連項目
外部リンク
みよし市についてのクイズ
みよし市の地名の由来は何に関連していますか？
みよし市の名前は、僧行観（ぎょうかん）自達坊が出身地とされる三河国鳳来寺付近の「三吉」に由来しています。この名前は、寛文年間（1661-1673）に「三好」と改められたという歴史的背景があります。みよし市は愛知県の中部に位置しており、豊かな自然と歴史をもつ地域です。この地名の由来を通じて、地域の文化や伝承が受け継がれていることがわかります。地名はその土地の歴史や文化を反映したものであり、地域住民にとっても重要なアイデンティティの一部となっていると言えるでしょう。
みよし市の主な河川は何でしょうか？
みよし市の主な河川は境川で、これは東郷町との境界に沿って南北に流れている二級河川です。河川は地域の自然環境や生態系に大きな影響を与えるだけでなく、地域の生活や経済活動にも重要な役割を果たしています。境川はみよし市だけでなく、その周辺地域にも水源を提供し、農業やレクリエーションにおいても利用されていることでしょう。愛知県内には多くの河川がありますが、境川は特にみよし市において親しまれている存在です。
みよし市の初代町長は誰でしょうか？
みよし市の初代町長は久野源蔵です。彼は町制施行時に初代として任命されましたが、残念ながら任期中に急逝してしまいました。歴代の首長の中で、久野源蔵は地域の発展に初めて舵を切った重要な人物となり、その後の市政に大きな影響を与えました。みよし市の行政はその後も多くの個性的なリーダーによって続けられ、地域の発展を支えるためにさまざまな努力がなされています。彼の遺志を受け継いだ後継たちがどのように市を発展させていったのか、その経緯を振り返ることも地域の歴史を理解する上で重要でしょう。
みよし市にはどのような文化施設がありますか？
みよし市には、学習や文化トピックスを提供する複合型の施設として「みよし市図書館学習交流プラザ『サンライブ』」があります。この施設は図書館としての役割だけでなく、学習スペースやイベントスペースも備えており、市民の教育や文化活動を支える重要な拠点となっています。図書館は知識を深め、情報を得る場として地域において不可欠な施設であり、住民が利用することで地域全体の文化的なレベル向上に寄与しています。また、文化イベントやワークショップが開催されることで、地域の交流が促進される場所ともなっています。
みよし市の観光名所として、戦国時代に築かれた城跡はどれですか？
みよし市の観光名所として知られる福谷城跡は、戦国時代に築かれた城の跡地です。この名所は、地域の歴史を感じさせる重要なスポットであり、城跡からは周辺の自然や景観を楽しむことができます。歴史的な出来事や当時の文化を知る手がかりとして、訪れる人々にとって学びや感慨を深めることができる場所です。このような歴史遺産の存在は、地域のアイデンティティや観光振興に寄与しており、訪れる人々に多くの魅力を提供しています。また、福谷城跡周辺には散策道も整備されており、歴史を感じながら自然の中を楽しむことが可能です。
みよし市で行われる、最大の祭事は何ですか？
みよし市最大の祭事は「三好大提灯まつり」です。この祭りは毎年8月に行われ、市内各地から巨大な吊り提灯が飾られ、色とりどりの灯りが夜空を照らします。このイベントは地域住民にとって特別な意味を持ち、多くの人々が参加して賑わいを見せます。提灯はただの装飾でなく、地域の伝統や文化を反映した重要なアイコンであり、この祭りを通じて地域のつながりが深まることが期待されるでしょう。また、観光客も多く訪れ、地域経済や文化振興に寄与する重要なイベントとして認識されています。
