千葉県鋸南町:房総半島の自然と歴史が織りなす魅力的な町

鋸南町は、千葉県南部の安房郡に位置する町です。東京湾に面した海岸線と、房総丘陵に連なる山々が織りなす美しい景観は、訪れる人を魅了します。日本三大水仙群生地としても知られ、冬には一面に咲き乱れる水仙の花が、町を彩ります。歴史も深く、源頼朝が上陸した地としても有名です。今回は、鋸南町の魅力を、地理、歴史、文化、観光スポットなど様々な角度からご紹介します。

鋸南町の概要

鋸南町は、千葉県南部の安房郡に属する町です。人口は約6,273人(推計人口、2024年8月1日)、面積は約45.17平方キロメートルです。南房総地域観光圏の観光都市として知られており、海岸部は南房総国定公園に指定されています。

地理

鋸南町は、房総半島南西部に位置し、東京湾に面しています。内陸部は房総丘陵に連なり、北端には鋸山がそびえ立っています。町域は東西10.75キロメートル、南北7.3キロメートル、総面積45.19平方キロメートルです。

山岳

鋸山をはじめ、嵯峨山、人骨山、鹿峰、保田浅間山、大黒山など、多くの山々が町域に点在しています。特に鋸山は、標高329.4メートルで、町を代表する山です。

河川

主要な河川としては、佐久間川(二級河川)と保田川があります。佐久間川には、佐久間ダムが建設されています。

海岸

東京湾(浦賀水道)に面しており、起伏に富んだ海岸線は、保田、勝山などの漁港があるとともに、海水浴場としても人気です。

勝山沖には浮島などの島、岩礁も多いです。

歴史

鋸南町には、古くから人々が住んでいたことが遺跡などからわかっています。

源頼朝の上陸

1180年(治承4年)、石橋山の戦いに敗れた源頼朝は、現在の神奈川県足柄下郡真鶴町から出航し、安房国平北郡猟島(現在の竜島付近)に到着しました。ここから再起を図ったとされ、同地は千葉県の史跡に指定されています。

捕鯨の歴史

鋸南町では、江戸時代に関東初の商業捕鯨が行われたと言われています。夏季に、浮島付近を回遊していたツチクジラを捕獲していたようです。

菱川師宣の出身地

鋸南町保田は、浮世絵師菱川師宣の出身地としても知られています。菱川家は師宣の父吉左衛門の代から保田に移り住んだが、師宣はのちに江戸に移り浮世絵師として活躍しました。師宣の死後、その子孫は保田に戻り紺屋となっています。

明治時代以降

風光明媚な保田海岸は、明治時代に夏目漱石なども訪れた房州海水浴発祥地であり、小林一茶、徳富蘆花、若山牧水、獅子文六らが愛した文化人の里でもありました。

沿革

  • 1959年(昭和34年)3月30日:勝山町と保田町が合併して鋸南町が誕生しました。
  • 1973年(昭和48年):町役場で有休を利用した隔週週休二日制が始まりました。
  • 2006年(平成18年)3月20日:南房総市誕生により安房郡に属する唯一の自治体となりました。

人口

鋸南町の人口は、近年減少傾向にあります。2020年(令和2年)の人口は約6,993人です。

行政

町長

  • 白石 治和

立法

  • 鋸南町議会(定数:12)
  • 千葉県議会(選挙区:南房総市・安房郡選挙区、定数:1名)
  • 衆議院(選挙区:全域が千葉県第12区に属する)
  • 参議院(選挙区:千葉県選挙区に属する)

経済

鋸南町の産業は、農業、漁業、工業など多岐にわたります。

農業

花卉栽培と酪農が盛んであり、特に日本三大水仙生産地として知られています。

漁業

沿岸漁業や養殖漁業が盛んであり、勝山漁港、保田漁港などがあります。

工業

採石業が盛んです。

姉妹都市・提携都市

  • 上伊那郡辰野町(長野県)

地域

公共施設

  • B&G海洋センター
  • 鋸南町中央公民館
  • 鋸南町営弓道場
  • 岩井袋運動場

医療

  • 鋸南病院
  • 亀田総合病院(鴨川市)
  • 安房地域医療センター(館山市)

教育

  • 鋸南町立鋸南中学校
  • 鋸南町立鋸南小学校
  • 葛飾区立保田しおさい学校
  • 東京都勝山学園

交通

鉄道

  • JR東日本内房線:保田駅、安房勝山駅

バス

  • 鋸南町営循環バス
  • 日東交通

道路

  • 富津館山道路
  • 国道127号
  • 千葉県道34号鴨川保田線
  • 千葉県道184号外野勝山線
  • 千葉県道238号保田停車場線

道の駅

  • 道の駅きょなん
  • 道の駅保田小学校

名所・旧跡・観光スポット

寺社

  • 日本寺:磨崖仏の大きさとしては日本最大級の日本寺大仏や百尺観音などがある。
  • 昌龍寺:菱川師宣の家の檀那寺。
  • 存林寺:菱川家の檀那寺。
  • 別願院:菱川師宣の墓所。
  • 保田妙本寺:日蓮宗。興門八本山の一つ。

自然

  • スイセン:町内の各所で日本寒水仙が栽培されており、毎年12月から2月に「水仙まつり」が開催される。
  • 鋸山:鋸山登山自動車道が通る。
  • 大黒山:勝山海岸上にそびえる山。大黒山展望台がある。
  • 明鐘岬
  • 佐久間ダム湖親水公園:ソメイヨシノが咲き、花見の名所として賑わう。
  • 安房温泉

海水浴場

  • 勝山海水浴場
  • 大六海水浴場
  • 保田第一海水浴場:日本海水浴発祥の地。明治22年(1889年)に夏目漱石が海水浴を楽しんだ。

博物館

  • 菱川師宣記念館(美術館)

祭事・催事

  • 水仙まつり
  • 水仙写真コンクール
  • 勝山の祭り

文化財

  • 重要文化財(工芸品):日本寺の梵鐘(元亨元年在銘)
  • 重要文化財(古文書):妙本寺の愛染不動感見記 日蓮筆
  • 県指定有形文化財(歴史資料):昌龍寺の菱川師宣関係過去帳
  • 記念物(史跡):源頼朝上陸地
  • 記念物(名勝):鋸山と羅漢石像群
  • 記念物(天然記念物):天寧寺の柏槙

出身有名人

  • 菱川師宣:画家
  • 菱川師寿:絵師
  • 菱川師興:絵師
  • 戸田川鷲之助:元大相撲力士

鋸南町の魅力

鋸南町は、自然、歴史、文化など、多くの魅力が詰まった町です。美しい景観、歴史的な史跡、伝統文化、豊かな自然など、様々な楽しみ方ができます。

  • 自然: 東京湾に面した海岸線と、房総丘陵に連なる山々が織りなす美しい景観は、訪れる人を魅了します。
  • 歴史: 源頼朝が上陸した地や、浮世絵師菱川師宣の出身地など、歴史深い町です。
  • 文化: 水仙まつりや勝山の祭りなど、伝統的な文化が息づいています。
  • 観光: 日本寺や鋸山、水仙郷など、多くの観光スポットがあります。

まとめ

鋸南町は、東京湾と房総丘陵に囲まれた自然豊かな町です。歴史も深く、源頼朝や菱川師宣など、多くの歴史人物ゆかりの地でもあります。水仙の花が咲き乱れる冬は特に美しく、多くの観光客が訪れます。自然と歴史を満喫できる鋸南町に、ぜひ足を運んでみてください。

鋸南町についてのクイズ

鋸南町はどの県に位置していますか?

鋸南町は千葉県南部の安房郡に位置する町であり、房総半島の一部を形成しています。この町は、東京湾に面しており、美しい海岸線や山々に囲まれた自然環境が魅力です。また、鋸南町は南房総地域観光圏の観光都市としても知られ、多くの訪問者を魅了しています。特に、水仙の名所として寒水仙が一面に咲き乱れる冬の季節には、多くの観光客が訪れることが特徴です。

鋸南町の歴史において、源頼朝が上陸したのは何年ですか?

鋸南町の歴史において、源頼朝が上陸したのは1180年(治承4年)です。彼は石橋山の戦いに敗れた後、神奈川県から出航し、安房国の平北郡猟島(現在の竜島付近)に上陸しました。この出来事は、源頼朝が再起を図る重要な出来事とされており、現在もこの地は千葉県の史跡として指定されています。鋸南町の歴史には多くの魅力が秘められており、訪問者にとって歴史を辿る貴重な体験を提供しています。

鋸南町にある主要な農業の特徴は何ですか?

鋸南町の農業の特徴としては、特に水仙の栽培が挙げられます。ここは日本三大水仙生産地の一つとして知られており、毎年冬のシーズンには日本寒水仙が咲き誇ります。また、この町では花卉栽培や酪農も盛んで、農業が地域経済における重要な要素となっています。水仙の生産は地域の観光資源にもなっており、毎年行われる「水仙まつり」には多くの観光客が訪れ、町の活性化にも貢献しているのです。

鋸南町の名所として紹介されている寺社の一つに何がありますか?

鋸南町には日本寺という名所があります。日本寺は磨崖仏の大きさにおいて日本最大級の日本寺大仏や、百尺観音などの仏教遺跡が存在します。これらの遺跡は、地域の歴史的文化的価値を象徴する存在として訪れる人々に深い感銘を与えています。また、日本寺は風光明媚な場所に位置しており、自然と文化が調和した素晴らしい観光地です。ここでは、歴史を辿るだけでなく、心を癒す時間を過ごすことができるでしょう。