四国中央市は、愛媛県の東端に位置する、四国の他の3県(香川県、高知県、徳島県)に接する市です。南には法皇山脈がそびえ立ち、北は瀬戸内海燧灘に面しています。山地から海に向かって「やまじ」と呼ばれる局地風が吹きおろす、変化に富んだ自然環境を持つ都市です。
概要
四国中央市は、かつての伊予三島市と川之江市、そして土居町と新宮村が合併して2004年に誕生しました。四国の自治体としては初めて、4県全てと隣接しているという特徴を持つ都市です。
四国の中心に位置し、高松自動車道・松山自動車道・徳島自動車道・高知自動車道が結節する交通の要衝でもあります。そのため、将来的な道州制導入を見据え、四国の「中央」という位置づけから「四国中央市」という市名が選ばれました。
地理
四国中央市は、南に法皇山脈、北に瀬戸内海燧灘という、山と海に囲まれた自然豊かな都市です。平野部は山地の北側に細長く展開し、起伏に富んだ地形が特徴です。
山
- 峰畑山
- 塩塚峰
- 三傍示山
- 佐々連尾山
- 赤星山
- 翠波峰
- 西赤石山
- 東赤石山
- 二ッ岳
- ハネヅル山
川
- 銅山川
- 金生川
- 関川
湖沼
- 金砂湖(柳瀬ダム湖)
- 法皇湖(富郷ダム湖)
ダム
- 新宮ダム
- 柳瀬ダム
- 富郷ダム
気候
四国中央市は、瀬戸内海式気候に属し、温暖で穏やかな気候です。しかし、北に海、南に山という地形から、日本海側気候の特徴も持ち合わせています。
気温
- 年平均気温:16.4℃(四国中央)
降水量
- 年平均降水量:1444.4mm(四国中央)、2173.5mm(富郷)
日照時間
- 年間日照時間:1736.0時間(四国中央)
歴史
四国中央市は、古くから人が住んでいた場所であり、市域には1万2000年以上前の遺跡が発見されています。
古代
- 大化の改新後、この地域は宇摩郡と呼ばれるようになります。
- 南海道に伊予国大岡駅が設けられ、中央から伊予・土佐への交通の分岐点となります。
近世
- 江戸時代には、川之江藩が成立しました。
- 幕末には、宇摩郡は徳川幕府・今治藩・西条藩の領地が複雑に入り組む状態となりました。
近代
- 明治維新後は、製紙業が盛んになり、宇摩地方は日本屈指の製紙地として発展しました。
- 第2次世界大戦後は、近代的製紙業の発達とともに急速に発展しました。
現代
- 1950年代前半の「昭和の大合併」では、川之江市と伊予三島市が誕生しました。
- 2004年に、川之江市・伊予三島市・土居町・新宮村が合併し、四国中央市が誕生しました。
行政
四国中央市は、市長と市議会によって運営されています。
市長
- 篠原実(しのはら みのる):3期目在任中
市議会
- 議員定数:22人
庁舎
- 新庁舎は2018年に完成しました。
経済
四国中央市は、製紙業を基幹産業とする工業都市です。
工業
- 製紙、紙加工業において、日本屈指の生産量を誇ります。
- 紙製品の出荷額は18年連続日本一です。
- 大王製紙、ユニ・チャームなどの大手企業が本社や工場を置いています。
商業
- 大型商業施設には、イオンタウンなどがあります。
- 近年、高速道路網の整備によって、三島川之江インターチェンジ周辺への商業集積が著しくなっています。
文化
四国中央市には、歴史、文化、自然など、様々な魅力があります。
伝統工芸
- 伊予手すき和紙
- 水引
名勝・旧跡・観光スポット
- 川之江城
- 東宮山古墳
- 宇摩向山古墳
- 真鍋家住宅
- 翠波高原
- 塩塚高原
- 霧の森
- 金砂湖
- 三島公園
イベント・祭事
- 百手祭
- 桜まつり
- 塩塚高原山焼き
- かわのえ夏まつり
- みなと祭り・天神祭り花火大会
- 四国中央紙まつり
- 書道パフォーマンス甲子園
- 湖水まつり
特産物
- 梅錦
- 柴田のモナカ
- ひうち焼き
- いわくら太鼓
- 瀬戸の栗
- 新宮茶
- 霧の森大福
- えびちくわ
四国中央市を舞台とした作品
- 映画『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』
- 特撮番組『高速戦隊ターボレンジャー』
- 漫画『日本三國』
ゆるキャラ
- しこちゅ〜(四国中央市公認)
- ほっこりん(四国中央市子育て支援ネットワーク「しこちゅ〜・ほこほこネット」)
教育
四国中央市には、大学、高等学校、中学校、小学校など、様々な教育機関があります。
- 愛媛大学紙産業イノベーションセンター
- 愛媛県立川之江高等学校
- 愛媛県立三島高等学校
- 愛媛県立土居高等学校
- 四国中央医療福祉総合学院
交通
四国中央市は、鉄道、バス、高速道路など、交通アクセスに恵まれた都市です。
鉄道
- 四国旅客鉄道(JR四国)予讃線
バス
- 瀬戸内運輸
- 高速バス
道路
- 松山自動車道
- 高知自動車道
- 高松自動車道
- 徳島自動車道
港湾
- 三島川之江港
四国中央市が抱えている問題
- 市名に対する批判
- 慢性的な交通渋滞
- 公害
四国中央市の魅力
四国中央市は、歴史と文化、自然と産業が融合した、魅力的な都市です。
- 四国の中心に位置し、交通アクセスに優れています。
- 製紙業をはじめとする様々な産業が発展しています。
- 翠波高原、塩塚高原、霧の森など、豊かな自然に恵まれています。
- 伊予手すき和紙、水引など、伝統工芸が盛んです。
四国中央市は、これからも発展を続ける、魅力的な都市です。
四国中央市についてのクイズ
四国中央市が合併して誕生した年は何年ですか?
四国中央市は、2004年に川之江市、伊予三島市、土居町、新宮村が合併して誕生しました。この合併は、愛媛県の地域の活性化を目的としており、四国の他の地域に対しても交通の要衝としての役割を果たしています。合併の結果、四国の中心に位置する新たな市が形成されたことから、市名にも「四国中央市」という名称が採用されました。合併前の自治体は、地理的にも文化的にも異なる特色を持っており、合併によって新たな地域としてのアイデンティティが強化されています。
四国中央市の気候はどの気候に属していますか?
四国中央市は、瀬戸内海式気候に属しており、温暖で穏やかな気候が特徴です。四国中央市は南に法皇山脈、北に瀬戸内海燧灘が位置するため、山と海の影響を受けながら多様な気象がもたらされます。この気候は、農業や山岳観光、さらには海水浴など様々なレクリエーション活動に適しているため、住民にも観光客にも非常に魅力的です。また、四国中央市の気温や降水量は、地域に密着した産業、特に製紙業にも影響を与えています。
四国中央市の基幹産業は何ですか?
四国中央市は、製紙業を基幹産業とする工業都市です。この地域は日本屈指の製紙生産地として知られ、多くの大手製紙企業の本社や工場が位置しています。特に大王製紙やユニ・チャームといった企業が本拠地を置くことから、製紙業は四国中央市の経済の基盤を形成しています。市内では、製紙業の発展に伴い、多くの関連産業が興隆し、地域経済が強化されています。また、製紙業は地域の雇用を生み出す重要な役割を果たしています。
四国中央市の伝統工芸に含まれるものは何ですか?
四国中央市の伝統工芸の中で特に有名なのが伊予手すき和紙です。この和紙は、古い時代から続く伝統的な手法で製造され、独特の風合いや耐久性を持ちます。伊予手すき和紙は、多くの文化的アートや書道、製品に使用されており、地域の文化を象徴する重要な要素です。また、地域の人々がこの技術を継承することで、伊予手すき和紙は地域の魅力を高め、観光資源としても活用されています。その他にも、水引などの伝統工芸も存在し、地域の文化や歴史を表現しています。
四国中央市における主な交通手段として存在しないものはどれですか?
四国中央市には鉄道やバスは存在しますが、空港はありません。鉄道はJR四国の予讃線が通っており、地域住民や観光客にとって重要な交通手段となっています。また、バスも利用できるため、近隣地域へのアクセスも良好です。さらに、高速道路も整備されており、松山自動車道、高知自動車道、高松自動車道、徳島自動車道が市内から利用可能です。しかし、空港がないため、航空機を利用したアクセスには最寄りの空港を利用する必要があります。そのため、住民や観光客は鉄道やバス、高速道路を活用して移動しています。