愛知県阿久比町:ホタルが舞う、緑豊かな歴史と文化の町

知多半島の中部に位置する阿久比町は、自然豊かで歴史を感じられる、魅力あふれる町です。 ホタルの生息地として有名で、町をあげてホタル保護に取り組んでいます。また、古くから続く伝統文化や歴史的な史跡、そして現代的な商業施設が調和し、住み心地の良さを感じられる町としても知られています。

ホタルの町、阿久比

阿久比町は、町をあげてホタル保護に取り組んでおり、「自然と人間の共生 ホタルを守ろう」を合言葉に、町民の協力による生息分布調査や小学校での人工飼育、さらには「ふれあいの森」内の「ホタル養殖場」での調査研究など、様々な活動を行っています。1994年7月1日に町制50周年記念事業として開催された「ほたるサミットあぐい’94」を記念し、翌年より同日を「あぐいほたるの日」と制定したことも、ホタルへの愛情の深さを物語っています。

自然と歴史が織りなす風景

阿久比町は、伊勢湾にも三河湾にも面しておらず、丘陵とその間の狭小な盆地からなる、豊かな自然に囲まれた町です。町の中心部には、北の東浦町から南の半田市に向かって流れる阿久比川に沿って名鉄河和線と県道55号が走り、町の南北軸となっています。

童話作家 新美南吉ゆかりの地

町の南部にある植大地区は、童話作家・新美南吉の作品の舞台として知られています。権現山や矢勝川は「ごんぎつね」の舞台のモデルとされ、「ごんぎつね」の「ごん」は権現山の「ごん」から取ったとも言われています。また、矢勝川の水源である半田池は、「おぢいさんのランプ」に実名で登場する池です。

豊かな自然と歴史を感じるスポット

  • 権現山: 新美南吉の「ごんぎつね」の舞台として知られる小山。
  • 矢勝川: 「ごんぎつね」の舞台のモデルとなった川。
  • 半田池: 「おぢいさんのランプ」に登場する池。
  • 二子塚古墳: 知多半島唯一の前方後円墳。古墳時代中頃(5世紀)のものと推測されています。町指定文化財。
  • 板山長根古窯: 平安時代末~鎌倉時代の古窯。県指定文化財。

伝統文化と現代が調和する町

阿久比町は、歴史と文化が息づく町です。

古代からの歴史

「あぐい」の地名が残る最古の記録は、藤原宮跡から出土した甲午年(西暦694年)記年の木簡で、「阿具比里」と記されていました。その後、平城京の木簡には「英比」という漢字二字による当て字が使われるようになり、平安時代以降は知多郡英比郷と呼ばれていました。

戦国時代の武将とゆかりのある町

中世後期には、久松氏という菅原姓を名乗る武士が当地を支配していました。久松氏は、徳川家康の生母・於大の方の再婚相手である久松俊勝を輩出し、その後、その子孫は徳川氏に仕え、譜代大名となりました。

江戸時代の16か村

江戸時代には、現在の町域に16か村が存在し、明治の合併により阿久比村となりました。1953年には、人口の増加により町制施行を行い、阿久比町となりました。

伝統文化を受け継ぐ祭事

阿久比町では、古くから続く伝統文化が大切に受け継がれています。

  • 横松の祭礼: 4月の第4日曜日と前日の土曜日に行われる神明社の祭礼。知多型の山車が1台あります。
  • 萩の祭礼: 毎年4月の第2日曜日と前日の土曜日に行われる大山祇神社の祭礼。知多型の山車が1台あり、「萩の坂下ろし」と呼ばれる、山車を丘の中腹から一気に曳き下ろす光景が見られます。
  • 宮津の祭礼: 4月の第3日曜日と前日の土曜日に行われる熱田社の祭礼。南組・北組にそれぞれ知多型の山車が1台あり、地区内を曳きまわされます。
  • 大古根の祭礼: 4月の第3日曜日と前日の土曜日に行われる八幡神社の祭礼。知多型の山車が1台あります。
  • 虫供養: 毎年秋の彼岸のお中日(9月23日)に、町内の13の地区を輪番で回る年中行事。愛知県の無形民俗文化財に指定されています。

住み心地の良さを感じる町

阿久比町は、自然豊かで歴史を感じられるだけでなく、生活しやすい環境も整っています。

交通アクセス

  • 名古屋鉄道河和線:阿久比駅
  • 知多半島道路:阿久比IC
  • 阿久比町循環バス「アグピー号」: 運賃無料

商業施設

  • アピタ阿久比店
  • ピアゴ阿久比北店
  • ヤマナカ陽なたの丘店
  • その他、飲食店やスーパーマーケットが多数存在

教育機関

  • 愛知県立阿久比高等学校
  • 阿久比町立阿久比中学校
  • 阿久比町立南部小学校
  • 阿久比町立英比小学校
  • 阿久比町立草木小学校
  • 阿久比町立東部小学校
  • 阿久比町立ほくぶ幼稚園

医療施設

  • オアシスセンター(保健センターと高齢者生きがい活動施設を併設)
  • 勤労福祉センター
  • 子ども総合支援センター(子育て支援センター『あぐぴっぴ』・教育相談センター)

レジャー施設

  • 阿久比町立阿久比スポーツ村
  • ふれあいの森(広場・公園・デイキャンプ場・パターゴルフ場など)
  • 花かつみ園

その他

  • 阿久比町立図書館
  • 阿久比郵便局

阿久比町で過ごす

阿久比町は、自然と歴史、そして現代が調和した、魅力あふれる町です。ホタルの舞う幻想的な風景、歴史的な史跡、そして快適な生活環境など、阿久比町には多くの魅力が詰まっています。ぜひ一度、訪れてみてください。

阿久比町についてのクイズ

阿久比町のホタル保護の合言葉は何ですか?

阿久比町は「自然と人間の共生 ホタルを守ろう」を合言葉に、ホタル保護に取り組んでいます。町民が協力して行う生息分布調査や小学校での人工飼育、さらに「ふれあいの森」内の「ホタル養殖場」での調査研究など、様々な活動が行われており、その結果、阿久比町はホタルの生息地として特に知られるようになりました。また、1994年には「ほたるサミットあぐい’94」が開催され、翌年より同日を「あぐいほたるの日」として認定したことも、地域のホタルに対する深い愛情と関心を示しています。このような取り組みは、環境保護の重要性を地域全体で認識し、次世代へと受け継いでいくための努力でもあります。

新美南吉の作品の舞台となった地区はどこですか?

阿久比町の南部に位置する植大地区は、童話作家・新美南吉の作品の舞台として特に知られています。ここには「ごんぎつね」の舞台モデルとなった権現山や矢勝川があり、権現山は「ごんぎつね」の主人公「ごん」の名前の由来ともされています。また、矢勝川の水源である半田池も新美南吉の別作「おぢいさんのランプ」に登場する池として、文学的価値のある場所となっています。このように、阿久比町は新美南吉の作品を通じて、地域の文化や自然、歴史を感じられる場所となっており、観光客にも人気のスポットとなっています。

阿久比町の伝統的な祭事で行われる「虫供養」とはいつ行われますか?

阿久比町で行われる「虫供養」は毎年秋の彼岸のお中日、すなわち9月23日に実施されます。この祭事は、町内の13の地区を輪番で回りながら行われる年中行事で、愛知県の無形民俗文化財に指定されています。虫供養の目的は、特に農作物や自然環境の中で生きる虫たちに感謝し、彼らの命を大切に扱うことを再認識することです。虫たちの生態系に対する理解を深めるだけでなく、地域の伝統文化を受け継ぎ、次世代に継承していくことにも意義があります。このような行事は、地域の人々が一体となって大切な文化を守り続ける大事な機会となっています。