日本の歴史と文化が息づく、東海地方の中核都市。伊勢湾に面した立地を活かした水産業と、伝統産業が栄え、近年では観光都市としても注目を集めています。
概要
津市は、三重県の県庁所在地であり、中勢地域に位置する市です。伊勢平野のほぼ中心部に位置し、海沿いに市街地がある臨海都市でもあります。人口は約27万人(2023年)で、面積は三重県内で最大です。日本で最初に市制施行した31市の一つで、中枢中核都市、計量特定市に指定されています。
江戸時代には、藤堂家が治める津藩の城下町として栄えました。現在も、歴史的な街並みや伝統文化を色濃く残し、多くの観光客が訪れています。
地理
津市は、伊勢湾に面した平野部と、鈴鹿山脈のふもとに広がる山地部から成り立っています。
地形
河川
津市を流れる主な河川は、安濃川、岩田川、雲出川です。安濃川は市の中心を流れ、岩田川は南側を、雲出川は北側を流れています。これらの河川は、古くから津市の発展に大きく貢献してきました。
山地
津市には、錫杖ヶ岳、摺鉢山、笠取山などの山々が連なっています。これらの山々は、豊かな自然に恵まれ、ハイキングや登山など、アウトドアレジャーを楽しむことができます。
湖沼
津市には、錫杖湖、風早池、大沢池など、大小様々な湖沼があります。これらの湖沼は、水鳥の生息地としても知られており、自然豊かな風景を楽しめます。
市街地
津市の市街地は、江戸時代に藤堂高虎によって築かれた城下町を起源としています。城下町の特徴である碁盤の目状の街路や、城跡公園など、歴史的な景観が残されています。
市街地は、安濃川を挟んで北側の「橋北」、南側の「橋南」、そして両者の間にある「橋内」の3つのエリアに分かれています。
- 橋北:明治期以降、新しい都市核として発展。三重県庁や津駅など、県の中枢機関が集まるエリア。
- 橋南:江戸時代初期から町場として発展。歴史的な街並みが残るエリア。
- 橋内:津城跡を含む、歴史的中心部。
気候
津市の気候は、温暖な瀬戸内海式気候に属します。年間を通じて温暖で、降水量も比較的多いのが特徴です。
歴史
近世以前
津市は古くから「安濃津」と呼ばれ、良港として栄えていました。平安時代には、京の都との交易の中心地として、重要な役割を果たしていました。
しかし、明応7年(1498年)の明応地震(東海地震)によって港は崩壊し、その後は衰退していきました。
江戸時代には、藤堂高虎が津城を築き、城下町として発展しました。津藩の政治・経済の中心地として繁栄し、伊勢参りの宿場町としても賑わいました。
近現代
明治時代には、安濃津県が設置され、県庁所在地となりました。その後、三重県と改称され、県庁所在地は四日市に移転しましたが、後に再び津市に戻りました。
第二次世界大戦中には、津大空襲に見舞われ、市街地は壊滅的な被害を受けました。戦後は復興が進み、県の中心都市としての役割を担うようになりました。
2006年には、周辺の自治体と合併し、現在の津市が誕生しました。
行政
市長
津市は、市長を首長とする市制を採用しています。市長の任期は4年です。
議会
津市議会は、議員定数30人の議会です。議員の任期は4年です。
教育
津市には、三重大学、三重県立看護大学などの大学、三重短期大学などの短期大学、高等学校、中学校、小学校などが数多く存在しています。
交通
鉄道
津市には、JR東海、近畿日本鉄道、伊勢鉄道の3つの鉄道会社が乗り入れており、市内を南北に縦断する形で路線網が敷かれています。
バス
津市では、三重交通、津市コミュニティバスなどのバス路線が運行されています。
道路
津市には、伊勢自動車道、国道23号、国道163号などの道路が整備されています。
港湾
津市には、津松阪港があります。津松阪港は、重要港湾に指定されており、貨物輸送や旅客輸送の拠点となっています。
名所・旧跡・観光スポット
津市には、歴史的な建造物、自然豊かな公園、文化施設など、多くの観光スポットがあります。
名所・旧跡
- 津城跡:藤堂高虎が築いた城跡。現在は公園として整備され、市民の憩いの場となっています。
- 津観音:日本三大観音の一つ。古くから信仰を集めてきた寺院です。
- 真宗高田派専修寺:三重県で初めて国宝に指定された寺院。
観光スポット
- 津なぎさまち:伊勢湾に面したウォーターフロントエリア。遊歩道やマリーナがあり、景色を楽しめます。
- 三多気:桜の名所として知られています。春には、多くの観光客が訪れます。
- 青山高原:風力発電所があり、雄大な景色を眺めることができます。
文化・名物
津市には、伝統芸能や郷土料理など、豊かな文化があります。
祭事・催事
- 津まつり:毎年10月に開催される、津市最大の祭り。
- 津花火大会:夏に開催される、大規模な花火大会。
食文化
- 津のうなぎ:津市では、うなぎ料理が名物です。
- 津ぎょうざ:津市で生まれた、大きな揚げ餃子。
津市を舞台にした作品
津市を舞台にした小説や映画などの作品も数多くあります。
- 『神去なあなあ日常』(三浦しをん):津市の山村を舞台にした小説。
- 『浅田家!』(映画):津市を舞台にした家族写真館を描いた映画。
まとめ
津市は、歴史と文化が香る、魅力的な街です。伊勢湾に面した立地を生かした水産業や、伝統産業が栄え、近年では観光都市としても注目を集めています。歴史的な街並みや、豊かな自然、文化に触れることができる街です。
津市についてのクイズ
津市はどの地方に位置していますか?
津市は三重県の県庁所在地であり、東海地方の中核都市としての位置づけがあります。伊勢平野の中心部に位置し、伊勢湾に面した臨海都市であるため、水産業や観光業が盛んな地域です。また、江戸時代から続く歴史的な街並みや文化が色濃く残り、観光客にも人気のスポットになっています。地理的にも温暖な瀬戸内海式気候に恵まれており、市内には美しい自然環境も広がっています。
津市の主な河川はどれですか?
津市を流れる主な河川には安濃川、岩田川、雲出川があります。特に安濃川は市の中心部を流れており、地域発展の重要な要素となっています。津市の地形的特徴として、河川によって形成された平地がありますが、これらの河川は古くから地域の発展や暮らしに大きく寄与してきました。河口に近いこれらの河川は水に恵まれ、豊かな自然環境の一部を形成しています。
津市の気候はどのような特徴がありますか?
津市の気候は温暖な瀬戸内海式気候に属しており、年間を通して温暖で降水量も比較的多いという特徴を持っています。このため、四季折々の美しい風景が楽しめ、また農業や水産業にも適した環境が整っています。温暖な気候のおかげで、津市では多くの祭りやイベントが年間を通じて開催され、地元の人々や観光客が交流を楽しむ場ともなっています。
津市にはどのような名所・旧跡がありますか?
津市の名所・旧跡には、多くの歴史的建造物があり、中でも津城跡は藤堂高虎によって築かれた城跡で、多くの人々に訪れられています。現在は公園として整備されており、市民の憩いの場としても機能しています。他には、日本三大観音の一つである津観音や国宝に指定された真宗高田派専修寺など、歴史的・文化的な価値を持つ場所が多く点在しています。
津市の代表的な郷土料理は何ですか?
津市の代表的な郷土料理は「津ぎょうざ」です。津市で生まれた大きな揚げ餃子が特徴で、地元の人々に親しまれている料理の一つです。津ぎょうざは、外はカリッと香ばしく、内側にはジューシーな具材が詰まっており、食べごたえがあります。地元の居酒屋やレストランではこの津ぎょうざを楽しむことができ、多くの観光客にとっても人気の味となっています。