佐久市は、長野県東信地方に位置し、群馬県との県境に広がる、雄大な自然と歴史が調和する高原のまちです。千曲川流域の佐久盆地に岩村田、中込、野沢、臼田といった集落が点在し、それぞれに個性豊かな中心街を形成しています。中山道と佐久甲州街道の交点に位置し、宿場町として栄え、岩村田藩と田野口藩の陣屋町としての側面も持ち合わせていました。
概要
長野市、松本市、上田市に次ぐ長野県内第4位の都市であり、東信地方では上田市と並ぶ中心都市として発展を続けています。2005年の合併により、長野県で5番目の10万人都市となりました。
新幹線開通による急成長は、他の整備新幹線計画においても参考とされることが多く、佐久平駅周辺にはイオンモール佐久平、スーパーモール佐久平など、大型商業施設が次々と建設され、活気あふれる街並みを形成しています。
一方で、旧臼田町は、昭和中期より農村における高度医療活動を展開した佐久総合病院の本院を擁し、南佐久郡の町村では最も人口の多い地域でした。また、町域西部の山間部には臼田宇宙空間観測所が設置され、”星の町”を町おこしのスローガンとして掲げ、合併後も宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部(旧文部省宇宙科学研究所)の施設を持つ市町村連合である銀河連邦に所属しています。
佐久市は、コイの養殖でも知られています。通常の養殖池に加え、水田での養殖も行われており、「水田養鯉」または「稲田養鯉」と呼ばれ、秋には収穫されたコイが食卓に並びます。また、佐久市は、日本で海から最も遠い地点が存在する場所でもあります。
地理
佐久市は、標高約700メートルの佐久盆地に位置し、北アルプス、八ヶ岳、浅間山などの山々に囲まれた、雄大な自然に恵まれた地域です。
隣接する自治体
佐久市は、以下の自治体と隣接しています。
- 長野県
- 小諸市
- 茅野市
- 東御市
- 南佐久郡 佐久穂町
- 北佐久郡 軽井沢町、御代田町、立科町
- 群馬県
- 甘楽郡 下仁田町、南牧村
気候
佐久市は、内陸性気候の影響を受け、寒暖の差が大きく、夏は暑く、冬は寒いのが特徴です。気温の年較差、日較差が大きいことが特徴で、夏には猛暑日となることもありますが、熱帯夜は記録されたことがありません。
佐久(1991年 – 2020年)の気候 |
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月 |
最高気温記録 °C (°F) |
平均最高気温 °C (°F) |
日平均気温 °C (°F) |
平均最低気温 °C (°F) |
最低気温記録 °C (°F) |
降水量 mm (inch) |
平均月間日照時間 |
出典:気象庁 |
人口
佐久市の人口は約96,000人(2024年8月1日推計人口)です。DID人口比は19.3%(2015年国勢調査)で、都市部と農村部のバランスが取れた地域と言えます。
佐久市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 佐久市の年齢・男女別人口分布(2005年) |
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■紫色 – 佐久市■緑色 – 日本全国 | ■青色 – 男性■赤色 – 女性 |
佐久市(に相当する地域)の人口の推移 | 1970年(昭和45年) |
総務省統計局 国勢調査より |
歴史
佐久市の歴史は古く、縄文時代から人々が住んでいたことが確認されています。
- 1961年(昭和36年)4月1日: 北佐久郡浅間町・東村・南佐久郡野沢町・中込町が合併し、(旧)佐久市が発足。
- 1981年(昭和56年)7月5日: 市民歌「佐久・わが市」を制定。
- 2005年(平成17年)4月1日: (旧)佐久市と北佐久郡望月町・浅科村・南佐久郡臼田町が合併し、(現)佐久市が発足。市民歌は「佐久・わが市」を継続使用することになりました。
- 2010年(平成22年)4月1日: 市民憲章を制定。
行政
市長
(旧)佐久市
- 初代 依田勇雄(1961年4月27日〜1977年4月26日 4期)
- 2代目 神津武士(1977年4月27日〜1989年4月26日 3期)
- 3代目 三浦大助(1989年4月27日〜2005年3月31日 4期)
(現)佐久市
- 職務執行者 佐藤治郎(2005年4月1日〜2005年4月23日)
- 初代 三浦大助(2005年4月24日〜2009年4月23日 1期)
- 2代目 栁田清二(2009年4月24日〜 現在4期目)
市役所
- 佐久市役所(佐久市中込3056)
- 佐久市望月支所(佐久市望月263)
- 佐久市浅科支所(佐久市甲1359-3)
- 佐久市臼田支所(佐久市臼田89番地3)
産業
佐久市の産業は、農業、製造業、観光業などが中心となっています。
農業
佐久市は、豊かな自然に恵まれた地域で、古くから農業が盛んです。主な農産物としては、以下のようなものが挙げられます。
- 水稲: うるち米(五郎兵衛米、さくさく米、切原米、神ノ尾米、ふな米)、餅米・酒米(もちひかり、ひとごこち)
- 果樹・野菜栽培: ズッキーニ、りんご、桃、プルーン、白菜、キャベツ
- 花き: 菊、カーネーション
- 畜産・水産: 蓼科牛、馬、山羊、養蜂、佐久鯉、シナノユキマス、信州サーモン、鮎
- その他関連施設: 佐久クラインガルテン望月、独立行政法人家畜改良センター茨城牧場長野支場
発電
佐久市では、水力発電、太陽光発電が盛んに行われています。
- 水力発電: 平根発電所(市営)、臼田発電所(中部電力)
- 太陽光発電: 佐久市メガソーラー発電所、ソーラーファーム佐久
観光・文化・祭事・施設
佐久市には、豊かな自然、歴史、文化を満喫できる観光スポットや施設が数多く存在します。
文化財
- 安養寺
- 龍雲寺(県指定史跡)
- 貞祥寺(県宝)
- 旧中込学校(重要文化財)
- 駒形神社(重要文化財)
- 新海三社神社(重要文化財)
- 六地蔵幢(重要文化財)
- 龍岡城(国の史跡)
- 高良社本殿(重要文化財)
- 中山道望月宿
- 跡部の踊り念仏(重要無形民俗文化財)
- 金台寺の紙本着色一遍上人絵伝巻二(重要文化財)
- 岩尾城 (信濃国):県指定史跡
- 大井城:県指定史跡
自然
- 妙義荒船佐久高原国定公園
美術館、博物館
- 佐久市立近代美術館
- 佐久市立天来記念館
- 鎌倉彫記念館
- 佐久市立望月歴史民俗資料館
- 五郎兵衛記念館
- 佐久市子ども未来館
- うすだスタードーム
- 佐久市コスモホール
スポーツ・アウトドア施設
- 佐久スキーガーデンパラダ
- 佐久平クレー射撃場
- 望月馬事公苑
- 佐久平ロッククライミングセンター
- 内山牧場キャンプ場
- 長野県立武道館
- 望月カントリークラブ
- 望月東急ゴルフクラブ
- 春日野カントリー倶楽部
- サニーカントリークラブ
温泉
- 春日温泉
- 布施温泉
- 望月温泉
- 穂の香乃湯
- 初谷温泉
- 一萬里温泉
- せせらぎ温泉
- 旭湯温泉
- のぞみサンピア佐久温泉
祭事・催事
- 佐久バルーンフェスティバル
- 跡部の踊り念仏
- 佐久鯉まつり(佐久鯉マラソン)
- 榊祭り
- 千曲川納涼花火大会
- 浅科どんどん祭り・納涼花火大会
- 佐久高原コスモス祭り
- 佐久高原つつじ祭り
- 小満祭
- 岩村田祇園祭お船様祭り
- SAKU BLOOM
アクセス
佐久市へのアクセスは、以下の通りです。
- 鉄道: JR北陸新幹線 佐久平駅、JR小海線 中込駅
- 高速バス: バスタ新宿、池袋駅東口、下落合駅、練馬駅、川越的場、あべの橋駅、大阪駅、京都駅
- 自動車: 上信越自動車道 佐久IC、中部横断自動車道 佐久臼田IC、佐久南IC、佐久中佐都IC、佐久北IC
最後に
佐久市は、自然、歴史、文化、そして人情あふれる魅力的なまちです。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してみてください。
佐久市についてのクイズ
佐久市が位置する標高は約何メートルですか?
佐久市は、標高約700メートルの佐久盆地に位置しています。この標高は、内陸性気候の特徴を強く反映しており、寒暖の差が大きくなる原因となっています。特に、夏は暑く、冬は寒いのが佐久市の気候の特徴です。この地理的条件は、農業や観光など多様な産業にも影響を与えています。佐久市の周辺には北アルプス、八ヶ岳、浅間山などの美しい山々が広がっており、雄大な自然環境が魅力です。これにより年間を通じて多くの観光客が訪れる要因ともなっています。
佐久市での養殖方法で、『水田養鯉』と呼ばれるものは何を指しますか?
佐久市では『水田養鯉』と呼ばれる方法で、コイの養殖が行われています。この方法は、田んぼで稲作と同時にコイを育てるもので、農業と水産業の両方を融合させたユニークな取り組みです。収穫期には、田んぼで育てられたコイが収穫され、地域の食卓に並ぶことになります。このような地域密着の養殖方法は、他の地域にはあまり見られないものであり、佐久市の特色の一部となっています。また、コイの養殖は、愛好家や観光客にとっても魅力の一つとなっています。
佐久市の気候はどのような特徴がありますか?
佐久市は内陸性気候に属しており、寒暖の差が非常に大きいという特徴があります。特に、夏は高温になることもありますが、夜間は気温が下がるため、熱帯夜は記録されていないのが特徴的です。この気候条件は、農業活動にとっても有利に働くことが多く、多様な作物の生産が行われています。また、内陸性気候の影響で、降水量にも季節差が見られ、特に夏季は比較的降雨が多くなる傾向があります。これにより、田んぼや農作物の育成に必要な水分が確保されているため、佐久市は豊かな農業地域として発展しています。
佐久市はどの自治体と隣接していますか?
佐久市は、群馬県下仁田町ほか、さまざまな自治体と隣接しています。特に、長野県内では小諸市、茅野市、東御市、南佐久郡佐久穂町、北佐久郡軽井沢町など多くの市町と接しており、佐久市は重要な地域交通の拠点となっています。また、群馬県とも接しているため、群馬県南部へのアクセスも容易であり、地域の利便性を高めています。これにより、観光やビジネスの交流が活発に行われており、経済的にも発展しています。このように、佐久市は地理的に優れた位置にあり、多様な交流が期待される地域です。
佐久市が合併して、現在の市が発足したのはいつですか?
現在の佐久市は、2005年4月1日に旧佐久市と北佐久郡の望月町、浅科村、南佐久郡の臼田町が合併して発足しました。この合併により、人口が増加し、都市機能の充実が図られることになりました。合併前の旧佐久市は1961年に設立され、その後の発展を遂げてきました。この新しい佐久市では、地域資源を活かし、多様な産業の振興や文化の発展を目指しており、観光や農業、医療など多岐にわたる取り組みが行われています。合併により、地域の一体感が強まり、さらなる発展が期待されています。