福岡県の中南部に位置する東峰村は、山々に囲まれた自然豊かな村です。小石原焼という伝統工芸品が有名で、近年では「日本で最も美しい村連合」にも加盟しています。小さな村ながら、歴史、文化、自然、そして人々の温かさに満ち溢れています。
概要
東峰村は、2005年3月28日に小石原村と宝珠山村が合併して誕生した村です。合併後も村制を維持し、人口は約1,600人と、まさに「ミニ合併」といえる規模です。2012年には「日本で最も美しい村連合」に加盟し、その美しい景観が認められています。
地理
東峰村は、福岡県の南東部に位置し、大分県の日田市と隣接しています。村域の大部分は山地で、僅かな部分が農業地帯となっています。筑前国に属しますが、旧豊前国と豊後国との境界に位置し、筑後平野と日田盆地の中心点であり、分水界となっています。
主な地理的特徴
- 山: マーキー山
- 川: 大肥川、宝珠山川、小石原川
- 盆地: 小石原盆地
気候
東峰村は、福岡県の中では筑豊地方の内陸性の気候に属していますが、筑豊の大部分は盆地であるのに対し、東峰村は山岳地帯であるため、気候は大きく異なります。年平均降水量は2,200mm前後、年平均気温は13℃前後と、多雨でやや冷涼な気候です。夏は日中気温が上がりやすく、まれに35℃を超えることもあります。また、山地のため雷雨に見舞われやすいです。冬は福岡県の中でも特に雪が多く、寒波の際には積雪が50〜70cmに達することもあります。冬季の通行は注意が必要です。
隣接する市町村
- 朝倉市
- 嘉麻市
- 田川郡添田町
- 大分県日田市
歴史
近現代
- 1889年4月1日: 町村制施行により小石原村と宝珠山村が発足。
- 2005年3月28日: 小石原村と宝珠山村が合併し、東峰村が発足。
- 2011年4月8日: 小石原小学校、宝珠山小学校、東峰中学校の3校を統合し、小中一貫校「東峰学園」が開校。
- 2017年7月5日: 九州北部を襲った記録的な集中豪雨で大きな被害を受けた(平成29年7月九州北部豪雨)。
村章
東峰村の村章は、2005年2月9日に全国からの公募によって決定しました。2村を尊重し、自然豊かなデザインとなっています。村章は、2つの村の団結を象徴しており、円形の中に緑の葉をモチーフにしたデザインが用いられています。
歴代村長
- 高倉秀信(2005年4月24日 – 2013年4月23日) 2期
- 井上一徳(2013年4月24日 – 2013年9月13日) 1期
- 澁谷博昭(2013年10月20日 – 2021年10月19日) 2期
行政
村長
- 眞田秀樹(1期目)
- 任期: 2025年10月19日
議会
- 定数: 10人
- 任期: 2026年4月30日
村役場
東峰村役場は、分庁舎方式を採用しています。
- 宝珠山庁舎(旧宝珠山村役場) 議会設置庁舎
- 小石原庁舎(旧小石原村役場) – 東峰村大字小石原941番9号
警察・消防
- 朝倉警察署: 東峰村には警察署はありません。朝倉市にある朝倉警察署が管轄しています。
- 甘木・朝倉消防本部 東出張所
- 東峰村消防団
- 朝倉警察署宝珠山駐在所
- 朝倉警察署小石原駐在所
教育
- 東峰村立東峰学園 – 東峰村で唯一の小中学校併設校
東峰学園は、2011年に宝珠山小学校・小石原小学校・東峰中学校を統合してできた学校です。旧東峰中学校(宝珠山地区)の校舎を改築して使用しています。
地域
人口
東峰村の人口は、合併以降減少傾向にあります。2024年7月1日時点の推計人口は1,659人です。
大字
東峰村は、小石原地域と宝珠山地域の2つの地域に分かれています。
小石原地域
- 旧小石原村の範囲です。
大字名 | 郵便番号 |
---|---|
小石原 | 838-1601 |
小石原鼓 | 838-1602 |
宝珠山地域
- 旧宝珠山村の範囲です。
大字名 | 郵便番号 |
---|---|
宝珠山 | 838-1701 |
福井 | 838-1702 |
経済
産業
東峰村の主な産業は農業と林業です。小石原地域では、小石原焼の生産が盛んです。小石原焼は、国の伝統工芸品として知られており、東峰村の重要な産業となっています。
郵便局
- 小石原郵便局
- 宝珠山郵便局
ケーブルテレビ
- 東峰テレビ
交通
鉄道
東峰村には鉄道は通っていません。かつてはJR九州日田彦山線が村内を通っていましたが、2017年の豪雨により不通となり、現在はBRTに転換されています。
バス
BRT
- JR九州(運行はJR九州バス)
- 日田彦山線BRT(BRTひこぼしライン)
- 筑前岩屋駅 – 大行司駅 – 宝珠山駅(全駅とも旧宝珠山村地区)
- 日田彦山線BRT(BRTひこぼしライン)
一般路線バス
- 西鉄バス
- 杷木 – 松末 – 塔の元 – 大行司 – 宝珠山 – 大行司 – 塔の元 – 小石原
道路
- 一般国道
- 国道211号
- 国道500号
- 主要地方道
- 福岡県道52号八女香春線
- 福岡県道78号添田小石原線
- 道の駅
- 小石原
村内には高速道路は通っていません。最寄りの高速道路インターチェンジは大分自動車道杷木ICです。
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
伝統工芸
- 小石原焼: 東峰村の伝統工芸品であり、素朴で温かみのある陶器が特徴です。小石原焼の窯元は村内に数多く存在し、実際に制作の様子を見学したり、作品を購入したりすることができます。
自然
- 竹の棚田: 日本棚田百選に選ばれた美しい棚田です。緑豊かな棚田は、まるで絵画のようです。
- 大王杉: 森の巨人たち百選に選ばれた巨木です。樹齢は推定500年以上と言われています。
- 小石原川: 小石原焼の原料となる粘土が採掘された場所です。川沿いを散策すると、自然の美しさを感じることができます。
- マーキー山: 東峰村最高峰の山です。山頂からは、雄大な山々を一望できます。登山道も整備されており、初心者でも気軽に登ることができます。
文化
- 小石原焼伝統産業会館: 小石原焼の歴史や制作過程を学ぶことができる施設です。体験コーナーもあり、実際に陶芸に挑戦することもできます。
- 東峰村歴史民俗資料館: 東峰村の歴史や文化を展示している施設です。昔の暮らしや伝統芸能について知ることができます。
祭事・催事
- 民陶むら祭: 5月と10月に開催される、小石原焼の祭典です。全国から陶芸家が集まり、作品を展示・販売します。イベントも盛り沢山で、東峰村の賑わいを感じることができます。
- 東峰村秋祭り: 宝珠山地区で毎年9月に開催される、伝統的な秋祭りです。神輿や屋台が出て、地域の人々で賑わいます。
まとめ
東峰村は、豊かな自然と伝統工芸が調和した、魅力的な村です。小石原焼や棚田など、見どころ満載で、都会の喧騒を離れてゆったりと過ごすのに最適な場所です。ぜひ一度訪れて、東峰村の魅力を体感してみてください。
東峰村についてのクイズ
東峰村が誕生した年は何年でしょうか?
東峰村は2005年3月28日に小石原村と宝珠山村が合併して誕生しました。この合併により、2つの村の文化や歴史が結びつき、新たな地域社会が形成されました。合併後も村制を維持し、約1,600人の村民が暮らしており、地元の伝統や自然を大切にしながら生活しています。また、2012年には「日本で最も美しい村連合」に加盟されるなど、地域の魅力を発信し続けています。このように、東峰村は小さな村ながらも多くのヒストリーと魅力が詰まっています。
東峰村の主な農業生産物は何ですか?
東峰村の主な産業は農業と林業であり、その中でも小石原焼は特に有名です。小石原焼は、素朴で温かみのある陶器として評価されており、地域内の多くの窯元で生産されています。これにより、陶芸体験や見学が可能な場も多く、地元の観光資源としても重要視されています。さらに、小石原焼は国の伝統工芸品としても認定されており、地域の業者たちはその技術を次世代へと受け継いでいます。
東峰村の最高峰はどの山ですか?
東峰村の最高峰はマーキー山で、雄大な自然を一望できるポイントとして知られています。山頂までの道も整備されており、初心者でも気軽に登ることができるため、多くのハイカーや自然愛好家に親しまれています。マーキー山の周辺には豊かな植生が広がっており、四季折々の美しい風景を楽しむことができます。このように、自然と触れ合える環境が整っていることから、観光資源としても重要な役割を果たしています。
東峰村に隣接している大分県の市はどこですか?
東峰村は福岡県の南東部に位置し、大分県の日田市と隣接しています。日田市は歴史的な温泉地であり、自然豊かな環境が魅力です。東峰村は、豊かな自然環境と共に、周囲の市町村と連携しながら地域の活性化を目指しています。隣接する市の影響を受けつつ、観光や産業面での交流も図られており、地域全体の発展に寄与しています。