島根県隠岐郡知夫村は、隠岐諸島の中でも最も南に位置する、静かで美しい島々で構成された村です。
雄大な自然、歴史的な史跡、そして温かい人々との出会いが待っています。
知夫村の魅力:自然、歴史、そして文化
知夫村は、隠岐諸島の最南端に位置し、有人島の知夫里島と周辺の無人島(神島、浅島、島津島、大波加島など)で構成されています。
豊かな自然と絶景
知夫村は、雄大な自然に恵まれた島です。
知夫赤壁
知夫里島の西海岸には、高さ50~200メートルの赤い岩の壁「知夫赤壁」が約1キロメートルにわたってそびえ立ちます。
鮮やかな赤色や黄色がかった焦茶色の凝灰岩に、安山岩の白や灰色の岩脈が入り交じり、色彩の変化に富んでいます。
1935年(昭和10年)には、国の名勝天然記念物に指定されました。
赤ハゲ山
知夫里島の最高峰は、標高325メートルの「赤ハゲ山」です。
頂上まで車で行くことができ、全山草に覆われたなだらかな斜面は放牧地として利用されています。
山頂からは、島前カルデラを一望できます。
島津島
知夫里島から南に位置する無人島「島津島」は、渡津神社や粗面岩が露出した岸壁である「白壁」など、見どころ満載です。
北限植物と絶滅危惧種
知夫村では、ハマボウやトウテイランなど、貴重な植物が生息しています。
- ハマボウは、2011年(平成23年)に島津島で発見され、隠岐における自生地の北限とされています。環境省の絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されています。
- トウテイランは、環境省の絶滅危惧種Ⅱ類(VU)、島根県の絶滅危惧種(NT)に指定されています。隠岐諸島にのみ生育し、県外では極めて稀とされています。
隠岐の歴史と文化に触れる
知夫村は、長い歴史を持つ島でもあります。
古代からの歴史
- 『古事記』の国生み神話の3番目に「隠伎之三子島」が現れ、知夫村を含む隠岐諸島が登場しています。
- 奈良時代には郡名が確立され、天平時代の正税帳には「知夫郡」との表記がされています。
後醍醐天皇の配流
- 元弘2年(1332年)に後醍醐天皇が隠岐に配流された際、知夫村に滞在しました。
- 仁夫地区に上陸後、古海坊(現 松養寺)と仁夫里坊(現 願成寺)に宿泊しました。
- 天佐志比古命神社には、後醍醐天皇が参拝時に腰掛けて休んだとされる「後醍醐天皇お腰掛けの石」があります。
- 来居港ターミナル付近の来居大島には、後醍醐天皇が勤行を行ったとする法華経塚があります。
伝統行事
知夫村には、古くから続く伝統行事が数多く残っています。
- 一宮神社例大祭: 2年に一度、天佐志比古命神社にて開催される、村の重要な祭りです。
- 皆一踊り: 旧暦8月15日に天佐志比古命神社にて奉納される、豊作を祈る踊りです。
- 蘇民将来: 古海地区で行われる、厄払いして幸福を祈る護身符を授かる行事です。
知夫村の暮らし
知夫村は、人口約600人の小さな村です。
- 穏やかな暮らし
- 人々の温かさ
- 自然との共存
タヌキとの共存
知夫村には、隠岐諸島で唯一タヌキが生息しています。
- 1941年(昭和16年)に、村長に本土からタヌキのつがいが寄贈されたことが始まりです。
- 現在では2000匹以上が生息しており、村人と共存しています。
漁業
知夫村は、古くから漁業が盛んな村です。
- かなぎ漁、網漁、一本釣りなど、様々な漁法が行われています。
- サザエ、アワビ、タイ、ブリ、イカなど、新鮮な海の幸が楽しめます。
知夫村へのアクセス
知夫村へのアクセスは、飛行機と船を乗り継ぐ必要があります。
- 隠岐空港(隠岐の島町)まで飛行機で行き、隠岐汽船に乗り換えて知夫村の来居港へ。
- 松江港または境港から隠岐汽船で直接来居港へ。
知夫村の宿泊
知夫村には、宿泊施設がいくつかあります。
- ホテル知夫の里
- 民宿
- ゲストハウス
知夫村での過ごし方
知夫村では、豊かな自然と歴史を満喫できる様々なアクティビティを楽しむことができます。
- 知夫赤壁を散策
- 赤ハゲ山登山
- 島津島での海水浴
- 天佐志比古命神社参拝
- タヌキウォッチング
- 漁業体験
- 伝統文化体験
知夫村を訪れて
知夫村は、都会の喧騒を離れて、ゆったりと過ごすのに最適な場所です。
- 雄大な自然に癒される
- 歴史と文化に触れる
- 温かい人々との出会い
知夫村を訪れて、忘れられない思い出を作りませんか?
知夫村についてのクイズ
知夫村の最南端に位置する無人島はどれですか?
知夫村は隠岐諸島の最南端に位置し、有人島の知夫里島のほか、周辺にはいくつかの無人島が存在します。その中でも「島津島」は、知夫里島の南に位置し、特に渡津神社や露出した岸壁の「白壁」など、見どころが多い島として知られています。島津島は美しい自然環境に恵まれた場所であり、訪れる人々にとって魅力的なスポットです。無人島であるため、静かな環境で自然に触れながら過ごすことができ、観光地の喧騒を離れてリフレッシュするには最適な場所と言えるでしょう。また、こちらの無人島はアクセスも困難であるため、一度訪れることで、その希少性も感じられます。
知夫赤壁はどのくらいの高さの岩の壁ですか?
知夫村にある知夫赤壁は、知夫里島の西海岸に位置する高い岩の壁です。具体的には、高さが50メートルから200メートルまでの範囲で、約1キロメートルにわたりそびえ立っています。この赤い岩壁は、鮮やかな赤色や黄色がかった焦茶色の凝灰岩に、白や灰色の安山岩の岩脈が交じり合い、色彩の美しさから訪れる人々を魅了しています。その特異な景色は自然が創り出したアートとも言え、1935年には国の名勝天然記念物に指定されています。知夫赤壁は観光名所だけでなく、周辺を散策することで島の自然の魅力を再確認する機会にもなるため、多くの人々にとって印象深いスポットとなっているのです。
知夫村に生息する唯一の動物は何ですか?
知夫村では、隠岐諸島全体で唯一タヌキが生息しています。このタヌキの存在は1941年に、本土から村長に寄贈されたつがいから始まり、現在では2000匹以上のタヌキが村内に生息しているとされています。タヌキは村の住民と共存しており、村の風景の一部として親しみのある動物です。そのため、住民にとっては特別な存在になっています。タヌキは自然の中でよく見かけることができ、訪れる人々は村でのタヌキウォッチングを楽しむこともできます。このように、知夫村では人と動物が共存する独特の生態系が形成され、自然との調和の取れた暮らしが実践されています。
知夫村の最高峰は何という山ですか?
知夫村の最高峰は「赤ハゲ山」で、標高は325メートルです。知夫里島の風景を特徴づけるこの山は、頂上まで車でアクセスできるため、多くの人々が訪れる際の好アクセスなスポットでもあります。赤ハゲ山の全山は草に覆われており、放牧地としても利用されているため、自然環境が守られています。また、山頂からは島前カルデラの壮大な景観を一望することができ、特に晴れた日にはその美しさが一際際立ちます。このように、赤ハゲ山は知夫村を訪れる旅行者に出発点や休息の場を提供するだけでなく、自然観察やハイキングなどのアクティビティにとっても非常に魅力的な場所です。
知夫村の伝統行事はどれですか?
知夫村には「一宮神社例大祭」という重要な伝統行事があります。この祭りは2年に一度、村の守護神である天佐志比古命神社で開催されるもので、村の人々にとって特別な意味を持つ行事です。地元の文化や伝統を維持するために、地域全体で参加し、互いに協力する重要な機会となっています。祭りの開催を通じて、村の人々の結束が強まり、また、若い世代が伝統を受け継ぐきっかけにもなります。知夫村におけるこうした行事は、地域のアイデンティティを育むとともに、訪れた人々にも触れる機会を提供し、地域の魅力を伝える役割を果たしています。