福島県双葉郡浪江町は、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故により大きな被害を受けた町。しかし、住民たちは故郷への強い思いを持ち、懸命な復興に取り組んでいます。
東日本大震災と原発事故からの復興
2011年3月11日、東日本大震災が発生。浪江町は、マグニチュード9.0の地震と津波による壊滅的な被害を受けました。さらに、隣接する大熊町で福島第一原子力発電所事故が発生し、町内は放射性物質の影響を受けました。
避難と町への影響
震災直後、住民は町内や県内の避難所に避難しました。町役場は二本松市に仮設され、多くの住民が長期間にわたって故郷を離れることになりました。
帰還困難区域と復興への歩み
2017年3月31日には、帰還困難区域を除き、避難指示が解除されました。町役場は元の浪江町役場本庁舎に戻り、浪江駅も再開しました。
しかし、帰還困難区域は依然として町内の大半を占めており、町内の居住人口は震災前と比べて大幅に減少しています。現在も、復興は進められていますが、多くの課題が残されています。
自然豊かな浪江町
浪江町は、太平洋に面した浜通りに位置する町です。豊かな自然に恵まれ、美しい景観と多様な生物が生息しています。
山地と渓谷
西側には阿武隈山系に属する山々が連なり、高瀬川渓谷など雄大な自然が広がっています。
- 津島五山（つしまござん）
- 日山（ひやま）：標高1,057m
- 高太石山（こうたいしやま）：標高863.7m
- 中ノ森山（なかのもりやま）：標高803m
- 大ノ姿山（おおのすがたやま）：標高722m
- 熊ノ森山（くまのもりやま）：標高565m
- 手倉山（てくらやま）：標高631m
- 戸神山（とがみやま）：標高430m
- 十万山（じゅうまんやま）：標高448.4m
川と水系
請戸川（うけどがわ）が町の中央を流れ、太平洋へと注ぎます。
- 請戸川（うけどがわ）
- 高瀬川（たかせがわ）、高瀬川渓谷（たかせがわけいこく）
- 大柿ダム（おおがきダム）
- 金ヶ森溜池（かながもりためいけ）
気候
浪江町は、温暖な気候に恵まれています。年間を通して降水量が多く、四季の変化がはっきりとしています。
| 浪江（1991年 – 2020年）の気候 |
|---|
| 月 |
| 最高気温記録 °C (°F) |
| 平均最高気温 °C (°F) |
| 日平均気温 °C (°F) |
| 平均最低気温 °C (°F) |
| 最低気温記録 °C (°F) |
| 降水量 mm (inch) |
| 平均降水日数 (≥1.0 mm) |
| 平均月間日照時間 |
| 出典：気象庁 |
浪江町の産業と文化
浪江町は、農業、水産業、工業など多岐にわたる産業が発展してきました。
水産業
浪江町は、福島県で最も東に位置し、請戸漁港は福島県の最東端にあたります。
- 請戸漁港（うけど ぎょこう）
工業
日立化成グループの浪江日立化成工業本社が町内に位置しています。
- 浪江日立化成工業本社
エネルギー産業
近年では、水素エネルギーの製造拠点が建設され、浪江町は水素社会の実現に向けて注力しています。
名産品
浪江町には、伝統的な文化や特産品が数多く存在します。
- 大堀相馬焼：江戸時代の中村藩に始まる陶器
- 浪江焼きそば（ふとっちょ焼きそば）：浪江のご当地グルメ
未来へ向かう浪江町
浪江町は、東日本大震災と原発事故からの復興、そして未来への挑戦を続けています。
浪江国際研究学園都市構想
2026年3月には、浪江国際研究学園都市構想が策定されました。この構想は、浪江町を、世界最先端の研究開発拠点として再生するビジョンを掲げています。
浪江女子発組合
2019年11月24日には、ももいろクローバーZのメンバー・佐々木彩夏をリーダーとする7人組ユニット「浪江女子発組合」が結成されました。同グループは、浪江町の復興支援活動や魅力発信活動を行っています。
浪江町を訪れて
浪江町は、自然と歴史、そして復興の力強さを体感できる町です。
- 請戸漁港：新鮮な海の幸を楽しめる
- 高瀬川渓谷：雄大な自然を満喫できる
- 浪江町役場：復興の軌跡を見ることができる
- 浪江町観光協会：観光情報を入手できる
浪江町は、新たな歴史を刻む町です。ぜひ訪れて、復興の力強さと未来への希望を感じてください。
浪江町についてのクイズ
浪江町が大きな被害を受けた原因となった自然災害は何ですか？
浪江町は2011年3月11日に発生した東日本大震災によって、壊滅的な被害を受けました。この地震はマグニチュード9.0であり、津波を引き起こしました。また、福島第一原子力発電所の事故が隣接する大熊町で発生し、浪江町にも放射性物質の影響が及びました。これにより、町は避難を余儀なくされ、住民は長期間にわたって故郷を離れることとなりました。町の復興には多くの時間と努力が必要とされていますが、住民たちの故郷に対する思いは非常に強く、復興への取り組みが続けられています。
浪江町の西側に位置する山脈は何ですか？
浪江町の西側には阿武隈山系が広がっています。この山系の地域は自然が豊かで、美しい山々や川が点在しています。具体的には、津島五山や手倉山、戸神山などがあり、アウトドア活動や自然観察に適した場所です。阿武隈山系は、登山やハイキングなどのレジャー活動が人気で、訪れる人々にとって魅力的な景観や体験を提供しています。生態系も豊かで、多様な動植物が生息しており、地域の自然環境の重要な一部を担っています。
浪江町に流れる川は次のうちどれですか？
浪江町の中央を流れる川は請戸川です。この川は太平洋に注いでおり、地域の水系の重要な一部を形成しています。請戸川の流域は美しい自然環境に恵まれ、親しみやすい散策コースや観光地も存在します。流域には多くの動植物が生息し、自然観察を楽しむことができます。地域住民にとっては、生活や農業に欠かせない水源でもあるため、川の環境保護が重要視されています。
浪江町の名産品に含まれていないものは何ですか？
浪江町の名産品には「浪江焼きそば」や「大堀相馬焼」がありますが、「福島牛」は福島県全体で知られる特産品です。浪江焼きそばは、太めの麺と濃いソースで焼かれる、地域特有の料理です。また、大堀相馬焼は江戸時代から続く伝統的な陶器で、多くの人に親しまれています。一方で、福島牛は地域に関係なく、福島県全体で生産されている高品質な牛肉を指します。ですので、浪江町の名産品に直接含まれるわけではありませんが、福島県内では非常に人気があります。
