積丹町は、北海道後志総合振興局管内に位置する、積丹郡唯一の町。積丹半島の先端部を占め、「積丹ブルー」と呼ばれる美しい海と、断崖絶壁の海岸線、そして豊かな自然に恵まれた町です。神威岬をはじめとする雄大な景観は、多くの人を魅了し、ニセコ積丹小樽海岸国定公園の一部として、北海道で唯一の海域公園にも指定されています。漁業や農業も盛んで、特にウニの産地として知られています。
概要
積丹町は、神威岬や積丹ブルーと呼ばれる鮮やかなコバルトブルーの海で有名です。神威岬は、北海道遺産に指定されており、断崖絶壁の海岸線は、ニセコ積丹小樽海岸国定公園の一部をなし、北海道で唯一の海域公園に指定されています。
町名の由来
町名の由来は、アイヌ語で「シャク(夏)」と「コタン(村、或いは郷土)」を合わせた「シャクコタン(夏・場所)」です。積丹町は、古くからアイヌの人々が住んでいた場所であり、その歴史と文化を感じることができます。
地理
積丹町は、後志総合振興局北部に位置し、日本海に面した積丹半島先端部にあります。周囲は山々に囲まれ、豊かな自然に恵まれた環境です。
隣接する自治体
積丹町は、次の自治体と隣接しています。
- 後志総合振興局
- 古平郡:古平町
- 古宇郡:神恵内村
山岳
積丹町には、以下の山々がそびえ立っています。
- 積丹岳(1255.3m)
- 余別岳(1298m)
- 珊内岳(1091m)
- ポンネアンチシ山(1145m)
- 大天狗山(851.7m)
- 両古美山(806m)
- 泥ノ木山(903.9m)
河川
積丹町を流れる主な河川は以下のとおりです。
- 積丹川
- 美国川
- 入舸川
- 日司川
- 幌内府川
- 余別川
気候
積丹町は、日本海側気候に属し、冬は雪が多く、夏は涼しいのが特徴です。積丹町美国の気候データは以下のとおりです。
| 積丹町美国(1991年 – 2020年)の気候 |
|—|—|
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
| 最高気温記録 °C (°F) | 9.3 (48.7) | 13.7 (56.7) | 16.2 (61.2) | 25.6 (78.1) | 33.7 (92.7) | 31.3 (88.3) | 34.0 (93.2) | 35.2 (95.4) | 33.4 (92.1) | 27.6 (81.7) | 20.8 (69.4) | 14.1 (57.4) | 35.2 (95.4) |
| 平均最高気温 °C (°F) | -1.2 (29.8) | -0.5 (31.1) | 3.3 (37.9) | 9.7 (49.5) | 16.6 (61.9) | 20.3 (68.5) | 23.9 (75) | 25.3 (77.5) | 21.9 (71.4) | 15.4 (59.7) | 7.5 (45.5) | 0.8 (33.4) | 11.9 (53.4) |
| 日平均気温 °C (°F) | -4.0 (24.8) | -3.5 (25.7) | -0.1 (31.8) | 5.5 (41.9) | 11.4 (52.5) | 15.2 (59.4) | 19.4 (66.9) | 20.5 (68.9) | 16.6 (61.9) | 10.3 (50.5) | 3.6 (38.5) | -2.2 (28) | 7.7 (45.9) |
| 平均最低気温 °C (°F) | -7.4 (18.7) | -7.3 (18.9) | -4.1 (24.6) | 0.7 (33.3) | 5.9 (42.6) | 10.2 (50.4) | 15.0 (59) | 16.0 (60.8) | 11.5 (52.7) | 5.2 (41.4) | -0.3 (31.5) | -5.4 (22.3) | 3.3 (37.9) |
| 最低気温記録 °C (°F) | -17.1 (1.2) | -17.8 (0) | -13.6 (7.5) | -8.0 (17.6) | -2.5 (27.5) | 1.6 (34.9) | 5.9 (42.6) | 8.8 (47.8) | 2.3 (36.1) | -2.7 (27.1) | -9.7 (14.5) | -15.6 (3.9) | -17.8 (0) |
| 降水量 mm (inch) | 203.0 (7.992) | 145.2 (5.717) | 119.2 (4.693) | 96.2 (3.787) | 82.5 (3.248) | 60.3 (2.374) | 123.6 (4.866) | 169.7 (6.681) | 208.6 (8.213) | 193.8 (7.63) | 246.6 (9.709) | 252.1 (9.925) | 1,899.4 (74.78) |
| 平均降水日数 (≥1.0 mm) | 25.3 | 21.2 | 17.6 | 12.5 | 11.0 | 8.0 | 9.8 | 10.8 | 13.5 | 16.1 | 20.0 | 24.3 | 189.6 |
| 平均月間日照時間 | 26.4 | 41.4 | 97.1 | 169.7 | 199.5 | 163.1 | 148.0 | 157.7 | 149.8 | 120.8 | 54.6 | 22.5 | 1,350.5 |
出典1:Japan Meteorological Agency
出典2:気象庁[1]
歴史
積丹町の歴史は古く、アイヌの人々が住んでいた時代から始まります。
- 12世紀:源義経が蝦夷地に落ち延びて、神威岬にさしかかった際に風浪が激しく船を進められなかったため、沖合に見える岩に神威岩を奉斎したという伝説が残っています。アイヌの人々も、この岩を「カムイ」として崇拝していました。
- 1706年(宝永3年):アイヌの人々との交易が始まり、以降、ニシン漁で栄えます。
- 1725年(享保10年):美国神社が創建されます。
- 1786年(天明6年):シャコタン(志屋古丹)場所が置かれます。
- 1902年(明治35年)4月1日:美国郡美国村が二級村制を施行します。
- 1906年(明治39年)4月1日:積丹郡余別村、入舸村が二級村制を施行します。
- 1909年(明治42年)4月1日:美国村が一級町制を施行し、美国町となります。
- 1937年(昭和12年)1月12日:入舸沖合で石炭運搬船「愛国丸」が暴風雪のため座礁し、沈没します。7人が救助されましたが、5人が死亡し、28人が行方不明になります。
- 1956年(昭和31年)9月30日:美国郡美国町、積丹郡余別村、入舸村が合併し、積丹郡積丹町が誕生します。
経済
積丹町の経済は、漁業、農業、観光業が中心です。
産業
積丹町は、豊かな漁場を有し、特にウニの産地として有名です。その他、ホタテ、カニ、鮭などの水産資源が豊富です。農業では、ジャガイモ、玉ねぎ、メロンなどが栽培されています。観光業では、神威岬や積丹ブルーの海など、美しい自然を満喫できる観光スポットが人気です。
農協・漁協
積丹町には、以下の農協・漁協があります。
- 新おたる農業協同組合(JA新おたる)積丹事業所
- 東しゃこたん漁業協同組合美国支所・積丹支所
金融機関
積丹町には、以下の金融機関があります。
- 北海道信用金庫古平支店美国出張所
郵便局
積丹町には、以下の郵便局があります。
- 美国郵便局(集配局):美国地区
- 野塚郵便局(集配局):野塚・余別地区
- 入舸郵便局
- 余別郵便局
宅配便
積丹町では、以下の宅配便会社がサービスを提供しています。
- ヤマト運輸:札幌主管支店仁木古平センター(余市町)
- 佐川急便:小樽営業所(小樽市)
- 日本通運:小樽支店(小樽市)
コンビニエンスストア
積丹町には、以下のコンビニエンスストアがあります。
- セイコーマート:美国店 ※コンビニATMの設置はなし
公共機関
積丹町には、以下の公共機関があります。
警察
- 余市警察署
- 美国駐在所
- 入舸駐在所
- 余別駐在所
姉妹都市・提携都市
積丹町は、国内外で以下の都市と姉妹都市・提携都市関係を結んでいます。
国内
- 高知県香美市(旧 土佐山田町)
海外
- シーサイド(アメリカ合衆国オレゴン州):1966年(昭和41年)5月17日提携
地域
人口
積丹町の人口は、近年減少傾向にあります。2020年(令和2年)の人口は1,831人です。
積丹町と全国の年齢別人口分布(2005年) | 積丹町の年齢・男女別人口分布(2005年) |
---|---|
■紫色 ― 積丹町■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性■赤色 ― 女性 |
積丹町(に相当する地域)の人口の推移
年 | 人口 |
---|---|
1970年(昭和45年) | 6,102人 |
1975年(昭和50年) | 5,635人 |
1980年(昭和55年) | 4,910人 |
1985年(昭和60年) | 4,271人 |
1990年(平成2年) | 4,012人 |
1995年(平成7年) | 3,648人 |
2000年(平成12年) | 3,149人 |
2005年(平成17年) | 2,860人 |
2010年(平成22年) | 2,514人 |
2015年(平成27年) | 2,115人 |
2020年(令和2年) | 1,831人 |
総務省統計局 国勢調査より
教育
積丹町には、大学・短期大学・専修学校はありません。高等学校もありません。
- 中学校 1校(美国)
- 小学校 4校(美国、日司、野塚、余別)
- 幌武意・入舸地区在住の児童は美国小学校へスクールバスで通学
交通
積丹町へのアクセスは、主にバスと車になります。
バス
- 北海道中央バス(余市営業所)
- 積丹町生活交通バス
道路
- 一般国道
- 国道229号
- 都道府県道
- 北海道道568号船澗美国港線
- 北海道道913号野塚婦美線
通信
積丹町では、以下の通信サービスが利用できます。
固定電話
- NTT東日本が提供。市外局番は0135(余市MA内)。
携帯電話・PHS
- NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルのサービス提供エリア。
- PHSは提供事業者なし。
ブロードバンドインターネット接続
- NTT東日本が提供。
- フレッツADSLモアII 40Mタイプ(美国地区)
- フレッツ光ネクスト(全町全域)
- KDDI(au)
- 3G
- 4G LTE
- WiMax 2+(美国地区のみ)
- NTT Docomo
- 3G
- 4G LTE
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
積丹町には、多くの観光スポットがあります。
文化財
- 積丹町鰊場音頭
景勝地
- 神威岬
- 積丹岬
- 黄金岬/黄金岬展望台
- 島武意海岸
温泉
- 町営温泉 岬の湯しゃこたん
イベント
- 6月 積丹ソーラン味覚祭り
- 7月 火まつり(美国神社例大祭)
- 9月 積丹生き活き祭り
- 11 – 12月 どっこい積丹冬の陣
出身著名人
- 竹谷隆之(フィギュア造形師)
舞台にした作品
映画
- ダンプ渡り鳥(1981年)東映 主演 黒沢年男
歌謡曲
- 『神威岬』(2005年)美川憲一
文学
- 『鰊漁場』(1934年)島木健作
脚注
- “美国 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月28日閲覧。
- 石炭運搬船愛国丸、吹雪の積丹沖で沈没『東京朝日新聞』(昭和12年1月13日)『昭和ニュース事典第6巻 昭和12年-昭和13年』本編p685 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
- “「積丹町生活交通バス」の運行について”. 積丹町. 2023年11月15日閲覧。
関連項目
- 全国市町村一覧
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 積丹町 (town.shakotan) – Facebook
- 積丹観光協会
- 美国神社例大祭 天狗の火渡り – ダイドー祭りドットコム
積丹町についてのクイズ
積丹町で特に有名な産業は何ですか?
積丹町は漁業が盛んで、特にウニの産地として知られています。ウニだけでなく、ホタテやカニ、鮭などの水産資源も豊富で、漁業は地域経済の大きな柱となっています。北海道の海は清涼な水質を誇り、良質な海産物が育つため、地元の漁業は地域住民の生活を支える重要な産業です。その豊かな漁場は観光業にも寄与し、多くの観光客が新鮮な海産物を求めて訪れます。このように、積丹町の漁業は経済、文化、観光など多岐に渡って影響を及ぼしています。
積丹町の町名の由来は何ですか?
積丹町の町名の由来はアイヌ語で「シャク(夏)」と「コタン(村、もしくは郷土)」を合わせた「シャクコタン(夏・場所)」です。地域はアイヌの人々が古くから住んでいた場所であり、その文化の痕跡が今も感じられます。町名には自然や土地への深い愛情が込められており、アイヌの人々が持つ生活や文化が根付いていることを示しています。積丹町を訪れた際には、その歴史を感じながら美しい自然に触れることができるでしょう。
積丹町の主な河川はどれですか?
積丹町を流れる主な河川の一つに余別川があります。河川は地域の生態系や気候に大きな影響を与え、また漁業や農業においても重要な役割を果たします。積丹町は日本海側に位置しており、周囲には山々に囲まれた環境が広がっています。このため、豊富に水が流れる河川群は地域の自然を育む源となっており、魚の産卵地としても機能します。地域の人々にとって、河川は生活を支える大事な資源でもあり、観光にも寄与する要素となっています。
積丹町の気候はどの気候帯に属しますか?
積丹町は日本海側気候に属しています。この地域の気候は、冬に多くの雪が降り、夏は比較的涼しいのが特徴です。日本海側気候の影響を受ける地域では、冬には雪や霧が多くなることが一般的で、夏には高温多湿の状況が続くこともあります。日本海側の特性として、降水量が多く、特に夏場の豪雨がしばしば見られます。このような気候は、地元の農業や漁業においても、作物の生育や水産資源の変動に影響を及ぼします。
積丹町の姉妹都市の一つはどこですか?
積丹町はアメリカ合衆国オレゴン州のシーサイド市と姉妹都市の関係を結んでいます。この提携は、国際的な交流と協力を促進することを目的としており、文化や経済の交流を通じて両都市が相互に理解を深めていくことを期待しています。1966年に提携が結ばれ、以来、町の特産品や観光資源を世界にアピールする機会となってきました。国際交流は、地域の活性化にもつながり、観光業や地域経済の発展に貢献しています。