青森県六ヶ所村:原子力と自然が織りなす、エネルギーの村

青森県の下北半島太平洋岸に位置する六ヶ所村は、原子燃料サイクル施設を始めとするエネルギー関連施設が集中する、日本でも珍しい村です。豊かな自然と、最先端の科学技術が共存する、魅力あふれる六ヶ所村の魅力を、詳しくご紹介します。

六ヶ所村の概要

六ヶ所村は、青森県の上北郡に属する村で、面積は252.58平方キロメートル、人口は9,951人(2024年7月1日現在)です。人口密度は39.4人/km²と、青森県内でも比較的低密度な地域です。

隣接する自治体は、三沢市、上北郡の野辺地町、横浜町、東北町、下北郡の東通村です。

六ヶ所村は、原子力発電関連施設の集積地として知られており、日本原燃の六ヶ所再処理工場をはじめ、ウラン濃縮工場、MOX燃料工場、低レベル放射性廃棄物埋設センターなど、原子燃料サイクルの重要な施設が立地しています。また、むつ小川原国家石油備蓄基地や、風力発電基地なども設置され、エネルギー関連施設が集中していることが特徴です。

六ヶ所村の地理

六ヶ所村は、下北半島東部の太平洋岸に位置し、標高200メートル前後の台地と、海岸線に沿って広がる平野部から構成されています。

山岳

村内には、吹越烏帽子や御宿山など、標高500メートル前後の山々が連なっています。

河川

村内を流れる主な河川は、高瀬川です。

湖沼

村内には、鷹架沼や尾駮沼などの湖沼があります。

気候

六ヶ所村の気候は、年間を通して冷涼な西岸海洋性気候に属しています。夏は、やませと呼ばれる冷たい風が吹き込み、気温が低く、天候が不安定になることもあります。

六ヶ所村(平均値:1991 – 2020,極値:1982 – 2024)の気候
最高気温記録 °C (°F)
平均最高気温 °C (°F)
日平均気温 °C (°F)
平均最低気温 °C (°F)
最低気温記録 °C (°F)
降水量 mm (inch)
平均月間日照時間
出典:気象庁

六ヶ所村の歴史

六ヶ所村の歴史は古く、鎌倉時代には、源頼朝が所有した名馬「生食(いけずき)」の産地であったと伝えられています。また、江戸時代には、尾駮の駒や尾駮の牧が歌枕として歌に詠まれ、文化人や文豪にも愛された場所でした。

1889年(明治22年)4月1日、町村制の施行により、倉内村、平沼村、鷹架村、尾駮村、出戸村、泊村が合併して六ヶ所村が誕生しました。

六ヶ所村の行政

六ヶ所村は、エネルギー関連施設の存在により、豊かな税収を得ています。そのため、村内には下水道、浄化槽、診療所、健康施設など、充実したインフラが整備されています。

村長

六ヶ所村の村長は、村の行政の長であり、村政の執行と、村議会に対する議案の提出を行います。

公的機関

六ヶ所村には、警察署、消防署などの公的機関が設置されています。

六ヶ所村の経済

六ヶ所村の経済は、農業・水産業と、エネルギー関連施設による産業が中心です。

エネルギー産業

六ヶ所村は、日本における原子力発電の重要な拠点となっており、原子燃料サイクル施設の集積地として知られています。

原子力

  • 日本原燃本社:原子燃料サイクル施設の運営を行う会社です。
  • 六ヶ所再処理工場:使用済み核燃料からプルトニウムとウランを分離・回収する施設です。運転試験中です。
  • 六ヶ所ウラン濃縮工場:天然ウランを濃縮して原子炉燃料とする施設です。
  • MOX燃料工場:プルトニウムとウランを混合して燃料にする施設です。建設中です。
  • 六ヶ所低レベル放射性廃棄物埋設センター:放射性廃棄物を地中に埋設する施設です。
  • 六ヶ所高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター:高レベル放射性廃棄物を安全に保管する施設です。

石油・風力

  • むつ小川原国家石油備蓄基地:国家の石油備蓄基地です。
  • むつ小川原ウィンドファーム:風力発電基地ですが、2023年3月に運転を終了しました。
  • 六ヶ所村風力発電所:風力発電基地です。
  • 六ヶ所村第二風力発電所:風力発電基地です。
  • 二又風力発電所:風力発電基地です。
  • 睦栄風力発電所:風力発電基地です。
  • 吹越台地風力発電所:風力発電基地です。大容量蓄電池併設風力発電施設です。

農業・水産業

六ヶ所村では、伝統的な農業と水産業が盛んです。

農業

  • 畜産業:六ヶ所村では、牛や豚などの畜産業が盛んです。
  • 根菜類:やませによる冷害の影響を受けにくい、ナガイモなどの根菜類が多く栽培されています。

漁業

  • 泊漁港:六ヶ所村最大の漁港です。
  • 尾駮漁港:六ヶ所村の漁港です。
  • 平沼漁港:六ヶ所村の漁港です。

六ヶ所村の地域

人口

六ヶ所村の人口は、1990年代以降は増加傾向にありましたが、近年は減少傾向にあります。

六ヶ所村の人口推移
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015
2020
2024

教育

六ヶ所村には、小学校、中学校、高等学校があります。

小学校

  • 六ヶ所村立泊小学校
  • 六ヶ所村立尾駮小学校
  • 六ヶ所村立南小学校
  • 六ヶ所村立千歳平小学校

中学校

  • 六ヶ所村立泊中学校
  • 六ヶ所村立第一中学校
  • 六ヶ所村立第二中学校

高等学校

  • 青森県立六ヶ所高等学校

大学院

  • 東北大学大学院工学研究科量子エネルギー工学専攻六ケ所村分室

六ヶ所村の交通

六ヶ所村内には鉄道は通っていません。最寄りの駅は、青い森鉄道野辺地駅、乙供駅、東日本旅客鉄道大湊線吹越駅です。空港は、青森空港と三沢空港があります。

道路

  • 下北半島縦貫道路:六ヶ所インターチェンジがあります。
  • 国道338号:白糠バイパス(白糠・泊トンネル)があります。
  • 国道394号:六ヶ所村を通る国道です。
  • 青森県道5号野辺地六ケ所線:野辺地町と六ヶ所村を結ぶ県道です。
  • 青森県道24号横浜六ケ所線:横浜町と六ヶ所村を結ぶ県道です。
  • 青森県道25号東北横浜線:東北町と横浜町を結ぶ県道です。
  • 青森県道179号泊陸奥横浜停車場線:泊と陸奥横浜駅を結ぶ県道です。
  • 青森県道180号尾駮有戸停車場線:尾駮と有戸駅を結ぶ県道です。

バス路線

  • 下北交通バス:泊線、六ヶ所線などがあります。
  • 十鉄バス:三沢 – 平沼線、野辺地 – 平沼 – 六ヶ所線、七戸十和田駅 – 六ヶ所村役場・泊地区ふれあいセンター(シャトルバス)などがあります。

港湾

  • むつ小川原港:六ヶ所村の港湾です。重要港湾に指定されています。

六ヶ所村の観光

六ヶ所村には、自然豊かな観光スポットや歴史的な史跡があります。

名所・旧跡

  • 物見崎灯台:泊字焼山にある灯台です。
  • タタミ岩:泊字焼山にある奇岩です。
  • 馬門川観光公園:泊字川原にある公園です。

祭り・イベント

  • 泊合同例大祭:7月18日 – 7月20日に開催されるお祭りです。
  • たのしむべ!フェスティバル:5月2週目土日に開催されるイベントです。
  • ろっかしょ産業まつり:10月最終土日に開催されるイベントです。
  • 異文化交流フェア:六ヶ所村で開催されるイベントです。

その他

  • 村立郷土館:尾駮字野附にある郷土館です。
  • とまりのトトロ:泊地区にある、トトロにそっくりな岩穴です。

六ヶ所村が舞台となる作品

  • へばの:六ヶ所村で生きる男女の別れと再会を描いた、恋愛映画です。
  • 六ヶ所村ラプソディー:村内にある核燃料再処理工場を取り巻く問題を追うドキュメンタリー作品です。

六ヶ所村の魅力

六ヶ所村は、原子力関連施設の集積地としての役割と、豊かな自然環境が共存する、魅力的な地域です。

  • エネルギーの最先端技術:日本における原子力発電の重要な拠点として、最先端の科学技術を目の当たりにすることができます。
  • 雄大な自然:海岸線、山岳、湖沼など、変化に富んだ自然環境を楽しめます。
  • 歴史と文化:歌枕として歴史に名を残す、豊かな歴史と文化を感じることができます。
  • 地域住民の温かさ:エネルギー関連施設の存在によって、村内には活気があり、温かい人々が多いです。

六ヶ所村は、エネルギー関連施設の集積地としての側面だけでなく、自然や歴史、文化など、様々な魅力を持つ地域です。ぜひ訪れて、六ヶ所村の魅力を体感してください。

六ヶ所村についてのクイズ

六ヶ所村の面積はどれくらいですか?

六ヶ所村の面積は252.58平方キロメートルです。これは青森県内の地域の中でも比較的大きな面積を持つ村として知られています。六ヶ所村は自然環境が豊かで、台地と平野部が組み合わさった地形を有し、山岳や湖沼なども点在しています。この地形は、村の様々な産業や観光を支える基礎となっています。特に、エネルギー関連施設が多く立地しているため、村の面積はそれらの施設の運営や地域住民の生活にとっても重要な要素となっています。

六ヶ所村の主要な河川は何ですか?

六ヶ所村を流れる主な河川は高瀬川です。この河川は村の地形や生態系に重要な役割を果たしており、村の農業や水資源にとっても欠かせない存在です。また、高瀬川は周辺地域に生活用水を供給するだけでなく、川の生物多様性を支えるためにも重要な水域です。村の豊かな自然環境は、高瀬川をはじめとする河川によって守られており、地域住民にとっても大切な生活の一部となっています。

六ヶ所村にある風力発電施設の名称はどれですか?

むつ小川原ウィンドファームは、六ヶ所村にある風力発電施設の一つです。この施設は国家の石油備蓄基地と近接しており、エネルギーの多角化を図るために設立されました。風力発電は再生可能エネルギー源として注目を浴びており、村のエネルギー政策の一環として位置づけられています。むつ小川原ウィンドファームは、周囲の自然環境を考慮し、景観に配慮した形で設置されており、地域の風景にも溶け込んでいます。また、風力発電による発電は、持続可能なエネルギーの推進にも寄与しています。

六ヶ所村の行政の長は誰ですか?

六ヶ所村の行政の長は村長です。村長は村の政策を執行し、村議会に対して議案を提出する責任があります。村内の住民は村長を通じて地域の問題を話し合う機会を持ち、行政への参加が促進されています。また、村長はエネルギー関連施設が多く立地する特性を踏まえて、地域の発展や住民の生活向上に努めています。村長の働きは地域の発展に直接影響を与え、住民にとっても重要な存在です。村の発展に対するビジョンを持ち、積極的に取り組むことが求められています。

六ヶ所村の最大の漁港はどこですか?

六ヶ所村の最大の漁港は泊漁港です。泊漁港は、地域の漁業活動を支える重要な拠点であり、地元の漁師たちが新鮮な魚介類を水揚げする場として利用されています。この漁港は、地域経済にとっても大きな役割を果たしており、漁業の振興を通じて地域の雇用を創出しています。さらに、泊漁港は観光スポットとしても知られ、新鮮な海産物を求める観光客が訪れることがあります。地域の漁業資源や文化を体験する場としての魅力もあり、多くの人々に親しまれています。