ソバの生産量国内第2位を誇る北海道深川市は、雄大な自然と歴史が調和した魅力的な街です。石狩川が流れ、水田が広がる風景は美しく、四季折々の表情を見せてくれます。歴史的建造物や文化に触れ、美味しい蕎麦や郷土料理を堪能できるなど、深川市には多くの魅力が詰まっています。
概要
深川市は、北海道の中央部、空知総合振興局に属する市です。石狩平野の最北端に位置し、南部を除く三方を山に囲まれた地形をしています。市街地を東西に石狩川が流れ、その周辺には水田が広がっています。また、北部の山間部を雨竜川が南流しています。
深川市は、空知総合振興局北部(北空知)における交通の要衝であり、多くの鉄道・道路が集積しています。そのため、古くから交通の要所として発展してきました。
地名の由来
深川市という地名は、市街地付近を流れる大鳳川のアイヌ語名「オオホナイ(ooho-nay)」(深い・川)の意訳であるという説が有力です。
地理
気候
深川市の気候は、やや内陸的な気候で、寒暖の差が大きいです。冬は雪が多く、特別豪雪地帯に指定されています。
- 最寒月平均気温(1月):-7.3℃
- 最暖月平均気温(8月):20.6℃
- 年平均気温:6.8℃
地域
住宅団地
- 道営住宅緑町中央団地
- 道営住宅であえーる北光
歴史
深川市は、古くからアイヌ民族が暮らしていた地です。1890年(明治23年)に華族組合農場に指定され、その後、屯田兵の入植によって開拓が進められました。1963年(昭和38年)に深川町、一已村、納内村、音江村の4町村が合併して深川市が誕生しました。
沿革
- 1892年(明治25年):雨竜郡深川村が設置。
- 1902年(明治35年):二級町村制施行。
- 1910年(明治43年):留萌線が深川駅まで開通。
- 1918年(大正7年):深川町が誕生。
- 1941年(昭和16年):深名線が全線開通。
- 1963年(昭和38年):深川市が誕生。
- 1970年(昭和45年):多度志町を編入。
- 1989年(平成元年):道央自動車道深川IC開通。
- 1998年(平成10年):深川留萌自動車道深川JCT-深川西IC開通。
- 2003年(平成15年):道の駅ライスランドふかがわオープン。
政治
行政
深川市は、市長を首長とする市制を採用しています。
市長
- 現市長:田中昌幸(2023年1月21日就任、1期目)
議会
深川市は、議員定数14の深川市議会を有しています。
経済
深川市の経済は、農業が中心となっています。特に、ソバの生産が盛んで、国内第2位の生産量を誇ります。その他、キュウリ、メロン、長いもなどの園芸作物も生産されています。
農業
- ソバ: 深川市周辺域は、旭川市・幌加内町とともにソバの産地として知られています。
- キュウリ: 夏場の定番野菜として、深川市では多くのキュウリが生産されています。
- メロン: 甘くて美味しいメロンが、深川市の夏の味覚として人気です。
- 長いも: 深川市では、粘りが強く、美味しい長いもが栽培されています。
物流
深川市には、ヤマト運輸、佐川急便、日本通運などの物流企業が進出しています。
金融機関
深川市には、北空知信用金庫や北洋銀行などの金融機関があります。
情報・通信
マスメディア
新聞社
- 北空知新聞社
- 北海道新聞社深川支局
中継局
- 深川中継局(テレビ(NHK・民放)及びFM(NHKのみ))
教育
深川市には、小学校、中学校、高等学校、短期大学などの教育機関が充実しています。
短期大学
- 拓殖大学北海道短期大学
高等学校
- 深川西高等学校
- 深川東高等学校
- クラーク記念国際高等学校(通信制)
交通
深川市は、鉄道、バス、道路などの交通網が整備されています。
鉄道
- JR北海道 函館本線:深川駅 – 納内駅
- JR北海道 留萌本線:深川駅 – 北一已駅
バス
- 空知中央バス
- 北海道中央バス
- ジェイ・アール北海道バス
- 道北バス・沿岸バス
道路
- E5 道央自動車道(深川JCT・深川IC)
- E62 深川留萌自動車道(深川JCT・深川西IC)
- 国道12号
- 国道233号
- 国道275号
道の駅
- 道の駅ライスランドふかがわ
観光
深川市には、歴史的建造物、自然豊かな公園、温泉施設など、多くの観光スポットがあります。
文化財
- 音江環状列石(史跡)
- 監的壕(市指定史跡)
- 先住民族の竪穴住居跡(市指定史跡)
- 音江法華駅逓所跡(市指定史跡)
- 屯田歩兵第1大隊本部跡(市指定史跡)
- 深川市水稲発祥の地(市指定史跡)
- メム神社本殿(市指定有形文化財)
- 屯田兵屋(市指定有形文化財)
- 旧鷲田農場事務所(市指定有形文化財)
- 多度志獅子舞(市指定無形文化財)
- 納内町猩々獅子舞(市指定無形文化財)
- 猩々獅子五段くずし舞(市指定無形文化財)
観光スポット
- 音43号線(旧国道)銀杏並木
- 戸外炉峠駐車公園
- 国見峠
- アートホール東洲館
- 向陽館(旧向陽小学校)
- 深川市桜山公園(旧桜山遊園地)
- アグリ工房まあぶ(冷鉱泉、宿泊施設)
- イルムの丘・聖マーガレット教会(結婚式場)
- 深川夏まつり(花火大会)
- 石狩山真言寺(北海道三十三観音霊場十三番札所)
- 遍照山丸山寺(北海道三十三観音霊場十四番札所)
- 旧北海道拓殖銀行深川営業所
文化・名物
名産・特産
- ウロコダンゴ
- 深川そばめし
出身・関連著名人
出身著名人
- 五十嵐冬樹(元騎手・現調教師)
- 石黒達昌(作家・医師)
- 石水幸安(実業家・石屋製菓創業者)
- 大西晴樹(元明治学院学院長)
- 小川東洲(書家)
- 香川良介(俳優)
- 加藤理絵(バレーボール選手)
- 木下博勝(医師)
- 児島仁(元NTT社長)
- 金剛正裕(大相撲元関脇)
- 佐藤和正(ノンフィクション作家)
- 島太星(タレント)
- 林翔太郎(バスケットボール選手)
- 資延敏雄(高野山真言宗管長)
- 谷内友美(声優・舞台女優)
- 塚田タカヤ(フォークシンガー)
- dj honda(DJ・トラック・メイカー)
- 東原俊郎(太陽グループ社長)
- 藤井松太郎(日本国有鉄道第7代総裁)
- 藤岡喜久男(歴史学者)
- 松島正幸(画家)
- 松山照夫(俳優)
- 安田祐子(画家)
- 山田吾一(俳優)
- 唯是震一(作曲家)
関連人物
- 音尾琢真(俳優・タレント、TEAM NACS)
- 東国幹(政治家、衆議院議員)
参考文献
- 都築甚之助、大町文興著『我邦ニ於ケル麻刺里亜蚊伝搬ノ証明』英蘭堂書店。1901年(明治34年)10月29日発行
脚注
- ^ a b c “アイヌ語地名リスト ヒラタ~ホロナ P111-120”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2022年8月3日閲覧。
- “過去の気象データ検索>平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2022年7月28日閲覧。
- ^ a b “過去の気象データ検索>観測史上1~10位の値”. 気象庁. 2022年7月28日閲覧。
- “深川 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月28日閲覧。
- “農業の歴史 水はわたしたちの大切な宝物です”. 美土里ネット深川. 2021年8月20日閲覧。
- 深川で25戸焼ける 深夜、市場で不審な出火『朝日新聞』1976年(昭和51年)5月10日夕刊、3版、7面
- 訃報欄 『朝日新聞』1978年(昭和53年)9月2日朝刊、13版、23面
- “令和5年8月3日から7日にかけての大雨による出水の概要(雨竜川)速報版_第2報”. 国土交通省北海道開発局
札幌開発建設部 (2023年9月11日). 2024年7月25日閲覧。 - “北海道北部で記録的な大雨 雨竜川が氾濫 「浸水した稲はダメだ」”. 朝日新聞DIGITAL (2024年7月24日). 2024年7月25日閲覧。
- “広報ふかがわ 2023年10月号”. 深川市. 2024年8月26日閲覧。
- “深川市議会議員選挙”. 立憲民主党. 2019年6月24日閲覧。
- “深川市発着路線バス情報”. 深川市. 2019年6月19日閲覧。
- “高速納内 のりば地図”. 北海道中央バス. 2019年6月19日閲覧。
- “音尾琢真 INTERVIEW 前編「ジャッキー・チェンになれたら」”. SWITCH ONLINE (2019年3月4日). 2021年5月17日閲覧。
関連項目
- 日本の地方公共団体一覧
外部リンク
行政
観光
深川市についてのクイズ
深川市の地名の由来は何ですか?
深川市という地名は、市街地付近を流れる大鳳川のアイヌ語名「オオホナイ(ooho-nay)」に由来しています。この名前は「深い・川」という意味を持ち、地域の自然環境や地理的特性を反映しています。また、アイヌ民族の言葉は地域名にしばしば影響を与えており、深川市もその例外ではありません。深川市は、その名称からもわかるように、地域の豊かな水資源に恵まれた場所であり、歴史的にも重要な拠点としての役割を果たしてきました。
深川市が特に生産が盛んな農作物は何ですか?
深川市は、国内で第2位のソバの生産量を誇ります。特に周辺地域では、旭川市や幌加内町とともにソバ栽培が盛んであり、そのクオリティが高く評価されています。ソバの栽培に適した気候や土壌条件が整っているため、農業が経済の中心となっており、地域特有の名物や料理にも多く使用されています。例えば、深川そばめしなどはこの地域の特産物を活かした料理であり、観光客にも人気が高いです。また、キュウリやメロン、長いもも生産されていますが、ソバが特に特徴的と言えるでしょう。
深川市の教育機関にはどのようなものがありますか?
深川市には、小学校、中学校、高等学校、短期大学など多様な教育機関が設置されています。特に、拓殖大学北海道短期大学が存在し、高等教育を受ける機会が提供されています。また、小中高の教育機関が充実しているため、地域住民に対して質の高い教育が行われています。これにより、地元の子どもたちが基礎的な教育を受けることができ、地域の未来を担う人材が育成されています。深川市は、その教育環境の整備に努めており、地域全体の魅力向上にも寄与しています。
深川市の交通網はどのように整備されていますか?
深川市は、鉄道、バス、道路といった多様な交通網が整備されています。具体的には、JR北海道の函館本線と留萌本線があり、深川駅を中心に多くの路線が利用されています。また、空知中央バスや北海道中央バスなどのバス交通が盛んで、地域内外へのアクセスが容易です。加えて、道央自動車道や深川留萌自動車道などの主要道路も整備されており、車での移動も便利です。このように交通網が充実しているため、住民の利便性が高く、観光客にとっても訪れやすい環境が整っています。