笠松町は、岐阜県羽島郡に属する、木曽川に沿って位置する歴史と自然豊かな町です。かつては頻繁に水害に見舞われ、松枝輪中と呼ばれる輪中が発展した地であり、水害に関する多くの史跡が残されています。また、古くから木曽川を通じて岐阜と名古屋を結ぶ重要な地として栄え、現在も歴史を感じさせる街並みや文化、そして豊かな自然が残されています。今回は、そんな笠松町の魅力をご紹介します。
笠松町の概要
笠松町は、岐阜県南部の濃尾平野に位置し、町の3分の1を流れる木曽川に沿う位置にあります。対岸は愛知県で、古くは尾張国に属していましたが、1586年の木曽川の氾濫により木曽川の位置が変わり、美濃国に移り、尾張国葉栗郡から美濃国羽栗郡となりました。かつては「傘町」と呼ばれていましたが、1662年に美濃郡代の陣屋が移転した際に「笠松」と改名されました。江戸時代には幕府直轄地として笠松陣屋が置かれ、江戸時代の終わりには笠松県の県庁、明治時代の初期には岐阜県庁が置かれており、岐阜市に移るまでは岐阜県の中心となっていました。
笠松町の地理
笠松町は、木曽川と揖斐川に挟まれた濃尾平野に位置し、東西に細長い地形をしています。町の北部は標高が低く、木曽川に沿って広がる水田地帯となっています。南部は標高が高くなり、丘陵地や山林が広がっています。町内には、木曽川、北派川、境川などの河川が流れており、豊かな自然に恵まれた環境です。
隣接する自治体
- 岐阜県
- 岐阜市
- 各務原市
- 羽島市
- 羽島郡 岐南町
- 愛知県
- 一宮市
地名
笠松町は、大きく分けて以下の地区に分かれています。
-
旧笠松村
- 上新町
- 中新町
- 下新町
- 新町
- 西宮町
- 東宮町
- 天王町
- 西町
- 柳原町
- 下本町
- 上本町
- 司町
- 港町
- 相生町
- 県町
- 八幡町
- 宮川町
- 二見町
- 奈良町
- 西金池町
- 東金池町
- 若葉町
- 上柳川町
- 下柳川町
- 門前町
- 泉町
- 清住町
- 弥生町
- 如月町
- 大池町
- 朝日町
- 美笠通1 – 3丁目
- 中川町
- 瓢町
- 友楽町
- 桜町
- 羽衣町
- 春日町
- 常盤町
- 東陽町
- 松栄町
- 緑町
- 月美町
-
旧松枝村
- 田代
- 長池
- 北及
- 門間
-
旧下羽栗村
- 米野
- 江川
- 無動寺
- 中野
- 円城寺
笠松町の歴史
笠松町は、古くから木曽川の水運を利用した商業で栄えてきました。江戸時代には、笠松陣屋が置かれ、明治時代初期には岐阜県庁が置かれるなど、重要な拠点として発展してきました。
沿革
- 1875年(明治8年)1月:旧・幕領の笠松村、徳田新田、奈良津新田が合併し笠松村となる
- 1889年(明治22年)7月1日:羽栗郡笠松村が町制施行し笠松町成立。
- 1897年(明治30年)4月1日:羽島郡に移る。
- 1910年(明治43年):松枝村の一部を編入。
- 1925年(大正14年):柳津村の一部を編入。
- 1950年(昭和25年)8月1日:松枝村を編入。
- 1955年(昭和30年)4月1日:下羽栗村を編入。
- 1973年(昭和48年)4月1日:柳津町と境界変更。
- 1974年(昭和49年)4月1日:岐阜市と境界変更。
笠松町の人口
笠松町の人口は、近年は横ばい傾向にあります。2024年7月1日現在の推計人口は、21,866人です。人口密度は2,123人/km2で、岐阜県内では平均的な人口密度となっています。
年 | 人口 |
---|---|
1970年 | 21,912人 |
1975年 | 22,457人 |
1980年 | 22,865人 |
1985年 | 22,746人 |
1990年 | 22,299人 |
1995年 | 21,682人 |
2000年 | 22,319人 |
2005年 | 22,696人 |
2010年 | 22,809人 |
2015年 | 22,750人 |
2020年 | 22,208人 |
笠松町の行政
町長
- 古田聖人(2019年6月29日就任、2期目)
歴代町長
期間 | 町長 |
---|---|
1889年 – 1890年 | 平野九右衛門 |
1890年 – 1892年 | 田島正三郎 |
1892年 – 1893年 | 加藤助市 |
1893年 – 1894年 | 角田節次郎 |
1895年 – 1911年 | 伊藤代造 |
1912年 – 1923年 | 巖田郁郎 |
1924年 | 山脇準之助 |
1924年 – 1934年 | 加藤虎雄 |
1936年 – 1946年 | 山本清之助 |
1946年 – 1951年 | 高木栄一 |
1951年 – 1952年 | 伊藤太八 |
1952年 – 1959年 | 梅田啓一 |
1959年 – 1963年 | 山本清之助 |
1963年 – 1967年 | 梅田啓一 |
1968年 – 1972年 | 加藤文治 |
1972年 – 1980年 | 青井逸雄 |
1980年 – 1988年 | 杉山勇 |
1988年 – 1992年 | 広江泰雄 |
1992年 – 1999年 | 岩田哲 |
1999年 – 2019年 | 広江正明 |
合併問題
笠松町は、2004年に岐阜市との広域合併について住民投票を実施しました。結果は、反対票が65.32%と賛成票を上回り、合併は実現しませんでした。
財政健全化のための施策
笠松町は、財政健全化のため、様々な施策を推進しています。
- 無料乳幼児医療費助成:入院および外来の医療費を義務教育終了まで町が負担しています。
- 資源ごみ分別回収:町内会単位による資源ごみ分別回収を実施し、ごみ処理費用を削減しています。
- 笠松競馬場の運営:赤字続きの笠松競馬場ですが、2005年度から収支が赤字の場合は廃止すると予告しています。
笠松町の教育
笠松町には、小学校3校、中学校1校、高校1校、幼稚園2校、保育園4校など、充実した教育機関が揃っています。
高校
- 岐阜県立岐阜工業高等学校
中学校
- 笠松町立笠松中学校
小学校
- 笠松町立笠松小学校
- 笠松町立下羽栗小学校
- 笠松町立松枝小学校
幼稚園
- 笠松幼稚園
- 笠松双葉幼稚園
保育所
- 笠松保育園
- 第一保育所
- 下羽栗保育所
- 松枝保育所
笠松町の産業
笠松町は、古くから商業で栄えてきた町であり、現在も下本町と上本町を中心とする笠松町本町通りには古くからの小規模の店舗が残っています。近年では、住宅地開発が進み、新しい商業施設も増えてきています。
本社を置く企業
- ジーエフシー
主な商業施設
- ピアゴ笠松店
- トミダヤ笠松店
- Yストア笠松店
笠松町の交通
笠松町は、名古屋鉄道名古屋本線と竹鼻線が乗り入れており、名古屋市や岐阜市へのアクセスが便利です。また、国道22号や東海北陸自動車道も近く、車でのアクセスも良好です。
鉄道
-
名古屋鉄道
- 名古屋本線:笠松駅
- 東笠松駅は、2005年1月29日に廃止
- 竹鼻線:笠松駅、西笠松駅
- 柳津駅(岐阜市) – 南宿駅(羽島市)間でも通過している
- 名古屋本線:笠松駅
-
東海旅客鉄道(JR東海)
- 東海道本線(通過のみ。最寄は木曽川駅または岐阜駅)
バス
- 岐阜バス
- 笠松県庁線(JR西岐阜駅 – 笠松駅)
- 笠松川島線(松波総合病院 – 笠松駅 – 川島松倉)
- 笠松町公共施設巡回町民バス
- 各務原市ふれあいバス
- 境川らくちゃんバス
- 岐南町コミュニティバス
道路
-
高速道路
- 東海北陸自動車道(通過のみ。最寄は一宮木曽川インターまたは岐阜各務原インター)
-
一般国道
- 国道22号(名岐バイパス)
-
一般県道
- 岐阜県道1号岐阜南濃線
- 岐阜県道・愛知県道14号岐阜稲沢線
- 岐阜県道93号川島三輪線
- 岐阜県道151号岐阜羽島線
- 岐阜県道154号笠松墨俣線
- 岐阜県道177号下印食笠松線
- 岐阜県道178号下中屋笠松線
- 岐阜県道179号中野上印食線
- 岐阜県道180号松原芋島線
- 岐阜県道183号正木岐阜線
- 岐阜県道184号下中笠松線
笠松町の施設
笠松町には、様々な公共施設や商業施設があります。
国の機関
- 法務省
- 名古屋矯正管区笠松刑務所
役場・支所
- 笠松町役場
- 下羽栗支所
- 松枝支所
警察
- 岐阜羽島警察署
- 笠松交番
- 下羽栗警察官駐在所
消防
- 羽島郡広域連合消防本部
- 西消防署
社会教育施設
- 笠松中央交流センター
- 笠松町松枝交流センター
- 笠松町下羽栗会館
- 笠松町総合交流センター
- 笠松町歴史未来館
社会福祉施設
- 笠松町厚生会館
- 笠松町松枝みなみ会館
- 笠松町福祉会館
- 笠松町福祉健康センター
- 笠松町こども館
スポーツ施設
- 笠松町多目的運動場(岐阜県フットボールセンター)
- 笠松町民運動場
- 笠松町運動公園
- 笠松町民米野運動場
- 笠松町民江川運動場
- 笠松町勤労青少年運動場
- 笠松町民体育館
- 笠松町南体育館
- 笠松町スポーツ交流館
医療機関
- 松波総合病院
- 愛生病院
娯楽施設
- 笠松競馬場
その他
- ふらっと笠松
- 笠松町コミュニティ消防センター
- 笠松町南部コミュニティ消防センター
笠松町の観光
笠松町には、歴史を感じさせる史跡や、自然豊かな観光スポットが数多くあります。
名所・旧跡
- 八幡神社
- 産霊神社
- 魂生大明神
- へそ塚
- 笠松陣屋跡
- 笠松別院
- 河野円城寺
- 旗本津田領代官屋敷跡
- 田代城
- 米野の戦い跡
- 芭蕉句碑
- 奈良津堤の桜
- 手斧猿尾堤
- 将監猿尾
- 笠松隕石
観光スポット
- トンボ天国
- 笠松町歴史未来館
祭事・催事
- 円城寺の芭蕉踊
- 笠松の奴行列
- 笠松春まつり
- 笠松川まつり
- リバーサイドカーニバル
その他
- まちの駅
笠松町の魅力
笠松町は、歴史と自然が調和した魅力的な町です。歴史的な史跡や文化、豊かな自然、そして活気のある街並みをぜひ訪れてみてください。
笠松町へのアクセス
- 車: 東海北陸自動車道 一宮木曽川インターチェンジから約10分
- 電車: 名古屋鉄道名古屋本線 笠松駅から徒歩5分
笠松町に関する情報
- 笠松町役場: https://www.town.kasamatsu.gifu.jp/
- 笠松町観光協会: https://www.kasamatsu-kankou.jp/
笠松町は、歴史と自然が調和した魅力的な町です。ぜひ訪れて、その魅力を体感してみてください。
笠松町についてのクイズ
笠松町が位置する岐阜県羽島郡の行政区分はどれでしょう?
笠松町は岐阜県羽島郡に属し、木曽川に沿って位置する町です。地理的には岐阜県南部の濃尾平野に位置しており、対岸は愛知県に接しています。かつて笠松町は尾張国に含まれていましたが、1586年の木曽川の氾濫に伴い、美濃国に編入され、現在に至ります。この地域は水田地帯や丘陵地が広がっており、自然環境が豊かであることが特徴です。笠松町の歴史は古く、水運を利用した商業の発展とともに歩んできたため、町としての魅力が現在も反映されています。
1850年に設立された笠松町の町制施行はいつでしたか?
笠松町は1889年7月1日に町制を施行し、笠松町が正式に成立しました。それ以前は、古くからの幕領地である笠松村として存在していました。明治時代に入ると、日本全体での地方自治制度が改革され、地方の町村においても町制が施行されるようになりました。それに伴い、笠松村が町制を施行し、笠松町としてのスタートを切ったのです。この町制施行は、行政の運営や地域開発に大きな影響を与えることとなり、以降の地域発展に寄与しました。
笠松町に隣接する愛知県の都市はどれですか?
笠松町は愛知県一宮市と隣接しています。一宮市は岐阜県市がより北側に位置し、岐阜県と愛知県の間を結ぶ重要な交通路となっています。笠松町から一宮市へのアクセスは良好で、名古屋鉄道や国道が通っています。この位置関係は、地域の経済活動や住民の生活にとって非常に重要であり、一宮市との関係が地域発展に寄与しています。また、地理的な接点からも、両市の文化的往来や産業の交流が行われることもあります。
笠松町の町長は、何年に就任したのでしょう?
笠松町の町長は、2019年の6月29日に古田聖人が就任しました。彼は町民からの信任を得て、2期目にあたる現在に至っています。この期間、町議会や町民とのコミュニケーションを大切にし、地域の課題解決に向けてさまざまな施策を推進してきました。地域の特性を生かした活性化や、福祉政策、財政健全化など、多岐にわたる施策が町民の生活に影響を与えています。町長のリーダーシップ体制は、笠松町の将来に向けた重要な要素となっています。
次のうち、笠松町に存在しない教育機関はどれでしょう?
笠松町には、笠松町立笠松小学校や笠松町立松枝小学校などの小学校が存在していますが、岐阜県立美濃高校は笠松町には存在しない教育機関です。岐阜県立美濃高校は美濃市に位置しています。一方、笠松町には中学校や高等学校もあり、教育環境は整っています。このような教育機関の存在は、地域の将来を担う子どもたちを育てる重要な役割を果たしており、笠松町の育成方針としても大切にされています。
笠松町の主な観光スポットに含まれる名所はどれですか?
笠松町には八幡神社が名所として存在し、多くの観光客を迎えています。八幡神社は歴史ある神社で、地域の人々に親しまれている場所です。また、町内には他にも多くの史跡や観光スポットが点在しており、特に自然環境と調和した景観が魅力の一つです。納品堂や日本科学未来館は笠松町には存在しない施設であり、観光の際にはぜひ八幡神社を訪れてその神秘と歴史を感じることが推奨されます。地域の祭事や催事も行われており、訪問時には地元の文化に触れる良い機会ともなります。