北海道留萌市:歴史と自然が織りなす港町の魅力

日本海に面し、雄大な自然と歴史が息づく北海道留萌市。かつてはニシン漁と炭鉱で栄え、活気に満ち溢れていたこの街は、時代の流れとともに変化を遂げ、現在では静かで穏やかな港町として新たな魅力を放っています。

概要

留萌市は北海道北部、留萌振興局の振興局所在地であり、留萌地方の中心都市です。主な産業は商業、土木業、水産加工業で、留萌港は現在もニシンが水揚げされ、カズノコの国内最大の加工地として知られています。

地理

留萌市は留萌振興局南部、日本海沿岸に位置し、周囲を山々に囲まれた豊かな自然に恵まれた地域です。

地形

山地: ポロシリ山 (730.5m) が市内で最も高い山です。

河川: 留萌川、セタベツ川、八線沢川など、大小様々な河川が流れ、豊かな水資源を育んでいます。

湖沼: 中幌ダム、礼受沼などがあります。

海岸: 黄金岬など、変化に富んだ海岸線が魅力です。

地域

住宅団地: 市内に複数の道営住宅団地が整備され、多くの人が暮らしています。

周辺都市への距離: 南は札幌市まで約144km、北は稚内市まで約177kmと、道北の中心都市へのアクセスも良好です。

人口

留萌市の人口は、1960年代には4万人以上でしたが、ニシン漁の衰退や炭鉱の閉山などにより減少傾向にあります。2024年7月31日現在、人口は18,383人です。

消滅集落

2015年国勢調査では、水面調査区、大字留萌村字留萌、大字留萌村字千葉辺利の3つの集落が消滅集落となっています。

気候

留萌市の気候は、湿潤大陸性気候または亜寒帯湿潤気候に属し、寒暖の差が大きいのが特徴です。降雪量が多く、特に冬季は気温が氷点下30℃を下回ることも珍しくありません。

| 留萌市大町(留萌特別地域気象観測所、標高24m)の気候 |
|—|—|
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
| 最高気温記録 °C (°F) | 8.3 (46.9) | 14.0 (57.2) | 16.8 (62.2) | 24.6 (76.3) | 29.3 (84.7) | 32.0 (89.6) | 33.7 (92.7) | 35.6 (96.1) | 33.1 (91.6) | 28.3 (82.9) | 21.2 (70.2) | 14.0 (57.2) | 35.6 (96.1) |
| 平均最高気温 °C (°F) | −1.0 (30.2) | −0.4 (31.3) | 3.2 (37.8) | 9.4 (48.9) | 15.4 (59.7) | 19.2 (66.6) | 23.1 (73.6) | 24.6 (76.3) | 21.4 (70.5) | 15.2 (59.4) | 7.8 (46) | 1.3 (34.3) | 11.6 (52.9) |
| 日平均気温 °C (°F) | −4.1 (24.6) | −3.7 (25.3) | 0.0 (32) | 5.5 (41.9) | 11.1 (52) | 15.4 (59.7) | 19.6 (67.3) | 20.9 (69.6) | 17.2 (63) | 11.1 (52) | 4.4 (39.9) | −1.5 (29.3) | 8.0 (46.4) |
| 平均最低気温 °C (°F) | −7.4 (18.7) | −7.4 (18.7) | −3.5 (25.7) | 1.6 (34.9) | 7.2 (45) | 12.3 (54.1) | 16.7 (62.1) | 17.7 (63.9) | 13.1 (55.6) | 6.9 (44.4) | 1.1 (34) | −4.4 (24.1) | 4.5 (40.1) |
| 最低気温記録 °C (°F) | −23.4 (−10.1) | −22.8 (−9) | −22.4 (−8.3) | −10.1 (13.8) | −2.8 (27) | 1.6 (34.9) | 5.0 (41) | 7.1 (44.8) | 1.1 (34) | −4.4 (24.1) | −9.5 (14.9) | −21.4 (−6.5) | −23.4 (−10.1) |

歴史

留萌市は、江戸時代にはアイヌの人々と日本人が混在していました。明治時代にはニシン漁の北上に伴い、漁村として日本人の村が市内各地に点在するようになりました。大正時代には周辺で炭鉱が発見され、留萌市は大きく発展を遂げます。昭和22年頃には、留萌本線、羽幌線など多くの鉄道路線が留萌駅に乗り入れていました。

沿革

1960年代までの人口は4万人以上でしたが、ニシン漁の衰退や炭鉱の閉山が相次ぎ、人口は減少に転じました。

  • 1786年 (天明6年): 留萌神社が創建されます。
  • 1867年 (慶応3年): ルルモッペ場所が箱館奉行直轄となります。
  • 1869年 (明治2年): ルルモッペが留萌と命名され、山口藩支配となります。
  • 1877年 (明治10年): 戸長役場が元町に建造され、留萌市の開基となります。
  • 1902年 (明治35年): 留萌郡礼受村が編入され、二級町村制施行により留萌郡留萌村となります。
  • 1907年 (明治40年): 留萌郡三泊村と合併し、改めて留萌郡留萌村が発足。一級村制施行となります。
  • 1908年 (明治41年): 町制施行。
  • 1910年 (明治43年): 留萌-深川間に鉄道が開通します。
  • 1914年 (大正3年): 増毛支庁が現在の留萌市に移転し、留萌支庁と改称されます。
  • 1918年 (大正7年): 留萌実科女子学校が開校します。
  • 1919年 (大正8年): 北炭豊平炭鉱が開業します。
  • 1919年 (大正9年): 留萌高等女学校が開校します。
  • 1921年 (大正10年): 留萌-増毛間に鉄道が開通します。
  • 1923年 (大正12年): 旧制留萌中学校が開校します。
  • 1947年 (昭和22年): 市制施行。
  • 1958年 (昭和33年): 元町大火が発生し、旧市街のほとんどが消失。
  • 1967年 (昭和42年): 炭鉱の閉山により天塩炭鉱鉄道が廃止されます。
  • 1969年 (昭和44年): 留萌鉄道が営業休止。
  • 1970年 (昭和45年): 羽幌炭鉱鉄道が廃止。
  • 1987年 (昭和62年): 国鉄羽幌線が廃止。
  • 2023年 (令和5年): JR北海道留萌本線の石狩沼田駅-留萌駅間が廃止。

政治

行政

留萌市は、留萌振興局の振興局所在地であり、市役所は留萌市幸町1丁目11番地に位置しています。

市長

現市長は中西俊司氏で、2018年3月10日に就任し、現在2期目です。

議会

留萌市議会は定数14人の議員で構成されています。

国家機関

留萌市には、法務省、財務省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、防衛省など、様々な国の機関が設置されています。

施設

医療

留萌市には、留萌市立病院、荻野病院、留萌記念病院など、複数の病院があります。

文化施設

留萌市には、留萌市民センター(留萌市中央公民館)、留萌市文化センター、市立留萌図書館など、文化施設が充実しています。

運動施設

留萌市には、留萌市スポーツセンター、留萌市勤労者体育センター、浜中運動公園など、運動施設が整備されています。

対外関係

姉妹都市・提携都市

留萌市は、ロシア連邦のウランウデ市と姉妹都市、中華人民共和国遼寧省の営口市と友好港湾提携を結んでいます。

経済

かつてはニシン漁と炭鉱で栄えていた留萌市ですが、現在では貿易と工業が中心となっています。

拠点を置く主な企業

留萌市には、ENEOS株式会社、井原水産株式会社、株式会社加藤水産、株式会社浜本水産、石塚コンクリートなど、様々な企業が拠点を置いています。

情報・通信

留萌市には、留萌新聞社、北海道建設新聞社留萌支局、北海道新聞社留萌支局などの新聞社や、NHK旭川放送局留萌支局、株式会社エフエムもえるなどの放送局があります。

教育

高等学校

留萌市には、北海道留萌高等学校が1校あります。

中学校

留萌市には、留萌市立留萌中学校、留萌市立港南中学校の2校があります。

小学校

留萌市には、留萌市立留萌小学校、留萌市立東光小学校、留萌市立港北小学校、留萌市立潮静小学校、留萌市立緑丘小学校の5校があります。

交通

港湾

  • 留萌港 (重要港湾)

鉄道

2023年4月1日にJR北海道留萌本線の石狩沼田駅-留萌駅間が廃止されたため、市内からすべての鉄道路線が消滅しました。

バス

  • 沿岸バス: 留萌市内完結の一般路線バスのほか、旭川市、深川市、増毛町、小平町など、周辺の市町村を結ぶ路線バスを運行しています。
  • 高速バス: 札幌市と留萌市を結ぶ高速バス路線が複数運行されています。

道路

  • E62 深川留萌自動車道
  • 国道231号、国道232号、国道233号

観光

留萌市は、豊かな自然と歴史を感じることができる観光地です。

名所・旧跡

  • 暑寒別天売焼尻国定公園
  • 旧留萌佐賀家漁場 (国の史跡)

観光スポット

  • 黄金岬 (夕陽の名所)
  • 留萌市海のふるさと館
  • ゴールデンビーチるもい
  • 千望台
  • 礼受牧場
  • 道の駅るもい
  • 神居岩温泉
  • 神居岩公園

文化・名物

祭事・催事

  • るもい呑涛まつり (7月下旬)
  • 萌っ子春待里 (3月上旬)

名産・特産

  • ニシン
  • 数の子
  • にしんそば
  • にしんパイ

出身・関連著名人

留萌市出身の著名人には、俳優の佐藤正浩氏、歌手であがた森魚氏、プロ野球選手の五十嵐亮太氏、元ヤクルトスワローズ監督の若松勉氏などがいます。

まとめ

北海道留萌市は、歴史と自然が織りなす魅力的な港町です。かつてはニシン漁と炭鉱で栄え、活気に満ち溢れていた街ですが、現在では静かで穏やかな港町として新たな魅力を放っています。豊かな自然と歴史を感じながら、ゆったりと過ごしたい方におすすめです。

留萌市についてのクイズ

留萌市の主要な産業に含まれないものはどれですか?

留萌市の主な産業には商業、土木業、水産加工業が含まれます。特に水産業は、留萌港を通じてニシンの水揚げやカズノコの加工が行われており、北海道内でも重要な経済を支える産業として位置づけられています。一方、農業は留萌市の主な産業ではなく、主に商業や工業、特に水産業が中心となっています。これにより地域の経済活動の多様性が生まれ、留萌市は過去の栄光を経て、新たな産業の発展を目指しています。

留萌市の最高気温記録は何度ですか?

留萌市の気候データによると、最高気温記録は35.6°Cです。この気温は、主に夏季に観測されるもので、留萌市の気候は湿潤大陸性気候または亜寒帯湿潤気候に分類されています。降雪量が多く、特に冬季は寒暖の差が大きいことが特徴です。これらの気象条件を考慮すると、留萌市は自然環境においても独自の魅力を持った地域であることが分かります。

留萌市の市長は誰ですか?

留萌市の市長は中西俊司氏で、2018年3月10日に就任しています。彼は現在2期目を迎えており、市の政策や行政運営において重要な役割を果たしています。市長としての責務は市民の生活の向上や地域の発展を目的とするものであり、地域貢献を意識した施策に取り組んでいます。特に、留萌市の歴史や文化、産業を尊重しつつ、新たな経済的挑戦に向けた施策を推進することが求められています。

留萌市の主な港はどれですか?

留萌市の主な港は留萌港です。留萌港は重要港湾に指定されており、日本海側での水産業を支える大切な拠点となっています。特に、ニシン漁とそれに関連する水産加工業が盛んで、留萌港からは多くの水産物が水揚げされ、全国に流通しています。また、留萌港は地域経済の中心的な役割を担っており、地元の漁業者や企業のビジネス活動に寄与しています。

留萌市の気候はどのような特徴がありますか?

留萌市の気候は湿潤大陸性気候または亜寒帯湿潤気候に分類され、寒暖の差が大きく、降雪量も多いという特徴があります。特に冬季は、気温が氷点下30℃を下回ることもあり、厳しい寒さが感じられます。夏季には最高気温が35.6℃に達することもあるため、季節ごとの気温差が顕著です。この気候条件は、農業や観光活動に影響を及ぼし、留萌市の自然環境の特徴を形作る要因となっています。