沖縄の秘境! サトウキビ畑が広がる南大東村の魅力に迫る

沖縄本島から約400km東方に位置する南大東島は、豊かな自然と独自の文化を持つ、まさに秘境と呼ばれる島。その南大東島を唯一の行政区域とする南大東村は、サトウキビ栽培を中心とした歴史と、近年注目される観光資源を持つ魅力的な村です。この記事では、南大東村の地理、歴史、産業、観光スポットなど、その魅力を紹介します。

サトウキビ畑が広がる南国! 南大東村の地理と歴史

南大東村は、沖縄県島尻郡に属し、南大東島全体を管轄する村です。面積は約30.52平方キロメートルで、総人口は約1,200人(2024年8月時点)。人口密度は約40人/平方キロメートルと、日本の平均人口密度と比較してもかなり低い数値です。

南大東島は、周囲をサンゴ礁に囲まれた隆起サンゴ礁の島で、標高は最高地点でも約75メートルと平坦な地形をしています。島の中央部は窪地になっており、海を見渡すことはできませんが、周囲はサトウキビ畑が広がる、まさに南国の風景が広がっています。

南大東村の歴史:開拓とサトウキビ栽培

南大東村の歴史は、19世紀後半に始まります。1888年(明治21年)、実業家の玉置半右衛門が、無人島だった南大東島を開拓し、サトウキビ栽培を開始したことがきっかけです。その後、日本最大の製糖会社である大日本明治製糖が島の経営を引き継ぎ、大規模なサトウキビ栽培が本格化しました。

第二次世界大戦後、アメリカ軍政下に置かれた南大東島は、1946年に村制が施行され、南大東村となりました。1972年の沖縄返還と共に日本に復帰し、現在に至ります。

南大東村の村章と村の木・花

南大東村の村章は、1976年12月27日に制定されました。円の中に「南」の字を配し、南大東島を象徴するサトウキビの葉を表しています。村の木はビロウ、村の花はハイビスカスと、南国の島らしいシンボルが選ばれています。

サトウキビ栽培が支える南大東村の産業

南大東村の基幹産業は、開拓以来続くサトウキビ栽培と製糖業です。島内の耕作可能な土地のほとんどがサトウキビ畑となっており、農家一戸あたりの平均耕地面積は約8ヘクタールと、比較的大規模な農業が行われています。

伝統的な製糖業と新たな産業

かつては、サトウキビを運搬するための専用鉄道も存在していましたが、1984年に廃止されました。現在は、製糖工場は存在せず、収穫されたサトウキビは沖縄本島に運ばれて製糖されています。

近年は、観光業や漁業も注目されています。豊かな自然を生かした観光地として、星野洞や海軍棒プールなどの観光スポットが人気を集めています。また、マグロやカジキなどの漁業も盛んになり、島の新たな産業として期待されています。

南大東村の名産・特産品

南大東村には、サトウキビを使ったラム酒や、島独自のそば、寿司など、特産品も数多く存在します。

  • ラム酒: 特産のサトウキビを原料にしたラム酒は、近年人気が高まっており、お土産としても人気です。
  • 大東そば: 南大東島発祥の沖縄そばで、太麺でコシが強いのが特徴です。
  • 大東寿司: 八丈島の島寿司を起源とする握り寿司で、醤油に漬け込んだサワラなどの魚を乗せて握ります。
  • 大東ようかん: 八丈島から伝わったとされる羊羹で、素朴な味わいが特徴です。
  • インガンダルマ(ダルマ): 深海魚で、脂が乗って美味しいですが、ワックスエステルが多く、大量に摂取すると下痢や腹痛を起こすため、販売は禁止されています。

南大東村の観光スポット:自然と文化に触れる

南大東村は、手つかずの自然が残る島として、近年注目されています。サトウキビ畑が広がる風景、青い海、鍾乳洞など、見どころ満載です。

神秘的な鍾乳洞:星野洞

星野洞は、南大東島にある鍾乳洞で、島内でも人気の観光スポットです。白く透き通った鍾乳石が美しく、特に「ストロー」と呼ばれる細く真っ直ぐに伸びた鍾乳石は、日本一とも言われています。

海軍棒プール:自然のプールで海水浴

海軍棒プールは、東海岸の岩場を削って作られた人工プールです。海水が直接流れ込んでおり、魚も泳いでいるため、シュノーケリングを楽しむこともできます。

シュガートレインの廃線跡:歴史をしのぶ

かつて南大東島を走っていたシュガートレインの廃線跡は、島の歴史を感じることができる場所です。現在は、ふるさと文化センターで機関車が保存されています。

その他の観光スポット

  • 日の丸山展望台: 島の中央部を見渡せる展望台です。
  • 島まるごと館(ビジターセンター): 島の自然や文化を紹介する施設です。
  • 南大東島漁港: 沖合いに防波堤を作る難工事のため、完成まで10年以上かかる見込みですが、展望台からは北大東島を一望できます。

南大東村へのアクセス:飛行機と船で行く

南大東村へは、沖縄本島那覇空港から飛行機と船でアクセスできます。

空路:琉球エアーコミューター(RAC)で約1時間

南大東空港へは、琉球エアーコミューター(RAC)が毎日2便運航しています。所要時間は約1時間です。

海路:大東海運の「だいとう」で約15時間

南大東港へは、大東海運の「だいとう」が、ほぼ5日おきに1便運航しています。所要時間は約15時間半から16時間半です。

まとめ:自然と文化が調和する南大東村

南大東村は、サトウキビ畑が広がるのどかな風景と、手つかずの自然が残る秘境です。歴史と文化、そして豊かな自然を感じることができる魅力的な島です。ぜひ一度訪れて、南大東村の魅力を体感してみてください。

南大東村についてのクイズ

南大東村の面積は約何平方キロメートルですか?

南大東村は、約30.52平方キロメートルの面積を持つ沖縄県島尻郡の村で、南大東島全体を唯一の行政区域として管轄しています。この小さな村には約1,200人の人口が住んでおり、人口密度は非常に低い値となっています。このため、豊かな自然が残されており、サトウキビ畑が広がるのどかな風景が広がっています。南大東村の特徴的な地形や景観は、平坦でありながら、周囲がサンゴ礁に囲まれているため、美しい海と自然環境に恵まれています。村全体がサトウキビ栽培を中心とした農業経済に依存しているため、農業に適した広大な土地が多く確保されています。

南大東村の基幹産業は何ですか?

南大東村の基幹産業は、開拓以来続いているサトウキビ栽培と製糖業です。この地域では、南大東村の大部分を占めるサトウキビ畑が、村の経済活動を支えています。農家一戸あたりの耕作面積も比較的大規模で、サトウキビが主な作物となっています。かつては製糖のための専用鉄道も存在しましたが、現在はサトウキビを沖縄本島に運搬して製糖を行っています。近年では、観光業や漁業も注目されるようになり、村の経済が多様化していますが、サトウキビ産業は依然として重要な位置を占めています。

南大東村の村章はどのようなデザインですか?

南大東村の村章は、1976年12月27日に制定されたもので、円の中に「南」の字が配置され、さらに南大東島を象徴するサトウキビの葉を表現しています。このデザインは、南大東村が長い間サトウキビ栽培を基幹産業として営んできたことを象徴しており、村の文化と歴史が色濃く反映されています。村章は地域のアイデンティティを強調し、村民が誇りを持つ要素となる重要なシンボルです。サトウキビは南大東村の経済や文化にとって欠かせない存在であるため、その葉を村章に取り入れたことは、村の特性を理解する上でも重要です。

星野洞はどのような観光スポットですか?

星野洞は、南大東島にある美しい鍾乳洞で、観光客にとって人気のスポットです。この鍾乳洞には白く透き通った鍾乳石があり、特に「ストロー」と呼ばれる細く真っ直ぐに伸びた鍾乳石が特徴的で、日本一とも言われています。鍾乳洞は自然が作り上げた驚異的な美しさを持ち、訪れる人々に神秘的な体験を提供します。鍾乳石の形成は長い時間を要するため、訪れる際には、その貴重さや重要性を理解し、慎重に行動することが求められます。南大東村の自然の豊かさと対比して、非常に驚きの多い観光地として多くの人々に愛されています。