大崎町は、鹿児島県曽於郡に位置する、豊かな自然と歴史が息づく町です。資源リサイクル率日本一を誇り、環境問題にも積極的に取り組んでいます。温暖な気候に恵まれ、農業が盛んな一方、国の史跡に指定された横瀬古墳などの歴史遺産も数多く存在します。魅力溢れる大崎町をご紹介します。
大崎町の概要
大崎町は、鹿児島県(離島を除く)の東南部に位置する町で、曽於郡に属します。面積は100.64平方キロメートル、人口は約11,500人です。志布志湾に面し、豊かな自然に恵まれた町です。
大崎町の地理
大崎町は、鹿児島県の大隅半島の東部に位置し、志布志市に囲まれた飛地も存在します。町域内には志布志市の飛地もあります。
隣接する市町村
- 鹿屋市
- 曽於市
- 志布志市
- 肝属郡:東串良町
地名
大崎町には、井俣、岡別府、仮宿、神領、永吉、菱田、益丸、持留、横瀬、野方など、多くの地名があります。
大崎町の歴史
大崎町は、古くは「救仁」と呼ばれ、明治初期までは現在の志布志市とともに日向国諸県郡に属していました。肝付兼光が建築した大崎城は、「旧大崎城」となり、1577年に馬場・丸尾・城内集落一帯に新しい大崎城が建築されました。江戸時代には薩摩藩領となり、大崎外城(後に大崎郷と称す)が置かれました。1889年の町村制実施時に大崎郷内の10村が合併し「大崎村」が成立しました。1891年2月に野方村が分村しましたが、昭和の大合併で一部地域が編入されました。
近現代
- 1889年(明治22年)4月1日 – 町村制施行により、南諸県郡仮宿村、永吉村、横瀬村、神領村、益丸村、菱田村、持留村、岡別府村、野方村、井俣村の区域をもって「大崎村」が成立。
- 1891年(明治24年)8月8日 – 大字野方が野方村として分村。
- 1896年(明治29年)4月1日 – 所属が囎唹郡(現・曽於郡)に変更される。
- 1936年(昭和11年)1月1日 – 町制施行し「大崎町」となる。
- 1955年(昭和30年)4月1日 – 野方村の一部を編入。
大崎町の行政
- 町長:東靖弘(2001年12月21日就任、6期目)
町の行政機関
- 大崎町役場
- 野方支所
大崎リサイクルシステム
大崎町では、1998年以降、ゴミの最終処分場が満杯になる危機感から、町民で組織される衛生自治会を中心に町全体で資源リサイクルに力を入れています。27種類に分別し、2019年度にはリサイクル率82.6%を達成しました(全国平均は19.6%)。2005年度より2018年度を除き、全自治体中で第1位につけています。
大崎町のリサイクルは「大崎リサイクルシステム」と呼ばれ、次のような成果をあげています。
- リサイクル率日本一:2019年度には82.6%を達成し、全国トップレベルのリサイクル率を誇ります。
- 雇用創出:リサイクルセンターでは40人の雇用を生み出しています。
- 奨学金制度の拡充:リサイクルによる利益で町独自の奨学金制度が拡充されました。
- 国際貢献:大崎リサイクルシステムは、JICA経由でインドネシアに輸出されています。
大崎町の取り組みは、周辺自治体にも影響を与え、志布志市は75.1%(全国4位)、東串良町は52.4%(全国10位)と、全国平均を大きく上回るリサイクル率を達成しています。
受賞歴
- 2018年、第2回ジャパンSDGsアワード内閣官房長官賞
- 2020年、第8回そうしんビジネス・イノベーション大賞
県の行政機関
なし
国の行政機関
なし
大崎町の産業
大崎町は、農業が盛んな町です。特に畜産が盛んで、豚、ブロイラーの生産量は県内トップクラスです。
農業
- 2022年の農業産出額は384.2億円(市町村別では鹿児島県3位、日本全国で16位)。
- 畜産が盛んで、豚は142.3億円(鹿児島県2位、日本全国で5位)、ブロイラーは157.8億円(鹿児島県1位、日本全国で3位)。
- その他、ミカン、マンゴー、メロン、ナスなどの果物や野菜も生産されています。
企業
- ジャパンファーム本社(三菱商事グループ):大崎町内には大崎工場やチキン事業本部生産部などが所在しています。
大崎町の地域
人口
大崎町の人口は、近年減少傾向にあります。
年 | 人口 |
---|---|
1970年 | 18,676人 |
1975年 | 17,608人 |
1980年 | 17,527人 |
1985年 | 17,689人 |
1990年 | 16,828人 |
1995年 | 16,480人 |
2000年 | 16,018人 |
2005年 | 15,303人 |
2010年 | 14,215人 |
2015年 | 13,241人 |
2020年 | 12,385人 |
教育
大崎町には、中学校1校、小学校6校があります。
中学校
- 大崎町立大崎中学校
小学校
- 大崎町立大崎小学校
- 大崎町立菱田小学校
- 大崎町立中沖小学校
- 大崎町立持留小学校
- 大崎町立大丸小学校
- 大崎町立野方小学校
大崎町の交通
航空
大崎町には空港はありません。最寄りの空港は鹿児島空港または宮崎空港です。
鉄道
大崎町には鉄道駅はありません。鉄道を利用する場合は、JR九州日南線志布志駅が最寄り駅です。
かつて存在した鉄道路線
- 日本国有鉄道(国鉄)大隅線(1987年3月14日廃止): 大隅大崎駅 – 三文字駅
バス路線
- 鹿児島交通:垂水市 – 鹿屋市 – 東串良町 – 大崎町 – 志布志市
道路
高速道路
-
E78 東九州自動車道
-
(37-1) 野方IC – (36) 大崎IC
東九州自動車道の野方ICは、2014年12月21日に供用開始しました。東九州道が町内に開通する前は、東九州自動車道曽於弥五郎ICまたは宮崎自動車道都城ICなどが最寄りICでした。
一般国道
- 国道220号
- 国道269号
道の駅
- くにの松原おおさき
- 野方あらさの
大崎町の観光
名所・旧跡・観光スポット
- 大崎ふれあいの里公園
- くにの松原
- 横瀬古墳:鹿児島県内第2位の規模を持つ前方後円墳、国の史跡。
- 神領古墳群
- 照日神社
- 都萬神社:国の重要文化財「籬に菊双雀文様銅鏡 1面」を所蔵。
- 大崎城跡
祭事・催事
- 荒佐祭り(3月)
- かぶと虫相撲大会
- ふれあいフェスタinおおさき(11月23日)
大崎町の著名な出身者
- 赤田将吾(元プロ野球選手)
- 内田強(元プロ野球選手)
- 榎田大樹(プロ野球選手)
- 川原克己(天竺鼠)
- 篠田政龍(2代大崎村長、衆議院議員)
- 高崎隆二(俳優)
- 浜屋将太(プロ野球選手)
- 原口幸一(マラソン選手、駅伝部監督)
- 福留孝介(元プロ野球選手)
- 二見いすず(元南日本放送アナウンサー)
- 松山竜平(プロ野球選手)
- 領家政蔵(競馬騎手、調教師)
大崎町の魅力
大崎町は、豊かな自然と歴史、そして活気のある町です。資源リサイクル率日本一という実績は、環境問題に対する積極的な姿勢を表しており、未来志向の町と言えるでしょう。温暖な気候を生かした農業や畜産も盛んで、美味しい農産物がたくさんあります。歴史遺産も豊富で、横瀬古墳や神領古墳群、照日神社など、歴史ファン必見のスポットも数多く存在します。
ぜひ、大崎町を訪れて、豊かな自然と歴史、そして活気あふれる町並みを体感してみてください。
大崎町についてのクイズ
大崎町の面積はおおよそどれくらいですか?
大崎町の面積は100.64平方キロメートルです。この広さは、鹿児島県内でも比較的広い方に位置しており、自然環境の豊かさを反映しています。町は志布志湾に面していて、温暖な気候を享受しており、農業や畜産業が非常に盛んです。環境に恵まれたこの地域では、多様な作物が育てられています。
大崎町のリサイクル率は2019年度にどのくらい達成しましたか?
大崎町は2019年度にリサイクル率82.6%を達成しました。この数字は全国平均の19.6%を大幅に上回っており、町民全体がゴミの分別に協力し、リサイクルに力を入れている結果です。この取り組みは「大崎リサイクルシステム」と呼ばれ、全国でもトップクラスの成果を誇ります。その努力は他の市町村にも良い影響を与え、近隣の志布志市や東串良町も高いリサイクル率を記録しています。
大崎町で最初に町制が施行されたのは何年ですか?
大崎町は1936年1月1日に町制が施行され、「大崎町」となりました。それ以前は、1889年に町村制が施行されて「大崎村」が成立しましたが、町制に移行することで、行政区画としての地位が向上しました。町としての歴史は長く、その間には様々な変遷がありましたが、地域住民の協力により、現在のように豊かな自然と強固な地域社会が形成されています。
大崎町の昭和合併で編入された村はどれですか?
大崎町は昭和の大合併時に、野方村の一部を編入しました。大崎町は元々いくつかの村が合併して成立した村で、その後町制を施行しました。歴史的に見ても、地域の一体化は町の発展に重要な要素であり、合併によって行政の効率化や地域資源の活用が進んだとされています。