鹿児島県の中核都市、鹿屋市の魅力を探る
鹿児島県の中南部に位置する鹿屋市は、温暖な気候と豊かな自然に恵まれた、人口約10万人の大都市です。大隅半島の行政・経済・産業の中核都市として、農業・畜産、教育、そして海上自衛隊鹿屋航空基地など、多岐にわたる分野で重要な役割を担っています。近年では「ばらのまち」をキャッチフレーズに、バラ園や健康・交流都市としての魅力をアピールしています。
鹿屋市の地理
位置と地形
鹿屋市は、大隅半島のほぼ中心部に位置し、東西20km、南北41kmに広がる広大な市域を有しています。北西部には高隈山地、南東部には肝属山地が連なり、両山地の間に笠野原台地や鹿屋原台地などのシラス台地が広がっています。市の中央部には肝属川が流れ、沖積平野である肝属平野を形成しています。西側は鹿児島湾に面しており、海岸線が続きます。
気候
鹿屋市は年間を通して温暖な気候に恵まれ、年間平均気温は17.6℃です。夏は高温多湿で、冬は比較的温暖で、雪が降ることはほとんどありません。ただし、高隈山地など山間部では積雪することもあります。
月 | 平均気温(℃) | 平均降水量(mm) |
---|---|---|
1月 | 7.5 | 80.3 |
2月 | 8.8 | 119.2 |
3月 | 11.8 | 173.2 |
4月 | 16.0 | 196.9 |
5月 | 20.0 | 219.8 |
6月 | 23.0 | 623.0 |
7月 | 27.0 | 425.6 |
8月 | 27.5 | 282.9 |
9月 | 24.9 | 288.2 |
10月 | 20.0 | 138.3 |
11月 | 14.5 | 100.6 |
12月 | 9.4 | 77.5 |
年間 | 17.6 | 2685.6 |
出典: 気象庁アメダス(1991 – 2020年平均)
鹿屋市は、1976年6月24日、1993年、2020年7月と、過去に大きな風水害に見舞われています。特に、1993年の長雨は戦後最大級とされ、大きな被害をもたらしました。
隣接する自治体
鹿屋市は、以下の自治体と隣接しています。
- 東: 肝属郡肝付町、東串良町、曽於郡大崎町
- 西: 垂水市
- 南: 肝属郡錦江町
- 北: 霧島市、曽於市
鹿屋市の歴史
市名の由来
鹿屋市の市名の由来には、いくつかの説があります。
- 古事記や日本書紀に登場する「熊襲の首長鹿文(かや)」の名に由来するという説。
- 周辺に多く自生していた茅(ちがや)の名が「かのや」に転訛したという説。
- 鹿(しか)が多く棲息していたことから「かのや」になったという説。
古代
鹿屋市には、縄文時代早期から人が定住していたことがわかっています。弥生時代には王子遺跡など、大規模な集落が形成されました。
7世紀頃には、隼人が勢力を拡大し、ヤマト王権と対峙しました。713年に大隅国が設置されましたが、隼人の抵抗は続き、720年には国司が殺害される事件が発生しました。その後、ヤマト王権は隼人を制圧し、大隅の支配を確立しました。
平安時代中期には、「鹿屋」の地名が文献に初めて登場します。
中世
鎌倉時代には、肝付氏が鹿屋院を支配し、鶴亀城(後の鹿屋城)を築城しました。
南北朝時代には、肝付氏は南朝側につきました。島津氏との争いは激化し、1574年に島津氏に降伏しました。
近世
江戸時代には、薩摩藩の支配下に置かれ、鹿屋郷などの外城が設置されました。
明治維新後、1889年の町村制施行により、鹿屋村、花岡村、大姶良村、高隈村、西串良村、姶良村、百引村、市成村が誕生しました。
近現代
1941年5月27日には、鹿屋町、花岡村、大姶良村が合併し、初代鹿屋市が誕生しました。
第二次世界大戦中は、鹿屋海軍航空隊が置かれ、軍都として発展しました。戦後も海上自衛隊鹿屋航空基地が置かれ、現在も国防の一大拠点都市としての役割を担っています。
1981年には、国立体育大学である鹿屋体育大学が開学しました。
2006年1月1日には、鹿屋市、輝北町、串良町、吾平町が合併し、現在の鹿屋市が誕生しました。
鹿屋市の産業
第一次産業
鹿屋市では、温暖な気候と豊かな自然を活かした農業・畜産が盛んです。特に笠野原台地では、サツマイモや落花生などの産地となっています。
また、カンパチの水揚げ量が日本国内で2位となるなど、漁業も盛んです。
第二次産業
鹿屋市には、鹿屋内陸工業団地など、多くの工場が立地し、電子工業、繊維製造業、食品加工業などが発展しています。
第三次産業
鹿屋市は、国道220号鹿屋バイパス沿いに大型店が多数出店しており、商業の中心地となっています。
鹿屋市の教育
鹿屋市には、小学校23校、中学校12校、高等学校6校、大学1校、専門学校1校が設置されています。
大学
- 鹿屋体育大学
高等学校
- 鹿児島県立鹿屋高等学校
- 鹿児島県立鹿屋工業高等学校
- 鹿児島県立鹿屋農業高等学校
- 鹿児島県立串良商業高等学校
- 鹿屋市立鹿屋女子高等学校
- 鹿屋中央高等学校
中学校
- 鹿屋市立鹿屋中学校
- 鹿屋市立第一鹿屋中学校
- 鹿屋市立鹿屋東中学校
- 鹿屋市立田崎中学校
- 鹿屋市立大姶良中学校
- 鹿屋市立高隈中学校
- 鹿屋市立花岡中学校(小中一貫校 花岡学園)
- 鹿屋市立輝北中学校
- 鹿屋市立串良中学校
- 鹿屋市立細山田中学校
- 鹿屋市立上小原中学校
- 鹿屋市立吾平中学校
小学校
- 鹿屋市立鹿屋小学校
- 鹿屋市立祓川小学校
- 鹿屋市立東原小学校
- 鹿屋市立笠野原小学校
- 鹿屋市立寿小学校
- 鹿屋市立寿北小学校
- 鹿屋市立田崎小学校
- 鹿屋市立西原小学校
- 鹿屋市立西原台小学校
- 鹿屋市立花岡小学校(花岡中学校に併設、小中一貫校 花岡学園)
- 鹿屋市立野里小学校
- 鹿屋市立大姶良小学校
- 鹿屋市立南小学校
- 鹿屋市立西俣小学校
- 鹿屋市立高隈小学校
- 鹿屋市立大黒小学校
- 鹿屋市立串良小学校
- 鹿屋市立細山田小学校
- 鹿屋市立上小原小学校
- 鹿屋市立輝北小学校
- 鹿屋市立吾平小学校
- 鹿屋市立鶴峰小学校
- 鹿屋市立下名小学校
鹿屋市の観光
名所・旧跡・観光スポット
- 鹿屋航空基地史料館
- 霧島ヶ丘公園
- かのやばら園
- 国立大隅少年自然の家
- 大隅湖(高隈ダム)
- アジア・太平洋農村研修村
- 鳴之尾牧場
- 慰霊塔(串良町の平和公園、今坂町の小塚公園)
- 観音淵中世古石塔群
- 輝北うわば公園
- 輝北天球館
- 輝北ウインドファーム
- アクアゾーンくしら
- 吾平山上陵
- 吾平自然公園 ウォーターパール館
- 九州自然歩道
- 県立大隅広域公園
- 吾平町鉄道資料館(旧大隅線吾平駅跡)
祭事・催事
- かぎ引き祭り
- 棒踊り
- エアーメモリアルinかのや
- かのやばらまつり
- マリンフェスタinかのや
- 鹿屋夏祭り
- 納涼花火大会
- サンロード鹿屋駅伝大会
- 農業まつり
- 鹿屋市秋まつり
鹿屋市にゆかりのある人物
- 哀川翔(俳優)
- 柴田亜衣(水泳選手)
- 横峯さくら(プロゴルファー)
鹿屋市の交通
鹿屋市は、鉄道が通っておらず、空港も市内にはありません。主な交通手段は自家用車とバスです。
空港
最寄りの空港は、霧島市にある鹿児島空港です。
港湾
- 鹿屋港(古江港)
- 高須港
道路
- 東九州自動車道
- 大隅縦貫道
- 国道220号
- 国道269号
- 国道504号
- 鹿児島県道64号大崎輝北線
- 鹿児島県道67号高隈串良線
- 鹿児島県道68号鹿屋吾平佐多線
- 鹿児島県道71号垂水南之郷線
- 鹿児島県道72号垂水大崎線
- 鹿児島県道73号鹿屋高山串良線
バス路線
- 鹿児島交通
- 鹿屋市コミュニティバス
鉄道
最寄りの駅は、志布志駅(日南線)です。
鹿屋市の通信
電信電話
- 市外局番: 0994(鹿屋MA)
新聞
- 南日本新聞
- 南九州新聞
放送
- NHK鹿児島放送局
- 南日本放送(MBC)
- 鹿児島テレビ放送(KTS)
- かのやコミュニティ放送(FMかのや)
鹿屋市のまとめ
鹿屋市は、温暖な気候と豊かな自然に恵まれた、魅力的な都市です。農業・畜産、教育、航空基地など、様々な分野で重要な役割を担っています。バラ園や健康・交流都市としての魅力も注目されています。
今後とも、鹿屋市は発展を続け、大隅半島の中核都市として、ますます魅力的な都市となることが期待されます。
鹿屋市についてのクイズ
鹿屋市のキャッチフレーズは何ですか?
鹿屋市のキャッチフレーズは「ばらのまち」です。このフレーズは、市の特産物や観光資源として、バラが有名であり、特にかのやばら園が広く知られています。この園では、種類豊富なバラが栽培され、多くの観光客が訪れます。また、鹿屋市は健康と交流の都市としてもその魅力をアピールしており、バラをテーマにしたイベントも多数行われています。これにより、地域の特産物であるバラが地元経済や観光にどう貢献しているかが強調されています。鹿屋市の温暖な気候と豊かな自然環境も、バラの栽培に適しており、これが市のアイデンティティを形成する要因の一つとなっています。
鹿屋市の年間平均気温は何度ですか?
鹿屋市の年間平均気温は17.6℃です。この温暖な気候は、農業や畜産業にとって非常に適した条件を提供しており、特にサツマイモや落花生といった地域特産物の栽培に寄与しています。鹿屋市の気温分布は、夏季には高温多湿の気候が続き、冬季は比較的温暖で雪が降ることは少ないですが、山間部では時折積雪することがあります。温暖な気候は、地域住民の生活に直接影響し、観光業やアウトドア活動にとっても魅力的な環境を作り出しています。このような気候の影響は、鹿屋市の文化や産業にも色濃く反映されています。
鹿屋市の最寄りの空港はどこですか?
鹿屋市の最寄りの空港は霧島市に位置する鹿児島空港です。この空港は、県内外へのアクセスを提供しており、鹿屋市内からは一定の距離がありますが、交通手段を利用してアクセスすることが可能です。鹿児島空港からは、国内主要都市へのフライトが運行されており、観光客やビジネス客にとって便利な拠点となっています。また、鹿屋市は鉄道が通っていないため、空港と鹿屋市間を繋ぐバス路線や自家用車を利用することが一般的です。このように、鹿屋市はTransportationの観点からも工夫が求められるエリアであり、地域の重要な交通ハブとしての役割を果たしています。
鹿屋市に設置されている大学は何ですか?
鹿屋市には鹿屋体育大学が設置されています。この大学は、体育及びスポーツに特化した教育機関であり、全国的にも名高い施設です。鹿屋体育大学では、スポーツ指導者の育成や、学術研究が行われており、スポーツ科学の発展に寄与しています。大学の存在は、鹿屋市の教育環境を豊かにし、特に地域の若者に対して多様な進路選択を可能にしています。また、大学は地域との交流も重視しており、イベントや地域プロジェクトに参加することで、学生は地域社会とのつながりを深める機会が増えています。こうした活動は、地元の経済や文化の活性化にも貢献しています。
鹿屋市に隣接する自治体の中で南側に位置するのはどこですか?
鹿屋市の南側に位置する隣接自治体は肝属郡錦江町です。鹿屋市は、東側に肝属郡肝付町、東串良町、曽於郡大崎町、西側には垂水市、南側には肝属郡錦江町があり、北側には霧島市や曽於市が存在します。こうした地理的な位置関係は、鹿屋市が地域全体の中で重要な役割を果たす要因の一つです。錦江町は自然豊かな地域であり、観光や農業が盛んなエリアでもあります。鹿屋市と隣接する自治体同士は、経済的・文化的にも交流があり、地域全体としての発展を目指している点が特徴的です。
鹿屋市で行われる祭事の一つは何ですか?
鹿屋市で行われる祭事の一つは「かのやばらまつり」です。この祭りは、鹿屋市が「ばらのまち」を掲げていることを反映したイベントで、地域のバラをテーマにしたさまざまな催しが行われます。例年多くの観光客が訪れ、バラの展示や販売、関連商品の販売、さらにはバラにちなんだ飲食ブースなども設けられ、地域の特産品を楽しむことができます。この祭りは、地元の文化や観光を促進する活動の一環であり、市民や観光客が一体となって楽しむ貴重な機会を提供しています。地域の皆さんにとっても、誇りとなるイベントです。