鹿児島県の南端に位置する南大隅町は、雄大な自然と歴史に彩られた魅力的な町です。日本本土最南端の佐多岬をはじめ、雄川の滝、ゴールドビーチ大浜など、訪れる人を魅了する絶景が数多く存在します。歴史好きなら、かつてこの地を治めた禰寝氏の足跡を辿る旅もおすすめです。本記事では、南大隅町の魅力をたっぷり紹介します。
南大隅町の概要
南大隅町は、鹿児島県肝属郡に属する町です。かつて曽於郡にあった「大隅町」とは異なります。面積は213.59平方キロメートル、人口は約5,630人(2024年8月1日現在)です。
概要 | 内容 |
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位置 | 鹿児島県肝属郡 |
面積 | 213.59平方キロメートル |
人口 | 約5,630人 |
人口密度 | 26.4人/平方キロメートル |
隣接自治体 | 肝属郡肝付町、錦江町 |
南大隅町役場所在地 | 〒893-2501 鹿児島県肝属郡南大隅町根占川北226番地 |
南大隅町役場電話番号 | 0994-22-2111 |
町長 | 石畑博 |
地理
南大隅町は、大隅半島の最南端に位置し、西側は鹿児島湾(錦江湾)および東シナ海、東側は太平洋(フィリピン海)、南側は大隅海峡に囲まれています。町域の大部分は肝属山地で占められ、可住地面積比率は19パーセントにとどまっています。
隣接市町村
南大隅町は、北方向に錦江町および肝付町と隣接しています。
- 錦江町へのアクセス: 国道269号または県道68号(鹿屋吾平佐多線)
- 肝付町へのアクセス: 県道74号(内之浦佐多線)
大字
南大隅町は、旧根占町と旧佐多町からなり、住所表記に旧町名を頭につけています。
地域 | 大字 |
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根占 | 根占川北・根占川南・根占辺田・根占山本・根占横別府 |
佐多 | 佐多伊座敷・佐多郡・佐多辺塚・佐多馬籠 |
歴史
南大隅町は、縄文時代早期から人々が住んでいたと考えられています。大中原遺跡や谷添遺跡など、古代の遺跡が発見されています。
古代~中世
713年の大隅国設置時には肝属郡に属していましたが、後に大隅郡(1887-1897年は南大隅郡)所属となります。平安時代には禰寝院と呼ばれる荘園が成立し、この地と縁の深い建部氏は禰寝氏(根占氏とも)を名乗るようになりました。
禰寝氏は、古代には大宰府の在庁官人、郡司、そして中世には鎌倉幕府の御家人として活躍しました。
近世
16世紀末、日置市(日吉町吉利)に移封されるまで、禰寝氏は数百年間にわたりこの地を治めました。小禰寝港は、明人やポルトガル人など、多くの外国人が訪れた貿易港として栄えました。フランシスコ・ザビエルを案内したヤジロウ(アンジロウとも)は、南大隅町出身者ではないかと推測されています。
江戸時代には、薩摩藩(島津氏)が根占・佐多に外城を置き、薩摩藩直轄領となりました。外城は、1784年に郷に名称を改め(根占郷・佐多郷)、1889年の町村制実施時に、ほぼそのままの区域をもって小根占村・佐多村となりました。
近代
小根占村は1941年に町制を施行し根占町となり、佐多村は1947年に町制を施行し佐多町となりました。
平成の大合併
2003年6月、根占町・佐多町・大根占町・田代町の4町で南隅地域合併協議会を設置し、合併協議が進められました。しかし、大根占町側の反対により交渉は決裂しました。
その後、根占町と佐多町は、2004年9月に南大隅合併協議会を設置し、同年11月の合併調印式の実施・議会による議決を経て、2005年3月31日に合併し、南大隅町が発足しました。
行政
町の行政機関
南大隅町は、旧根占町役場を町役場本庁とし、旧佐多町役場を佐多支所として設置しています。
地域
人口
南大隅町の人口は、近年減少傾向にあります。2005年の合併当時、約9,900人でしたが、2020年には約6,500人まで減少しました。
教育
南大隅町には、高等学校、中学校、小学校がそれぞれ1校ずつ設置されています。
高等学校
- 鹿児島県立南大隅高等学校
中学校
- 南大隅町立根占中学校
- 南大隅町立第一佐多中学校
小学校
- 南大隅町立神山小学校
- 南大隅町立佐多小学校
交通
空港
南大隅町に空港はありません。最寄りの空港は、霧島市にある鹿児島空港です。自家用車では鹿屋市経由で約2時間30分程度かかります。
航路
- 山川・根占フェリー
指宿市の山川港と南大隅町の根占港を結ぶフェリーが運航しています。
バス
- 鹿児島交通
町内全バス路線を運行しています。鹿屋市・垂水市と南大隅町を錦江町経由で結んでいます。
道路
国道269号が錦江湾沿岸を通り、道の駅根占がゴールドビーチ大浜付近に設置されています。また、錦江町中心部から田代方面に繋がる国道448号が根占地区を通過しています。
- 高速道路の最寄りのインターチェンジは、鹿屋市にある大隅縦貫道笠之原インターチェンジです。
鉄道
南大隅町には鉄道は通っておらず、駅もありません。
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
名所旧跡・観光スポット
- 佐多岬(日本本土最南端の地)
- 山川・根占フェリーの根占港
- 雄川の滝
- 根占温泉・ネッピー館
- 佐多旧薬園(国の史跡)
- ソテツ自生地(国の特別天然記念物)
- 「ネッピー市」直売所(南大隅町特産品出荷協議会)
- ゴールドビーチ大浜(黄金色の砂浜、ビーチバレー大会も開催されている)
- 半潜水型水中展望船「さたでい号」
祭事・催事
- 御崎祭り(2月)
- ドラゴンボートフェスティバル(10月)
出身者
- 中村博愛(幕末の薩摩藩士、明治期の外交官・官僚・政治家、薩摩藩第一次英国留学生)
- 八島太郎(米国でも活動した絵本作家)
- 愛華みれ(女優、元宝塚歌劇団花組男役トップスター)
- 中島啓江(オペラ歌手)
- 島津悦子(演歌歌手)
まとめ
南大隅町は、雄大な自然と歴史に満ち溢れた魅力的な町です。日本本土最南端の佐多岬や雄川の滝など、訪れる人を魅了する絶景が数多く存在します。歴史好きなら、かつてこの地を治めた禰寝氏の足跡を辿る旅もおすすめです。ぜひ南大隅町を訪れて、その魅力を体感してみてください。
南大隅町についてのクイズ
南大隅町の面積は約どのくらいですか?
南大隅町の面積は213.59平方キロメートルで、鹿児島県肝属郡に属し、町としては比較的小さいですが、豊かな自然に恵まれています。また、当地は大隅半島の最南端に位置し、美しい海域に面しています。面積がそれほど広くはないため、地域の特性や魅力をより一層知ることができるという利点もあります。訪れる人々は、雄大な自然と歴史的な遺跡を堪能することができるため、この町は観光としても非常に魅力的です。
南大隅町の隣接自治体はどれですか?
南大隅町は、北方向に錦江町および肝付町と隣接しています。地理的な要素から見ても、これらの自治体と連携して様々な地域交流や共同プロジェクトが行われています。肝付町は、鹿児島県内で自然が豊かで、観光名所も多いため、南大隅町と訪れる者同士にとっても訪問の対象となっています。隣接自治体との距離感が近いことで、南大隅町を起点に他の地域へのアクセスがしやすい点も、観光客にとって非常に魅力的です。
南大隅町で毎年開催される祭りは何ですか?
南大隅町では毎年「御崎祭り」が開催されます。2月に行われ、この祭りは地元の住民にとって大切な伝統行事であり、地域の神を祀ることで知られています。御崎祭りは、多くの人々で賑わい、地元の文化や伝統を体験する貴重な機会となります。祭りでは、様々な催し物やパフォーマンスが行われ、多世代にわたる地域の人々の交流の場ともなっています。南大隅町を訪れる際には、このような祭りの時期を狙って訪問すると、より深い地域文化を体感できるでしょう。