秋田県由利本荘市:豊かな自然と歴史が織りなす魅力あふれるまち

雄大な鳥海山を望む、秋田県南部の由利本荘市。日本海に面した広大な市域には、変化に富んだ自然が広がり、歴史と文化が息づく、魅力あふれるまちです。古くは出羽国府の出先機関が置かれ、その後、城下町として発展してきた由利本荘市は、今も昔も人々の暮らしと文化の中心地として、秋田県の発展に貢献しています。今回は、由利本荘市の魅力を、地理、歴史、産業、観光など様々な角度からご紹介します。

由利本荘市の概要

由利本荘市は、秋田県の南部に位置する市で、面積は1,209.59平方キロメートルと、秋田県内最大です。人口は約70,000人、日本海に面した海岸線と鳥海山を望む山岳地帯を含む、変化に富んだ地形が特徴です。市内には、子吉川が流れ、その河口には本荘マリーナ海水浴場があり、夏には多くの観光客で賑わいます。

由利本荘市の地理

由利本荘市は、鳥海山を望む山岳地帯を含む、変化に富んだ地形が特徴です。市の中央部には、標高400メートルほどの笹森丘陵が広がり、市街地を取り囲んでいます。この丘陵地には、笹森山、八塩山、丁岳などの山々が連なり、豊かな自然を育んでいます。

  • 鳥海山: 標高2,236メートルの活火山で、秋田県と山形県の県境にそびえ立つ日本百名山の一つです。由利本荘市からは、市街地から鳥海山を望むことができ、その雄大な姿は、多くの観光客を魅了しています。
  • 笹森丘陵: 市の中央部に位置し、標高400メートルほどの丘陵地帯です。この丘陵地には、笹森山、八塩山、丁岳などの山々が連なり、豊かな自然を育んでいます。
  • 八塩山: 標高789メートル、笹森丘陵の最高峰です。山頂からは、鳥海山、日本海、由利本荘市街地を一望することができます。
  • 丁岳: 標高538メートル、笹森丘陵にある山です。登山道が整備されており、気軽にハイキングを楽しむことができます。

河川

由利本荘市には、子吉川をはじめ、多くの河川が流れています。子吉川は、市街地を貫流し、その河口には本荘マリーナ海水浴場があります。

  • 子吉川: 秋田県南部を流れる一級河川です。全長は70キロメートル、流域面積は713平方キロメートルです。由利本荘市では、市街地を貫流し、その河口には本荘マリーナ海水浴場があります。
  • 君ヶ野川: 子吉川に合流する支流です。全長は25キロメートル、流域面積は110平方キロメートルです。
  • 笹子川: 子吉川に合流する支流です。全長は20キロメートル、流域面積は60平方キロメートルです。

湖沼

由利本荘市には、大谷地池などの湖沼があります。

  • 大谷地池: 由利本荘市中心部の南側に位置する、周囲約2キロメートルの池です。かつては、周囲に多くの田んぼがあり、水田用水として活用されていましたが、近年は、レクリエーション施設として整備され、多くの市民が訪れます。

由利本荘市の歴史

由利本荘市は、古くは出羽国府の出先機関が置かれた由理郷として栄えていました。その後、鎌倉時代には、源頼朝によって由利氏が本領を安堵され、その後、大井氏、北条氏と領主が替わっていきました。

古代~中世

  • 8世紀: 出羽国府の出先機関である「由理柵」が、子吉川河口付近に置かれました。
  • 鎌倉時代: 源頼朝によって、由利氏が本領を安堵されました。
  • 室町時代: 大井氏、北条氏と領主が替わっていきました。

近世

  • 1613年: 最上氏の家臣・楯岡満茂が、現在の由利本荘市尾崎に本城城を築き、本格的な城下町として発展を始めました。
  • 1622年: 最上氏の改易により、楯岡満茂は本城城を退去しました。
  • 1623年: 六郷氏が本城城に入部し、本荘城と改名し、2万石の本荘藩が立藩しました。
  • 1868年: 戊辰戦争では、本荘藩は奥羽越列藩同盟に参加し、鶴岡藩と激戦を繰り広げました。

近現代

  • 1871年: 廃藩置県により、本荘県、亀田県、矢島県が誕生し、その後、秋田県に統合されました。
  • 1889年: 町村制の施行により、由利郡本荘町が発足しました。
  • 1954年: 本荘町が周辺の村を合併し、市制施行して本荘市となりました。
  • 2005年: 本荘市と由利郡の6町が合併し、由利本荘市が発足しました。

由利本荘市の産業

由利本荘市は、農業、漁業、工業など様々な産業が盛んな地域です。

農業

由利本荘市は、秋田県内で最も面積が広い市であり、その広大な土地を生かして、稲作、畜産、野菜などの農業が盛んです。

  • 稲作: 市内では、コシヒカリなどの稲作が盛んで、特に、子吉川流域では、肥沃な土地を生かして、良質な米が生産されています。
  • 畜産: 牛、豚、鶏などの畜産も盛んで、特に、秋田由利牛は、市内でも人気のあるブランド牛です。
  • 野菜: トマト、キュウリ、ナス、ネギなどの野菜も、市内では多く生産されています。

漁業

由利本荘市は、日本海に面しており、豊かな漁場を有しています。

  • 漁業: イワシ、サバ、サケ、カニ、ホタテなどの漁獲が盛んで、新鮮な魚介類が水揚げされます。
  • 養殖: カキ、ホタテ、ノリなどの養殖も行われており、地元産の魚介類は、県内外で高く評価されています。

工業

由利本荘市は、近年、工業団地の整備が進められ、工業の活性化が進んでいます。

  • TDK秋田: 株式会社TDKの子会社である、TDK秋田は、由利本荘市に本社を置き、磁気記録媒体、電子部品、医療機器などの製造を行っています。
  • 秋田プリマ食品: 秋田プリマ食品株式会社は、由利本荘市に本社を置き、冷凍食品、惣菜などの製造を行っています。

由利本荘市の観光

由利本荘市は、豊かな自然と歴史文化を活かした観光スポットが数多くあります。

自然

  • 本荘マリーナ海水浴場: 子吉川河口に位置し、海水浴、マリンスポーツ、釣りなどが楽しめる、人気の海水浴場です。
  • 鳥海山: 由利本荘市からは、市街地から鳥海山を望むことができ、その雄大な姿は、多くの観光客を魅了しています。鳥海山には、登山道が整備されており、ハイキングや登山を楽しむことができます。
  • 法体の滝: 鳥海山麓にある高さ80メートルの雄大な滝で、日本の滝百選にも選ばれています。
  • 南由利原高原: 鳥海山を望む高原で、四季折々の美しい景色を楽しむことができます。
  • 鳥海高原花立牧場: 南由利原高原にある広大な牧場で、牛の放牧風景や、四季折々の花を楽しむことができます。

文化

  • 本荘城跡: 由利本荘市の中心部に位置し、かつては、本荘藩の城下町の中心地でした。現在は、公園として整備され、市民の憩いの場となっています。
  • 亀田城佐藤八十八美術館: 亀田城跡に建設された美術館で、地元出身の画家・佐藤八十八の作品を展示しています。
  • 旧鮎川小学校: 2018年7月に、鳥海山木のおもちゃ美術館として再整備され、子供たちが木のおもちゃで遊べる施設として、多くの親子連れが訪れます。
  • 由利本荘市文化交流館 カダーレ: 文化会館、図書館、美術館などを併設した複合文化施設で、様々なイベントが開催されています。

その他

  • 本荘ごてんまり: 江戸時代に、本荘藩の奥女中が作り始めたとされる伝統工芸品で、市内の特産品です。
  • 本荘うどん: 一説には、稲庭うどんのルーツともされ、秋田県では、最も古い歴史を持つうどん。

由利本荘市の魅力

由利本荘市は、豊かな自然と歴史文化が織りなす、魅力あふれるまちです。雄大な鳥海山を望む山岳地帯、日本海に面した海岸線、歴史的な建造物など、見どころ満載です。自然を満喫したり、歴史文化に触れたり、美味しいものを味わったり、様々な楽しみ方ができるまちです。ぜひ、由利本荘市を訪れて、その魅力を体感してみてください。

由利本荘市についてのクイズ

由利本荘市の面積はどのくらいですか?

由利本荘市の面積は1,209.59平方キロメートルで、秋田県内で最大の面積を誇ります。広大な市域には、自然豊かな山岳地帯や日本海に面した海岸線が含まれており、多様な地形が特徴です。そのため、由利本荘市は、自然と歴史が融合した地域として多くの魅力を持っています。また、人口は約70,000人で、市内では子吉川などの河川も流れています。夏には本荘マリーナ海水浴場に多くの観光客が訪れ、地域の活性化に貢献しています。このように、由利本荘市はその広大な面積を背景に、さまざまな産業や観光地を開発しており、地域の発展に寄与しています。

由利本荘市の最高峰はどの山ですか?

由利本荘市の最高峰は鳥海山で、標高は2,236メートルあります。これは、秋田県と山形県の県境に位置する活火山で、日本百名山の一つとしても知られています。市内からは鳥海山の雄大な姿を望むことができ、多くの登山者や観光客が訪れます。鳥海山は、四季折々の美しい風景を楽しむことができ、登山道が整備されているため、多くの人々がハイキングや登山を楽しむことができます。自然の美しさとともに、鳥海山は地域のシンボルとしての重要性を持ち、地元文化にも深く根ざした存在です。

由利本荘市で有名な特産品は何ですか?

由利本荘市で有名な特産品は本荘うどんです。このうどんは、稲庭うどんのルーツともされ、歴史的に最も古い種類のうどんとして知られています。独自の製法で作られ、もっちりとした食感とコシが特徴的です。また、地元の素材を使用しているため、風味豊かであり、多くの人々に愛されています。観光客もこの本荘うどんを楽しむために訪れることが多く、地域の食文化を象徴する食品とも言えるでしょう。由利本荘市では、地元の飲食店で本荘うどんを提供しているところも多く、食を通じて地域の魅力を体感することができます。

由利本荘市で最大の河川はどれですか?

由利本荘市で最大の河川は子吉川です。全長は70キロメートルで、流域面積は713平方キロメートルです。この川は市街地を貫流し、その河口には本荘マリーナ海水浴場があります。子吉川は、地域の農業や生活水として重要な役割を果たしています。また、河川の周辺は自然豊かで散策や観光にも適しています。市内では毎年、地元のイベントが開催され、子吉川を中心に地域の人々が集まる機会も多く、地域の活性化に貢献しています。子吉川はその美しい景観からも、由利本荘市の自然環境を象徴する重要な存在となっています。