瀬戸内海に面した広島県南部の三原市は、豊かな自然と歴史、活気あふれる街並みが調和する魅力的な都市です。かつて「浮城」と呼ばれた三原城の城下町を起源とし、備後都市圏の中心都市として発展してきました。山陽新幹線や山陽本線などの交通アクセスも充実しており、広島県内における交通の要衝としての役割を担っています。
海と山に囲まれた豊かな自然
三原市は、瀬戸内海の穏やかな海と緑豊かな山々に囲まれた、自然豊かな街です。市の中心部には、東広島市の賀茂台地を源とする沼田川が流れ、その河口には中心市街地が栄えています。
多彩な景観が広がる
市街地は、海岸線近くまで急峻な山々が迫り、埋立地によって形成された独特の景観を呈しています。一方、北部には吉備高原南端の標高400メートル以上の高原地帯が広がり、西部には丘陵地が広がっています。この多様な地形は、三原市に変化に富んだ景観を生み出し、四季折々の美しい自然を楽しめる環境となっています。
山々
- 竜王山
- 筆影山
- 竜王山(葉田竜王山)
- 高城址竜王山
- 宇根山
- 白滝山
- 黒滝山
- みはらし連山
- 棲真寺山
- 太平山
- 大峰山(高羽山)
- 高山
- 新高山
- 桜山
- 米田山
- 蟻ケ平山
川・滝
- 沼田川
- 仏通寺川
- 徳良川
- 船木峡
- 和久原川
- 天井川
- 梨和川
- 椋梨川
- 西野川
- 畑岡川
- 御調川
- 本谷川
- 太郎谷川
- 八幡川
- 三次川
- 菅川
- 泉川
- 尾原川
- 平坂川
- 大草川
- 昇雲の滝
- 瀑雪の滝
- 彭祖の滝
- 女王滝
湖・ダム・沼
- 神田大池
- 用倉新池
- 与茂九郎池
- 吉田大池
- 白竜湖(椋梨ダム)
- みごう湖(三河ダム)
海域・海岸
- 尾道水道
- 三原湾
- 大野浦
- 柄鎌瀬戸
- 扇浜
- 長浜海岸
- 大野浦海水浴場
- 須波海岸(すなみ海浜公園)
- 向田野浦地先海岸
島
- 芸予諸島(佐木島・小佐木島・宿禰島)
- 鯨島
- 有竜島
- ハカン島
- タナハシ島
- 上鷺島
- 下鷺島
- 割石島
その他
- 久井・矢野の岩海
- 千畳敷
歴史と文化が息づく街
三原市は、長い歴史と文化を育んできた街です。
三原城:浮城の伝説
三原市の中心部には、かつて「浮城」と呼ばれた三原城がありました。1580年、小早川隆景によって築城された近世海城で、瀬戸内海に面した小島を繋ぐように築かれたその姿は、まさに「浮城」と呼ぶにふさわしいものでした。現在では、JRの線路が城を貫通しており、石垣の一部が残るのみとなっていますが、その威容を偲ぶことができます。
三原城の歴史
- 文和2年(1353年)ごろ:刀工正家が三原派を創始し、鍛冶町として栄える。
- 天正8年(1580年):小早川隆景が三原城を修築。
- 1600年:関ケ原の戦いの後、福島正則が広島城に入城。三原城は支城となる。
- 1619年:福島氏改易後、広島藩主浅野長晟の家老、浅野忠吉が城代となり、広島藩の支城となる。
- 1871年8月29日:廃藩置県により、広島県となる。
- 1889年4月1日:町村制施行により、三原町が発足。
- 1936年11月15日:三原市(初代)誕生。
- 2005年3月22日:旧・三原市、豊田郡本郷町、御調郡久井町、賀茂郡大和町が合併し、現在の三原市(2代目)が誕生。
伝統文化を受け継ぐ
三原市には、古くからの伝統文化が息づいています。
- やっさ祭り:8月の第2日曜日を含む金・土・日の3日間開催される、三原の二大祭りのひとつ。三原城の築城を祝って始まったといわれる「やっさ踊り」が中心です。
- 神明市:2月に行われる、三原の二大祭りのひとつ。室町時代末期から続く、約400軒の露店が並ぶ日本一の大だるま市です。
- 三原半どん夜市:6月~8月第1週までの毎週土曜日に開催される、大正時代から続く夏の風物詩です。
- 岩子島厳島神社管弦祭:7月下旬~8月上旬に、尾道市の岩子島にある厳島神社で行われる、厳島神社の管絃祭に因んだ祭りです。御座船が尾道水道などを遊覧し、三原市の「鯨島」に参詣します。
産業と経済
三原市は、工業が盛んな街です。
重厚長大型から最新技術へ
かつては、三菱重工業や帝人などの重厚長大型の工場が立地し、繊維産業で栄えていました。近年では、大日本印刷プレシジョンデバイスなどの工場・物流施設を誘致し、電子機器関連を中心とした産業が発展しています。
主要な企業
- 三菱重工業三原製作所
- 帝人三原工場
- 大日本印刷プレシジョンデバイス三原工場
- 今治造船
- お多福醸造本社工場
- 高砂香料工業西日本工場株式会社
海と山の恵みを活かす
三原市は、海と山の恵みを活かした農業も盛んです。
- 沿岸部では、柑橘類の栽培が盛んです。
- 山間部では、水稲や果樹の栽培が行われています。
商業施設が充実
三原市には、大型商業施設も充実しており、市民の生活を支えています。
主な商業施設
- イオン三原店
- フジグラン三原店
教育と文化
三原市には、質の高い教育機関と文化施設が数多く存在します。
教育機関
- 広島大学附属三原中学校・高等学校
- 三原市立三原高等学校
- 三原市立三原東高等学校
- 三原市立第一中学校
- 三原市立第二中学校
- 三原市立第三中学校
- 三原市立第四中学校
- 三原市立第五中学校
- 三原市立幸崎中学校
- 三原市立宮浦中学校
- 三原市立三原小学校
- 三原市立糸崎小学校
- 三原市立木原小学校
- 三原市立中之町小学校
- 三原市立西小学校
- 三原市立田野浦小学校
- 三原市立須波小学校
- 三原市立深小学校
- 三原市立南小学校
- 三原市立沼田東小学校
- 三原市立沼田西小学校
- 三原市立沼田小学校
- 三原市立沼北小学校
- 三原市立小泉小学校
- 三原市立幸崎小学校
- 三原市立鷺浦小学校
- 三原市立本郷小学校
- 三原市立本郷西小学校
- 三原市立久井小学校
- 三原市立大和小学校
文化施設
- 三原市芸術文化センター(ポポロ)
- 三原リージョンプラザ
- 三原市立中央図書館
交通アクセス
三原市は、交通アクセスも良好です。
空路
- 広島空港:リムジンバスで三原駅までアクセス可能です。
鉄道
- 山陽新幹線:三原駅
- 山陽本線:糸崎駅、三原駅、本郷駅
- 呉線:三原駅、須波駅、安芸幸崎駅
道路
- 山陽自動車道:八幡PA、三原久井IC、高坂PA/BS、本郷IC
- 国道2号
- 国道185号
- 国道486号
- 国道432号
港湾
- 三原港:フェリーや高速船が発着し、周辺の島々や都市と結ばれています。
三原市を訪れるなら
三原市は、歴史、自然、文化、産業など、様々な魅力が詰まった街です。
おすすめスポット
- 三原城址:かつての「浮城」の威容を偲ぶことができます。
- 佛通寺:小早川家の菩提寺で、国の重要文化財が数多く所蔵されています。
- 御調八幡宮:豊臣秀吉手植えの桜など、歴史を感じることができます。
- 筆影山・竜王山:春は桜、晩秋から冬は海霧で有名です。
- 白滝山:山頂からは360度の絶景を楽しむことができます。
- 久井岩海:日本最大規模の岩海です。
- すなみ海浜公園:バリアフリー化された海浜公園です。
- 三景園:里・山・海をモチーフとした、築山池泉回遊式庭園です。
- 宇根山天文台:60センチメートルの大型屈折反射鏡など、天体観測を楽しむことができます。
- 果実の森公園:いちご・ぶどう・りんご狩りができます。
イベント
- やっさ祭り:8月に行われる、三原の二大祭りのひとつ。
- 神明市:2月に行われる、三原の二大祭りのひとつ。
- 三原半どん夜市:6月~8月第1週までの毎週土曜日に開催される、夏の風物詩です。
- トライアスロンさぎしま大会:毎年8月の最終日曜日に佐木島で開催されるトライアスロン大会です。
- 三原浮城まつり:11月に行われる、三原城をテーマにしたイベントです。
名産品
- やっさ饅頭
- 三万石せんべい
- たこ料理
- たこせん
- 八天堂のくりーむパン
まとめ
広島県三原市は、豊かな自然と歴史、活気あふれる街並みが調和する魅力的な都市です。瀬戸内海に面した穏やかな海と緑豊かな山々、そして歴史ある三原城など、見どころ満載です。ぜひ、三原市を訪れて、その魅力を体感してみてください。
三原市についてのクイズ
三原市が位置する日本の海はどれですか?
三原市は広島県に位置し、瀬戸内海に面しています。瀬戸内海は四国と本州の間に広がる内海で、穏やかな波と美しい景観が特徴です。三原市はその海の恵みを受けた地域であり、漁業や観光業などが盛んです。穏やかな気候と豊かな海の幸は、地域の特産品や文化を育む大切な要素です。海岸線には大野浦や須波海岸などの美しいビーチがあり、夏には多くの観光客が訪れるスポットとなっています。また、三原市には多くの島々があり、芸予諸島の一部分も含まれています。これらの島々は自然の美しさとともに、観光やレジャーの目的地としても人気があります。
三原城の築城者は誰ですか?
三原城は、1580年に小早川隆景によって築城されました。小早川隆景は、戦国時代の武将として知られ、彼の築いた三原城は「浮城」として評価されていました。三原城は瀬戸内海に面し、戦略的にも重要な位置に構えられ、周囲の敵を監視するための役割を果たしました。三原城は山や海と調和した美しい城であり、城下町として三原市の発展にも寄与しました。現在、城の遺構は一部残っているものの、城を貫通するようにJRの線路が設けられていることから、歴史の変遷を感じることができる名所となっています。
三原市で行われる「やっさ祭り」は何を祝って始まった祭りですか?
「やっさ祭り」は、三原市の二大祭りのひとつで、三原城の築城を祝って始まったとされています。毎年8月の第2日曜日を含む金・土・日の3日間にわたって開催され、多くの人々が参加します。この祭りは、地元の伝統文化や地域活性化を目的としたもので、やっさ踊りが中心となっています。この踊りは、参加者たちが楽しみながら踊ることができるもので、地域の一体感を高める重要なイベントとなっています。やっさ祭りの開催時期には、地域が活気づき、観光客も訪れるため、三原市の魅力を再確認する機会となるのです。
三原市の重工業を支えた企業の一つは何ですか?
三原市は、かつて重厚長大型の工場が多数立地し、特に三菱重工業の三原製作所は地域経済に大きく貢献しました。三菱重工業は、航空宇宙や軍需、船舶、発電プラントなど、多様な分野で事業を展開しており、工業の発展と雇用創出に寄与してきました。また、帝人などの繊維産業も盛んで、地域の経済基盤が強化されていました。近年では、大日本印刷プレシジョンデバイスなどの電子機器関連の企業が進出し、産業構造も変化していますが、重工業の伝統は今も三原市の経済にしっかりと根付いています。
三原市にある教育機関の一つはどれですか?
三原市には、質の高い教育環境が整っており、中でも広島大学附属三原中学校・高等学校はその代表的な存在です。この学校は、広島大学の附属校として教育の質が保障されており、学問や文化の振興に寄与しています。多様な教育プログラムや、地域社会との連携を重視した取り組みが行われており、生徒たちが自立し、社会に貢献できる力を育むことに注力しています。他にも市立の高等学校や中学校、小学校が多く存在し、地域全体で教育を重視する文化が根付いています。
三原市の主要な交通アクセスには何が含まれていますか?
三原市は、交通アクセスが非常に良好です。山陽新幹線の三原駅をはじめ、山陽本線や呉線などの鉄道が通り、広島市内や岡山方面への移動が便利です。また、山陽自動車道をはじめとする主要国道も整備されており、自動車でのアクセスが容易です。広島空港へのリムジンバスも運行されており、空路でのアクセスも確保されています。さらに、三原港ではフェリーや高速船が発着し、周辺の島々や都市との交通が便利なため、観光やビジネスにおいても重要な役割を果たしています。このように、三原市は多様な交通手段が整っているため、訪れる人にとって利便性が非常に高い地域と言えます。