群馬県東部の東毛地域に位置するみどり市は、豊かな自然と歴史が息づく魅力的な街です。2006年に笠懸町、大間々町、東村の3つの町村が合併して誕生したみどり市は、群馬県で唯一、平成の大合併によって誕生した市です。ひらがな表記の市名からもわかるように、みどり市は緑豊かな自然に恵まれた街であり、四季折々の美しい景色を楽しむことができます。また、旧石器時代から続く歴史を持ち、貴重な遺跡や文化遺産が数多く存在しています。
みどり市の概要
みどり市は、群馬県東部(東毛地域)に位置する市です。2006年(平成18年)3月27日に、新田郡笠懸町、山田郡大間々町、勢多郡東村の2町1村が合併し発足しました。群馬県内に市が誕生するのは1958年(昭和33年)の安中市以来48年ぶりで、平成の大合併において群馬県で新たに誕生した唯一の市です。群馬県初のひらがな名の市でもあります。
合併した3つの自治体がすべて別の郡に所属していたという珍しい合併例で、この合併により新田郡と山田郡は消滅しました(のち2009年に勢多郡も消滅)。
みどり市の地理
みどり市は南北に長い市域をしており、東西を桐生市に挟まれています。笠懸地区(旧笠懸町)・大間々地区(旧大間々町)・東地区(旧東村)の各接点部分が著しくくびれているのが特徴です。これは、桐生広域圏の合併枠組みを巡る混乱の末、旧新里村、旧黒保根村が桐生市との合併を選択したため、3町村が「みどり市」として合併した結果、このような変則的な行政区域となりました。桐生市への通勤率は22.69%(平成27年国勢調査)で、同一生活圏にあり、経済面・行政面でも関係が深いといえます。
隣接自治体
- 群馬県
- 桐生市
- 伊勢崎市
- 太田市
- 沼田市
- 栃木県
- 佐野市
- 鹿沼市
- 日光市
みどり市の人口
年 | 人口 |
---|---|
1970年 | 34,969人 |
1975年 | 40,061人 |
1980年 | 44,064人 |
1985年 | 46,743人 |
1990年 | 49,502人 |
1995年 | 50,983人 |
2000年 | 51,266人 |
2005年 | 52,115人 |
2010年 | 51,899人 |
2015年 | 50,906人 |
2020年 | 49,648人 |
(総務省統計局 国勢調査より)
みどり市の市名
笠懸町・大間々町・東村合併協議会での市名の選定理由は以下の3点です。
- 緑豊かな自然のあふれる、美しい街並みの市にしてもらいたい。
- 自然を大切にし、自然と共に栄えていくように。
- 明るく平和で清々しく、安心して生活でき、癒しのあるイメージ。
市名候補は「みどり市」を含む5候補が絞り込まれました(五十音順。右に選定理由)。
- あかがね市(あかがねし) : 江戸時代から銅を運んだあかがね街道が3町村を通っている。
- 赤城市(あかぎし) : 有名な赤城山の麓に位置しているから。
- あかぎ市(あかぎし) : 同上。
- みどり市(みどりし) : 緑があふれる市でいてもらいたい。
- わたらせ市(わたらせし) : 3町村に相応しく渡良瀬川の知名度もあり親しみやすい。
みどり市の歴史
沿革
- 1889年(明治22年)4月1日 町村制施行に伴い、山田郡において大間々村と桐原村が合併して大間々町が、浅原村・塩原村・小平村・長尾根村が合併して福岡村が、高津戸村・須永村・山田村・東小倉村・西小倉村が合併して川内村が、南勢多郡において上神梅村・下神梅村・塩沢村・水沼村・宿廻村・八木原村・上田沢村・下田沢村が合併して黒保根村が、花輪村・荻原村・小夜戸村・小中村・神戸村・座間村・草木村・沢入村が合併し東村が、新田郡において阿左美村・鹿村・久宮村・西鹿田村が合併して笠懸村が誕生。
- 1896年(明治29年)4月1日 南勢多郡と東群馬郡が合併して勢多郡が発足。
- 1954年(昭和29年)10月1日 福岡村、川内村大字高津戸の一部が大間々町に編入。
- 1958年(昭和33年)2月1日 大間々町が勢多郡黒保根村大字上神梅・下神梅・塩沢を編入。
- 1990年(平成2年)4月1日 笠懸村が町制施行し、笠懸町となる。
- 2006年(平成18年)3月27日 新田郡笠懸町、山田郡大間々町、勢多郡東村が合併しみどり市となる。
- 2022年(令和4年)4月1日 旧東村地域に引き続き、旧大間々町地域が新たに過疎地域に指定された。
みどり市域の変遷
時代 | 新田郡 | 山田郡 | 勢多郡 |
---|---|---|---|
明治時代以前 | 阿左美村 | 大間々村 | 上神梅村 |
鹿村 | 桐原村 | 下神梅村 | |
久宮村 | 高津戸村 | 塩沢村 | |
西鹿田村 | 福岡村 | 花輪村 | |
浅原村 | 荻原村 | ||
塩原村 | 小夜戸村 | ||
小平村 | 小中村 | ||
長尾根村 | 神戸村 | ||
座間村 | |||
草木村 | |||
沢入村 | |||
明治時代 – 大正時代 | 明治22年4月1日新田郡笠懸村 | 明治22年4月1日町制山田郡大間々町 | 明治22年4月1日南勢多郡東村 |
明治22年4月1日山田郡福岡村 | 明治29年4月1日勢多郡東村 | ||
明治22年4月1日山田郡川内町の一部 | |||
昭和時代 | 平成2年4月1日町制新田郡笠懸町 | 昭和29年10月1日山田郡大間々町 | |
昭和33年2月1日山田郡大間々町 | |||
平成時代 | 平成18年3月27日市制みどり市 |
みどり市の行政
市長
代 | 氏名 | 就任日 | 退任日 |
---|---|---|---|
初代-3代目 | 石原条 | 2006年4月23日 | 2018年4月22日 |
4代目 | 須藤昭男 | 2018年4月23日 | 現職 |
市役所
みどり市役所は「分庁方式」をとっており、3庁舎と1支所に分かれている。対外上は笠懸庁舎を本庁としている。分庁方式により、業務が繁雑になっていることから、大間々庁舎を本庁とする「本庁方式」への変更が検討されている。
- 笠懸庁舎(笠懸町鹿2952)
- 政策企画部、総務部、市民部、健康福祉部、会計局など
- 大間々庁舎(大間々町大間々1511)
- 議会事務局、監査委員事務局、農業委員会事務局、産業観光部、都市建設部、大間々市民生活課など
- 東支所(東町花輪205-2)
- 東市民生活課など
- 教育庁舎(大間々町大間々235-6)
- 教育部など
みどり市の経済・産業
みどり市の特産品としては、トマトやナスなどが挙げられます。また、市内で製造された優れた商品や工芸品に対し、「みどり市ブランド」の商品として市が認証しています。
商業
流通・小売施設
- ショッピングモール・スーパーマーケット
- Aコープ 笠懸店(笠懸町鹿)
- ベイシア 大間々店(大間々町大間々)
- とりせん 大間々店(大間々町大間々)
- フジマート 大間々店(大間々町桐原)
- トライアル 笠懸店(笠懸町鹿)
- 大間々ショッピングセンターさくらもーる・カスミ 大間々店(大間々町大間々)
- やましろや かさかけ店(笠懸町阿左美)
- アクロスプラザ笠懸・フレッセイ笠懸店(笠懸町阿左美)
- ツルヤみどり店(笠懸町鹿)
- ホームセンター
- セキチュー 大間々店(大間々町大間々)
- カインズ 笠懸店(笠懸町阿左美)
- コメリ 大間々店(大間々町桐原)
- 家電量販店
- ヤマダデンキ 家電住まいる館YAMADAみどり店(笠懸町阿左美)
- ケーズデンキ みどり店(笠懸町阿左美)
- 書店
- 星彦書店(大間々町大間々)
- くまざわ書店 大間々店(大間々町大間々)
- 文真堂書店 大間々店(大間々町大間々)、阿左美店(笠懸町阿左美)
金融
- 群馬銀行 笠懸支店、大間々支店
- 足利銀行 桐生市場支店
- 桐生信用金庫 みどり支店、笠懸支店、久宮支店、大間々支店
- しののめ信用金庫 大間々支店
- あかぎ信用組合 笠懸支店
- ぐんまみらい信用組合 大間々支店
- 新田みどり農業協同組合
企業
市内に本社を置く主な企業
* 赤城観光自動車(陸運業)(大間々町大間々)
* 星野物産(食料品)(大間々町大間々)
* わたらせ渓谷鐵道(陸運業)(大間々町大間々)
その他
- 小夜戸衛星通信所 – NTTドコモの衛星電話(ワイドスター)地上局(東町小夜戸)
みどり市の交通
鉄道
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- ■両毛線:岩宿駅
- 東武鉄道
- ■桐生線:赤城駅 – (桐生市) – 阿左美駅
- わたらせ渓谷鐵道
- ■わたらせ渓谷線:大間々駅 – 上神梅駅 – (桐生市) – 花輪駅 – 中野駅 – 小中駅 – 神戸駅 – 沢入駅
- 上毛電気鉄道
- ■上毛線:赤城駅
岩宿駅がJTB時刻表において中心駅と記載されています。
バス
路線バス
赤城観光自動車が、神戸駅を中心に東町内のほぼ全域を網羅する形で5つの路線バス網を持つ。
- 小中線
- 二区集会所線
- 花輪線
- 沢入春場見線
- 美術館循環線
上記以外に、市営のコミュニティバスとして「大間々・笠懸路線バス」の実証実験運行が2023年1月より実施されています。
デマンド交通
みどり市は、「電話でバス」というデマンドバスを運行しています。大間々・笠懸地区を主な運行エリアとし、事前に予約センターへ電話予約することで利用できます。市内に路線を持つバス事業者に運行を委託し運営されています。
道路
- 市内には高速道路がなく、最寄りのインターチェンジは北関東自動車道の太田藪塚インターチェンジ(太田市)です。
- 市内を走る国道
- 国道50号
- 国道122号:道の駅富弘美術館
- 国道353号
みどり市の教育・文化・スポーツ
教育
高等学校
- 群馬県立大間々高等学校
中学校
- みどり市立笠懸中学校
- みどり市立笠懸南中学校
- みどり市立大間々中学校
- みどり市立大間々東中学校
小学校
- みどり市立笠懸小学校
- みどり市立笠懸東小学校
- みどり市立笠懸北小学校
- みどり市立笠懸西小学校
- みどり市立大間々北小学校
- みどり市立大間々南小学校
- みどり市立大間々東小学校
義務教育学校
- みどり市立あずま小中学校(2022年4月にみどり市立あずま小学校とみどり市立東中学校を統合)
特別支援学校
- 群馬県立渡良瀬特別支援学校
文化
文化施設
美術館
* 富弘美術館
博物館・記念館・資料館・交流館
* 岩宿博物館
* 大間々博物館(コノドント館)
* 童謡ふるさと館
* 陶器と良寛書の館
* 旧花輪小学校記念館
* 福岡記念館
* 多世代交流館(旧みどり市立福岡西小学校)
スポーツ
スポーツ施設
体育館
* 桐生大学グリーンアリーナ(みどり市民体育館)
* 東運動公園社会体育館
球場
* 東運動公園野球場
グラウンド
* 笠懸グラウンド
* 西鹿田グラウンド
* 大間々グラウンド
* 桐原グラウンド
* グンエイ神梅グラウンド
ボルダリング施設
* みどり市ボルダリング施設(旧東中学校体育館)
みどり市の観光
名所・旧跡・観光スポット
- 岩宿遺跡
- ながめ公園
- 高津戸峡
- はねたき橋
- 小平の里
- 貴船神社
- 小中大滝
- けさかけ橋
- 塔ノ沢の石造釈迦涅槃像(寝釈迦)
祭事・催事
- 大間々祇園まつり(8月1〜3日)
- 草木湖まつり
- 笠懸まつり
- 草木湖マラソン
- カタクリさくらまつり
- ひまわりの花畑まつり
- 関東菊花大会
みどり市の出身著名人・ゆかりのある人物
出身著名人
- アンカンミンカン(お笑いコンビ)
- 石原和三郎(作詞家、童謡「うさぎとかめ」作詞者)
- 今泉嘉一郎(日本鋼管創設者)
- 岩崎利彦(ハードル選手)
- おーはしるい(漫画家)
- 小倉唯(声優、歌手)
- 須永和男(ASEAN政府代表部特命全権大使、防衛省防衛政策局次長)
- 三遊亭圓太(落語家・6代目三遊亭圓太)
- 高瀬正仁(九州大学大学院数理学研究院准教授)
- 林眞未(女子バスケットボール選手)
- 星野富弘(詩人・画家)
- 松島良一(空手家・極真会館 松島道場代表)
- 茂木宏美(女子プロゴルファー)
ゆかりの著名人
- 岩沢正作(博物学者)赤城の主。
- 相沢忠洋 (考古学者) 岩宿遺跡を発見。旧・笠懸村名誉村民。
みどり市のまとめ
みどり市は、豊かな自然、歴史、文化が調和した魅力的な街です。雄大な赤城山を望む風景、歴史を感じさせる遺跡、そして芸術に触れる美術館など、見どころ満載です。ぜひ、みどり市を訪れて、その魅力を体感してみてください。
みどり市についてのクイズ
みどり市はどの年に誕生しましたか?
みどり市は2006年3月27日に、笠懸町、大間々町、東村の3つの町村が合併して誕生しました。この合併は平成の大合併の一環として行われ、群馬県で唯一このように誕生した市です。合併により新田郡和山田郡の町村が統合されたことで、市名にはひらがなが使用され、群馬県で初の試みとなりました。合併以前のそれぞれの町村が持っていた歴史や文化が『みどり市』という新しい名称の下に集約され、緑豊かな自然や地域の特性を大切にしています。
みどり市の隣接自治体はどれですか?
みどり市は群馬県東部に位置し、主に桐生市と隣接しています。また、伊勢崎市、太田市、沼田市と接しており、さらに栃木県の佐野市、鹿沼市、日光市とも接する地理的な位置にあります。みどり市の地理的特性として、桐生市への通勤率が22.69%であり、同じ生活圏に属しているため、経済的・行政的にも深い関係があります。みどり市の地勢は南北に長く、桐生市に挟まれる形状が特徴的で、住民同士の交流が盛んな地域です。
みどり市の特産品には何が含まれますか?
みどり市の特産品としては、トマトやナスが挙げられます。市内で生産されるこれらの農産物は、新鮮で美味しいと評判であり、地元のマーケットや直売所で販売されています。また、みどり市では地元で製造された優れた商品や工芸品を認証する『みどり市ブランド』が設けられており、この取り組みを通じて地域の特産品の価値を高めています。地域のお祭りやイベントでもこれらの特産品が紹介される機会が多く、消費者との結びつきも強化されています。
みどり市に位置する美術館はどれか?
みどり市には富弘美術館があります。この美術館は詩人・画家の星野富弘氏の作品を展示しており、彼の活動や人生を反映しています。富弘美術館は訪れる人々に感動を与えるような、アートと自然が調和した場所です。市内の他の美術館や博物館とともに、地域の文化拠点としても重要な役割を果たしています。美術館には作品の展示に加え、さまざまなワークショップやイベントも開催されるため、多くの人々が訪れます。
みどり市の初代市長は誰ですか?
みどり市の初代市長は石原条氏です。彼は2006年4月23日に初めて市長に就任し、2018年4月22日まで市政を担いました。みどり市が誕生してからの初期の段階で、地域の基盤作りや住民サービスの向上に尽力しました。続いて4代目市長に須藤昭男氏が就任し、彼もまた地域の発展に向けた施策に取り組んでいます。市長の役割は、地域のニーズを理解し、さまざまな政策を通じて住民の生活の向上を図ることにあります。