福島県の最西端に位置する只見町は、日本有数の豪雪地帯であり、只見川に複数のダムが建設された水力発電の基地として知られています。秘境ともいえる日本の原風景を残し、豊かな自然と文化が共存する「自然首都」として注目を集めています。
地理と気候
只見町は、福島県会津地方の南会津郡に属し、山々に囲まれた盆地にあります。
山々
- 蒲生岳
- 会津朝日岳
- 浅草岳
河川
- 只見川
- 伊南川
湖沼
- 田子倉湖
- 只見湖
隣接する自治体
- 福島県
- 大沼郡:金山町、昭和村
- 南会津郡:南会津町、檜枝岐村
- 新潟県
- 三条市
- 魚沼市
- 東蒲原郡:阿賀町
只見町は、日本有数の豪雪地帯であり、周辺の自治体と同様に特別豪雪地帯に指定されています。冬には、積雪が3mを超えることも珍しく、厳しい寒さと豪雪が特徴です。
只見町(只見)の気候 |
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月 |
最高気温記録 °C (°F) |
平均最高気温 °C (°F) |
日平均気温 °C (°F) |
平均最低気温 °C (°F) |
最低気温記録 °C (°F) |
降水量 mm (inch) |
降雪量 cm (inch) |
平均降水日数 (≥1.0mm) |
平均月間日照時間 |
出典1:気象庁 |
出典2:気象庁 |
歴史
只見は、古くは養蚕や塩の生産で栄え、鉱山も数多く存在していました。しかし、第二次世界大戦後、只見川の電源開発が急速に進展し、ダムが町の名物となりました。田子倉ダムの建設が本格化した昭和30年代前半には、ダム建設作業員やそれを支える飲食店関係者を含め、人口は3万人を超え、只見町は市制施行に向けて機運が高まりました。しかし、ダム建設の終了とともに人口は減り続け、現在に至っています。
- 1889年(明治22年):町村制施行により、只見村、田子倉村、叶津村、蒲生村、塩沢村、石伏村、寄岩村、十島村が合併し、伊北村が成立。
- 1952年(昭和27年):伊北村が只見村に改称。
- 1955年(昭和30年):明和村と合併し、新たな只見村となる。
- 1959年(昭和34年):朝日村を編入し、町制施行により只見町となる。
- 1968年(昭和43年):南郷村大字和泉田の一部を編入。
- 1994年(平成6年):千葉県柏市と「ふるさと交流都市提携」を結び、姉妹都市となる。
産業と人口
只見町は、水力発電が盛んな地域です。田子倉ダムを含む只見川は、日本有数の電源地帯となっています。
人口推移
年 | 人口 |
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1970年 | 8,838人 |
1975年 | 7,759人 |
1980年 | 7,271人 |
1985年 | 6,731人 |
1990年 | 6,170人 |
1995年 | 5,804人 |
2000年 | 5,557人 |
2005年 | 5,284人 |
2010年 | 4,932人 |
2015年 | 4,470人 |
2020年 | 4,044人 |
出典:総務省統計局 国勢調査 |
交通
鉄道
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)只見線
只見線は、福島県会津若松市から新潟県魚沼市小出駅までを結ぶ路線で、只見町の中心部には只見駅があります。只見線はローカル線であり、列車の本数は多くありませんが、冬季には並行する国道252号が閉鎖されるため、新潟県との唯一の交通手段となります。
2011年(平成23年)7月の集中豪雨により、只見駅から会津川口駅(金山町)間が営業休止となりましたが、2022年10月1日に全線運転が再開されました。同区間は上下分離方式に移行し、福島県が第三種鉄道事業者、JR東日本が第二種鉄道事業者となりました。
バス
- 会津鉄道会津田島駅とJR只見線只見駅を結ぶ「定期路線ワゴン自然首都・只見号」が運行されています。
- デマンド型交通「只見雪んこタクシー」が運行されています。
道路
- 国道252号(冬季閉鎖)
- 国道289号(新潟県方面不通)
教育機関
- 只見町立只見小学校
- 只見町立朝日小学校
- 只見町立明和小学校
- 只見町立只見中学校
- 福島県立只見高等学校
只見ユネスコエコパーク
只見ユネスコエコパークは、只見町全域と檜枝岐村の一部にまたがる生物圏保護地域です。豪雪がもたらす豊かな自然環境とそこに生きる人々がテーマであり、ブナ林やユビソヤナギの河畔林など、貴重な生態系が保たれています。2014年(平成26年)6月にユネスコエコパークに指定されました。
名所・旧跡・観光スポット
- 只見温泉
- 深沢温泉むら湯
- 旧叶津番所
- 水久保城跡
- 河井継之助記念館
- Jパワー只見展示館
- 歳時記会館(物産販売・食事処)
- ただみ・ブナと川のミュージアム(只見町ブナセンター)、水の郷・只見川公園
- ただみ・モノとくらしのミュージアム
- 成法寺
- 奥只見ダム
- 大鳥ダム
- 田子倉ダム
- 黒谷ダム
- 三石神社
- 恵みの森(ブナ原生林)
姉妹都市
- 柏市(千葉県)
関連人物
- 三瓶宏志(NHKアナウンサー)
- 天童よしみ(演歌歌手・母方の祖母が只見町出身)
- 関町知弘(ライス、お笑い芸人・母方の祖母が只見町出身)
最後に
只見町は、豪雪とダムが織りなす独特の景観と、豊かな自然、歴史、文化を誇る魅力的な町です。近年では、ユネスコエコパークの指定や只見線の全線運転再開など、注目を集めています。ぜひ、只見町を訪れて、その魅力を体感してみてください。
只見町についてのクイズ
只見町が位置するのはどの場所ですか?
只見町は福島県の最西端、つまり西側に位置しています。この地域は豪雪地帯として知られており、自然と共存した町づくりがされています。また、只見町は日本の原風景が残る秘境ともいえ、周囲を山々に囲まれた盆地に位置しています。この特異な地理と気候条件が、町の産業や文化に大きく影響を与えています。特に冬には3メートルを超える積雪があるため、厳しい環境の中で独自の文化が育まれています。
只見町で特に注目される水力発電施設はどれですか?
只見町で特に注目される水力発電施設の一つが田子倉ダムです。田子倉ダムは只見川に位置し、日本有数の電源地帯として、水力発電の重要な役割を果たしています。ダムの建設が進んだ昭和30年代には、只見町の人口も増加し、地域経済にも大きな影響を与えましたが、その後、ダム建設が終わると人口が減少傾向にあります。しかし、田子倉ダムを中心とした水力発電は、現在も重要な投資対象として地域の支えとなっています。
只見町が「ユネスコエコパーク」に指定されたのはいつですか?
只見町がユネスコエコパークに指定されたのは2014年(平成26年)です。この指定は、只見町全域とその周辺、特に檜枝岐村の一部が対象となっています。豊かな自然環境とその中での人々の生活様式が評価され、エコパークのテーマは「豪雪がもたらす自然環境とそこに生きる人々」とされています。ブナ林やユビソヤナギの河畔林など、貴重な生態系が保護されていることから、自然保護と観光の振興が同時に進められています。
只見線はどこを結ぶ鉄道路線ですか?
只見線は福島県会津若松市から新潟県魚沼市の小出駅を結ぶ重要な鉄道路線です。この路線は地域住民にとって生活の一部であり、特に冬季には国道252号が閉鎖されるため、新潟県との唯一の交通手段となります。只見線はローカル線であり、列車の本数はあまり多くありませんが、その風景の美しさから観光客にも人気があります。特に、豪雪地帯ならではの特異な景観は、多くの訪問者を魅了しています。