熊本県の中央部に位置する甲佐町は、雄大な九州山地と熊本平野が織りなす、自然豊かな町です。歴史と伝統を守りながら、現代社会に合わせた発展を遂げている甲佐町は、静かで穏やかな暮らしを求める人々にとって魅力的な場所となっています。この記事では、甲佐町の魅力を、地理、歴史、経済、地域、交通、観光スポット、出身著名人など様々な角度から紹介します。
自然豊かな環境と歴史が息づく町
甲佐町は、熊本市から南東へ約20kmの場所に位置し、北西部は熊本平野の南東端、町域の多くは九州山地に含まれ、標高が高くなっています。町の中央を流れる一級河川・緑川は、アユ釣りスポットとして知られ、毎年6月~10月には多くの釣り人で賑わいます。豊かな自然に囲まれた甲佐町は、古くから人々が暮らし、歴史を感じさせる場所でもあります。
地理
気候
甲佐町の気候は、温暖で過ごしやすい気候です。年間を通して降水量が多く、夏は高温多湿、冬は比較的温暖です。四季折々の美しい景色を楽しむことができます。
甲佐(1991年 – 2020年)の気候 |
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月 |
最高気温記録 °C (°F) |
平均最高気温 °C (°F) |
日平均気温 °C (°F) |
平均最低気温 °C (°F) |
最低気温記録 °C (°F) |
降水量 mm (inch) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) |
平均月間日照時間 |
出典1:Japan Meteorological Agency |
出典2:気象庁[1] |
隣接している自治体・行政区
甲佐町は、以下の自治体と隣接しています。
- 熊本市(南区)
- 御船町
- 宇城市
- 下益城郡美里町
地名
甲佐町は、以下の地区で構成されています。
- 有安
- 岩下
- 大町
- 豊内
- 西寒野
- 仁田子
- 東寒野
- 横田
- 上早川(旧竜野村)
- 下横田(旧竜野村)
- 中横田(旧竜野村)
- 麻生原(旧乙女村)
- 田口(旧乙女村)
- 津志田(旧乙女村)
- 中山(旧乙女村)
- 船津(旧乙女村)
- 府領(旧乙女村)
- 南三箇(旧乙女村)
- 世持(旧乙女村)
- 小鹿(旧宮内村)
- 上揚(旧宮内村)
- 坂谷(旧宮内村)
- 西原(旧宮内村)
- 安平(旧宮内村)
- 糸田(旧白旗村)
- 芝原(旧白旗村)
- 白旗(旧白旗村)
- 早川(旧白旗村)
- 吉田(旧白旗村)
- 緑町(1974年、仁田子より分立。)
歴史
沿革
甲佐町の歴史は古く、江戸時代には、熊本藩の領地として栄えていました。明治時代には、町村制が施行され、現在の甲佐町が誕生しました。
- 1889年(明治22年)- 4月1日、町村制施行に伴い、上益城郡甲佐町、宮内村、竜野村、白旗村、乙女村が発足する。
- 1893年(明治26年)- 6月13日、司法省令により熊本地方裁判所 御船区裁判所(堅志田登記所等)の管轄となる[2]。
- 1955年(昭和30年)- 1月1日、甲佐町、宮内村、竜野村、白旗村、乙女村が対等合併し、新町制による甲佐町が発足する。
- 1994年(平成6年)- 4月1日、下益城郡城南町と境界変更。
行政
町長
- 奥名克美(おくな かつみ)2007年9月1日~2023年8月31日
- 甲斐高士(かい こおし)2023年9月1日~
経済
主要産業
甲佐町の主要産業は、農業、製造業、サービス業です。農業は、米、麦、野菜、果物など、多様な作物が栽培されています。製造業は、食品加工、物流、自動車関連など、様々な分野で発展しています。サービス業は、飲食店、小売店、宿泊業などが中心です。
甲佐町に本社・事業所を置く主要企業
- 大福物流:本社
- 木村:甲佐工場
- 日立物流九州:機工営業部熊本事業所
- ネッツトヨタ熊本:ボディーショップ甲佐センター
- 上益城農業協同組合:本店(本所)
地域
人口
甲佐町の人口は、近年減少傾向にあります。2024年8月1日現在、推計人口は9,668人です。
甲佐町と全国の年齢別人口分布(2005年) | 甲佐町の年齢・男女別人口分布(2005年) |
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■紫色 ― 甲佐町■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性■赤色 ― 女性 |
甲佐町(に相当する地域)の人口の推移 | 1970年(昭和45年) |
総務省統計局 国勢調査より |
教育
甲佐町には、小学校4校、中学校1校、高等学校1校があります。教育機関が充実しており、子どもたちが安心して学べる環境が整っています。
高等学校
- 熊本県立甲佐高等学校
中学校
甲佐町立
- 甲佐中学校
小学校
甲佐町立
- 甲佐小学校
- 龍野小学校
- 白旗小学校
- 乙女小学校
交通
空港
甲佐町から最も近い空港は、熊本空港(阿蘇くまもと空港)です。
鉄道
現在、甲佐町には鉄道路線はありません。かつては、熊本市内の南熊本駅と現在の美里町内の砥用駅を結ぶ熊延鉄道が通っていましたが、1964年に廃止されました。
- 最寄り鉄道駅はJR九州鹿児島本線松橋駅。
バス
甲佐町には、熊本バスが運行する路線バスがあります。熊本市中心部や周辺の自治体とのアクセスも良好です。
熊本バス
熊本市中央区の熊本桜町バスターミナルから上益城郡嘉島町、同郡御船町を経由して当町に至る路線が運行される。運行頻度は1時間に片道2本以上。大別してイオンモール熊本経由と健軍経由がある。郡部へは、乙女経由便や砥用方面行きがあり、ほぼ全て熊本市内直通である。
田迎、イオンモール熊本系統
- 御船経由 M3-1
- 桜町BT – 田迎 – イオンモール熊本 – 御船恐竜博物館前 – 塔の木 – 甲佐
- 辺場経由 M4-1・M4-2・M4-3
- 桜町BT – 田迎 – イオンモール熊本 – 辺場 – 塔の木 – 甲佐 – 砥用・学校前 – 浜町
M4-1・・・甲佐発着、M4-2・・・砥用・学校前発着、M4-3・・・浜町(矢部)発着
- 乙女経由 M5-1
- 桜町BT – 田迎 – イオンモール熊本 – 杉木今・バイパス – 乙女小学校前 – 甲佐
通町筋、熊本県庁前系統
- 健軍、御船経由 K2-4・K2-5
- 桜町BT – 通町筋 – 熊本県庁前 – 健軍電停前 – 秋津団地 – 上六嘉 – 御船恐竜博物館前 – 塔の木 – 甲佐 – 砥用・学校前
K2-4・・・甲佐発着、K2-5・・・砥用・学校前発着
-
画図橋、イオンモール熊本、辺場経由 K1-4
- 桜町BT – 通町筋 – 熊本県庁前 – 画図橋 – 烏ヶ江 – イオンモール熊本 – 辺場 – 塔の木 – 甲佐
-
甲佐町営バス
- 麻生交通
※2009年4月に熊本バスから「氷川ダム線」「小市野線」を譲渡
道路
高速道路
- 九州自動車道
- 緑川パーキングエリア
※町内にインターチェンジはない。最寄りインターチェンジは御船インターチェンジ。
一般国道
- 国道443号
県道
主要地方道
* 熊本県道32号小川嘉島線
* 熊本県道38号宇土甲佐線
一般県道
* 熊本県道105号甲佐小川線
* 熊本県道152号稲尾野甲佐線
* 熊本県道220号三本松甲佐線
* 熊本県道239号御船甲佐線
* 熊本県道240号今吉野甲佐線
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
甲佐町には、歴史を感じさせる神社仏閣や、自然豊かな観光スポット、地元の伝統文化を感じられる祭りなど、魅力的な観光資源が数多く存在します。
- 甲佐神社 – 上益城郡甲佐町上揚876
- 早川厳島神社 – 上益城郡甲佐町早川762
- やな場
- 井戸江峡
- 清正公山
- 中甲橋グリーンパーク
- 津志田河川自然公園(乙女河原)
- 麻生原のキンモクセイ
- 初市(3月上旬)
- スポーツフェスタ(3月下旬)
- あゆまつり(7月下旬)
- 甲佐蚤の市(10月第1日曜日[3])
- 熊本甲佐10マイル公認ロードレース大会(12月第2日曜日)
出身著名人
甲佐町からは、様々な分野で活躍する著名人が輩出しています。
- 松野信夫(参議院議員、出生地は東京都)
- 西住小次郎(軍人、軍が公式に指定した最初の軍神)
- 井芹経平(教育者、済々黌校長)
- レイザーラモンRG(お笑いタレント – レイザーラモン)
- ミートボール岡部(お笑いタレント – 肥後ドッコイ)
- 寺本比呂文(元プロ野球選手)
- 藤本康太(プロサッカー選手)
- 高崎健太郎(プロ野球選手)
- 藤本大(プロサッカー選手)
- 飯田怜(陸上競技選手)
- 内村健一(天下一家の会事件の第一相互経済研究所の主宰者)
脚注
- “甲佐 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月24日閲覧。
- 内閣官報局 1893.
- “甲佐蚤の市(公式サイト)”. 2017年4月2日閲覧。
参考文献
- 内閣官報局『区裁判所出張所及登記所管轄区域表(司法省令第10号)』内閣官報局、東京、1893年。
- 甲佐町『甲佐町の沿革と歴史』
- 甲佐町『甲佐町史』、1966年。
- 甲佐町教育委員会『新甲佐町史』、2013年3月。
- 千賀博『錬成教育提要』熊本県立甲佐高等女学校報国団、熊本県、1943年。
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 甲佐町 (KosaTownKumamotoJapan) – Facebook
- 甲佐町 (@town.kosa.kumamoto.jp) – Instagram
- ウィキトラベルには、甲佐町に関する旅行ガイドがあります。
- 甲佐町に関連する地理データ – オープンストリートマップ
- 地図 – Google マップ
甲佐町は、豊かな自然と歴史、そして活気あふれる町です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してください。
甲佐町についてのクイズ
甲佐町の気候はどのような特徴がありますか?
甲佐町の気候は温暖で過ごしやすく、年間を通じて降水量が多いのが特徴です。夏は高温多湿ですが、冬は比較的温暖な日が多い傾向があります。また、四季ごとに異なる美しい自然の景色が楽しめるため、地元の人々だけでなく訪れる観光客にも喜ばれています。特に、四季折々の自然の変化は、釣りやハイキングといった屋外活動を通じて体験することができ、地域の人々はこの自然を大切にしながら生活しています。気候は人々の生活スタイルにも影響を与えており、地域の農業活動とも密接に関連しています。
甲佐町に隣接している自治体はどれですか?
甲佐町は、熊本市(南区)、御船町、宇城市、下益城郡美里町と隣接しています。これらの自治体との繋がりは交通や経済活動にも影響を与えており、地域全体の発展に寄与しています。特に、熊本市とのアクセスが良好であることから、甲佐町の住民や企業にとって熊本市への通勤や取引先との関わりが重要な要素となっており、経済的にも活発な地域を形成しています。
甲佐町の主要産業はどれですか?
甲佐町の主要産業は農業、製造業、サービス業であり、特に農業が地域経済を支える重要な要素となっています。米や野菜、果物などが生産されており、地域の特産物として市場にも出されています。また、製造業においては食品加工や自動車関連企業が進出しており、地元の雇用の創出にも寄与しています。サービス業に関しては、飲食店や小売店が中心となっており、地域のクリエーティブな発展にも大きく貢献しています。
甲佐町にはいくつの小学校がありますか?
甲佐町には4校の小学校があります。これらの小学校は地域に根ざした教育を提供しており、子どもたちが安心して学べる環境が整っています。教育機関の数は地域の人口や子どもたちの学ぶ機会に大きく影響し、地域社会の未来における重要な役割を果たしています。教育の充実は住民の生活の質向上にも結びついており、教育環境が整っていることが地域への移住や定住を促進する要因の一つとなっています。
甲佐町で有名な祭りはどれですか?
甲佐町で有名な祭りは「甲佐蚤の市」です。毎年10月の第1日曜日に開催され、地域の特産品や手作りの品々が並ぶことで知られています。地元の住民や観光客が集まり、活気ある雰囲気の中で交易や交流が行われます。この祭りは地域の伝統文化を継承し、地域経済を活性化させる重要なイベントとして位置づけられています。甲佐蚤の市を通じて、町の魅力を再発見し、新しい人との出会いや地域の活性化に繋がる機会として、多くの人々に愛されています。