下呂市は、岐阜県の中部に位置する、温泉と豊かな自然に恵まれた街です。日本三名泉の一つである下呂温泉をはじめ、雄大な御嶽山や清流・飛騨川など、魅力的な観光資源が満載です。歴史と文化も深く、古くから温泉街として栄えてきた下呂市は、現代でも多くの人々を惹きつける、癒やしの空間を提供しています。
概要
下呂市は、岐阜県の中部に位置する市で、面積は851.21km²、人口は約28,100人です。市域のほとんどを山林が占め、飛騨川に沿って平坦地とゆるやかな斜面が広がっています。
日本三名泉
下呂市は、日本三名泉の一つである下呂温泉を有しています。有馬温泉(兵庫県)、草津温泉(群馬県)と並ぶ、日本を代表する温泉です。
下呂温泉は、古くから湯治場として栄え、現在も多くの観光客が訪れます。温泉街には、旅館やホテルが立ち並び、温泉街ならではの風情を楽しめます。
下呂温泉以外の温泉
下呂市には、下呂温泉以外にも、小坂温泉郷(濁河温泉、下島温泉、湯屋温泉)、美輝の里(馬瀬)、しみずの湯(萩原)、道の駅飛騨金山ぬく森の里温泉(金山)など、多くの温泉施設があります。
地名の由来
下呂市の名前は、古代にこの地に置かれた「下留駅」に由来します。
『続日本紀』によると、宝亀2年(776年)に、下呂温泉付近には美濃国の菅田駅と飛騨国大野郡の伴有駅がありましたが、両駅間の距離が長く道も険しかったため、間に新たな駅として「下留駅」が設置されました。
その後、時代が進むにつれて「下留」は「げる」と読まれるようになり、現在の「下呂」の音と表記になったと考えられています。
地理
位置
下呂市は、岐阜県のほぼ中央部に位置し、北は高山市、南は中津川市、西は郡上市、東は長野県木曽郡と接しています。
地形
下呂市は、山岳、河川、湖沼に恵まれた自然豊かな地域です。
山岳
- 御嶽山(日本百名山)
- 川上岳(かおれだけ、日本三百名山)
河川
- 飛騨川(益田川)
- 馬瀬川
- 小坂川
馬瀬川は、アユ釣りの宝庫として知られています。平成19年(2007年)には、東京都内のホテルで開催された「清流めぐり利き鮎会」で、馬瀬川の鮎がグランドチャンピオンを獲得しました。
小坂川は、滝の多い地域として有名です。5m以上の滝が200か所以上あり、日本の滝百選の一つである根尾の滝も小坂川にあります。御嶽山には、標高2,800mのところに「日本一高いところにある滝」もあります。
湖沼
- 大ヶ洞ダム
- 東仙峡金山湖(岩屋ダム湖)
- 下原ダム
- 岩屋ダム
気候
下呂市は、内陸性気候で、夏は暑く、冬は寒いです。特に、旧・馬瀬村は豪雪地帯で、冬季は積雪量が多いです。
下呂市萩原(萩原地域気象観測所)の気候 |
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月 |
平均最高気温 °C (°F) |
日平均気温 °C (°F) |
平均最低気温 °C (°F) |
歴史
沿革
- 2004年(平成16年)3月1日 – 益田郡の上呂町、萩原町、金山町、小坂町、馬瀬村が合併し、下呂市が発足しました。
政治
行政
市長
- 山内 登(2020年4月18日就任、2期目)
役所
- 下呂庁舎
- 萩原庁舎
- 下呂振興事務所
- 萩原振興事務所
- 小坂振興事務所
- 金山振興事務所
- 馬瀬振興事務所
議会
- 下呂市議会
- 岐阜県議会
- 衆議院
出先機関・施設
国家機関
- 国土交通省
- 農林水産省
県政機関
- 岐阜県下呂総合庁舎
- 岐阜県立下呂温泉病院
施設
警察
- 下呂警察署
消防
- 下呂市消防本部
医療・福祉
- 下呂市立金山病院
- 南ひだせせらぎ病院
- 養護老人ホームあさぎりサニーランド
- 特別養護老人ホームあさぎりサニーランド
- 特別養護老人ホームかなやまサニーランド
郵便局
- 小坂郵便局
- 萩原郵便局
- 馬瀬郵便局
- 下呂郵便局
- 金山郵便局
図書館
- 下呂市図書館(総称)
文化施設
- 下呂市星雲会館
- 下呂市下呂市民会館
- 下呂市金山市民会館
- 下呂市下呂ふるさと歴史記念館
- 下呂市金山郷土館
- 加藤素毛記念館
- 小坂郷土館
- 禅昌寺歴史資料館
運動施設
- あさぎりスポーツ公園
- 飛騨川公園
- 御嶽パノラマグラウンド
- 金山リバーサイドスポーツセンター
- 下呂交流会館
研修施設
- 南飛騨健康増進センター
- 位山自然の家
- 御嶽濁河高地トレーニングセンター
対外関係
姉妹都市・提携都市
国内
- 一宮市(愛知県)
- 宝達志水町(石川県)
海外
- ケチカン市(アメリカ合衆国)
- ペンサコーラ市(アメリカ合衆国)
- サレゾポリス市(ブラジル連邦共和国)
経済
産業
下呂市の主要産業は、観光業、農業、林業です。
市内に本社がある企業
- 益田信用組合
情報・生活
マスメディア
放送局
- シーシーエヌ (CCN下呂支局)(下呂ネットサービス)(ケーブルテレビ)
- コミュファ光テレビ(一部地域)
ライフライン
電力
- 中部電力パワーグリッド
電信
- NTT西日本
- シーシーエヌ (CCN下呂支局)
- 中部テレコミュニケーション (コミュファ)(一部地域)
教育
専修学校
- 岐阜県立下呂看護専門学校
高等学校
- 岐阜県立益田清風高等学校
中学校
- 下呂市立萩原南中学校
- 下呂市立萩原北中学校
- 下呂市立小坂中学校
- 下呂市立下呂中学校
- 下呂市立竹原中学校
- 下呂市立金山中学校
小学校
- 下呂市立小坂小学校
- 下呂市立宮田小学校
- 下呂市立尾崎小学校
- 下呂市立萩原小学校
- 下呂市立竹原小学校
- 下呂市立下呂小学校
- 下呂市立上原小学校
- 下呂市立馬瀬小学校
- 下呂市立金山小学校
特別支援学校
- 岐阜県立下呂特別支援学校
自動車学校
- 益田自動車教習所
その他
- 愛知淑徳学園飛騨林間学舎「淑友館」
交通
鉄道
- 東海旅客鉄道(JR東海)
- 高山本線
バス
- げろバス(下呂市コミュニティバス)
- 濃飛乗合自動車
道路
高速道路
- 濃飛横断自動車道
- 高山下呂連絡道路
国道
- 国道41号
- 国道256号
- 国道257号
県道
- 岐阜県道58号関金山線
- 岐阜県道62号下呂白川線
- 岐阜県道64号可児金山線
- 岐阜県道85号金山上之保線
- 岐阜県道86号金山明宝線
- 岐阜県道88号下呂小坂線
- 岐阜県道98号宮萩原線
農道
- 美濃東部広域農道
道の駅
- 道の駅馬瀬 美輝の里
- 道の駅南飛騨小坂
- 道の駅飛騨金山ぬく森の里温泉
観光
名所・旧跡
- 桜洞城跡
- 萩原諏訪城
- 縣神社
- 出雲大社飛騨教会
- 柯柄八幡神社
- 加恵瑠神社
- 久津八幡宮
- 下原八幡神社
- 祖師野八幡宮
- 森水無八幡神社
- 阿弥陀寺
- 温泉寺
- 玉龍寺
- 地蔵寺
- 禅昌寺
- 大威徳寺跡
- 龍泉寺
- 岩屋岩蔭遺跡(金山巨石群)
観光スポット
- 下呂温泉
- 濁河温泉
- 湯屋温泉
- 下島温泉
- 飛騨川温泉
- 乗政温泉
- 南飛騨馬瀬川温泉
- 飛騨金山温泉
- 御嶽山
- 巌立峡
- 横谷峡
- 中山七里
- 根尾の滝(日本の滝百選)
- 苗代桜
- 白雲座
- 鳳凰座
- 六ツ見橋
- 飛騨御嶽高原高地トレーニングエリア
- 下呂発 温泉博物館
- 下呂温泉合掌村
- 湯のまち雨情公園
文化・名物
祭事・催事
- 下呂温泉まつり
- 飛騨小坂力持ち小太郎火まつり
- 飛騨金山花火大会
- ギフチョウの里〜ひだ金山清流マラソン大会
- 馬瀬川花火大会
- 下呂温泉花火ミュージカル夏・冬公演
- 下呂の田の神祭(重要無形民俗文化財)
- 鳳凰座歌舞伎
- 湯之花芸妓連
名産・特産
- 一位一刀彫
- 鶏ちゃん
- 朴葉寿司
- 下呂プリン
- 栃の実せんべい
- さるぼぼ
- 龍の瞳(いのちの壱)
- トマト丼
伝説
- 両面宿儺
出身関連著名人
出身著名人
- 熊﨑勝彦 – 元東京地検特捜部長、第13代プロ野球コミッショナー
- 森本宏 – 検察官、元東京地検特捜部長
- 黒木博司 – 海軍少佐、回天発案者
- 中島完一 – 陸軍中将
- 長尾四郎右衛門章善 – 元衆議院議員、元貴族院多額納税者議員。
- 長尾元太郎章正 – 元衆議院議員、元貴族院議員。四郎右衛門章善の長男。
- 加藤素毛 – 江戸幕府の万延元年遣米使節随行員
- 加藤鎮之助 – 篤志家、楠妣庵観音寺中興の人。加藤素毛の甥。
- 加藤於兎丸 – 第33代佐賀県知事、第31代宮城県知事。
- 加藤翼 – プロ野球選手
- 今井雅人 – 衆議院議員
- 細江静男 – 医師、ブラジルの地域医療に貢献。
- 鈴木修 – 日本の実業家、自動車メーカースズキの代表取締役会長兼社長(CEO&COO)
- 佐古則男 – 日本の実業家、元ユニーグループ・ホールディングス社長兼ユニー社長。
- 都竹通年雄 – 日本語学者
- 藤原信 – 彫刻家、ハノーファー専科大学教授
- 田口貞善 – スポーツ科学者、京都大学名誉教授・元野球部監督。
- 永田和宏 – 冶金学者、東京工業大学名誉教授
- 長田百合子 – 教育評論家
- 松原好之 – 小説家、予備校講師、医系予備校 進学塾ビッグバン代表
- 小池民男 – ジャーナリスト
- ちゅうえい – お笑い芸人、流れ星☆
- 赤枝卓 – お笑い芸人
- 今井隆 – 米の新品種「龍の瞳」の育種家。
- かとう有花 – 声優、映画 君の名は。方言監修
- 大前光市 – プロダンサー
ゆかりのある著名人
- 山口一郎 – ミュージシャン、サカナクションのギター兼ボーカル。父親の出身地。
脚注
- 下呂温泉の紹介 地名の由来下呂市公式観光サイト.2021年6月2日閲覧。
- 岐阜県益田郡役所、『岐阜県益田郡誌』合名会社大衆書房、1960年、30頁。
- 金山 2018年8月(日ごとの値) 詳細(降水量・気温)
- 宮地アメダスが気温の観測を開始したのは1978年11月21日からであり、観測史上最も高い最低気温は2019年8月9日、2019年8月12日、2020年8月20日に観測した24.7°Cである。
- “平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2024年3月閲覧。
- “観測史上1~10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2024年3月閲覧。
- “平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2023年4月閲覧。
- “観測史上1~10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2023年4月閲覧。
- “平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2024年3月閲覧。
- “観測史上1~10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2024年3月閲覧。
- 下呂市姉妹都市関係事業
- 藤原信オーラル・ヒストリー 2010年11月29日日本美術オーラルヒストリーアーカイブ、2021年3月17日
- 小樽市議山口たもつが行く!プロフィール – ウェイバックマシン(2016年3月5日アーカイブ分)
関連項目
- 全国市町村一覧
- 日本三名泉
- 飛騨国
- 両面宿儺
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 下呂市に関連する地理データ – オープンストリートマップ
- ウィキトラベルには、下呂市に関する旅行ガイドがあります。
- ウィキボヤージュには、下呂温泉(英語)に関する旅行情報があります。
下呂市についてのクイズ
下呂市に位置する温泉は日本三名泉の一つに数えられていますが、その名前は何ですか?
下呂市にある下呂温泉は、日本三名泉の一つとして知られる非常に有名な温泉です。古くから湯治場として栄え、多くの観光客が年間を通じて訪れています。日本には他にも有馬温泉(兵庫県)や草津温泉(群馬県)という名湯があり、これらと共に下呂温泉は日本を代表する温泉地の一つに位置づけられています。下呂温泉の特徴は、良質な温泉水と温泉街独自の風情にあります。温泉街には数多くの旅館やホテルが点在し、鑑賞や宿泊を楽しむことができます。また、温泉の効能も高く、多くの人々に癒やしを提供しています。温泉以外にも、下呂市には多様な観光スポットがあり、訪れる人々にとって常に新たな魅力が発見される地域です。
下呂市の地名はどの駅から由来していますか?
下呂市の地名は、古代に存在した「下留駅」に由来しています。『続日本紀』によると、宝亀2年(776年)に設置された下留駅は、美濃国の菅田駅と飛騨国の伴有駅の間に位置していました。この距離を短縮するために、新たに設けられた駅の名前が「下留」であり、後に「げる」と読み替えられ、現在の「下呂」という名称に変化したとされています。このように地名の変遷は、地域の歴史的背景や文化を示す重要な要素であり、下呂市のアイデンティティに深く根ざしています。下呂市を訪れる際には、地名の由来を知ることで、更にその魅力を感じることができるでしょう。
下呂市の主要産業は何ですか?
下呂市の主要産業は観光業であり、特に下呂温泉に代表される温泉観光が重要な役割を果たしています。訪れる多くの観光客は、温泉地としての下呂市を求めて来るため、その経済は観光業に大きく依存しています。また、下呂市は豊かな自然環境にも恵まれており、これが登山や渓流釣りなどのアウトドアアクティビティを楽しむ観光客を引き寄せています。さらに、下呂市は農業や林業なども行っており、地元での生産品による特産物が観光客への魅力の一つにもなっています。そのため、観光業と共に地元の産業の結びつきが生まれ、地域の活性化に寄与するものとなっています。
下呂市の気候はどのような特徴がありますか?
下呂市は内陸性気候に属しており、夏は比較的暑く、冬は寒いという特徴があります。特に旧・馬瀬村などの地域は豪雪地帯に該当し、冬季には多くの積雪があります。これにより、冬にはスキーや雪景色といった観光資源が魅力となり、夏には清流や緑に囲まれた自然観光が楽しめるため、四季を通じて異なる魅力を発揮しています。特に、気象観測所での年間の気温や降水量のデータがあり、気候に対する理解が深まり、観光に訪れる人々は、それぞれのシーズンに合わせた楽しみ方を見つけることができるでしょう。
下呂市の姉妹都市はどれですか?
下呂市の姉妹都市の一つは一宮市(愛知県)です。姉妹都市関係は地域間の交流を促進し、文化的な理解を深めるために重要な役割を果たします。下呂市との姉妹都市提携は、地域の特色や資源を活かした国際交流を行うことで、観光客の受け入れや地元経済の活性化に寄与しています。姉妹都市との相互訪問や文化交流イベントを通じて、地域住民同士のネットワークが構築され、双方の地域にとっての価値が創出されているのです。こうした地域間の結びつきは、観光資源としての利用だけでなく、友好関係を築くための重要な要素となっています。