和歌山県串本町は、本州最南端に位置する町であり、雄大な自然と歴史、そして温かい人情あふれる魅力的な場所です。潮岬をはじめとする美しい景観、世界でも珍しい非サンゴ礁海域に存在するサンゴ礁、そしてエルトゥールル号遭難事件など、多くの歴史と文化を育んできた串本町は、観光客だけでなく、移住者にとっても魅力的な場所と言えます。
概要
串本町は、和歌山県の東牟婁郡に属し、紀伊半島の最南端に位置しています。熊野灘の南端部には潮岬が突き出ており、町の中心部は潮岬側と陸地を繋ぐ砂州の上に位置しています。串本町は、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、美しい海岸線、山々、そして島々が織りなす景観は、多くの人々を魅了しています。
地理
地形
串本町の地形は、山地と海岸線が織りなす、変化に富んだ景観を特徴としています。
山地
町域の北部には紀伊山地が連なり、標高1,000メートルを超える山々がそびえ立っています。主な山としては、風吹山や重畳山があります。
河川
古座川は、町の中央部を流れ、串本町を潤す重要な水源となっています。その他、鬮野川や田原川など、大小さまざまな河川が流れています。
海岸
串本町は、熊野灘に面しており、リアス式海岸の美しい景観が広がっています。
磯
熊野灘の荒波に洗われた岩礁は、磯遊びや釣りを楽しむ人々に人気です。
岬
潮岬は、串本町を代表する景勝地であり、本州最南端の地点です。
島嶼
串本町には、紀伊大島、九龍島と鯛島、権現島、通夜島など、大小さまざまな島々が点在しています。
気候
串本町は、海洋性気候に属し、年間を通して温暖な気候に恵まれています。夏は蒸し暑く、冬は比較的穏やかな気候です。
潮岬特別地域気象観測所(串本町潮岬、標高68m)の気候 |
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月 |
最高気温記録 °C (°F) |
平均最高気温 °C (°F) |
日平均気温 °C (°F) |
平均最低気温 °C (°F) |
最低気温記録 °C (°F) |
降水量 mm (inch) |
平均降水日数 (≥0.5 mm) |
% 湿度 |
平均月間日照時間 |
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1913年-現在) [4][5] |
地域
串本町は、2005年の合併により、旧西牟婁郡串本町と旧東牟婁郡古座町が一体となりました。
旧西牟婁郡串本町地区
- 旧西牟婁郡和深村地区:和深、里川、田子、江田
- 旧西牟婁郡田並村地区:田並、田並上
- 旧西牟婁郡有田村地区:有田、有田上、吐生
- 旧西牟婁郡串本町地区:高富、二色、鬮野川、サンゴ台、串本
- 旧西牟婁郡潮岬村地区:潮岬、出雲
- 旧東牟婁郡大島村地区:大島、須江、樫野
旧東牟婁郡古座町地区
- 旧東牟婁郡西向町地区:姫、姫川、伊串、西向、神野川、古田
- 旧東牟婁郡古座町地区:古座、中湊、上野山、津荷
- 旧東牟婁郡田原村地区:田原、佐部、上田原
歴史
串本町は、古くから海の玄関口として栄えてきました。
第一次西牟婁郡串本町時代
- 1889年(明治22年)4月1日:町村制の施行により、串本村が成立。
- 1890年(明治23年)9月16日:エルトゥールル号遭難事件が発生。
- 1907年(明治40年)11月12日:串本村が町制施行して串本町となる。
- 1924年(大正13年)6月30日:西牟婁郡富二橋村を編入。
第二次西牟婁郡串本町時代
- 1955年(昭和30年)7月2日:西牟婁郡串本町・田並村・有田村・潮岬村・和深村が新設合併し、改めて串本町が発足。
- 1958年(昭和33年)1月15日:東牟婁郡大島村を編入。
- 1959年(昭和34年)9月26日:伊勢湾台風が潮岬に上陸。
東牟婁郡串本町時代
- 2005年(平成17年)4月1日:西牟婁郡串本町が東牟婁郡古座町と新設合併して東牟婁郡串本町が発足。
- 2021年(令和3年)7月26日:新庁舎が完成し、移転。
国家機関
串本町には、様々な国家機関が設置されています。
防衛省
- 航空自衛隊串本分屯基地
法務省
- 和歌山地検田辺支部串本区検察庁
裁判所
- 串本簡易裁判所
国土交通省
- 第五管区海上保安本部田辺海上保安部串本海上保安署
施設
串本町には、住民の生活を支える様々な施設があります。
警察
- 和歌山県警察新宮警察署
- 古座交番
- 潮岬警察官駐在所
- 田並警察官駐在所
- 和深警察官駐在所
- 大島警察官駐在所
消防
- 串本町消防本部
- 串本消防署
医療
- くしもと町立病院
郵便局
- 大島郵便局
- 串本郵便局
- 潮岬郵便局
図書館
- 串本町図書館
- 古座図書館
文化施設
- 串本町文化センター
- トルコ記念館
- 日米修交記念館
- 串本応挙芦雪館
運動施設
- 串本町立体育館
- 串本町総合運動公園 サン・ナンタンランド
対外関係
串本町は、海外の都市と姉妹都市提携を結んでいます。
姉妹都市・提携都市
海外
- ヤカケント(トルコ共和国 サムスン県)
- メルスィン(トルコ共和国 メルスィン県)
- ヘメット(アメリカ合衆国 カリフォルニア州)
経済
串本町の経済は、一次産業、特に農業と漁業が中心となっています。
第一次産業
農業
串本町は、温暖な気候を生かして、イチゴやポンカンなどの果樹栽培が盛んです。
- イチゴ
- ポンカン
- キンカン
漁業
串本町は、カツオ漁が盛んで、「しょらさん鰹」としてブランド化されています。
- カツオ
- マグロ
- トビウオ
- サンマ
第三次産業
宇宙
串本町には、日本初の民間ロケット発射場である「スペースポート紀伊」が建設されました。
情報・通信
マスメディア
中継局
- NHK古座中継局
- NHK潮岬テレビ中継局
- 串本中継局
教育
串本町には、小中学校から高等学校まで、様々な教育機関があります。
高等学校
- 和歌山県立串本古座高等学校
中学校
- 串本町立串本中学校
- 串本町立串本西中学校
- 串本町立潮岬中学校
- 串本町立西向中学校
小学校
- 串本町立出雲小学校
- 串本町立大島小学校
- 串本町立串本小学校
- 串本町立串本西小学校
- 串本町立古座小学校
- 串本町立潮岬小学校
- 串本町立田原小学校
- 串本町立橋杭小学校
- 串本町立西向小学校
交通
串本町は、陸海空とアクセスが充実しています。
鉄道
- JR西日本紀勢本線:紀伊田原駅 – 古座駅 – 紀伊姫駅 – 串本駅 – 紀伊有田駅 – 田並駅 – 田子駅 – 和深駅
バス
- 串本町コミュニティバス
道路
高速道路
- 紀勢自動車道
- すさみ串本道路:(すさみ町) – 串本IC(事業中) – 和深IC(事業中) – (那智勝浦町)
国道
- 国道42号
- 国道371号
県道
- 和歌山県道38号すさみ古座線
- 和歌山県道39号串本古座川線
- 和歌山県道40号樫野串本線
- 和歌山県道41号潮岬周遊線
- 和歌山県道227号田原古座線
- 和歌山県道228号高瀬古座停車場線
- 和歌山県道234号長井古座線
道の駅
- 道の駅くしもと橋杭岩
観光
串本町は、豊かな自然と歴史文化に触れることができる、魅力的な観光地です。
名所・旧跡
- 虎城山城
- 無量寺(通称:芦雪寺)
- 樫野埼灯台
- 潮岬灯台
観光スポット
- 串本海中公園
- 串本マリンパーク
- 潮岬
- 潮岬観光タワー
- 橋杭岩
- 橋杭海水浴場
- 串本応挙芦雪館
- 古座海岸
- 九龍島と鯛島
- 海底遺跡
- 紀伊大島
- 海金剛
- 日米修交記念館
- トルコ記念館
- エルトゥールル号遭難慰霊碑
- 樫野埼灯台
文化・名物
祭事・催事
- 磯打ち網漁
- 串本節
出身関連著名人
出身著名人
- 浜野徹太郎
- 明石家さんま
- 大川真郎
- 寺田雅彦
- 岩見よしまさ
- 東里
- 増巳山豪
- 木皮成
- 本田幸大
- 南努
- そらなさゆり
- 山本瑠香
脚注
注釈
出典
- ^ a b “ラムサール条約に登録、非サンゴ礁で世界唯一の串本沿岸海域”. 串本観光協会. 2011年5月25日閲覧。[リンク切れ]
- 「串本沿岸海域とラムサール条約 保全してこそ観光資源(コラム・社説)」『紀伊民報』2006年5月19日。2011年5月25日閲覧。
- “資料1-3 市町村別平均津波高一覧表<満潮位>”. 内閣府防災情報のページ (2012年8月29日). 2024年2月16日閲覧。
- “平年値ダウンロード”. 気象庁. 2021年6月閲覧。
- “観測史上1〜10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2021年6月閲覧。
- “串本町役場新庁舎の竣工式・一般内覧会および開庁日について”. 串本町. 2022年11月23日閲覧。
- 「高台に串本町新庁舎完成 7月4日に竣工式と内覧会」『紀伊民報』2021年5月14日。2022年11月23日閲覧。
- 新宮警察署 和歌山県警察(2024年7月2日閲覧)
- “日本の夕陽百選 串本町”. 朝日・夕陽の放送局. NPO法人 日本列島夕陽と朝日の郷づくり協会. 2022年11月23日閲覧。
- “21世紀に残したい日本の自然100選”. 財団法人 森林文化協会. 2022年11月23日閲覧。
関連項目
- エルトゥールル号遭難事件
- 大間町
- 宮古市
- 下関市
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 南紀串本観光協会
- ウィキトラベルには、串本町に関する旅行ガイドがあります。
- 串本町に関連する地理データ – オープンストリートマップ
- 地図 – Google マップ
- 串本町古座町合併協議会
串本町についてのクイズ
串本町は本州のどの位置にありますか?
串本町は本州最南端に位置する町です。紀伊半島の南端部には潮岬が突き出ており、観光名所としても知られています。この地域は温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、美しい海岸線や森林を有しています。また、串本町は古くから海の玄関口として栄えており、その歴史や文化も魅力の一部です。観光客だけでなく、移住者にも人気が高い場所であり、特にサンゴ礁やリアス式海岸などの自然環境が多くの人々を引き寄せています。
串本町の気候はどのようなタイプですか?
串本町は海洋性気候に属し、年間を通して温暖な気候を持っています。この気候タイプは、内陸部と比べて温度の変動が少なく、夏は蒸し暑く、冬も比較的穏やかな特徴があります。また、海からの影響を受けるため、降水量も多く、湿度が高いです。特に梅雨の季節は降水量が増加し、蒸し暑さが感じられますが、そのおかげで豊かな自然環境が育まれています。
串本町はどの国との姉妹都市提携を結んでいますか?
串本町はトルコ共和国のヤカケント市やメルスィン市、アメリカ合衆国カリフォルニア州のヘメット市と姉妹都市提携を結んでいます。このような国際交流を通じて、文化や情報の交換が行われており、地域の活性化や観光促進にも寄与しています。特にトルコとの関係は、エルトゥールル号遭難事件に起因する歴史的背景があり、両国間の親交を深めるきっかけとなっています。
串本町で盛んな一次産業は何ですか?
串本町の経済は一次産業、特に農業と漁業が中心となっています。温暖な気候を活かして、イチゴやポンカンといった果樹栽培が盛んであり、地域の特産品として知られています。また、漁業も非常に重要で、特にカツオ漁が盛んであり、ブランド名「しょらさん鰹」として知られています。このような一次産業は地域の経済基盤となっており、観光業とも密接に関連しています。