「伊予の小京都」と呼ばれる愛媛県大洲市は、肱川のほとりに佇む歴史と文化が息づく街です。江戸時代の城下町としての面影を残す街並み、雄大な自然、そして伝統芸能や食文化など、魅力あふれる大洲市を、この記事では詳しくご紹介します。
大洲市の概要
大洲市は愛媛県の南予地方に位置し、肱川の流域に広がる豊かな自然に恵まれた街です。かつては、大洲藩の城下町として栄え、現在も歴史的な建造物が数多く残されています。近年では、歴史的資源を活用した観光まちづくりが進められ、2021年には「歴史的資源を活用した観光まちづくり」でグッドデザイン賞を受賞するなど、注目を集めています。
大洲市の歴史
大洲の歴史は古く、室町時代には河辺氏がこの地を支配していました。その後、戦国時代には豊臣秀吉の家臣であった加藤嘉明が、大洲城を築城し、大洲藩が成立しました。江戸時代には、大洲藩は城下町を整備し、商業や文化が発展しました。明治時代以降は、製糸業や製紙業などが発展し、近代都市としての発展を遂げました。
近世
江戸時代には、大洲藩は城下町を整備し、商業や文化が発展しました。
- 大洲城：大洲城は、1603年に加藤嘉明によって築城され、その後、伊達氏、松平氏など、複数の藩主が治めました。現在の大洲城は、2004年に天守閣が復元されたもので、日本100名城のひとつに数えられています。
近代
明治時代には、製糸業や製紙業などが発展し、近代都市としての発展を遂げました。
- 1888年（明治21年）：大洲城天守閣が取り壊されました。
- 1895年（明治28年）：全国蚕糸業大会・第一回全国木蝋業者大会が大洲町で開催されました。
- 1907年（明治40年）：臥龍山荘が完成しました。
現代
昭和時代以降は、人口減少や産業の衰退などの課題を抱えながらも、歴史的資源を活用した観光まちづくりなどに取り組んでいます。
- 1946年（昭和21年）：昭和南海地震の被害を受けました。
- 1950年（昭和25年）：昭和天皇のお召し列車が伊予大洲駅に停車しました。
- 1959年（昭和34年）：鹿野川ダムが完成しました。
- 2000年（平成12年）：松山自動車道が大洲ICまで延伸しました。
- 2004年（平成16年）：大洲城天守閣が復元されました。
- 2018年（平成30年）：平成30年7月豪雨により肱川が氾濫するなど、甚大な被害を受けました。
大洲市の自然
大洲市は、肱川を中心とした豊かな自然に恵まれています。肱川は、愛媛県の中央部を流れ、大洲市街地を貫流する、全長約100kmの河川です。肱川沿いは、桜並木や柳並木が美しく、四季折々の風景を楽しむことができます。
山岳
大洲市には、標高1,000mを超える金山や、冨士山など、多くの山々がそびえています。これらの山々は、豊かな森林に覆われ、ハイキングや登山を楽しむことができます。
- 金山: 大洲市と西予市の境に位置し、標高1,000mを超える山です。山頂からは、大洲市街や肱川を一望できます。
- 冨士山: 大洲市街の北側に位置し、標高500mほどの山です。山頂からは、大洲市街や肱川、そして遠くに瀬戸内海を眺めることができます。
河川
肱川以外にも、河辺川、久米川、矢落川など、多くの河川が流れています。これらの河川は、大洲市の農業や水産業を支えています。
- 肱川: 大洲市の中心部を流れる河川で、全長約100km。かつては舟運が盛んで、現在も「肱川下り」という観光船が運行されています。
- 河辺川: 肱川の支流で、大洲市の中北部を流れています。渓谷美が美しく、ハイキングコースとしても人気です。
島嶼
- 青島: 長浜町沖合にある無人島です。100匹以上の猫が生息しており、「猫の島」として知られています。
大洲市の文化
大洲市には、古くからの伝統芸能や文化が受け継がれています。
- 大洲まつり: 毎年8月に行われる大洲市の夏の風物詩です。大洲城を舞台に、武者行列や屋台などが繰り出されます。
- 肱川下り: 肱川を舟で下る観光船です。春には桜並木を眺めながら、秋には紅葉を楽しむことができます。
- 臥龍山荘: 明治時代に建てられた数寄屋造りの名建築です。庭園も美しく、国の重要文化財に指定されています。
- おはなはん通り: NHK連続テレビ小説「おはなはん」のロケ地として有名です。なまこ壁の家や土蔵群が立ち並ぶ、風情のある街並みです。
- ポコペン横丁: 大洲城の城下町を再現したテーマパークです。江戸時代の街並みを散策したり、伝統工芸品を見たりすることができます。
大洲市の食文化
大洲市には、地元で愛される伝統的な料理や特産品があります。
- 志ぐれ: 大洲市の特産品である、もち米を砂糖で煮詰めた和菓子です。
- 肱川うなぎ: 肱川で育ったうなぎを、蒲焼や白焼きにして味わうことができます。
- 長浜のフグ: 長浜沖で獲れるフグは、新鮮で美味です。
大洲市へのアクセス
大洲市へは、車、電車、バスなどでアクセスすることができます。
- 車: 松山自動車道の大洲ICから約10分です。
- 電車: JR四国の予讃線、愛ある伊予灘線、内子線を利用し、伊予大洲駅で下車します。
- バス: 伊予鉄南予バス、宇和島自動車、肱南観光バス、大洲市営バスなどが運行しています。
まとめ
愛媛県大洲市は、歴史、文化、自然が織りなす魅力あふれる街です。江戸時代の城下町の面影を残す街並み、雄大な自然、そして伝統芸能や食文化など、見どころが満載です。ぜひ一度、大洲市を訪れて、その魅力を体感してみてください。
大洲市についてのクイズ
大洲市はどの地域に位置していますか？
大洲市は愛媛県の南予地方に位置しています。南予地方は愛媛県の南部に位置し、豊かな自然環境と歴史的な背景を持つ地域です。大洲市は肱川の流域に広がっており、歴史的な建造物が数多く残されています。この地域は、江戸時代の城下町の面影を残す街並みが特徴で、商業や文化が発展してきた経緯があります。また、近年は観光資源を活用したまちづくりが進められており、新たな観光名所も増えています。南予地方は、自然も美しく、スポーツやアウトドア活動を楽しむことにも最適な地域です。
大洲城は誰によって築城されましたか？
大洲城は、1603年に加藤嘉明によって築城されました。加藤嘉明は、豊臣秀吉の家臣であり、戦国時代の後、城主となった重要な人物です。大洲城は、江戸時代にはいくつかの藩主によって治められ、その後、城下町として整備されました。この歴史的な城は、2004年に天守閣が復元され、日本100名城のひとつにも数えられています。大洲城は、その美しい景観と歴史的価値から、観光名所としても非常に人気があります。
大洲市の特産品である和菓子の名前は何ですか？
大洲市の特産品である和菓子として特に有名なのは「志ぐれ」です。志ぐれは、もち米を砂糖で煮詰めた和菓子で、しっとりとした甘さが特徴です。この伝統的な和菓子は、地元の人々にも愛され続けており、手土産としても人気があります。大洲市を訪れた際には、ぜひ地元の和菓子屋で志ぐれを味わってみてください。地元の食材を利用した独自の製法で作られるため、その味わいは一度食べると忘れられないほどの美味しさです。
大洲市の自然で有名な川の名前は何ですか？
大洲市の自然で特に有名な河川は「肱川」です。肱川は全長約100kmで、愛媛県の中央部を流れ、大洲市街地を貫流しています。この川は、四季折々の美しい風景を楽しむことができ、特に春には桜並木、秋には紅葉が見事です。また、肱川は過去には舟運が盛んであったため、歴史的にも重要な役割を果たしてきました。現在は、「肱川下り」という観光船が運行されており、多くの観光客が恵まれた自然を楽しむことができます。
