立山町：雄大な自然と文化が息づく、雪国の魅力満載の町

雄大な立山連峰を望む、富山県中新川郡立山町。日本有数の豪雪地帯として知られ、特別豪雪地帯に指定されています。標高3,000m級の山々がそびえ立ち、立山黒部アルペンルートという雄大な自然を満喫できる観光ルートも擁する一方、平野部では常願寺川などの雪解け水を生かした稲作が盛んです。歴史と文化、そして豊かな自然が調和する、魅力あふれる立山町をご紹介します。

立山町の概要

立山町は、富山県中新川郡に属する町です。富山県のほぼ中央部に位置し、東は黒部市、西は富山市、南は上市町と舟橋村に接しています。面積は307.29平方キロメートル、人口は約23,676人（2024年7月1日現在）で、人口密度は77人/平方キロメートルです。町域の過半は常願寺川右岸にあり、富山市の対岸に位置しています。

立山町の地理

立山町の地形は大きく分けて、常願寺川扇状地と山岳地帯の2つに分けられます。常願寺川扇状地は、常願寺川が運んできた土砂によって形成された平坦な土地で、稲作などの農業が盛んです。一方、山岳地帯は、立山連峰や後立山連峰などの山々が連なり、標高の高い場所では高山植物や氷河地形が見られます。

立山町の主な地形

• 山: 立山連峰（立山、別山、剱岳など）、後立山連峰（鹿島槍ヶ岳など）、来拝山、尖山、与四兵衛山など
• 高原: 弥陀ヶ原、室堂、大日平、タンボ平、内蔵助平など
• 河川: 常願寺川、称名川、白岩川、黒部川など
• 湖沼: ミクリガ池、ミドリガ池、リンドウ池、血の池、泥鰌池、黒部湖など

立山町の歴史

立山町の歴史は古く、縄文時代から人々が住んでいたとされています。その後、室町時代には、立山連峰の山岳信仰が盛んになり、芦峅寺などの集落が形成されました。江戸時代には、加賀藩領となり、農業や林業が盛んに行われました。明治時代以降は、近代化が進み、立山黒部アルペンルートの開通や黒部ダムの建設など、大きな変化を遂げてきました。

立山町の主な歴史

• 1819年（文政2年）：十村役 朽木兵左衛門が藩の許可を得て高原野荒れ地の開墾に着手、松本開と称される。五百石の地名は出来した石高に由来すると伝えられています。
• 1889年（明治22年）：町村制の施行により、上新川郡松本開、前沢新村、野口新村、本郷島村、西芦原新村、大窪新村、手屋村、宮成新村及び貫田村の区域をもって、上新川郡五百石町が発足。
• 1896年（明治29年）：上新川郡の一部の区域をもって、中新川郡が発足。これに伴い、五百石町の所属は中新川郡に変更されます。
• 1942年（昭和17年）：中新川郡大森村、五百石町、下段村及び高野村が合併して、中新川郡雄山町が発足。
• 1954年（昭和29年）：中新川郡雄山町、上段村、釜ヶ淵村、立山村、東谷村及び利田村が合併して、中新川郡立山町が発足。町名は町内にある立山からとられました。
• 1954年（昭和29年）7月10日：中新川郡新川村を編入。
• 1955年（昭和30年）1月1日：大字赤木、大塚、神田、中村、野徳、野福及び横越の区域を中新川郡上市町に編入。
• 1963年（昭和38年）11月1日：中新川郡立山町の区域の一部を中新川郡上市町に編入。中新川郡上市町の区域の一部を中新川郡立山町に編入。

立山町の人口

立山町の人口は、1960年頃に黒部ダム建設による人口増加でピークを迎え、その後は減少傾向にあります。2024年7月現在、約23,676人と、ピーク時と比べると約7,600人減少しています。

立山町の人口推移

立山町の行政

立山町は、町長と町議会によって運営されています。町長は、町民の代表者として、町政を執行する責任者です。町議会は、町長が提出した議案を審議し、町政の方向を決める役割を担っています。

歴代立山町長

立山町の議員定数

• 議員定数: 14名

立山町の子育て支援

立山町では、子育て世帯への支援を積極的に行っています。

• スクールバック無償提供: 2023年度～2025年度新入学の小学生児童にスクールバックを無償提供
• 子育て支援に関する各種制度: 子育て支援に関する様々な制度を設け、子育て世帯の負担軽減を図っています。

立山町の経済

立山町の経済は、観光業、農業、商業を軸として発展しています。

立山町の産業

• 主な企業: 中越合金鋳工（銅合金製品製造）、佐藤鉄工（橋梁・水門建設）、立山製紙（古紙100%使用の板紙製造）など
• 産業:
  • 観光: 立山黒部アルペンルートは、町にとって重要な観光資源であり、多くの観光客が訪れます。
  • 農業: 米の生産が盛んで、2016年の生産量は12,071tでした。
  • 商業: スーパーセンターシマヤ立山店など、商業施設も充実しています。

立山町の姉妹都市・提携都市

立山町は、国内外の様々な自治体と姉妹都市・提携都市の関係を築いています。

• 犬山市（日本愛知県）: 1973年10月16日姉妹都市提携
• 湯河原町（日本神奈川県）: 2003年11月1日友好親善都市提携
• 江北区（大韓民国ソウル特別市）: 2005年4月19日姉妹都市提携

立山町の教育

立山町には、小学校、中学校、高等学校がそれぞれ1校ずつあります。

立山町の教育機関

• 小学校:
  • 立山町立釜ヶ渕小学校
  • 立山町立新瀬戸小学校 （2016年4月より休校）
  • 立山町立高野小学校
  • 立山町立立山小学校
  • 立山町立立山芦峅小学校 （2011年4月より休校）
  • 立山町立立山中央小学校
  • 立山町立立山北部小学校
  • 立山町立利田小学校
  • 立山町立日中上野小学校（2019年4月より休校）
• 中学校:
  • 立山町立雄山中学校
• 高等学校:
  • 富山県立雄山高等学校

立山町の交通

立山町は、鉄道、バス、道路と様々な交通手段でアクセスできます。

鉄道

• 富山地方鉄道:
  • 本線：寺田駅 – 越中泉駅
  • 立山線：寺田駅 – 稚子塚駅 – 田添駅 – 五百石駅 – 榎町駅 – 下段駅 – 釜ヶ淵駅 – 沢中山駅 – 岩峅寺駅 – 横江駅 – 千垣駅 -（富山市）- 立山駅
  • 上滝線：岩峅寺駅
• 立山黒部貫光:
  • 立山ケーブルカー：立山駅 – 美女平駅
  • 無軌条電車線：室堂駅 – 大観峰駅
  • 黒部ケーブルカー：黒部平駅 – 黒部湖駅

バス路線

• 富山地方鉄道:
  • 石金経由五百石線（五百石駅前－石金－西町－富山駅前)
  • 大泉経由五百石線（五百石駅前－大泉駅前－西町－富山駅前)
• 立山町営バス・ワゴン
• 立山黒部アルペンルート:
  • 関電トンネル電気バス (黒部ダム駅)
  • 立山高原バス (美女平 – 室堂)

道路

• 高速道路:
  • E8北陸自動車道：(23) 立山IC
• 有料道路:
  • 立山有料道路
• 都道府県道:
  • 主要地方道: 富山県道3号富山立山魚津線、富山県道6号富山立山公園線、富山県道15号立山水橋線、富山県道35号立山山田線、富山県道43号富山上滝立山線、富山県道67号宇奈月大沢野線、富山県道68号富山外郭環状線など
  • 一般県道: 富山県道147号立山舟橋線、富山県道151号辻滑川線、富山県道157号寺坪上市線、富山県道158号女川谷口線、富山県道161号岩峅寺大石原水橋線、富山県道162号西大森寺坪線、富山県道163号柿沢泉線、富山県道164号五百石停車場線、富山県道166号谷口沢新線、富山県道167号日中五百石線、富山県道168号小又下段線、富山県道169号米道上瀬戸線、富山県道170号弘法称名立山停車場線、富山県道366号西大森前沢線、富山県道378号松倉宮路線など

立山町の娯楽

立山町には、自然を満喫できるレジャー施設や、歴史に触れられる文化施設など、様々な娯楽施設があります。

立山町の娯楽施設

• スキー:
  • 室堂での立山山岳スキー
  • 立山KINGS: スノーボード・フリースタイルスキーのジャンプやジブを夏冬問わず一年中楽しむために生まれた施設
• 映画館:
  • 立山町にはかつて映画館が存在していましたが、現在はありません。
  • 雄山中央劇場 (映画館：- 1950年代)
  • 銀映劇場 (映画館：- 1960年代)
  • 松山座（後に、立山劇場） (映画館：1904年に芝居、演芸、映画などの劇場として創業 – 1960年代にスーパーに転換)

立山町の観光スポット

立山町には、雄大な自然や歴史を感じられる魅力的な観光スポットが数多く存在します。

立山町の主な観光スポット

• 立山黒部アルペンルート:
  • 雪の大谷
  • 黒部ダム
  • 美女平、弥陀ヶ原、室堂、地獄谷、ミクリガ池
  • 立山カルデラ
• 称名滝、悪城の壁
• 黒部峡谷、十字峡
• 立山カルデラ砂防博物館
• 富山県立山博物館:
  • 嶋家(国指定重要文化財)
  • 有馬家(立山町文化財)
  • まんだら遊苑
• 雄山神社:
  • 前立社壇（岩峅寺）
  • 中宮祈願殿（芦峅寺）
• みくりが池温泉
• 立山グリーンパーク吉峰（よしみね温泉）
• 立山: 登山
• 大日岳 (大日連峰) 奥大日岳: 登山
• 大辻山: 登山
• 尖山 (富山県): 登山
• 立山玉殿の湧水（名水百選）
• ブナ平立山のスギ（森の巨人たち百選）
• **千垣橋梁: ** 土木学会選奨土木遺産 竣工1937(昭和12)年(立山町、富山市)
• 岩峅野桜づつみ
• 西大森の大石
• 昆虫王国立山　立山自然ふれあい館
• 小水力発電　県営仁右ヱ衛門用水発電所

立山町の主な祭り

• 五百石天満宮・市姫神社春季祭礼(6月11日～13日)
• 立山まつり（7月下旬）
• たてやま特産まつり（11月第2土・日曜）

立山町のゆるキャラ

立山町には、町のPR活動を行うゆるキャラが2体います。

• らいじぃ: 北アルプスに生息する「ライチョウ」をモチーフにしたキャラクター。氷河期生まれで、2013年4月16日に20,001歳の誕生日を迎えています。
• らいらい: らいじぃの孫娘

立山町出身の著名人

立山町には、様々な分野で活躍する著名人が多くいます。

立山町出身の主な著名人

• 坂東眞理子: 評論家、昭和女子大学総長、元昭和女子大学学長
• 野嶋良: サッカー選手、カターレ富山
• 高平公友: 元参議院議員
• 中村啓子: ナレーター
• 中村雅人: 弁護士
• 池田川助松: 力士
• 柏祐賢: 農学博士、元京都産業大学学長、京都大学名誉教授

立山町を舞台にした作品

立山町は、その雄大な自然や歴史の魅力から、数々の映画やテレビ番組のロケ地として選ばれています。

立山町を舞台にした主な作品

• 1966年12月10日 映画「大魔神逆襲」: 奈良県大台ヶ原以外に雪の立山連峰で撮影が行われています。
• 2002年8月10日 映画「釣りバカ日誌13」: 雪の大谷、スキー(天狗平)で撮影が行われました。
• 2009年6月20日 映画「劒岳 点の記」: 富山駅として岩峅寺駅で撮影が行われました。
• 2011年12月3日 映画「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」: 岩峅寺駅で撮影が行われ、幼馴染(明香)との再会シーンが描かれました。
• 2014年6月14日 映画「春を背負って」: 菫小屋(立山大汝休憩所)で撮影が行われました。
• 2016年5月26日 NHK 【中井精也の鉄道写真旅】「富山　富山地方鉄道（立山線）」: 水田に写る立山連峰が美しく映し出されました。
• 2021年5月28日 NHK-BS にっぽん縦断「こころ旅・立山町」: 釜ヶ淵駅が紹介されました。
• 2021年9月25日 NHK 【中井精也の絶景てつたび】「夏の富山　海と山と大地と」: 室堂からの富山地鉄の撮影が行われました。

立山町関連のニュース

立山町は、その美しい自然や歴史、そして地域の人々の暮らしなど、様々な魅力から、全国的に注目されています。

立山町に関する主なニュース

• 1999年: 全国で車の希望ナンバー制度開始。立山の標高3015mにちなんで、立山町公用車にも使用されました。(立山町広報)。
• 2010年: 東京都内にある銭湯の背景画(ペンキ絵)に迫力のある立山連峰が登場しました。(注:定期的に塗り替えが必要であるとともに廃業した銭湯もあり、現在は見ることが出来ない)
• 2022年: ふるさと納税制度を利用して立山駅前の無電柱化、看板の統一が行われました。
• 2024年1月1日: 能登半島地震(津波警報)により「想定外」の避難者続出。富山市沿岸部の住民が海のない立山町に殺到し、立山駅に大山町スキー場から外人スキー客も訪れました。町総合公園駐車場(標高91m)が車で一杯になり、役場(標高67m)に数名避難しました。
• 2024年4月: 立山町図書館がマイナンバーカード対応全国初となり、マイナンバーをかざすと予約本ロッカーが開くようになりました。
• 2024年4月26日: 小学生から町長への手紙がきっかけで2015年から9年間書店ゼロであった立山町に、町役場敷地内に書店併設型コンビニが誕生しました。(行政誘致全国初,県産の立山杉使用)。
• 2024年6月28日: 全国初の取り組みとして、避難所の速やかな開設のため町職員のマイナカードで開錠導入が実現しました。

立山町関連の切手

立山町は、その美しい自然や歴史をテーマにした切手が数多く発行されています。

立山町関連の主な切手

• 1952年2月12日: 立山航空切手 剣岳と飛行機(DC-4)の合成図柄(6種:55 75 80 85 125 160円)
• 1990年4月18日: ふるさと切手 立山・称名滝切手 62円 600万枚
• 2000年4月28日: ふるさと切手 立山連峰とチューリップ畑 50円
• 2000年9月1日: 第５５回国民体育大会（富山県）北陸-23 バドミントン選手と立山連峰 50円x20
• 2009年2月16日: 「高岡開町 400 年 記念切手」80円x10 2,000シート「立山連邦」誤字切手。ネット上で立山連邦王国が話題となりました。
• 2013年4月16日: ふるさと切手 旅の風景シリーズ 第17集 立山黒部周辺　80円x10 120万シート。
• 2018年4月20日: フレーム切手「立山の自然」立山・雪の大谷ウォーク25周年 82円x10。
• 2021年4月26日: フレーム切手「立山黒部アルペンルート全線開業50周年記念」84円x5 1300セット。県内の郵便局で販売されました。

立山町の郷土料理

立山町には、地元で愛される様々な郷土料理があります。

立山町の主な郷土料理

• コシヒカリ: コシヒカリ以外にも近年酒造米が植えられています。富山県ではとろろ昆布が有名であり、おにぎり、みそ汁に使用されます。新品種富富富は町内の生産者登録農家でも生産されています。耕地整理、農業機械化以前、稲の自然乾燥のための稲木、竹を保管するはさ小屋が農家にありました。
• 米粉うどん: 米の地産地消と立山の食の魅力を発信するために開発されました。2022年小麦高騰により米粉パンも学校給食に提供されています。
• ますの寿し: 立山町でも製造販売され、県外の家族、親戚のためにも利用されています。
• ぶりの寿司: ブリは出世魚として知られており「ますの寿し」同様製造販売されています。
• 昆布締め: 立山町でも製造販売されています。
• 寒餅: もちを4～5mm程度に薄くスライスし乾燥させたもの。昭和40年代以前には富山の各農家でも作られていました。現在立山町の特産品となっています。出来立ては柔らかく子供にも食べやすかった。油で揚げて食べる方法もあります。
• グミ酒: 常願寺川で自生するグミを果実酒にしたものです。
• 柿・四谷柿(よたんがき): 昭和40年代台の耕地整理、熊出没対策で普通の柿の木も少なくなっています。2023年は常願寺左岸の富山市でも熊が出没しました。

1976年に宅急便が開始され柿は都会暮らしの大学生へ送る家もありました。サービス開始当初30kg玄米は送ることができませんでした。クール宅急便は1988年にサービス開始されており、富山県特産品かまぼこ、昆布締めが送りやすくなりました。

関連項目

• ライチョウ
• 立山修験
• 立山権現

外部リンク

• 立山町
• 富山県立山町（Tateyamatown） (@TateyamatownJPN) – X（旧Twitter）
• 立山町観光サイト
• 立山舟橋商工会
• 富山県中新川郡立山町 (16323A1968) | 歴史的行政区域データセットβ版 – Geoshapeリポジトリ

立山町についてのクイズ