北海道上川郡美瑛町は、雄大な大雪山を背景に、どこを見ても絵になる風景が広がる、まさに「絶景の町」として知られています。なだらかな丘陵地帯に広がるカラフルな畑は、まるでパッチワークのようだとして「パッチワークの丘」と呼ばれ、国内外から多くの観光客が訪れます。美しい風景だけでなく、豊かな自然と、そこに暮らす人々の温かさに触れられる、魅力いっぱいの町です。
概要
美瑛町は、北海道上川郡に位置する町で、「日本で最も美しい村連合」に加盟しています。特に「青い池」や「四季彩の丘」は、北海道を代表する風景として有名で、多くの写真家や観光客を魅了しています。なだらかな丘陵と豊かな自然環境が織りなす風景は、まさに「美瑛」の名にふさわしい、息をのむような美しさです。町全体が「景観計画区域」に指定されており、「美しい日本のむら景観百選」や「美しい日本の歩きたくなるみち500選」にも選ばれています。また、南に広がる富良野盆地を経て占冠村に至るエリアの6市町村で「富良野・美瑛観光圏」を形成し、観光資源を活かした地域振興に取り組んでいます。
地理
美瑛町は、北海道のほぼ中央、大雪山国立公園の十勝岳連峰と夕張山系との間に位置しています。十勝岳連峰の噴火によって形成された火砕流が周辺地域に広く分布し、放射状に河川が流れて谷を形成されたため、美瑛町には独特の波状丘陵が形成されました。丘と沢が連続性を持って成り立ち、変化に富んだ景観を生み出しています。さらに、波状丘陵の上に格子状の区画割りで開墾が行われたことで、美瑛町独特の個性的な景観が生まれたと言われています。
美瑛町の地形と景観
- 波状丘陵: 十勝岳連峰の噴火と河川の侵食によって形成された、なだらかな起伏が続く丘陵地帯です。
- パッチワークの丘: 丘陵地帯に広がる畑が、様々な色の作物で彩られ、まるでパッチワークのように見えることから、そう呼ばれています。
- 青い池: 白金温泉の近くにある池で、水中に含まれるアルミニウム成分が光を反射して、幻想的な青色に輝きます。
- 白金温泉: 十勝岳の麓に湧き出る温泉で、透明度の高い湯と雄大な自然に囲まれた温泉地として知られています。
- 白金不動の滝: 白金温泉の近くにある滝で、落差は約20m、周囲の自然とのコントラストが美しいです。
- 白ひげの滝: 白金温泉の近くにある滝で、落差は約12m、名前の由来は白いひげのように見える岩肌から来ています。
- 十勝岳望岳台: 十勝岳の山頂付近にある展望台で、360度の絶景を望むことができます。
美瑛町の山々
- 白雲岳(2,230m)
- 忠別岳(1,963m)
- 化雲岳(1,954m)
- トムラウシ山(2,141m)
- オプタテシケ山(2,013m)
- 美瑛富士(1,888m)
- 美瑛岳(2,052m)
- 十勝岳(2,077m)
美瑛町の河川
- 忠別川
- 辺別川
- 宇莫別川
- 置杵別川
- 美瑛川
美瑛町の池沼
- 硫黄沼
- 北沼
- 青い池
美瑛町の滝
- 白金不動の滝
- 白ひげの滝
気候
美瑛町は、ケッペンの気候区分では湿潤大陸性気候に属し、寒暖の差が大きいことが特徴です。夏はカラッとした爽やかな気候で、冬は氷点下になることも多く、雪深い地域です。
美瑛町の気温と降水量
- 年間平均気温: 5.9℃
- 年間降水量: 988.8mm
- 降雪量: 年間約708cm
歴史
美瑛町は、明治時代に開拓が始まった地域です。当初は、神楽村(現在の旭川市の一部)に属していましたが、1894年に旭地区、1895年に原野地区で開墾が始まり、農場が設立されていきました。1900年に神楽村から分村して美瑛村となり、1940年には町制施行で美瑛町となりました。
美瑛町の歴史年表
- 1858年: 松浦武四郎が美瑛を調査。
- 1899年: 十勝線(現在の富良野線)美瑛駅 – 旭川駅間開通。
- 1900年: 美瑛村となる。
- 1940年: 美瑛町となる。
- 1963年: 町民憲章と町章を制定。
- 1973年: オーストリアのザールバッハ町と姉妹都市提携。
- 1987年: 風景写真家前田真三のフォトギャラリー「拓真館」オープン。
- 1992年: 青森県岩木町(現在の弘前市の一部)と姉妹都市提携。
- 1994年: 四季の塔開設。
- 1997年: 四季の情報館完成。
- 1999年: 美瑛町開基100年。
- 2003年: 保健センター完成。
- 2005年: 「日本で最も美しい村連合」設立。
- 2007年: 道の駅びえい「丘のくら」指定。
- 2012年: 新図書館オープン。
- 2015年: 美瑛町活性化交流施設丘のまち交流館 bi.yell(ビ・エール)オープン。
経済・産業
美瑛町の基幹産業は農業です。畑作と稲作が盛んで、小麦、飼料用作物、てん菜、水稲、ジャガイモ、大豆などが生産されています。特に、同じ圃場でも作付が毎年変わるため、パッチワークのようにカラフルな田園風景が広がっています。
美瑛町の主要産業
- 農業: 小麦、飼料用作物、てん菜、水稲、ジャガイモ、大豆など
- 林業: 町域面積の約7割を森林が占め、人工林が中心です。
- 観光: パッチワークの丘、青い池、白金温泉など、多くの観光資源があります。
美瑛町の特産品
- 小麦: パンや麺類など、様々な加工品に使われています。
- ジャガイモ: きたあかり、メークインなど、様々な品種が生産されています。
- アスパラガス: 特産品種の「ラスノーブル」は、2010年に種子供給が途絶えたため、町ではクラウドファンディングで復活を目指しています。
- 牛乳: 十勝岳の麓の豊かな大自然で育った牛から搾られた牛乳は、濃厚で風味豊かです。
- 蜂蜜: 十勝岳の麓の豊かな自然で育った蜜蜂から採れた蜂蜜は、香り高く、栄養価も高いです。
観光・レジャー
美瑛町には、雄大な自然と美しい風景を楽しむことができる様々な観光スポットがあります。パッチワークの丘、青い池、白金温泉など、見どころ満載です。
美瑛町の観光スポット
- パッチワークの路エリア: なだらかな丘陵地帯に広がるカラフルな畑は、まるでパッチワークのようです。
- ぜるぶの丘・亜斗夢の丘
- ケンとメリーの木
- ジェフ写真館 Geoff Gallery
- 北西の丘展望公園
- 菊地晴夫写真ギャラリー
- 阿部俊一ギャラリー
- マイルドセブンの丘
- 美瑛町北瑛体験交流施設「北瑛小麦の丘」
- セブンスターの木
- 中心部エリア: 美瑛町の中心部には、観光案内所や飲食店、お土産屋などが集まっています。
- 美瑛選果
- 四季の情報館
- 道の駅びえい「丘のくら」
- 丘のまち交流館 bi.yell(ビ・エール)
- 美瑛町役場・四季の塔
- 美瑛町郷土学館「美宙」(みそら)
- 美瑛神社
- 美瑛川河川敷歩くスキーコース
- 美馬牛・パノラマロードエリア: 美瑛町の東部に位置する美馬牛地区は、パノラマロードと呼ばれる雄大な景色が楽しめる道路があります。
- 西美の杜美術館
- 五本の木
- 新栄の丘展望公園
- クリスマスツリーの木
- 三愛の丘展望公園
- 橋立山4km歩くスキーコース
- 美瑛の丘のおもちゃ屋さん
- 千代田の丘見晴らし台
- ファームズ千代田
- 四季の交流館
- 拓真館
- 四季彩の丘
- 新星館 須田剋太・島岡達三美術館
- びえい白金温泉エリア: 十勝岳の麓にある白金温泉は、透明度の高い湯と雄大な自然に囲まれた温泉地です。
- 道の駅びえい「白金ビルケ」
- 青い池
- 白金不動の滝
- 美瑛町営白金牧場(白金模範牧場)
- 美瑛自然の村キャンプ場
- 国設白金野鳥の森
- 白金温泉
- 白金観光センター
- 白ひげの滝
- 国立大雪青少年交流の家
- 美瑛白金ノルディックコース
- 国設白金野営場
- 十勝岳火山砂防情報センター
- 十勝岳望岳台
文化・イベント
美瑛町では、一年を通して様々なイベントが開催されています。春には桜まつり、夏には火祭り、冬にはスキーマラソンなどが開催され、多くの観光客でにぎわいます。
美瑛町の主なイベント
- びえい雪遊び広場: 1月
- 寬仁親王記念丘のまちびえい宮様国際スキーマラソン: 2月
- 丘のまちびえいフォトコンテスト審査結果発表: 3月
- びえい桜まつり: 5月
- 丘のまちびえいヘルシーマラソン: 6月
- 那智・美瑛火祭り: 7月
- どかんと農業まつり: 8月
- 丘のまちびえいセンチュリーライド: 9月
美瑛町を舞台にした作品
美瑛町の美しい風景は、多くの作品にインスピレーションを与えてきました。CM、ドラマ、映画、小説、アニメ、ゲームなど、様々な作品で美瑛町の風景を見ることができます。
美瑛町を舞台にした主な作品
- CM: 日産自動車「スカイライン」、日本航空 JAL 先得「ニッポンを見つけよう」など
- ドラマ: 『ワイルドで行こう』、『北の国から’98時代』、『ラブ・レター』、『優しい時間』、『牛に願いを Love&Farm』、『ラブレイン』など
- 映画: 『学校II』、『雨鱒の川』、『愛を積むひと』、『糸』など
- 漫画・小説: 山本おさむ・森信雄『聖 -天才・羽生が恐れた男-』、『ブレイクスルー・トライアル』、『エシカルンテ』など
- アニメ: 『フィギュア17 つばさ&ヒカル』、『魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~』、『プリティーリズム』など
- ゲーム: 『北へ。White Illumination』、『風雨来記3』など
- ミュージック・ビデオ: GLAY 『Winter,again』など
まとめ
北海道美瑛町は、パッチワークの丘、青い池、白金温泉など、美しい風景と豊かな自然に恵まれた町です。雄大な大雪山を背景に、四季折々の表情を見せる美瑛町の風景は、多くの人を魅了しています。美味しい農産物や特産品、温かい人々との触れ合いも魅力の一つです。ぜひ一度、美瑛町を訪れて、その美しさを体感してみてください。
美瑛町についてのクイズ
美瑛町が位置しているのはどこですか?
美瑛町は北海道上川郡に位置している町であり、大雪山を背景に美しい風景が広がる地域です。この町は150年ほど前から開拓が始まり、多くの観光客が訪れるスポットとして知られています。特に美瑛町は「日本で最も美しい村連合」に加盟していることから、その景観の美しさが特に強調されています。美瑛町の特徴は、豊かな自然環境と地形の変化に富んだ景観で、これが多くの観光客や写真家を惹きつける要因となっています。
美瑛町で有名な観光スポットの一つは何ですか?
美瑛町の代表的な観光スポットのひとつに「青い池」があります。この池は白金温泉の近くに位置し、その幻想的な青色は水中に含まれるアルミニウム成分によって反射された光によるものです。青い池は年々その美しさが注目を浴びており、訪れる人々に感動を与える場となっています。美瑛町を訪れる際には、青い池の美しい景観を楽しむことが不可欠です。
美瑛町での主要な産業は何ですか?
美瑛町における基幹産業は農業です。この町では、小麦、ジャガイモ、飼料用作物、てん菜、水稲などが盛んに生産されています。特に多様な作物を育てることで、毎年異なる彩り豊かな景観が作り出され、いわゆる「パッチワークの丘」と呼ばれる風景が生まれています。町を訪れた観光客は、こうした美しい田園風景を楽しむことができ、地元の新鮮な農産物を味わうこともできます。
美瑛町の気候はどのようなタイプですか?
美瑛町の気候は、ケッペンの気候区分で湿潤大陸性気候に属します。これは寒暖の差が大きく、例えば夏はカラッとして爽やかである一方、冬は氷点下になることが多く、雪深い地域となります。この特異な気候が、四季折々の美しい風景を生み出す要因の一つであり、特に雪景色や新緑、紅葉の美しさは訪れる人々に印象を与えています。
美瑛町の歴史的背景として正しいものはどれですか?
美瑛町の歴史は明治時代に開拓が始まったことが特徴的です。元々、神楽村に属していたこの地域は、1894年に旭地区、1895年には原野地区で農場の開墾が行われて以降、1900年に美瑛村となりました。その後1940年には町制施行により美瑛町となり、多くの人々がこの美しい地域で新たな生活を築いていきました。美瑛町の開拓の歴史は、その自然資源とともに今も大切にされています。