山梨県で最も人口が少ない村!秘境「丹波山村」の魅力を探る

山梨県北都留郡の北西部に位置する丹波山村は、人口わずか500人ほどの小さな村です。東京都との県境にあり、村内には東京都水道局の水源涵養林が広がっています。標高1,000mを超える山々に囲まれた丹波山村は、豊かな自然と静寂に包まれたまさに秘境と言えるでしょう。今回は、そんな丹波山村の魅力を紹介します。

自然と歴史が織りなす秘境の村

丹波山村は、山梨県でありながら東京都とのつながりが深く、生活圏も東京都に属しているという特徴があります。村外への公共交通機関は東京都奥多摩町のJR奥多摩駅へのバスのみで、甲府など国中地方とを結ぶ公共交通機関は存在しません。固定電話の市外局番も0428で、南隣の小菅村とともに青梅MA(単位料金区域)に属しています。そのため、丹波山村は山梨県の中でも、東京都との結びつきが強い地域と言えるでしょう。

山梨県で最も人口が少ない村

丹波山村は、山梨県で最も人口が少ない村です。2024年8月1日現在、人口はわずか486人。人口密度は4.8人/km2と、日本の平均人口密度(342人/km2)の約1/70という低さです。

豊かな自然に恵まれた村

丹波山村の村域の大半は山林地帯で、秩父多摩甲斐国立公園に属しています。多摩川上流支流で奥多摩湖へ東流する丹波川が渓谷をつくり、その渓谷沿いに集落が点在しています。

山地

丹波山村には、雲取山や七ツ石山、飛龍山、大菩薩嶺など、標高2,000m級の山々が連なっています。これらの山々は、豊かな自然に恵まれ、ハイキングや登山などのアウトドアアクティビティを楽しむことができます。

河川

丹波山村を流れる丹波川は、東京都の水源となっています。清流は、豊かな生態系を育み、釣りやカヌーなどのレジャーにも最適です。

湖沼

丹波山村の東端には、奥多摩湖(小河内貯水池)が広がっています。東京都の水道水源として重要な役割を担う一方、美しい景観も魅力です。

東京都水道局水源涵養林

丹波山村には、東京都水道局が管理する水源涵養林(東京都水源林)が広がっています。この水源涵養林は、東京都の水道水源として重要な役割を担っており、東京都水道局水源管理事務所が村内に存在しています。そのため、丹波山村には東京都の行政機関が並存するという、他の自治体にはない特徴があります。

丹波山村の歴史

丹波山村の歴史は古く、縄文時代から人が住んでいたとされています。村内には、高尾遺跡など縄文時代の遺跡が数多く発見されています。中世には、小菅氏の支配下にあったとされ、その後、谷村藩領を経て天領となりました。

江戸時代には、甲州道中の裏街道であった青梅往還が村域を通っており、丹波宿が設けられました。住民は、焼畑農業や山稼ぎが主な生業でした。

明治時代には、交通機関の発達や養蚕業などの新たな産業が興隆しました。しかし、多摩川上流の山林が乱伐され荒廃したことから、東京府は水源涵養林確保のため、1901年に丹波山御料林の払い下げを宮内省に申請しました。丹波山村は、入会権を放棄し、御料林は東京府に移管され、営林事業が開始されました。

その後、山林は東京市に買収され、現在では東京都水道局の水源涵養林となっています。

丹波山村の観光

丹波山村は、豊かな自然と歴史に囲まれた観光地です。

青岩鍾乳洞

青岩鍾乳洞は、丹波山村にある県指定天然記念物です。雲取山の山腹にある鍾乳洞で、内部にはさまざまな形状の鍾乳石が数多く見られます。洞窟内は、一年を通して気温が一定に保たれており、夏は涼しく、冬は暖かく、一年を通して観光を楽しめます。

三条の湯

三条の湯は、丹波山村にある温泉です。日帰り温泉施設が併設されており、日々の疲れを癒すことができます。

道の駅たばやま

道の駅たばやまは、丹波山村にある道の駅です。地元の特産品や農産物を販売しているほか、レストランや休憩所も併設しています。

その他の観光スポット

丹波山村には、青岩鍾乳洞や三条の湯以外にも、多くの観光スポットがあります。

  • 郷土民俗資料館: 丹波山村の歴史や文化を学ぶことができます。
  • 甲武キャンプ村: キャンプやバーベキューを楽しむことができます。
  • 村営つり場: 丹波川で釣りを楽しむことができます。
  • 村営そば店「やまびこ庵」: 手打ちそばを味わえます。
  • 村営ローラーすべり台: 子供たちに大人気です。
  • 尾崎行雄水源踏査記念碑: 東京市の水源確保のため、1909年に丹波山村を訪れた尾崎行雄を記念する碑です。

丹波山村の文化

丹波山村には、独自の文化が育まれてきました。

丹波山のささら獅子

丹波山のささら獅子は、角兵衛流の伝統的な三匹獅子舞です。7月中旬に行われる丹波山祇園祭で奉納されます。1979年に県無形民俗文化財に指定されました。

その他の祭り

  • お松引き: 1月7日に行われる伝統行事です。
  • 夏祭り丹波: 毎年7月最終日曜日に開催されます。
  • 盆踊り花火大会: 8月15日に行われます。

まとめ

丹波山村は、東京都との県境に位置する、豊かな自然と歴史に囲まれた秘境の村です。人口はわずか500人ほどですが、独自の文化や伝統を守りながら、静かで穏やかな日々が流れています。東京都へのアクセスも比較的容易なため、都会の喧騒から離れて、ゆったりとした時間を過ごしたい人におすすめです。

画像提供依頼:青岩鍾乳洞の画像提供をお願いします。(2007年6月)

丹波山村についてのクイズ

丹波山村の人口は現在どのくらいですか?

丹波山村は山梨県北都留郡に位置し、2024年8月1日現在で人口は約486人です。これは山梨県内で最も少ない人口を持つ村であり、人口密度は4.8人/km2と非常に低い数字を示しています。東京都との県境に位置しており、生活圏としては東京都に属する部分も多く、交通の便も東京都に依存しています。このような特殊な地域的背景が、丹波山村の少人数のコミュニティを形成している要因の一つです。少人数ならではの地域の結びつきや、独自の文化が育まれやすい環境であることも、丹波山村の特徴と言えるでしょう。

丹波山村で見られる県指定の天然記念物は何ですか?

丹波山村にある青岩鍾乳洞は、県指定の天然記念物として知られています。この鍾乳洞は雲取山の山腹にあり、内部には多くの鍾乳石が形成されています。鍾乳洞の内部は一年を通じて温度が安定しており、夏は涼しく冬は暖かいため、訪れる季節を問わず観光が楽しめます。鍾乳石は何千年もの間、地下の水がカルシウムを含む石灰岩を溶かしていくことで形成され、洞窟の内部は神秘的な魅力にあふれています。青岩鍾乳洞は観光の名所であるだけでなく、自然の驚異を体感することができる貴重な場所です。

丹波山村に存在する温泉の名称は何ですか?

丹波山村にある温泉は「三条の湯」と呼ばれ、訪れる人々に日々の疲れを癒す場所として親しまれています。この温泉は日帰り利用も可能で、地域の住民だけでなく観光客にも開かれています。温泉は清らかな山の水を利用しており、山に囲まれた静かな環境の中でリラックスできる贅沢なひとときを提供しています。また、三条の湯周辺には自然が豊かで、ハイキングや登山といったアクティビティと組み合わせて楽しむことも可能です。健康と美を提供する温泉は、丹波山村に訪れる際の大きな魅力の一つとなっています。