石狩市は、北海道の中央西部に位置する、札幌市の北郊に隣接する都市です。雄大な石狩川が流れ込み、石狩湾に面した豊かな自然に恵まれた街です。札幌市のベッドタウンとして発展してきましたが、近年は石狩湾新港を中心とした工業都市としての側面も持ち合わせています。歴史、自然、文化、そして未来へと繋がる魅力的な石狩市の魅力をご紹介します。
石狩市の魅力:自然、歴史、そして活気あふれる港町
石狩市は、札幌市の北に広がる、雄大な自然と活気あふれる港町です。石狩川が流れ込み、石狩湾に面した豊かな自然に恵まれ、札幌市のベッドタウンとして発展してきました。近年では、石狩湾新港を中心とした工業都市としての側面も持ち合わせており、歴史、自然、文化、そして未来へと繋がる魅力的な街となっています。
地名の由来:アイヌ語に根ざす、石狩川のイメージ
石狩市の名前は、アイヌ語に由来するとされています。解釈には諸説ありますが、いずれも石狩川の特徴を捉えたものです。
- イ・シカラ・ペッ i-sikar-pet:回流(曲がりくねった)川(中流のアイヌによる説)
- イシ・カラ isi-kar:美しく・作る(コタンカラカムイ(国作神)が親指で大地に川筋を描いた)(上流のアイヌによる説)
- イシ・カラ・ペッ isi-kar-pet:鳥尾で矢羽を作る処(和人某の説だがアイヌの古老はこれを否定)
- イシカリ isikari:閉塞(川が屈曲していて上流の先が見えない)
地理:豊かな自然と変化に富んだ地形
石狩市は、南北に長く、石狩湾に面した海岸線と、石狩川河口、そして内陸部には石狩丘陵などの丘陵地帯が広がる、変化に富んだ地形を持つ都市です。
山地:雄大な自然に囲まれた石狩市
石狩市は、暑寒別天売焼尻国定公園の一部を包含し、山地と海岸線という対照的な自然を有しています。
- 群別岳 (1376.27 m):石狩市の最高峰。
- 浜益岳 (1257.70 m):浜益区のシンボル的な山。
- 雄冬山 (1197.60 m):雄冬岬にそびえる山。
- 浜益御殿 (1038.64 m):浜益区の豊かな自然を象徴する山。
- 知来岳 (988.04 m):石狩丘陵の最高峰。
河川:生命を育む石狩川と周辺の河川
石狩市を流れる主な河川は、石狩川、茨戸川、発寒川、厚田川などです。
- 石狩川: 北海道を代表する大河川。石狩市では、河口付近で豊かな生態系を育んでいます。
- 茨戸川: 石狩川と札幌市を結ぶ重要な河川。
- 発寒川: 札幌市と石狩市を分ける河川。
湖沼:自然豊かな湖
- 望来ダム: 厚田区にあるダム。ダム湖は、自然豊かな景観を形成しています。
島嶼:石狩湾に浮かぶ島
- トド島: 石狩湾に浮かぶ小さな島。かつてはトドが生息していたことから名付けられました。
気候:海洋性気候で温暖な冬
石狩市は、海洋性気候に属し、冬は比較的温暖です。対馬海流の影響もあり、札幌市中心部より冷え込むことは少ないですが、−10 ℃以下まで冷え込むこともあります。北西からの季節風が日本海を越えて吹きつけるため積雪が多く、石狩湾小低気圧が発生すると猛烈な吹雪となることもあります。
歴史:漁業と交易の中心地から発展
石狩市は、古くからアイヌ民族の生活の場であり、江戸時代には松前藩により「石狩場所」が設けられ、漁業や蝦夷との交易の中心地として栄えました。その後、札幌市のベッドタウンとして発展し、石狩湾新港の開発により工業都市としての側面も持ち合わせています。
沿革:石狩市の歴史をたどる
- 1688年(貞享5年): 水戸藩主・徳川光圀が派遣した快風丸が石狩に到着。
- 1694年(元禄7年): 石狩弁天社の創建。
- 1830年 – 1843年(天保年間): 浜益神社が創建される。
- 1848年(嘉永元年): 厚田神社が創建される。
- 1858年(安政5年): 浜益に庄内藩の陣屋が築かれる。同年、石狩には能量寺および石狩八幡神社が創建される。
- 1859年(安政6年): 金龍寺および法性寺が創建される。
- 1863年(文久3年): 曹源寺が創建される。
- 1869年(明治2年): 北海道11国86郡が置かれ、石狩国および石狩郡が設置される。
- 1902年(明治35年)4月1日: 石狩郡本町・弁天町・新町・浜町・仲町・横町・船場町・親船町・若生町・八幡町・生振村の区域をもって石狩町が成立。
- 1907年(明治40年)4月1日: 花川村と新設合併し、一級町村の石狩町となる。
- 1975年(昭和50年): 石狩町の一部(石狩湾新港地区)を小樽市へ割譲。
- 1995年(平成7年): 石狩町北東部の当別町との境界線を確定。
- 1996年(平成8年)9月1日: 市制施行、石狩市となる。
- 2005年(平成17年)10月1日: 厚田郡厚田村・浜益郡浜益村を編入。
政治:行政、議会、そして財政
石狩市は、市民の生活を支える行政機関と、市政を担う議会、そして安定した財政基盤を有しています。
行政:市長と市役所
- 市長: 加藤龍幸(2019年就任、2期目)
- 所在地: 北海道石狩市花川北6条1丁目30-2
議会:市民の声を反映する場
- 定数: 20人
- 任期: 2023年5月20日 – 2027年5月19日
財政:安定した基盤と地域への投資
石狩市は、安定した財政基盤を基に、市民サービスの向上と地域の発展に努めています。
施設:市民生活を支える様々な施設
石狩市には、市民の安全と安心を守る警察署と消防署、生活を豊かにする郵便局、そして教育機関などが整備されています。
警察:安全を守り、安心を提供する機関
- 北海道札幌方面北警察署(本署は札幌市北区)
- 花川北交番、花川南交番
- 石狩駐在所、八幡駐在所、厚田駐在所、望来駐在所、浜益駐在所、柏木駐在所
消防:火災や災害から市民を守る
- 石狩北部地区消防事務組合消防本部
- 石狩消防署
- 新港支署、厚田支署、浜益支署
- 石狩消防署
郵便局:郵便サービスを提供
- 石狩郵便局(集配局)
- 石狩北郵便局(集配局)
- 厚田郵便局(集配局)
- 浜益郵便局(集配局)
対外関係:国際交流と国内連携
石狩市は、国内外様々な都市との交流を通じて、国際的な視野を広げ、地域の発展に繋げています。
姉妹都市・提携都市:世界に広がる友好の輪
- 海外
- キャンベルリバー市(カナダ)
- ワニノ市(ロシア)
- 彭州市(中国)
- 国内
- 輪島市(石川県)
- 恩納村(沖縄県)
三市区連携:地域の活性化を図る
石狩市は、札幌市手稲区、小樽市との連携事業を通じて、相互交流を図り、地域の活性化を目指しています。
経済:多様な産業が発展する都市
石狩市は、農業、漁業、工業、商業など多様な産業が発展し、雇用を生み出し、地域経済を支えています。
農協・漁協:地域の農業と漁業を支える
- 札幌市農業協同組合(JAさっぽろ)
- 北石狩農業協同組合(JA北いしかり)
- 石狩湾漁業協同組合
第一次産業:豊かな自然が育む恵み
- 漁業: かつてはサケなどの漁業が盛んでしたが、近年は札幌市のベッドタウンとして発達しています。
第二次産業:石狩湾新港を中心とした工業
- 工業: 石狩湾新港は、港湾、工業団地を有し、多くの企業が進出しています。
第三次産業:商業施設が充実した都市
- 商業: 石狩市には、ショッピングセンター、スーパーマーケット、ディスカウントストアなどが充実しており、市民の生活を支えています。
石狩市に拠点を置く主な企業
- YKK AP 北海道工場
- さくらインターネット 石狩データセンター
- 株式会社あらた 道央支店 石狩センター
情報通信:情報発信と社会基盤
石狩市は、情報通信インフラが整備され、市民への情報提供、そして社会基盤の維持に役立っています。
マスメディア:地域の情報発信
- 新聞社: 石狩民友新聞
通信:快適な通信環境
- 市外局番: 0133
生活基盤:快適な生活を支える環境
石狩市は、市民の生活を支える様々なライフラインが整備され、快適な生活環境を提供しています。
ライフライン:安定した供給
- 電力: 北海道電力
- ガス: 北海道ガス(北ガス)
教育:学びと成長を育む環境
石狩市は、幼児教育から高等教育、そして生涯学習まで、様々な教育機関が充実しており、子どもたちの成長をサポートしています。
小学校:未来を担う子どもたちの学び舎
- 石狩市立石狩八幡小学校
- 石狩市立生振小学校
- 石狩市立紅南小学校
- 石狩市立花川小学校
- 石狩市立花川南小学校
- 石狩市立南線小学校
- 石狩市立双葉小学校
- 石狩市立緑苑台小学校
中学校:進路選択を支える教育
- 石狩市立石狩中学校
- 石狩市立樽川中学校
- 石狩市立花川中学校
- 石狩市立花川南中学校
- 石狩市立花川北中学校
- 石狩市立浜益中学校
高等学校:個性と才能を伸ばす場
- 北海道石狩翔陽高等学校
- 北海道石狩南高等学校
大学:高等教育機関
- 藤女子大学花川キャンパス(人間生活学部)
交通:アクセスと都市開発
石狩市は、札幌市へのアクセスが良好で、石狩湾新港の開発とともに交通網の整備が進んでいます。
鉄道:札幌市へのアクセス手段
石狩市には鉄道は通っていませんが、札幌市営地下鉄やJR北海道の駅へのアクセスはバスや自家用車を利用できます。
都市索道構想:新たな交通手段の検討
石狩市では、札幌市へのアクセス向上を図るため、都市索道(都市型ロープウェイ)の導入を検討しています。
バス:公共交通機関としての役割
- 北海道中央バス
- 沿岸バス
- 石狩市が運行するバス
タクシー:移動手段としての選択肢
- 札幌交通圏エリア
- エスケータクシー事業協同組合
- ダイコク交通
- 新厚ハイヤー
道路:道路網の整備
- 国道231号
- 国道337号
- 国道451号
港湾:物流の拠点
- 石狩湾新港
- 石狩港
- 厚田漁港
- 浜益漁港
観光:豊かな自然と文化に触れる
石狩市は、雄大な自然と歴史文化が調和した、魅力的な観光地です。
文化財:歴史を物語る貴重な遺産
- 国指定
- 史跡:荘内藩ハママシケ陣屋跡
- 名勝:ピリカノカ(黄金山)
- 道指定
- 石狩弁天社の鮫様(妙亀・法鮫大明神像)
- 金龍寺の鮫様(龍神・妙亀菩薩・鮫神像)
- 市指定
- 石狩弁天社
- 旧カクニ長野商店
- はまます郷土資料館
- 金子家文書
- 石狩八幡町遺跡ワッカオイ地点第20号墓出土の土器9個
- チョウザメの剥製
観光スポット:自然と歴史を楽しむ
- 温泉: 番屋の湯
- 自然: 千本ナラ、厚田公園、戸田記念墓地公園、青葉公園、川の博物館、ルーラン海岸、岡島洞窟遺跡、雄冬岬、白銀の滝、石狩展望台、マクンベツ湿原、石狩紅葉山49号遺跡
- 歴史: 石狩弁天社、旧カクニ長野商店、はまます郷土資料館、覚王山立江寺
祭事・催事:地域を盛り上げるイベント
- 石狩さけまつり: 9月下旬に開催される、石狩市の伝統的な祭り。
文化・名物:豊かな食文化と伝統
石狩市は、豊かな自然に恵まれた土地柄を生かした食文化と、伝統を守りながら新しい文化を創造する街です。
名産・特産:石狩市の味覚
- 石狩鍋: サケを使用した鍋料理。
- どらやき・中華まんじゅう: 浜益区名物のふじみやの特大サイズの焼き菓子。
- サーモンパイ: 花川地区の銘菓ボンヌールの焼き菓子。
- サケ: 石狩川で獲れる新鮮なサケ。
- ニシン: 昔ながらの石狩の味覚。
- シャコ: 石狩湾で獲れる新鮮なシャコ。
- ルッツ: ユムシの地方名。冬の珍味として食用にされる。
- 浜益牛: 浜益区で生産されるブランド肉牛。
- 望来豚: 厚田区嶺泊地区で生産されるブランドブタ。
- 札幌大球キャベツ: 厚田区望来地区で生産される最大級の大きさを誇るキャベツ。
- 厚田メロン: 厚田区で生産されるブランドメロン。
スポーツ:地域を盛り上げるスポーツチーム
- 石狩レッドフェニックス: 北海道フロンティアリーグに所属する野球チーム。
出身・関連著名人:石狩市ゆかりの人々
石狩市には、様々な分野で活躍する著名人が数多くいます。
出身著名人:石狩市から羽ばたいた人々
- 小林武(政治家)
- 子母沢寛(小説家)
- 泉健太(政治家)
- 山本夜羽音(漫画家)
- よよか(音楽家)
- 石井謙伍(サッカー選手)
- 石橋貴俊(元プロバスケットボール選手)
- 澤田京介(プロボクサー)
- タイチ(プロレスラー)
- 田代将太郎(プロ野球選手)
- 佐藤幸椰(スキージャンプ選手)
- 附田雄剛(フリースタイルスキー・モーグル選手)
- 中井祐樹(ブラジリアン柔術家)
- 錦風真悟(元大相撲力士)
- 緑嶋英三(元大相撲力士)
- 吉葉山潤之輔(大相撲力士)
- あべみほ(タレント)
- 金子大地(俳優)
- 工藤舞(タレント)
- 平間壮一(俳優)
ゆかりのある人物:石狩市にゆかりのある人々
- 天川恵三郎(アイヌ民族活動家)
- 井上伝蔵(秩父事件の中心人物)
- 戸田城聖(創価学会第二代会長)
- 三岸好太郎(洋画家)
- 松坂有祐(実業家)
石狩市を舞台とした作品:文学や映画で描かれた石狩市
石狩市は、文学や映画の舞台として、数多くの作品に登場しています。
小説:石狩市を舞台にした文学作品
- 石狩川 / 本庄陸男
- 石狩平野 / 船山馨
- 石狩川 北の殺意 / 梓林太郎
- 石狩川殺人事件 / 西村京太郎
映画ロケ:映画の舞台となった石狩市
- 『大地の侍』(1956年)
- 『喜びも悲しみも幾歳月』(1957年)
- 『あの波の果てまで』(1961年)
- 『あした逢う人』(1962年)
- 『とべない沈黙』(1966年)
- 『こんにちはハーネス』(1983年)
- 『ホームシック』(2000年)
- 『man-hole』(2001年)
- 『river』(2003年)
- 『天国の本屋〜恋火』(2004年)
- 『ヒッチハイク』(2004年)
- 『新しい風 / フロンティア・ドリーム』(2004年)
- 『最終兵器彼女』(2006年)
- 『ハルフウェイ』(2009年)
まとめ:石狩市の魅力
石狩市は、豊かな自然、歴史、文化、そして活気あふれる港町として、様々な魅力が詰まった都市です。札幌市のベッドタウンとしての役割と、石狩湾新港を中心とした工業都市としての側面を併せ持ちながら、未来に向けて発展を続ける街です。
石狩市についてのクイズ
石狩市の地名の由来は何に根ざしているとされていますか?
石狩市の名前は、アイヌ語に由来しています。アイヌ語における「イ・シカラ・ペッ」や「イシ・カラ」などの解釈があり、いずれも石狩川の特徴を捉えたものです。この地域にはアイヌ民族の文化が深く根ざしており、地域の地名や川の名前にその影響が色濃く現れています。特に、石狩川は大きな河川であり、アイヌ民族にとって重要な資源であり、生態系の豊かさを象徴する存在です。そのため、石狩市という名称には、アイヌ文化と自然との密接な関係が反映されていると言えるでしょう。石狩市は、歴史的にも多様な文化が交錯する場所であり、この地名の由来もその一端を物語っています。
石狩市の気候はどのような特徴がありますか?
石狩市は海洋性気候に属し、冬は比較的温暖な特徴があります。これは対馬海流の影響により、札幌市中心部よりも冷え込むことが少ないためで、特に厳冬の時期でも−10℃以下になることはあまりありません。ただし、北西からの季節風が日本海を越えて吹きつけるため、積雪が多い地域でもあります。石狩湾小低気圧が発生すると猛烈な吹雪となることもあり、そのため冬季の気候は一概に穏やかとは言えませんが、温暖さが強調されるのは大きな特徴です。このように、石狩市は特有の気候条件のもとで育まれた自然や生活文化が形成されています。
石狩市の最高峰はどの山ですか?
石狩市の最高峰は群別岳(1376.27 m)です。石狩市自体は多様な地形を持ち、雄大な自然に恵まれています。群別岳は信仰の対象にもなっているほか、登山やハイキングを楽しむ人々にとっても人気のスポットです。この山は、周辺の美しい自然景観と共に、石狩市の地域の象徴的存在として多くの訪問者を魅了しています。その他にも浜益岳や雄冬山といった山々も存在し、それぞれが地元の人々や観光客に親しまれています。特に山々は、四季折々の風景を楽しめるため、自然愛好家にもおすすめの場所です。
石狩市の主要な交通手段には何がありますか?
石狩市には鉄道が通っていませんが、バスが主要な公共交通機関として利用されています。市内を運行するバスはさまざまなルートがあり、札幌市営地下鉄やJR北海道の駅へのアクセスも提供しています。また、免許を持っている方には自家用車も重要な移動手段となります。さらに、石狩市では都市索道(ロープウェイ)を導入する構想もあり、今後の交通網の拡充が期待されています。また、タクシーも利用可能ですが、全体的にはバスが市民の足として欠かせない存在となっています。
石狩市に拠点を置く主な企業の一つはどれですか?
石狩市に拠点を置く主な企業の一つは、YKK AP 北海道工場です。YKKは、ファスナーや建材などを製造している日本の大手企業で、石狩市内に新しい工場を設置し、地域産業や雇用の創出に貢献しています。この他にも、石狩市にはさくらインターネットのデータセンターや、株式会社あらたの道央支店など、様々な業種の企業が進出しており、地域経済の発展を支えています。また、石狩湾新港の開発が進む中で、工業団地への企業誘致も期待され、今後のさらなる成長が見込まれています。